デート・ア・ライブ  ~転生者の物語~   作:息吹

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 久々の更新となります。

 学校の定期考査やら学校であった模試やらの影響で遅れました。すみません。
 ようやく映画編デート回に突入です。
 それぞれのヒロイン精霊の数分ですので、あと3回ですかね。

 ただ、大分要約というか、省いてしまっているので、文章量として少ないです。今回も、実際のデート分は3000を満たしてないですし……。
 もはや忘れかけているのです。
 あ、あともう一つ、先に言っておくべきことが。
 今回、耶倶矢の口調がデート内容並みに迷走しています。先に断っておきます。
 
 それでは、どうぞ。


第65話

 二日後。

 どうしよう、普通に体調が戻らないんだけど。

 あれかな、季節の変わり目だからーとか、天央祭で無理しすぎたからーとか、そんな理由なんだろうけど。ちょっと長引きすぎじゃないですかね。天央祭なんて、もう大分前だぞ。

 まあ、無理さえしなければなんとかなる。はず。

 折角のデートなんだし、辛そうな表情を見せるわけにもいかないしな。

 さて、そろそろ約束の時間の十分前位か。

「七海ー!」

 時計が示す時間を確認し終えると同時に、俺の名前を呼ぶ声がした。

 今日のデート相手、耶倶矢の声だ。

「ごめん、待った?」

「いんや、それほど待ってない」

 俺が何分前からいたかはご想像にお任せするとして。

 しかし、

「耶倶矢、その格好は……?」

 一言。イタい。

 黒のゴシック調、とでも言えばいいのかな。胸元のリボンが目を惹く服装だ。

 しかもブーツだし、トートも黒だし、何て言うか、『らしい』なあ。

「えと、その、似合ってない……かな?」

「まさか。お前らしくて良いんじゃないか? 俺は可愛いと思うぞ」

「! そ、そう。それなら良かった」

 えへへとはにかむ耶倶矢。

 うん、可愛い。叫んでもいいかな。自重します。

「七海も、そのペンダント、着けてきてくれたんだ」

「ん? ああ、これな」

 俺はそう言って、胸元のペンダントを手に取る。

「お前らからの誕生日プレゼントだし、個人的にも気に入っているからな。惜しむらくは、学校には着けて行けないことぐらいか」

 流石に校則上、無理だろう。

 もし着けていったとして、やっぱり駄目でしたーはい没収ー、とかなったら嫌だし。

「そういや、今日は素の方なんだな」

 ふと、気になったことを訊いてみた。

 いつもの耶倶矢って言えば、厨二表現なんだけど、今のところ全て素の方で会話していたからな。

 んーまあ、話しやすくていいけどね。

「いや、今日は別に、取り繕う相手がいる訳じゃないし、七海だけならいいかなって」

「……そ」

 それだけ、信頼を置かれていると受け取っていいのかね。

「それじゃあ立ち話もなんだし、そろそろ移動するか。今回はお前らのほうでプランを立てたんだろ?」

「うん、任せて!」

 耶倶矢はとても得意気な顔で、そう言った。

 

 今回俺はデートプランについて何も聞いていないので、必然的に耶倶矢に付いていくことになる。

 さっきの得意気な顔を見るに、ちゃんと計画立ててはいるようだが……。

 正確には、いた、と言い換えたほうがいいかもしれん。

「あ、あれ!? ここであってる筈なのに……」

 目的の場所にはなかなか辿り着かず……。

「えー、こっちの筈、うん。たぶん」

 謎の行き当たりばったり感に加え……。

「おっかしいな……。ちゃんと地図にはここって書いてあるのに」

 地図って言っちゃった。

 最終的に昼時に辿り着いた、本来とは違う飲食店で、っていうか、ラーメン店で昼飯とした俺ら。普通に美味かった。

 やっぱり、耶倶矢は耶倶矢というか、なんだろうな。

 どうやら耶倶矢は、この天宮市の観光パンフレットを基にして今回のデートプランを考えたらしい。

 しかし、それに載っている情報と実際の情報が違っていたから、色々迷走しているらしい。

 チラチラとカバンの中を覗いているから、少し見えた中身も踏まえて考えると、おそらくこんなところだろう。

 慌てるぐらいなら、むしろ堂々と出せばいいのに。

 性格上、そうもいかないか。

「なあ耶倶矢」

「っ! な、何?」

 慌てるな慌てるな。別に怒ってもないし、つまらないと思ってもないから。

「ちょっと、ここに寄ってもいいか?」

 俺がそうして示すのは、ゲームセンター。

 まあ、これ以上耶倶矢を迷走させるのも可哀想だし、ちょっとした助け舟気分。

「うん、別にいいけど……楽しくなかった?」

 あー、やっぱりそういう解釈をしちゃうか。

 気持ち的にマイナス思考に陥っている時は、誰かの行動一つ一つもネガティブに捉えてしまうってのは分かるんだが……。

 ……うん。

「まさか。ただちょっと、焦っているように見えたからさ。少し気分転換にでも、と思って」

 ここであえて、カバンの中を覗いてパンフを確認していたのに気付いてた、と告げる必要はないだろう。

 ただ、客観的にそう見えるぞ、というのは伝えたかったんだ。

「ん……、分かった」

「よし、じゃあちょっと遊んでいくか」

 そして、俺らは中へと入る。

 入った瞬間、ゲーセン独特の喧騒と、騒音とも言うようなゲーム音が俺らを包む。

 さてと、耶倶矢以上に楽しまないように、っていうのに気をつけないと、やっぱり楽しくなかったと思われそうだからな。そこそこに楽しむとするか。

 

 け、結局ゲーセンで時間を潰してしまった……。

 だが、後悔どころか反省もしてないんだぜ!

 とにかく。

 今は帰宅して、俺の(って言ってもいいよな?)家の前だ。

「悪かったな。結局最後まで付き合せちまって」

「ほんと、まさかこんな時間まで遊ぶとは思わなかった」

「だ、だから悪かったって」

 数秒後、二人して吹き出す。

 そしてしばし笑いあった後、耶倶矢が口を開く。

「……今日は、ごめん」

「? どうした?」

「惚けなくてもいいから」

「……バレてたか」

「そりゃあね」

 あー、俺は頭を掻く。

 どうやら、俺が気を遣ってゲーセンに誘ったことはバレていたらしい。

 あまり悟られないように、大分遠まわしに言ったつもりだったんだがな。

 やっぱり、気を遣わせたっていう自覚があったのかね。

「じゃ、俺からは感謝することにするよ」

「え?」

「ありがとな、耶倶矢。今日のデート、楽しかったよ」

「……っ!」

 頭を撫でながら、俺は笑いかけた。

 事実、楽しかったのは確かなんだ。いやまあ、こいつらといるだけで楽しい、というのは置いといて。

「情報源が古かったのかもしれねえな。また次の機会に、今度はお前がお勧めする店に連れてってくれよ」

「……うん、分かった」

 そうして、ゲーセンで俺が取った猫のぬいぐるみを抱きながら、耶倶矢は笑った。

「それじゃあ入りますか。今日はお礼に、お前が食べたいもの作ってやるよ」

「ほんと!? それじゃあ―――――」

 

 

 七海側デート、初日、終了。

 

 

 その日の夜、琴里に呼び出されて、俺はフラクシナスにいた。

 というのも、今日のデート結果によって、士道の言う透明の球体とやらがどう変化したのかを伝えるためらしい。

 夜まで待ってくれたのも、俺が暇になる時間に呼び出すためだとか。

 こっちのことを考えてくれてありがとうと言うべきか、少しは休ませてくれと言うべきか。

「―――――とまあ、やっぱり、耶倶矢の分の霊力反応が弱まったわ。あなたの推測通りよ」

「そうか」

 ふむ、嫉妬、というほど深い感情ではないのかもしれないが、その球体の謎を解く鍵として、精霊個人個人の感情が関与していたのは間違いないようだな。

「ん……ふぁ、あ……」

 ん、欠伸が。いつもの就寝時間に比べれば、まだまだ早い時間なのに。

 なんだろうな、これといって疲れることはしてない筈なのに、やけに体が重い。

 疲労……とも、ちょと違うような……?

「……み? 七海?」

「……っ。あ、ああ、悪い。ちょっとぼーっとしてた」

 危ない。何も考えていなかった。

 そのまま寝る勢いだったな、今の。

「大丈夫なの? 体調が悪いなら、そう言ってほしいのだけれど」

「問題ない。ちょっと天央際の疲れが長引いてんのかもな。休めば直る」

 はず。

 実際、それで今日まで直っていないからなんとも言えないんだが。

「確かに、張り切っていた、というよりも、色々任されていたものね。そうね。悪かったわ、呼び出してしまって。今日はもう休みなさい」

「ああ、そうするよ」

 また、欠伸を一つ零して、俺は転送装置を使って地上へと降りた。

  

 

 七海と耶倶矢が家に入るほんの数十秒前。

 二人を見つめる少女がいた。

 より正確に言うなら、最初から。

 彼女は何も言わず、ただ、彼らを見つめていた。

 耳元のイヤリングが、橙色へと変わった。




 なんとか一人目ー。

 素だけの耶倶矢というのも、それはそれで書きにくいものですね。
 やっぱり、厨二病の中に挟まれた、うっかりの素の方がいいです。
 ただ、どっちも可愛いとは思います。

 次回は美九とのデートです。
 映画通り、この作品における同じポジのあの娘が復活します。ただ、イラストが無いので、へー、としかなりませんね。

 それでは、次回も読んでいただけることを願いつつ、ここらで終わりとさせていただきます。

 ちなみに、主人公の体調不良はこれといった伏線ではありません。
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