ハリーポッターと善悪の子供 作:waw
光溢れるダイアゴン横丁から少し外れ、闇のみちる
ただでさえ光の少ないノクターン横丁の路地の奥の奥──何も無いはずのレンガの壁に向けて、老人は杖を軽く向ける。
「
出現呪文を唱えて軽く杖を振るうと、レンガの壁が風に揺られたカーテンのように揺らぎ、銀の残滓と共に古びた一つの店が現れる。木でできた戸を開けると、カラカラと安物の鈴が鳴り、多数の道具が乱雑に置かれた店の奥から一人の少年が顔を見せる。
「おや、こんばんはアルバス・ダンブルドア教授」
「ほっほっほっ、こんばんはレグルス・ブラック君」
店の奥から顔を見せたのは、見た目麗しい少年であった。艶やかな黒髪を短く切り揃え、月のように輝く黄金の瞳はアルバス・ダンブルドアを鋭く見据えていた。
「この店でどのような商品をお探しでしょうか?」
「…ふむ。レグルスや、君はホグワーツに入る気は無いのじゃったな?」
「またその要件ですか、教授殿。マクゴナガル教授にもお伝えした通り、俺はホグワーツに通うつもりはありませんよ」
少年は机の引き出しに乱雑にしまってあった手紙を引っ張り出して見せつつ、ダンブルドアに対して見せつけるように手紙の表面に大きくバツ印を付けて微笑む。
「分かっておるとも。君のような子にはあそこは少し窮屈であろうの。…では、こういうのはどうじゃ──」
ダンブルドアの告げた言葉にほんの少しだけ少年は驚いたように目を見開き、そして口元を三日月のように歪めて笑う。
「ふ、ふふふ…もちろんですとも。この店にあるものに善悪はございません。いずれの品物も使い方次第──」
そう言って慇懃に礼をして手紙を掲げると、バツ印が歪んで丸印へと変化する。それを見たダンブルドアが穏やかな笑みを浮かべる。
「では、よろしく頼むよ。レグルス」
「ええ、仕事は完璧にこなす主義ですので──もちろん、お代は言い値で頂きますが」
レグルスが笑顔で差し出した契約書にざっと目を通したダンブルドアは軽く頷き、サインと血印を押す。
「契約成立──今後ともご贔屓に」
「うむ。それではホグワーツでの、レグルス」
そう言って立ち去るダンブルドアに深々と礼をし、ダンブルドアが出て行った瞬間にレグルスは契約書をファイルに保存する。
注:この契約は両者の合意、または契約者の死亡を除くあらゆる状況において破棄は認められないものとする。
契約者:アルバス・パーシヴァル・ダンブルドア 印
Topic
レグルス・カドゥケウス・ブラックについて。
父親も母親も魔法使いだが、様々な要因によりブラック家の家系図から抹消されている。かの凶悪犯、シリウス・ブラックは叔父にあたる。
彼の作り出す魔法道具は、特殊で特別で──恐ろしい力を持っている。