ポケモンの無い世界に迷い込んだポケモン界の女性   作:メリルメリルメリル

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はかいこうせん

 

 あの日ウチに話しかけてきたギャラリーの人達は国のお偉いさんの関係者達だった。

 ウチと話し合いがしたいという人達がいるから付いてきてほしいと話してくれたのだけれど丁重にお断りさせていただきました。

 

「申し訳ありませんが今はこの街を、いえ、この海近辺から離れる訳にはいきません。

 ロトム、図鑑からサメハダーの画像出して」

「了解ロト!」

「このポケモンの名はサメハダーと言いまして、お尻の穴からジェット噴射のように水を出し時速120キロ程で移動することが……という話しは今はいいですね。今重要なのはこの野生のポケモンが浅瀬だろうと気にせず付いてきたという事実です。

 人間の縄張りだと理解しながら全く気にした様子がありません。正直嘗められています。

 嘗められるとどうなるかと言うと、弱い知的生命体、つまり人間があわてふためく光景を娯楽として見ようと、はかいこうせんやハイドロポンプを放つのも近いとみています。

 今回はウチがいますのでそれ以上は起こさせませんが、もしそのような事が起きてもこちらが何の対処もしないと判断すればサメハダー達は自らの鬱憤を晴らすため、八つ当たりという形で直接当てに来るところまで行く可能性が大いにあります」

 

 真面目な話しをしている途中、警察関係者の1人が「はかいこうせん……」と呟き鼻で笑う。

 どれだけ小さく、隠しているつもりでもその程度の薄皮じゃウチと同じランクのトレーナーなら誰でも呼吸を整えるのと同じ感じに軽く見抜ける。

 この危機感の無さで報告されて会議ばかり開かれ結論が出ないなんて事になるとたまったモノじゃない。

 多少手荒ではあるけれど仕方がないか。

 

「リザードン、はかいこうせん」

 

 ドサイドンを指さし指示を出せば訓練したばかりだからか反応が良く「はかい」と口にした時点で発射しており、言い終えるころには着弾し終え爆発していた。

 はかいこうせんを撃たれたドサイドンはストーンエッジで壁を作っていたので煙が晴れれば無傷だぞとアピールするため力強く吠える。

 

「今のがポケモンの使用するはかいこうせんになります。

 コレが遊び感覚で人に向けられるのを阻止するためにもウチはこの場所から離れる訳にはいきません。代わりにウチに事件を解決させるために依頼を出すよう上の方々に報告してもらえませんか?

 ウチが元いた場所ではこういった事件をポケ災、ポケモン災害と呼んでいたのですが、ウチはポケモン犯罪対応許可証を所持しており今回の事柄は犯罪対応許可証の対応範囲内に当てはまり十分対処可能なものだと認識しております。

 依頼を出すにあたり参考になると思いこちらを用意しておりましたのでお受け取りください。

 こちらのディスクにはポケモンバトルというルールに則ったポケモン達による格闘技のようなものの試合映像が入っております。

 次にこちらの書類が対応手段の候補とその対応に応じた金額の概要となりますので依頼さえ出してもらえればすぐにでも対応させて頂きます。もちろん手段に注文がございましたら伝えていただければ可能な範囲で修正いたします。

 しかし、もしも依頼をされる前にサメハダー達から人間に対して何かしらの攻撃行為をしてきた場合は申し訳ありませんがその概要の内容には当てはまらない、多少手荒な手段を使い鎮圧させていただきます。

 その際は依頼ではございませんので料金は発生いたしませんが大量発生によるポケモン災害、野生のサメハダー達との生活圏を賭けた小規模な戦争となる可能性が非常に高いので周囲への被害がどの程度になるかは予想できませんので悪しからず。

 こちらからお伝えする内容は以上となりますがよろしいでしょうか?」

「あ、あぁ。いえ、はい。わかりました。急ぎ話しを進めるよう進言します」

「よろしくお願いいたします。ではウチはこれで。

 ……………リザードン、メガトンパンチ。ドサイドン、ほのおのパンチ。

 1ダウン、ゲームセットルール!構え!まだだよ~。まだ、まだだよ~…………ファイッ!」

「グオオォッ!!!」

「ガアァァッ!!!」

「おおっと美しいクロスカウンターから始まりましたぁ!」

「ランクルゥ!」「グレイシィ!」「ピジョー!」

 

 ダブルエースによる効果はいまひとつのみで行われる近接戦闘訓練で身内は大いに盛り上がったけれどギャラリーは唐突に始まった怪獣格闘技に置いてけぼりくらっていたね。

 ちょっと前までここに野生のアーマルドも混ざっていたから少し寂しい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1:名無しのスレ主

一昨日放送されてた生配信のアーカイブなんだが最近ニュースで話題のポケモン?とかいう奴のヤベー内容しかないのを偶然見つけたんだが……

【動画】

 

2:名無しのスレ民

サムネもタイトルもカレーだけって……

なのに再生されたら大型謎生物達に囲まれてるの恐怖を覚える

釣りかと思ったらガチだった

 

3:名無しのスレ民

マスクとモザイク無しってマジか

 

4:名無しのスレ民

ガチのドラゴンブレスじゃん

 

5:名無しのスレ民

>>3ニュースでポケモンの学者?として出てたから今更と思ったんじゃね?

というかやっぱこの人ガチの異世界人なの?

 

6:名無しのスレ主

ヤベーとこ多すぎ

カレー食べ終わってからの辺りの行動は人間やめてるが、ボール遊びの後の話し合いがそれを覆すレベルで一番ヤバイ

 

7:名無しのスレ民

ゆっくり見てるんだから黙ってろカス

 

8:名無しのスレ主

は?

 

9:名無しのスレ民

 

10:名無しのスレ民

 

11:名無しのスレ民

この人本当にポケモン慣れしてるね、銀色のアルマジロみたいなの抱えながらカレー作ってる事に何の違和感も感じてなさそう

 

 

 

 

 

 

 

 

28:名無しのスレ民

アカン。これ気軽にアーカイブに残して良い内容じゃない

 

29:名無しのスレ民

人当たりの良さそうな笑顔を崩さず破壊光線って指示するの狂ってるし当然のように無傷なのヤバイ

 

30:名無しのスレ民

どうせ合成動画だろ

 

31:名無しのスレ民

聞き取りやすく優しさを感じる声色で事務的にスラスラ説明するの頭の良さを感じる

 

32:名無しのスレ民

別スレで山口カミラ黒幕説っての出てたけど違うっぽい?

 

33:名無しのスレ主

>>30これ生配信のアーカイブ

 

34:名無しのスレ民

【動画】切り抜いてアップした

 

35:名無しのスレ民

何やってんだお前ェっ!!!

 

36:名無しのスレ民

Xで拡散します

 

37:名無しのスレ民

【動画】破壊光線のとこ10分耐久するやつも作った

 

38:名無しのスレ民

良くやった

 

39:名無しのスレ主

ふざけるなぁ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

913:名無しのスレ主

スレ立ててから切り抜き作られるまで4時間くらいかかったのに作られてから1時間ちょっとで900超えたのマジで信じられない。休日だから?

 

914:名無しのスレ民

>>903ポケモンバトルはあのボクシングしゃなくて破壊光線みたいなのがバンバン撃つ感じの可能性があるってこと?

 

915:名無しのスレ民

>>891それだと何故襲わないのか謎だな

 

916:名無しのスレ民

カミラさんが生放送始めた

 

917:名無しのスレ民

>>885チャンピオンを含めプロのポケモントレーナーは下の名前で呼ばれるのが一般的になった影響でプロを目指すトレーナーは下の名前だけを名乗るのが常識と言っても過言じゃないほど浸透しているってテレビで本人が言ってたろ。何度目だよこの指摘

 

918:名無しのスレ民

>>900いやいや、カミラさんあきらかに自分の身長分よりちょい高めにジャンプしてるじゃん。しかもドラゴンの背中で。

もしかしたらカミラさんくらいの身体能力でも異世界人ではわりと珍しくないのかもしれない。

 

919:名無しのスレ民

>>910言語は同じでもお金まで同じじゃなかったんじゃない?

 

920:名無しのスレ民

>>916本当だ。ありがとう

 

921:名無しのスレ民

>>916助かる

 

922:名無しのスレ民

>>916ありがとう!

 

 

 

 

 

 

 

 

「う~ん……こんなものかな?」

「バッチリロト!」

「ダイゴさんとかに聞けば確実だったのだけど連絡取れないしやっぱり不便だねえ」

「グレシィ?」

「寂しいけど転勤族で慣れてるし大丈夫。心配してくれてありがとう。それにあの日ちゃんと割り切ったから平気平気。

 それよりお待たせ、初めての鉄だよお」

「ココ!」

 

 工務店で購入した小さな鉄の板を金属切断用ノコで食べやすいよう切断したものを噛みやすいようにヤスリで調整してたんだよ。

 ウチのココドラちゃんは生後一ヶ月も経っていない赤ちゃんだし、育てる時のアドバイスをしてくれる人と連絡取れないから思い付く限りの手間は全てする。

 今までは鉄分を多く含ませるよう調合した特別なポロックを細かくして全ポケモン共通の赤ちゃん用のポケモンフードに混ぜたモノを食べさせていたけれど、最近かみつくでしっかりと噛み跡を作れるようになったから今日から鉄デビューだ。

 

「ふあ、くぁ~わいいねえ~。流石ウチの子だね~」

「グレ……」

「ウチの子になってくれた子で初めての女の子なんだから可愛がりたくなる気持ちもわかってほしいのだけど。ウチの妹だよ?」

「ランクルー」

「グレ!?」

「ああ~……うん。そうだね、可愛がり過ぎてグレイシアみたいに変に拗らせたら可哀想なことになるし叱るべき場所はしっかりと叱ろうね」

「グレィッ!?」

「ん~しっかりカミカミできて偉いねえ。かわいいよお」

「グレッ!グレイシィ!」

「なあに?そんなに構ってもらいたいのかい?仕方ないねぇ」

「グレシアッ!」

「よ~しよしよしよしよしっイタッ!?

 急に毛を硬くしたら危ないでしょ!?刺さったらあぶウヒィッ!?

 ちょ、ちょっとグレイシア!首筋に冷気送るのは国際条約で禁止されているでしょ!?」

「グレィ」

「あ~らら、いじけちゃったね。ねえお兄ちゃん、どうしたらいいと思う?」

「ランー」

「え?は?笑えば良いと思うって、それは流石に性格が悪いと思うよ?

 ……ん?あれ?それどっかで聞いたことあるような…………あ~、うん。あのさ、お兄ちゃんが前からネットが好きなのは知っていたけれども……うん。

 確かにウチもネットは好きだけども、そんなパッと出てくるのは流石に毒され過ぎていないかな?大丈夫?まだここに来てから5日だよ?

 ちょっと妹としてウチは心配だよ?」

「ロトロトロト!視聴者数10万人突破ロト!」

「10万人ね……………えぇ?いやいや、あのさロトム。君はロトムの中じゃ真面目な子だって知っているけど、いくらなんでもその悪戯は下手過ぎるでしょ?」

「嘘じゃないロト!」

「ラーン」

「……え?本当なの?…………えっ!?本当だ!?

 生放送でコレってそんなのもうウチがナンジャモちゃんじゃん!?

 いや、それより寝間着!?着替えてきますね!

 ちょっとグレイシア、今更そんなキリッとしようがどう取り繕うと手遅れだから!」

 

 完全に油断した!何の告知もしていないしどうせ見てるにしても10人、運良く拡散してくれたとしても100人そこいらだろうなと考えていたけれど甘かった!

 ポケモンがいなかった世界なんて想像もできないからどの程度の影響力があるかわからなかった。

 いや、ある程度予想はしていたけれど過小評価も良いところだった。

 

 この後、寝間着姿でベッドでだらしなく寝転がりながらココドラを甘やかす配信から机に移動して普通に可愛がる配信に変わっただけで何か特別変わったことはしていない。

 

 ポケモンを民衆に受け入れてもらうためにも今後も配信は続けていくけれどもコメントへの返事は国が何かしら行動を起こして方針が見えてくるまではできませんと最後の方に報告だけしました。

 

 

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