平安の世にて最悪最恐の名を欲しいがままにした伝説の呪術師
【両面宿儺】
彼と対峙できる人物は有史以来数えられるほどしかいないだろう
その内の一人と言われているのが平成の時代には資料が少ないため、詳細は知らされていないが確かに実在した証拠が今も残り続ける人物
【鈴木 悟】
千の術式を持つと呼ばれた彼は呪いの何を見ていたのか
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『ヘロヘロがログアウトしました。』
モモンガはユグドラシルのサービス最終日、仲間たちと作り上げたナザリックにて最後の来訪者を見送った。
「何でそんな簡単に捨てられるんだよ!!」
叩きつけたテーブルに0ダメージを示すエフェクトが入る。
「みんなで作り上げたナザリックじゃないか、、」
しかし、その怒りも理性により抑えられる。どんな人にもリアルがある。ただそちらを選んだだけのことだった。自分の我儘を通すこともできない。
ピコッといった何かのコマンドが作動した音が耳に入った。
「ん?……これは」
目の前に現れたディスプレイにはナザリックに存在する警報システムの一つが侵入者の存在を示していた。場所は
「いつ侵入者が入ってきた?」
正規の侵入者なら第一階層から順に攻めていくはずだが、その侵入者はいきなりナザリックの深層に潜り込んできていた。
転移の魔法?
(ありえない)
ギルドメンバー?
(ログイン中の表示は誰もついてない)
ギルド長としていち早く敵対存在の排除を遂行したいところだが、今日はユグドラシルが終わる日。
「まぁ、いいか」
直接相手をするのも悪くないと考えたモモンガは
ギルド武器 スタッフオブアインズウールゴウン
を手にして目的地を定め、指輪の効果を発動した。
「最後の侵入者はどんなやつかな」
少しの好奇心を胸に抱きながらモモンガの姿がその場からかき消えた。
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着いた場所は見上げても計り知れないほどの高さに数えきれない量の本が収められた本棚があたり一面を支配していた。
早速、探知の魔法を使用しようとしたモモンガ
しかし、その行いはとある違和感によって中断される。
「ん?、、、何だ?この本は」
モモンガのまなこに映ったそれは重ねられた20ほどの[漫画]だった。
(ギルメンが残したものか?いや、こんな無造作に置かないだろ。アイテム?でもなさそうだし)
表紙には手に口のついた少年が平をこちらに見せている。
題名は「呪術廻戦」
探知の魔法を発動して異常がないことを確認したのち、モモンガはその漫画を手に取った。
「21世紀の物か、、、古いな」
敵が強襲を仕掛けるための罠?こちらの注意を逸らすための囮?様々な可能性が考えられる中だがモモンガは第1巻、その表紙をめくった。
1冊、2冊、3冊と静かに読み進める。
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「はっ!」
気づいたときには長い時間が経っていた。
(時間は?)
幸いにもまだ終了までの時間は10分ほど残っていた。
安堵の後
「結局、誰も来なかったか」
大方諦めていた気持ちであったが現実として叩きつけられるとモモンガは哀愁の念を感じざる負えなかった。
「最後には花火でもあげるか」
目的を決めれば行動に移す時間はさほど長くなく、モモンガは一瞬にしてナザリックの入り口付近に到着した。
着火から発射までの時間、モモンガは過去に栄華を極めた自分たちのギルドの思い出を浮かべていた。
(たっち みーさんは心強い人だったなぁ)
00.01.01
(ウルベルトさんがよく喧嘩してたっけな)
00.00.49
(ペロロンチーノさんとぶくぶく茶釜さんは仲良くしてるのかな)
00.00.32
(他のみんなも今はどうしているんだろう)
00.00.20
(今からでも戻ってきてくださいよ)
00.00.14
(、、、)
00.00.06
(楽しかった)
00.00.05
00.00.04
00.00.03
00.00.02
00.00.01
「そうだ、、、楽しかったんだ」
「でも、、、」
「もう終わりか」
「……はぁ」
「『もっとみんなと遊んでいたかったなぁ…』」
00.00.00
同刻、打ち上げられた花火が爆発した閃光と共にモモンガもとい鈴木悟は目を閉じた。
この物語に終止符を打つが如くアインズウールゴウンの最後を彼は見届けた。
00.00.01
00.00.02
00.00.03…………
ソフトが終了しないことに違和感を覚えたモモンガはその双眸を開いた。否、まぶたが消滅したような感覚といった方が正しいのだろうか。瞼を上げる動作をする間もなく視界内に光が入ってきたのだ。
辺りを見回せばそこは広がる限りの木々、それほど高くはないそれらは整列をするようにまっすぐ規則正しく育っていたことから人の手が加えられているのだろう。地面も土が平らにされ通りやすいように整えられていた。通路の先を見れば日本古風の様式の館が立っていた。
「誰だ………汝は」
後方から声がかかる。
振り返ればそこには二人の人物。
一人は小柄な背丈に白い髪を持つ男性とも女性とも考えられる容貌。
もう一人は腕が四本、腹にもう一つの口、半分が変形した顔を持つ異形の怪物であった。
二人とも和装を羽織り魁偉とした佇まいである。
少しの間の後、白髪が口を開いた。
「宿儺様のご質問だぞ!さっさと奏せ!」
最愛の人でも侮辱されたかのように先ほどの落ち着いた表情を崩して大声を上げた。
しかし、モモンガはその大声にも反応を示せないほどに混乱していたのだった。
「宿儺…………だと」
彼にとっては先ほどの正体不明の漫画に登場したキャラクター
主人公 虎杖悠二に受肉したという呪いの王『両面宿儺』
今それが目の前にいる。
今、新たな鈴木悟の物語が廻り始めた。
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平成十八年四月一日
茨城県 支地山付近
黒塗りのカローラは音という概念が死んだかのような静寂の中、長い間補装が行き届いていないであろう罅割れた道路を走っていた。
「うわぁ、、ザ 田舎って感じになってきたな」
「悟、任務の難易度の割には余裕そうだね」
「エイプリルフールから任務入れんなよな、ホント」
「まぁ、私たち以外に対処できないなら仕方がないよ」
会話を交わすのは白髪の男と前髪を奇形な形にして束ねる男。どちらも高い身長を持ち、魁偉な体格で車内の後方に座っていた。
「そろそろ、目的地が近くなってきましたので改めて任務の概要をご説明します。」
カローラを運転する黒スーツの男が彼らの会話を遮るように話を始めた。
「今日より2週間前からこの支地山近くの村や街に怪物が現れるようになりました。式神か呪霊かはまだ特定できていません。特徴的なのが非術師にもこの怪物が視認できて干渉できるということです。」
「へぇ、珍しいじゃん」
「幸い、村などに出てくる怪物は低級な物で一般人でもなんとか対処できなくないものだったのですが、支地山の頂上に近くなるほどその怪物たちの等級も上がっていくようです。地元の伝承などを調べてみるとそれらしい原因が見つかりました」
「それは?」
「鈴木悟、、、という古の呪術師をご存知ですか?」
「誰それ?」
「……悟、知らないのかい?」
「さっぱり」
「私から説明させていただきます。鈴木悟というのは平安の世、あの両面宿儺が猛威を振るっていた時代ですね。その時代に存在したと言われる呪術師です。千の術式を持つなどと言われ、宿儺と並ぶ呪術師と言われているはずなのですが、、、、」
「何?」
「資料が少なすぎるんだよ」
「そうなんです。呪術界に現存する書物などからも彼、、もしかしたら彼女なのかもしれませんが、情報が全くと言っていいほど出てこないんですよ。どんな容姿か、どんなことをしたのか、、、」
「暴れ出したの?」
「この支地山には古くから妖怪が出ると噂されていました。村人が神山として崇めていたからでしょうか。鈴木悟がこの山に祀られている可能性が高い。そしておそらくその遺物が暴走を始めている」
「その鈴木悟の呪物を取ってこいと?」
「目的は異常の排除ですから破壊も認められていますが危険な任務です。特級クラスは確実かと」
「そもそも何で今頃に分かったんだよ」
「今まで息を潜めていたことも大きいですが、この一帯は川が通って連絡が取りづらい場所ですからね。ここまでくる途中に大きな橋がありましたでしょう?あれも2年前にできたばかりなんですよ」
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「住民の避難は完了していますので気になさらず。少ししたら帳を下ろします。どうかご武運を」
祈念の言葉を後に窓の男は指定の合流地点へと向かっていった。
「さてと、どうする?悟」
「行くしかないでしょ、いちいち聞くなよ」
「つれないなぁ」
自身の呪力探知力を頼りに大体の目的地を決める二人、舗装などされていない野道を歩いていた。
入山して10分が経とうとした時、五条、夏油二人の足が止まった。
「あれか」
視界内外に計15体の骸骨、弓や剣などをただ持つだけというお粗末な武装。人の骨がただ意思のないように蠢いているようにも見えるその集に二人が脅威を感じるはずもなかった。
二人のそれぞれの打撃に容易く砕け散る骸骨たちは瞬く間に残骸へと成り果てた。
「この程度だけなら楽勝だね」
「何それ、死亡フラグ?」
「だけならね。調査だと頂上に向かうほど強くなるんだ。手早く行こう」
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〜支地山頂上〜
五条と夏油が山に入りしばらく経った頃
小さな木造の祠が内部から輝きを増していた。
禍々しくおどろおどろしくも赤く光り輝くその宝玉は次第に黒い靄を生み出しとある人型の形を作り上げる。
森に侵入してきた異物の存在
その排除を確実に行うため、低レベルのモンスターのポップ率を制限してその余剰呪力を一点に集める。祠にある宝玉に内包された意思とは無関係に行われるフルオートの迎撃システム。
形を整え終わった靄を切り払いその姿を現世に降臨させた。
溢れんばかりの負の気配はその異形を取り巻き、何物も寄せ付けない圧倒感を辺りに撒き散らしていた。その異形が求める対象は山に侵入した人間二人。
そのギラギラとした双眸である方角を見つめ、異形は進み始めた。
どれが良いですか?
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オーバーロード・クロノスマスター
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ドゥームロード
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グリムリーパータナトス
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エターナル・デス