気がつけば、お気に入り登録者数100人越え。登録してくださった皆さん、本当に、ありがとうございます。
さて、今回はまあ、書きたかっただけ、という面が強いです。
よって、だいぶ急展開というか無理やりというか、そんな感じが否めませんが、ご了承ください。
それでは、どうぞ!
数時間後。
やけに時間がかかったなと思えば、耶倶矢と夕弦が作ってきたのは、どこの国のものともしれないフルコースだった。
「は、はあっ!?」
流石に驚きを隠せない俺。
時間がかかるから先にやらせてほしい、なんて言うから待っていたんだけど……。
「かかか!どうした七海よ。先程の威勢は何処へいったというのだ?」
いやいや、あんな感じだったから出来ないのかなあとか思ってたら、見るだけで美味しいというのが分かるほどのもの作ってくるんだぞ?驚くっての。
前の世界じゃわからなかったもんなあ……。お金的な事情で、本以外はあまり買い揃えれなかったし。
「不敵。さあどうです?これを見ても、まだ自分の方が上手いと言えますか?」
正直に言おう。
「すまん。俺の負けだわ、これ」
もう、やる前から決まってるよね。うん。
「くく……であろうな。なんせ夕弦がいたのだ。勝敗は最初から決まっておった」
「否定。夕弦というより、耶倶矢がいたのが大きいと思いますが」
「む、そんなことは無かろう。我よりも夕弦の方が……」
「否認。そんなことはありません」
あれ?既視感が……。夕方も同じようなやりとりを見た気がするぞ。
「ま、ほら、食べちゃおうぜ。俺の負けは決まったんだし、それでいいだろ?」
俺が作ったわけではないけど。
早く食べてみたいのは本当だし、二人だって腹減ってるだろう。
「ふむ、それもそうであるな」
「催促。それでは、どうぞ召し上がれ」
「おう、いただきます」
言いつつ、合掌。
既にテーブルに並べてあるので、早く食べるとしよう。
そして、どれから手を付けようかと思っていたところ……。
「制止。七海、ちょっといいですか?」
同じようにテーブルに座っていた夕弦に、声をかけられた。
「どうしたんだ?」
「要求。ちょっと、やってみたいことがあるのですが」
やってみたいこと?
「なんだ?俺に出来ることなら、なんでもするぞ?」
言うと、やや安堵したような表情になる夕弦。
なんなんだ、一体。
「確認。言いましたね?何でもしてくれるんですね?」
「お、おう……」
近い。わざわざ身を乗り出さんでもいい。
ふと耶倶矢に目を向けると、きょとんとした顔をしていた。
「開始。それでは……」
すると、夕弦は、料理を一口分ほどすくって、それをこちらの顔に突き出してきた。
「催促。あーん」
……えーっと。
「ちょ、夕弦、何してんの!?」
「回答。何って、あーん、ですが?何か問題でも?」
「い、いや、問題というか、何と言うか……」
最初は威勢の良かった耶倶矢も、一瞬で大人しくなった。
いやまあ、確かに。別段問題があるわけではないんだけどもさ。
その、何と言うか、なんとも言えないというか。
「……こういうの、どこで知ったんだ?」
とりあえず、訊いてみる。
「返答。どこ、と言われましても。まあ、知っていました」
こ、答えになってねえ……!
「早急。ほら、急いでください。落ちてしまいます」
言ってさらに突き出したので、意を決することにした。
「あ、あーん……」
咥えて、抜かれる。
そうして咀嚼し、飲み込む。
「ん、ありがと」
こういう時になんて言えばいいのか分からないので、とりあえず礼を。
そして、気付いた。
「あ、俺が口付けてしまったな……。悪い。俺のと交換するか?」
「無用。大丈夫です。夕弦はあまり気にしませんので」
言いつつも、俺にはバレてる。
今、夕弦の顔がやや赤くなっていることに。ま、指摘はしないけどさ。可愛いし。
そうしていると、今度はやや斜め方向から何か突き出された。
それはそのまま、俺の頬を直撃した。
「うぇっ!?」
慌てて顔を引いて見てみれば、耶倶矢が微妙に脹れた顔で(実際はそうでもないけど、比喩表現)こちらを睨むように見ていた。
何、今度は何なの?
「な、七海!」
「はい!」
なんか必死の形相というか声色だったので、叫ぶように返事をしてしまった俺。
しかし、耶倶矢はそれに何か言うでもなく。
「あ、あーん……!」
そして再度突き出された料理の一部。
……、あ、成程。
「まさか、嫉妬してんのか?」
「べ、別に嫉妬なんかしてないし!ほら、その、気分でやってみたくなっただけだし!文句ある!?」
俺が言うと、怒ったように捲くし立てる耶倶矢。
「ほら、早く!」
ん!、と突き出された料理を見て、俺はそれを咥えた。
ほどなく抜かれると、どこか、やり切った、という風な感じの耶倶矢が。
えっと、交換するのか……?
「再度。七海、もう一度、あーん」
しかし、夕弦から再び催促が。
もう、どうとでもなれというように、俺はそちらを向き直る。
「あ!ず、ずるい!」
「否定。別にずるくなんてありません。耶倶矢が何もしないだけではありませんか」
言われて唸る耶倶矢。
しかし、すぐに料理をすくい、また突き出してきた。
「ほら七海!あーん!」
「対抗。あーん」
…………お、俺にどうしろと!?
「うぷ……」
く、食いすぎた……。
あれからさらにヒートアップし、結局料理の殆どを食う羽目になった。
美味しかった。すっごい美味しかった。けど、多すぎた。
一応、二人も食べていたけど、明らかに俺の方が多い。
そんな俺らは今、リビングにて寛ぎ中だ。
ということで、俺は気になることを訊いてみることにした。
「そういや二人とも」
「ぬ、どうした」
「返答。何でしょう?」
呼べば、向かいのソファに座ってテレビを見ていた二人から返事が返ってきた。
「いや、なんであんなに上手い料理作れんのに、自信なさげだったんだ?」
俺と勝負する前、あんなに自力で作ろうとするの、拒んでいたのに。
ちょっと不思議に思ってはいたのだ。
「ふむ、そうだな……笑わぬと誓えるか?」
「?別にいいけど……?」
笑う……?どうしてだ?
「暴露。正直に申しまして、嫌われたくなかったのです」
「はあ?」
嫌われたくなかった………?
どういうことだよ?
「先刻、七海は料理が出来ると言ったであろう?」
「あー……言ったっけな、そんなこと」
いつだろ?昼飯の時かな?
「言ったのだ。それで、もし七海が料理が上手いなら、私達の料理で満足してくれるかな、って……」
「それで、心配になったと」
こくん、と肯く耶倶矢。気がつけば、素に戻ってる。
「心配。七海は、夕弦達の料理に不満はありませんでしたか?」
「あるわけないだろ。あんな美味しいもん、どこに文句つければいいんだ」
「思考。……時間がかかること、とかでしょうか?」
わざわざ律儀に答えてくれなくてもいいぞ?
俺は、はあ、と吐息を漏らす。
「あのな?耶倶矢、夕弦」
俺は、話す。
「俺なんかよりも、お前らの方が料理は上手いだろう」
だけどな?
「たとえ、料理が下手だったとしたも、俺はお前らを嫌ったりはしない。絶対にだ」
いいか?
「俺は、お前らの全てが好きだ。大好きだ。愛してると言ってもいい」
二人を見据えて、言葉を続ける。
「俺は、お前らとずっと一緒にいたい。傍にいたい。見続けたい。欲を言えば、全てが欲しい」
重いと思われるかもしれないな。こりゃ。
「俺がお前らを嫌うなんて有り得ない。むしろ、」
むしろ、
「俺こそ、お前らに嫌われたくないんだ」
だが、だけど、だからこそ、
「俺はお前らのことが大好きだ。だが、俺は力がない。だけど、嫌いにならないでほしい。だからこそ、俺はずっと一緒にいる」
さあ、締めようか。長くなりすぎだ。
「これからも、俺といてくれないか?耶倶矢、夕弦」
言い終え、二人を見つめる。
俺の視線の先、耶倶矢と夕弦は、最初の方こそポカンとしていたものの、徐々にその顔を赤くしていった。
といっても、夕弦の方は分かりにくいがな。
どうやら、二人で小さく話してるみたいだけど、何話してんだろ?
「なんで、唐突に言うのよ……。こっちだって、心の準備とかあったのに」
「羞恥。面と向かって言われると、恥ずかしいですね……」
「ほんと、どうしようか」
「思考。どうしましょうか」
うーんと呻りだした二人。なんだ、どうした?
先に動いたのは、夕弦の方だった。
彼女は、こちらに回り込みつつ、
「呼掛。七海」
「なんだ?」
顔が赤くならないよう努めつつ、平凡を装う俺。成功してるかどうかは知らん。
「告白。夕弦も、七海のことが好きです。大好きです」
だから、と夕弦は続けた。
「夕弦こそ、ずっと一緒にいさせてください」
言うと、抱きついてきた。
「……ああ、勿論。こちらこそ」
俺はそれを、淡く抱き返す。
すると夕弦は、後ろに目を向け、言った。
「催促。さ、夕弦は言いました。次は耶倶矢の番です」
未だ抱きついたまま、そう言う夕弦。
言われた当の耶倶矢は、
「……七海」
「どうした?」
耶倶矢は、決意の顔で、問うてきた。
「本当に、嫌いにならない?」
「ああ」
「ずっと、一緒?」
「勿論」
「……七海」
耶倶矢は、夕弦の反対側に来つつ、言った。
「私も、大好き」
同じように、抱きついてきたから、同じように返してやる。
でも、それからは、流石に予想外だった。
なんせ、
「…………!!」
二人の顔が一瞬で目の前にあると思えば、唇に柔らかくて温かい、そんな感覚が。
えっと、えっとえっとえっとえっと……!?
俺が硬直していると、二人は身を離し、
「く、くく……我らの最初と2回目を奪った責任、その身をもって果たすがよいぞ」
はい?その、最初?
「指摘。どちらかというと、奪ったのは夕弦達の方ですが」
「かか、これは戒め。今申した言葉を違わぬよう、その身に刻んだ永遠の証ぞ!」
夕弦の言葉を無視して続ける耶倶矢。
そうか、戒めか。
察するに、今のは2回目だけど、最初のキスも俺としてるのか。
……いつ?
そして、俺は、目の前の二人みたいに赤くなってるんだろうなと思いつつ、返した。
「これからも、ずっと、よろしくな。耶倶矢、夕弦」
そして、
「応ッ!」
「微笑。はい、よろしくお願いします」
前回のあとがきで書かせていただきました新ヒロイン候補。
皆様は誰を思い浮かべましたか?
まあ、今の時間軸で可能で、なるべくifに被らないようするには、と考えると、自然と絞られますけどね。
あ、一応言っておきますと、折紙ヒロイン化は、考えています。
しかし、学生の本分は勉強!とばかりに、今週テストがあったのに、再来週またテストなんですよね。面倒です。
よって、再来週あたりは更新がない可能性があります。ご容赦ください。
さて、本文についてですが。
まあ、あまり深く言わないでください。ホント、ノリとテンションだけで書いたので、特に最後のほうは滅茶苦茶になってる可能性が……
こんなでも次回を読みたいと思っている読者がいることを願うばかりです。
それでは、次回も読んでいただけることを願いつつ、ここらで終わりとさせていただきます。
そろそろifとポケモン更新しないと……