色々忙しいのと連載中のやつの続きが思いつかないので投稿します。
本当は鬼方カヨコ元カノ概念とか、白石ウタハの先輩概念とか考えてたんですけどパンちゃん、アンパンマン概念のインパクトで他の概念全部ぶっ飛んだんでこれを投稿します
クリスマスに投稿するのがこんな小説ってマジ?????
「またやってしまいました〜!」
「ちょっと、ジュリ?!」
たった今ゲヘナ学園給食部から逃げ出したもの、仮称:パンちゃんはこの世に生まれ落ちたその瞬間より己の使命を自覚していた
即ち、腹をすかした子供達を満たす事
パンちゃんは食べ物である。創造主たる料理人:牛牧ジュリの手によって調理された食物である。彼女が客を思い、尊い感情を込めて作られたパンちゃんには己の体を分離させて食べさせる力があった。
パンちゃんは己の姿をよく理解していた。全体的に紫色で緑色の液体を垂れ流し隙間から触手が生えているこの姿は、人間の食欲をそそるものではないのだと知っているのだ。
分身を作り出す能力は、一回使用するごとにパンちゃんの体積を十分の一使ってミニサイズのパンちゃんを生み出すものだ。
しかし、どれだけ分身を作り出そうとも食欲がそそられなければ食べてもらえない。
そこでパンちゃんは擬態する事に決め、その為のアドバイスをもらう事にした。
発見したホワイトボードとペンを手に、創造主に付き合って己の体を酷使する名称:先生に教えを乞う。
先生は目の下に濃く黒い跡がある状態で真摯に答えてくれた。
「まずは色合いを変える必要があるんじゃないかな?」
先生は更に付け加えてくれた。
世間には食欲増進色というものがあるらしい。赤、オレンジ、黄色、茶、緑の5色は普段人間が食べている肉や野菜に近い色であり特に赤や黄色の暖色系は、食欲を増進させると言う。
成程、確かに。
パンちゃんは納得した。先程述べた通りパンちゃんは全体が紫色で緑の液体を垂れ流している職種の生えたパンケーキである。緑の液体は後でなんとかするとして、まずは紫色の体色を何とかせねばと思い至った。
そこで先生から紹介されたのが仮称:ぼく様である。
ぼく様はパンちゃんの見た目に全力でドン引きし、パンちゃんを紹介した先生を形容し難い目で見ていたがパンちゃんが事情を説明すると快く協力してくれた。
「失敗作になってしまうけど、体の色を変化させる薬があるのだ」
ぼく様はそう言って不思議な薬を見せてくれた。ぼく様は不老不死の霊薬を作成したいらしいのだが、なかなか難しく望んだものが作れないらしい。その最中にできた薬がコレであり、自分にとっては失敗作と言っていいものだからそれを渡すのは失礼ではないか。
申し訳なさそうにそう言うぼく様にパンちゃんは答えた。
失礼ではない。ぼく様は私の願いのために貴重な時間を割いてくれている。その優しさに感謝する事はあれど、責める事なんて無いのだ。
先生程ではないが黒い線が目の下にあるぼく様はそう言うパンちゃんに深く感激しパンちゃんの体液を採取させてくれないかと頼んできた。
是非もない。全力で採取してくれ。
おとなしく採取されているパンちゃんにぼく様は薬の説明を行う。曰く、好きな色に色を変化させる薬だが具体的なイメージが必要なのだとか。しっかりとはっきりとしたイメージ無く使用すると虹色に光出してしまうらしい。
「使用する際にはイメージをしっかりするのだ!」
パンちゃんから採取した液体をフラスコに入れたぼく様は最後にそうアドバイスすると自分の研究室へと帰っていった。
取り敢えずパンちゃんは先生にパンケーキと調べて出てきた画像を元に色を変化させてみた。
紫色の体は薄っすらとした茶色へ。
触手はタコの様な赤色へ。
垂れ流していた緑の液体は虹色へと変化した。
そうパンちゃんは液体の色をあえて虹色にしたのだ。
驚く先生にパンちゃんは言う
虹色に光ると面白い
わかる
先生とパンちゃんは硬い絆で結ばれた。
見た目の問題は解決したが、味という最大にして最後の問題が残っている。
しかしパンちゃんは調理済みの料理である。パンちゃんが調理される前ならば兎も角調理された後はどうすれば味を良くできるのか。
パンちゃんと先生は頭を抱えた。
創造主:牛牧ジュリの味を良く知る先生だからこそ解決策を出すことが何より困難だったのだ。
そこに通りかかった1人の生徒がアドバイスをした
「カロリーが気になりますがパンケーキには生クリームなんて如何でしょうか?」
甘さの暴力
カロリーによる力技
それらとパンちゃんの気合いによって食べられる味にしようと言う提案だった。
先生もパンちゃんも目から鱗である。
数多のデザートを食し、幾多のダイエットを乗り越え、数々の欲望と闘ってきたものだからこそ出てきたアドバイスに深く感謝した。
救世主たる彼女は苦虫を噛み潰したかの様な顔をしながら謙遜をした。
私など欲望に負ける罪深いものなのだと。
即座に先生が否定した。
ハスミは色々デカいから良いのだ!!!
パンちゃんも取り敢えず先生に同意した。
その見識の深さは我々を確かに救ったのだ!!
そう言うと救世主は、パンちゃんに持参していた生クリームを提供し、真っ赤な顔で羽と手を器用に使って先生を胸元に抱え込みながら足早に何処かに行ってしまった。
パンちゃんは姿が見えなくなるまで手を振り続けた。
見た目も味も何とかなったパンちゃんは決して己の使命を忘れていない。腹をすかした子供はいないかとキヴォトスを影から見守りながら練り歩く。
そして見つけた
腹をすかした子供
その手にもつのはチョコレートを挟んだハンバーガー。
そうゲヘナ学園美食研究会所属、獅子堂イズミである。
パンちゃんは彼女の食欲を知っている。創造主の作る料理を完食し、笑顔でご馳走様を言える彼女の存在は創造主にとって確かに救いになっていると思っている。
そんな彼女が道端で腹をすかして倒れているのだ。
パンちゃんは覚悟を決めた
結局、使命は1人しか満たすことが出来なかったがこれもまた運命。
未来を受け入れたパンちゃんは静かに獅子堂イズミの前へと進む。
彼女とパンちゃんの距離が約5メートルになった時、彼女が此方に気づいた。
いつものパンちゃんと違う事に気づいたのか神妙な顔をしている彼女前でホワイトボードで文字を書き、見えるように設置した後一切の活動を停止させる
eat me
それがパンちゃんの最期の言葉
それを感じ取ったイズミはパンちゃんに、パンちゃんに協力したであろう人たちに、パンちゃんを作ったジュリに、そしてこの世の全てに感謝を込めてこう言った
「いただきます」
パンちゃん・・・ジュリが生み出したもの。確固たる使命もって最期まで歩み続けた
先生・・・7徹の姿。よくわからないけど困ってるから助けた。ハスミに捕獲された後、救護され無事に就寝。後日イズミにあってパンちゃんの最期を知った。
ぼく様・・・1徹の姿。明らかに睡眠不足な先生が形容し難い神話生物的なものを連れてきて、神話生物的なのがホワイトボードで相談してきたので夢だと判断して協力した。寝て起きたらフラスコに見知らぬ液体があった事からSan値チェックが入る
救世主・・・ダイエット中の姿?見知らぬ生き物に警戒していたが、漏れ出た欲望の言葉を褒め称えられ、大好きな先生がトチ狂っていたので色々我慢しながら救護(正義)した。正しいことをしたのにもうちょっと色々出来たのではないかと少しモヤモヤしている
イズミ・・・腹ペコの姿。目の前に食べ物があったので食べた。腹は満たされて、この世の全てに深い感謝を覚えた。