AFTER STONE ~最終話のちょっと向こう側~ 作:三柱 努
アルコールと硝酸を混ぜたものだった。普通に工業用語だったよナイタール液。
つまりそのナイタール液で千空も復活したってことか。
「いや。俺の場合は硝酸だけだったぞ」
いきなり違うじゃないか。
うん。色々と聞きたいこと、聞かなきゃ理解できないこと、聞かなきゃいけないことがある。
だが先に教えてくれ。
俺はこれからどうなるんだ?
「あ゛?」
いや。俺は死んだ。それは確実に分かる。千空、お前もしっかりと「生き返らせた」って言ったくらいだからな。
正直、不安なんだ。
映画とかでよくあるだろ? 一度死んで生き返ったフランケンシュタイン的な。もしくは特異体質の突然変異。
そうなるとさ、そのメカニズムを解明するために研究するだろ?
そうなるとさ、人権とか無視した怖~い実験とか手術とかが待ってるんじゃないかって。俺の身に。それが怖くて不安で仕方がないっていうか・・・
「前例あるから今さらやらねぇよ」
前例あるんかい! 俺より前に『一度死んだ人間を石化させて、生き返らせた』って確認しているんかい!
「正確には“殺して、死んで、石化させて、復活させたら、生き返った”だな」
殺・・・殺すってお前、なんか物騒というか倫理観ハザードというか。
「あとフランケンシュタインは博士のほうな。怪物造った側だ」
どうでもいい! それより俺は、お前がそういうマッドサイエンティストになったことが怖い!
「そいつを殺したのは俺じゃねぇよ」
「そういうことさ」
ん? 千空の隣に白衣の男。なんか仲良さそう。科学者仲間ってところか?
いやぁ、千空がいつもお世話になっております。千空の父の石神百夜です。
「何十年も経ったからか? それかNASAでも数回会ったくらいだから覚えていないのか」
「こいつは元・NASAの科学者のDr.ゼノだ」
ゼノ・・・そういえば思い出した! そんな職員いたなぁ。懐かしい。
「こいつが例の死体復活検証の主犯な」
悪の科学者でした!
いや、なんでそんなのと仲良くしてんだよ千空。
「でもって俺も二回殺されてる」
「ちなみに俺も一回」
うん。千空。子の死が親に与えるショック、知っておいて。
あとリームーくんもご愁傷様でした。
ますます天国感。いや地獄感。というかもはや混沌感。
あとさ、置き去りにしちゃってるけど、俺のこと創始者様って奉ってくれてる感ある人たちのこと教えて。
というか俺のことを石化させたこととかも教えて。
全部教えて。
情報が迷子すぎる。
考えてみりゃ時系列もめちゃくちゃ。
頼むから!
「そこんとこ話がアホほど長くなる。頼んだぞメンタリスト」
「え、ええ? 千空ちゃん、どこ行っちゃうの?」
「タイムマシンが立証できた今、そっちのほうが唆るだろ」
うん千空。俺との感動の再会とか、積もりに積もった話とか。ガン無視するだろうなぁとは思ってたけど。
照れ隠しとか、そういうのだよな? お父さん、信じるぞ! 信じてるぞ!
あと、タイムマシンとかいうドラえもんレベルのトンデモ爆弾を最後に設置して帰らないで。気になることしか無いぜ今。