クトゥルフ神話TRPGリプレイ風小説   作:水無月家

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『果てにて』 ~■■~

 

  ―― 現実 ――

 

 

KP「それでは戦闘に入ります。戦闘ルールはこうなります」

 

 

▼ 戦闘ルール

・ コードを教わった探索者は『コードを使用する』と宣言することで、指定されたコードをパソコンに打ち込むことができる。しかしこの長いコードを全て打ち込むには1Rを要する。その間、探索者は≪回避≫を振ることができない。

・ 男性は決して探索者をパソコンに近づけようとはしないため、パソコンに近づくには男性を気絶/死亡させるか、≪DEX*5≫のロールに成功する必要がある。

 

 

らいむ「オーケー、わかった! ぶっ飛ばしてやる!!」

 

 

 これまでの鬱憤を晴らすように少女が猛る。

 その気迫に圧されたのか、男はまず真っ先にらいむを狙った。

 

 

男 攻撃対象:1d3 (1D3) > 1(らいむ)

 

男 攻撃判定:CCB<=30 【杖】 (1D100<=30) > 6 > スペシャル

 

 

 運命の女神が男に微笑んだのか、放った一撃はとても鋭く、とても素人とは思えない速さでらいむに迫る。

 

 

KP「スペシャルが出ました! 回避のスペシャルじゃないと避けられないので注意してください!」

 

らいむ「なんでこんなところで出すの?! くそー、避けろ避けろ避けろ……(コロコロ)んあー!!!!」

 

 

らいむ CCB<=68 【回避】 (1D100<=68) > 88 > 失敗

 

 

らいむ「失敗したー! っていうかさっきも回避失敗したし、なんでよー!!」

 

 

男 ダメージ:1d6 (1D6) > 1

 

 

KP「ダメージは1点。らいむちゃんのHPを1減らしてください」

 

らいむ「カスダメで助かったけど、これ下手したら一発で気絶してたんじゃない?!」

 

 

[ 水無月らいむ ] HP : 11 → 10

 

 なんとか回避を試みたらいむだったが、男の振るった棒から完全に逃れることはできずダメージを負ってしまう。

 

 

表「こんな子供になんてことをするんだ!(コロコロ)あっ、失敗した」

 

らいむ「お兄さーん?!」

 

 

表 CCB<=65 【キック】 (1D100<=65) > 84 > 失敗

 

 表が男に攻撃するが、それも外れてしまう。ただの研究者かと思ったが意外と身軽だった。

 

 

KP「次はらいむちゃんです。どうしますか?」

 

らいむ「さっきの謎の声って私にも聞こえていました?」

 

KP「電話が繋がっていたので聞こえていたということでいいですよ」

 

らいむ「なるほどー」

 

 

らいむ「じゃあ私は、男に聞こえるように『おじさん、お兄さん! 私がコードを打ち込むからその間、あの男を押さえていて!!』と叫びます」

 

KP「え?」

 

 

 一瞬、フリーズするKP。

 

 

KP「あの、コードを憶えているのは矢部さんだけなので、らいむちゃんはコードを打ち込めないんですけど」

 

らいむ「大丈夫です、わかっています。やべーおじちゃんがコードを打ち込む隙を作るために私が囮になります」

 

矢部「らいむちゃん? やべーおじちゃんじゃなくて矢部のおじちゃんな?」

 

らいむ「というわけで! 男を信じ込ませるために【言いくるめ】で判定したいです。いいですか?」

 

KP「……大丈夫です。ダイスをどうぞ」

 

らいむ「よっしゃー! くらえ、犯人め! 私の渾身の【言いくるめ】だー!!!(コロコロ)」

 

 

 

 

 

らいむ CCB<=80 【言いくるめ】 (1D100<=80) > 2 > 決定的成功/スペシャル

 

 

 

 

 

らいむ「きたああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!(ガッツポーズ)」

 

KP「ええっ?! クリティカル?!」

 

矢部「うわ、マジか!」

 

 

 これまでの鬱憤を晴らすかのようなクリティカル。

 自称ファンブルとクリティカルの申し子が大一番で見事に成功させた。

 

 

KP「えー、それでは男は完全にらいむちゃんの言葉を信じ込んで……らいむちゃん以外は目に入らなくなりましたね。らいむちゃんに夢中です」

 

男「お前か! お前を止めれば!!」

 

矢部「この隙にコードを使用しようと思うんやけど……」

 

KP「本当だったら男が止めるんですが、そもそも眼中にないので……。矢部さんは自動成功、無事にPCに辿り着きました」

 

らいむ「うわー! 私の完璧なアシスト! すごいすごい!!」

 

矢部「いやあ、まさかここでクリティカルが出るとか思わんかったなぁ」

 

 

 らいむが男の目を釘付けにしている隙に、矢部がPCに向かってコードを打ち始めた。

 長いコードを入力するのに1ターンかかるが、それでも男はまだ気がついていない。

 

 

KP「では2R。ここで矢部さんを止めないといけないんですけど……、男は気がついていないのでらいむちゃんに殴り掛かります」

 

らいむ「いけ、お兄ちゃんバリアー!」

 

表「ええ、僕?!」

 

 

男 攻撃判定:CCB<=30 【杖】 (1D100<=30) > 37 > 失敗

 

 

KP「気が急いていたのか、男の攻撃は精彩を欠き外れました。バリアーも不要です。(コロコロ)次の表の攻撃も外れですね」

 

 

表 CCB<=65 【キック】 (1D100<=65) > 81 > 失敗

 

 

らいむ「それなら私が一発入れてやる! くらえ、【こぶし】で攻撃!」

 

 

らいむ CCB<=50 【こぶし(パンチ)】 (1D100<=50) > 43 > 成功

 

 

らいむ「やった、成功したー! 私の恨みをくらえ!!」

 

KP「あ、すみません。こいつ回避持ってるんで……」

 

 

男 CCB<=50 【回避】 (1D100<=50) > 48 > 成功

 

 

KP「はい、回避成功です」

 

らいむ「避けるなあああああ!!! ボスに回避つけるなって私言ったよね?!(言ってない)」

 

 

 直撃しそうだったらいむの攻撃を、犯人の男が全力で飛び退って避ける。全ての攻撃を軽やかに避け続ける一筋縄ではいかない相手だった。

 

 

矢部「これで最後――よし、コード入力完了や!!」

 

男「な……なにぃ?!」

 

 

 だが、男がらいむたちと戦っている間に矢部がコードを打ち終えた。最後までらいむが囮だったことに気がつかなかったのだ。

 矢部がコードを打ち終えると、けたたましいアラーム音が鳴り響き、画面いっぱいに奇妙な文様が表示された。

 

 

男性「クソっ! あがっ、ア――!!」

 

 

 途端、男性が両手で顔を押さえながら絶叫した。

 しかし、その叫びも細い息を吐き出すだけとなり、今度は床をミミズのようにのたうち回る。そんな光景とは対照的な、淡々とした声が画面から聞こえてきた。

 

 

???:『協力感謝する。奴が集めていたデータは回収した。奴の目と喉も焼いたから、当分悪さはできないだろう』

 

 

 声はそれだけを告げると、パソコンの電源を落として去ってしまった。

 

 

らいむ「え? これだけ? 罰が軽くない?」

 

KP「……表が男に手錠をかけています。これから誘拐と監禁の罪を問われることになるでしょう」

 

らいむ「やらかしたことを考えると、この程度の罰だとまた同じことやりそうなんだけどなぁ」

 

 

 狂信者なんて死ぬか廃人にでもならない限り、またやらかすに決まっている。

 らいむはそう思いつつ、表が後は警察に任せてくれと言うので司法の手に委ねたのだった。

 

 シミュレーターに繋がれている間に遠くまで運ばれてしまっていたようで、トラックから出ればそこは、見知らぬどこかの駐車場であった。空には月が浮かんでおり、道には雪がうっすらと積もっている。

 

 

らいむ「ここからどうやって帰ろうかなー。あ、警察呼ぶならパトカーに乗って帰ればいいのか」

 

矢部「パトカーはタクシーちゃうで。……うわ、スマホの着信履歴が……」

 

表「こっちもです。相方が怒り心頭ですよ。――あ、先輩。ちゃんとドリアンは持って帰ってくださいよ?」

 

矢部「そういやドリアンあったなぁ! あいつにぶつけてやれば良かったわ!」

 

らいむ「ああ、私も2000円の商品券貰ってない! あれシミュレーションだったじゃん! やっぱり一発殴らないと気がすまない!!」

 

 

 シミュレーション世界から現実に戻ってきた三人が騒ぎ出す。

 無事に一人も欠けることなく生還し、無事に現実世界に戻って来れた喜びにあふれていた。

 

 

KP「『あなたたちは、一つの滅びの可能性を阻止したのだろうか。それとも、仮想の未来をただ覗いただけだったのだろうか。どちらにせよ、あの月が沈み太陽が昇れば、いつも通りの明日が来るのだ。』」

 

KP「というわけで、ベストエンディングに到達です。おめでとうございます!」

 

らいむ「やったあああああああ!!」

 

矢部「よっしゃああああああ!!!」

 

 

 

  ―― ベストエンディング・明日 ――

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