「出口何処かな…」
暗闇の中、懐中電灯の灯りを頼りに、暗い地下道を進む光莉。そして曲がり角を曲がった時…懐中電灯の灯りが、得体の知れない恐ろしいモノを映し出した。
「んぎゃあ!?」
「うわぁあ!?」
光莉が悲鳴を上げると同時に、その存在も大声を上げた。
「光莉君!?」
「!?」
聞き覚えのある自分の名を呼ぶ声に、光莉は冷静さを取り戻した。
「灯莉…」
それは灯莉であった。よく見ると、啓介、悟、桃華、理亜も居た。
「じゃあさっきのは…」
「俺だよ、俺!」
得たしの知れない恐ろしいモノは、慎太郎であった。
「無事だったんだね、光莉君」
灯莉が安堵の声を漏らす。
「うん…奇跡的に無傷だった…」
「あの高さから落ちて…上手く受け身と取れたのか?」
理亜が尋ねる。
「どうだろう…気絶していたから、よく分からない」
「ねえもう、此処から出ようよ。怖いよ…」
悟が怯える様に言う。
「そうだね…」
光莉は一瞬、さっきの壁画の事を言おうか考えたが、此処を出るのが優先だと考えて、後で告げる事にした。
「そうだ光莉君! 下山出来る方法が見つかったよ!」
「えっ? 本当!?」
桃華の言葉に、光莉は驚く。自分が居ない間に、何時の間にか下山方法を見つけていたからだ。
「それで、どうやって?」
光莉の質問に答えたのは、気まずそうな啓介だった。
「いやそれがな…実は俺、カバンにタブレット入れてたのを、忘れていたんだ…それでGPS使えば、簡単に下山出来たんだ…」
「……最初に言いなよ! そんなの持ってきているなら!」
数秒遅れて、光莉がツッコミを入れる。
「俺らも同じツッコミを入れたぞ」
慎太郎が告げる。
「…まあ良いや…それならすぐに下山しよう。尤も更に遅れたのは、僕が落ちたからだけどね…」
光莉は最後の方、気まずそうに言うと、メンバーから笑い声が上がった。そして一同は元来た道を辿り、地下道から脱出する。
※ ※
地下道から出て、屋敷の外に出ると、既に夕暮れ時であった。光莉達は急いで下山をするが、あっという間に日没になってしまった。
「あ~あ…此れじゃあ宿泊先の夕飯に間に合わないぞ!」
夜になった街の海岸沿いを歩きながら、慎太郎がメンバーに言う。
「どっかのコンビニで、ご飯でも買っていこうか?」
「僕も悟に賛成!」
悟のアイディアに、桃華が賛同する。
「そうだとしても、先ずは先生に連絡を入れないと…もしかしたら、警察に捜索願を出しているかも知れない」
理亜がそう考えて告げる。
「スマホが無いから、公衆電話でも探すか…? あっ、それ以前に宿泊先の電話番号、知らないぞ…」
啓介が思い出して言う。
「…それじゃあ連絡の取れようが無いよ…ねえ光莉君。…光莉君?」
灯莉が、最後尾を歩いていた光莉に声をかけるが、光莉から返事が無い。振り返ってみると、光莉は海の方を見て立ち止まっていた。
「どうしたの、光莉君?」
灯莉が光莉の横に立って、声をかける。
「…何か…呼ばれた様な気がして…!」
光莉はポケットの中に、温かみを感じて取り出してみた。それは地下で見つけた勾玉であった。勾玉は淡い光を放っている。
「何それ?」
「あの地下で見つけたんだ。灯莉達と合流する前に…」
「光ってるね…」
「どうした?」
慎太郎達も、二人が何をしているか気になって戻ってきた。
「何だよソレ?」
「それ…勾玉…だったか? 以前テレビか本で見た様な…」
理亜が光莉の勾玉を見て呟いた。
「!!!!!!」
すると光莉が、夜の海を見て目を見開いた。それと同時に、海面が激しく荒れた。
「な、何だ!? 爆発か!?」
啓介が海面を見て驚く。そして…
ザバァアアアアア!!!!!
爆音の様な水柱と共に、ソレは現れた。
鋭い牙と爪を持ち、強靭な腕や足と備えた、巨大な甲羅を持つ存在。
「ガァアアア!!!!」
その存在は夜の海に、雄叫びを上げた。
「……」
突然の事に言葉を失う六人。そんな中光莉だけ、静かに呟いた。
「ガメラ…」
遂にガメラ登場!