AFTER STONE ~最終話のちょっと向こう側~ 作:三柱 努
「えっと~。ジーマーでどこから話したらいいものか。とりあえず自己紹介から」
ムーリーのジーマーのメンタリストくんは『あさぎりゲン』くん。芸能人らしいけど、俺が宇宙飛行士の訓練とかしている間に流行った人だから、全然知らなかった。ゴメン。
「でもって千空ちゃんパパ。何から知りたい?」
心なしか紡ぐ言葉がすごく軽そうだ。この人に説明してもらうのって信用していいのか? だが千空が任せたくらいだ。不安にならずに聞いてみる価値は十分にある。
といって何から聞けばいいのか。
じゃあまず、俺を石化させたというのは、どうやってなんだ?
「ゴメンね~。いきなりソレを理解してもらうのはリ~ム~かな」
うん。秒で裏切られた感。一番知りたいのそこなのに。
なら二番目に知りたいことだ。
俺が死んでから。千空がどうやって人類を救ったのか。
これこそ教えるの面倒だと思うけど。
「あぁ。それならもちろん、じっくり任せてちょうだいよ」
あれ? 意外にも快諾? というか目の輝きが変わった。ヤル気に満ちた目だ。
それにその話になった瞬間に、周りにいた他の人たちも目を輝かせ始めたぞ?
「石化後の人類史を語るには欠かせない。まずは千空パパの残してくれた功績から」
ゲンくんの説明はすごく丁寧で分かりやすくて、少し回りくどかった。
俺が死んだ後、俺たちの子供たちは百物語を継承してくれていたらしい。
何世代目か分からないが、一部の子孫たちは石化した俺の石像とレコードの入った墓石と共に本土に渡っていた。
そして石神村という集落を作り、以降3700年もの間、原始的な生活を送っていたのだという。
・・・まさか3700年とは恐れ入る。
「千空ちゃんパパは新人類にとって創始者様。だから超絶リスペクトしちゃってるわけよ」
ゲンくんの紹介で、代表してヒゲのオジサンが挨拶してくれた。
「千空に長の座を託すまで、村長を務めておりましたコクヨウと申します。お会いできて光栄の極みでございます。創始者様」
堅苦しい挨拶は抜きにしてほしいが、なるほどこれが千空が仕事に出ていった理由か。
新人類にとって俺はレジェンド。
親子の再会で時間を独り占めするんじゃなく、子孫の村の人たちとも交流してくれって気遣いってわけね。
我が息子ながら、有言実行な男とばかり思っていたが。いつのまに周りに気を利かせた不言実行の男になったんだよ。成長したな。
「でもって西暦5738年4月1日。やっとこ我らが千空ちゃんが石化から復活したってわけ」
そうか。そこでようやく新人類の、石神村の人たちと出会ったんだな。
「残念。千空ちゃんが目を覚ましてから最初に会った子は、次に復活したのは大樹ちゃん。しかも半年してからね」
ん? そうなのか? 村の人と会えなかった、というか村がない場所で復活したということか。3700年もあれば、日本全土に村々が出来てくれると思っていたが。そうはいかなかったのか。
「そっから2人で一生懸命、石化からの復活方法をトライ&エラー。さらに半年かけて復活液を発明しちゃったってワケ」
そうか。千空、ついに全人類を救い出すことに成功したのか。
しかもそんな偉業をたった1年で。
「いや~。全人類はいくら千空ちゃんでも1年じゃリームーだったのよね」
そうか。さすがに液を手に入れてすぐにという話じゃないか。
「だって千空ちゃん、そのあとすぐに殺されちゃったから」
・・・・・はい?