「わたしはマグノリア、ようこそ若いトレーナーたち」
2番道路で一通りポケモンを捕まえてから向かうとすでにホップとユウリは到着していたらしく、マグノリアと名乗る老婦人と挨拶していた。出遅れたか。
「あら、あなたは?」
「はじめまして、僕、マサル、アローラ、留学、してる、ククイ博士、助手、兼任」
「ククイ博士の助手?彼と連絡も頻繁に?」
「ポケモン、捕まえる、観察、一段落、連絡」
まだうまく会話ができないから単語でカタコトでしか話せないけど覚えてる単語は全部使ってみてる。そこまで頭はいいほうじゃないけどイントネーションさえ合ってればだいたい伝わるってあいつが言ってたし。
「なら今度時間があるときにゆっくり話でもしましょう。その時は美味しい紅茶とお茶菓子を出しますよ」
「ありがとう、ございます」
マグノリア博士にお礼をして博士の家の中に入る。中はいたって普通な内装をしていた。あまり博士って感じの部屋ではなかった。ククイ博士の家よりかはずっとマシだ。しばらく内装を見ているとダイマックスについてマグノリア博士とダンデさんが話していた。
ダイマックス、それはガラル地方でのみ確認される不思議な現象。ダイマックスバンドと呼ばれるものを持っていればどんなポケモンでもダイマックスできるとか。その中でもある特定のポケモンのみがキョダイマックスポケモンと呼ばれるものになるらしい。そしてガラル地方にはワイルドエリアというものがあるらしく、その中にある巣穴と呼ばれる場所にキョダイマックスやダイマックスしたポケモンがいるとのこと。ここまでは大方知っている。僕もすでに何回かやっているから。
「ねーねー博士からもアニキに頼んでよ。ジムチャレンジに推薦しろって」
ジムチャレンジ…ポケモンリーグに出るためにジムリーダーを倒してジムバッチを合計8個集めることだったか…。アローラで言う大試練みたいなもんだな。あの頃はヌシポケモンを呼び出すためにいろんなミッションをクリアして…今思い出しただけでも苦い思い出だ。
「なら、マサルの意見も聞いてみたい。マサルからみてホップとユウリの実力はどう思う?」
なんで僕に聞くんだ…。ダンデさんを少し睨んでから2人の方を向く。
「素質、ある、けどまだ、弱い。成長、期待、ポケモン、一緒に、成長、いける」
「そうか…!なら2人のバトルを見てから決めよう!ポケモンも元気にさせるからな!」
結局、僕に意見を仰いだくせにバトルを見て決めるのかと思いながら俺も外に出た。バトル初心者の戦い、最近はめっきり見ていなかったけど面白くなりそうだな。
「ヒバニー!ひのこ‼︎」
「サルノリ、避けてたいあたり!」
「・・・ダンデさん、バトル、初心者、本当?」
「ああ、あの2人は確かにバトル初心者のはずだ・・・君にはどう見えるんだ?」
「・・・後ろ、スタジアム、全力、バトル、白熱、してる。楽しそう」
「君はアローラではかなりの実力者だろう。そんな君があの2人が戦ってるのを見てそう形容したのならあの2人は絶対セミファイナルまで残るのだろうな」
ダンデさんは楽しそうに笑っていた。けど何となく、ダンデさんがあの2人のどちらかに敗れる未来も同時に見えた気がした。あの2人の関係がこれから先の未来、どう変わっていくのか分からないけど僕らみたいな結果にならないことだけを祈るしかできなかった。
「ウールー戦闘不能!勝者ユウリ‼︎」
「やったぁ‼︎勝ったー!」
「ヒバァ‼︎」
「くっそー!ユウリ強いんだゾ!」
バトルは終わり、勝ったのはユウリだったようだ。俺は近づいて膝をつくと倒れているウールーにげんきのかけらを使ってオレンの実を食べさせた。ヒバニーにもオレンの実を渡しす。
「ホップ、サルノリ、回復、出して」
「ありがとなマサル!」
「いいよ、ポケモン、瀕死、可哀想」
瀕死になったサルノリにもげんきのかけらを使ってオレンの実で体力を回復させる。たちまちに元気になったポケモンたちを見て俺は笑って立ち上がった。
「ん、空に流れ星⁉︎」
「彗星?」
「チャンピョンになれますように、チャンピョンになれますように、チャンピョンになれますように‼︎」
「ねぇ、あれこっちに落ちてきそう‼︎」
『ガル、前に出てまもる』
念の為にガルをモンスターボールから出してまもるを使った。彗星は泉のほとりに堕ちた。近づいてみると何かが入っているようだった。
「それは、願いの・・・しかも3個。3人の分のダイマックスバンドを作れますよ」
「僕の、分、も?」
「はい」
僕の何の願いに応えてくれたのか分からないけど次の日、マグノリア博士からダイマックスバンドを受け取った僕は左手首につけた。その後、電車に乗ってワイルドエリアまで向かった。
「ここが、ワイルドエリア・・・」
「広いなぁ〜」
「興味深い」
アローラにはこんな広い平原なんて無かったからここまで何もないと逆に興味深かった。僕が見てきた世界ってあんなに狭かったんだな。
「これからどうする?」
「僕、先に、行く、またね」
「あ、マサル⁉︎」
僕は2人を置いてワイルドエリアに向かった。アローラでは見たことないポケモン、ガラル地方のポケモン、強そうなポケモンが沢山いた。やっぱり凄いな・・・。
『出て来いイーブイ』
「ブイ‼︎」
『ここがワイルドエリアなんだってさ。凄い広いね』
「ブイー、ブイ」
『・・・僕らのアローラよりもずっと広い。少し走ろうか』
「ブイッ!」
イーブイが走るのを追って周りを見渡す。こんなに走り回るのは初めてだ。昔はずっとベットの周りが僕の世界だったのに今じゃこんなに広がったのか。
『はぁ、はぁ・・・疲れた』
「ブイ?ブイブイ」
『うん、お腹も空いたしご飯にしよっか』
僕が立ち止まったことを見てイーブイも戻ってきた。イーブイのお腹も減ったようなのでそろそろご飯にでもしようとキャンプを立てる。それから鍋と拾ったきのみをカレーに使う。なるべく辛いのにしたいので辛いきのみを入れて混ぜる。
『最後はまごころ込めて・・・』
手順通りに作るとカレーからボフンって音がして美味しそうなカレーが完成した。さて、食べるかと思って皿を用意しようとしたら木の影からこっちを見ているポケモンがいた。あれはたしか・・・
『ラルトス?』
「ラルッ⁉︎」
『怯えないで・・・何もしないから。もしかして、お腹空いてる?』
「ラル」
『一緒に食べる?』
「ラル、ラルゥッ‼︎」
ラルトスは木の影から出てくると僕の足に抱きついた。よく見たら所々怪我してる。よく見たら色違いみたいだし仲間から攻撃されたり、トレーナーに捕獲されそうになった時にできたキズかもな。僕はさりげなくカレーと一緒にオボンの実をカレーに入れておいた。
『はいこれがラルトス、これが君の分。それでこれがイーブイの分でこっちが僕の分』
「ラルッ!ラルッ!」
『あっはは、嬉しそうだね。あ、忘れて』
ハイパーボールを投げるとまだガラルの環境に慣れていない相棒がキョロキョロしながらあたりを見ていた。
『これ、君の分だから好きなところで食べていいよ』
カレーの入った皿を渡すと相棒は何処かへ行ってしまった。あいつは警戒心が強いから僕らが見えるところで1匹で食べることが多い。僕もそれを止めようとはしない。だって必ず戻ってくるという信頼があるから。
『じゃあ食べよっか』
「ブイ!」
「ラ!」
他の2匹が食べるのを見て僕は心のなかでお祈りしてから食べ始めた。激辛カレーにしたつもりだったけどあまり辛くなかったのでマトマソースをカレーにかけて食べる。これ以上入れると味覚がおかしくなるから程々に入れてカレーを完食した。
『ごちそうさまでした』
相棒も食べ終わったのか戻ってきたあとまたボールの中に戻っていった。片付けてそろそろ寝るかと準備を始めるとラルトスが僕の視界に入ろうとジャンプし始めた。
「ラルッ!ラルゥ〜!」
『もしかして、僕と一緒に来たいの?』
「ラル!ラル!!」
『わかった、じゃあよろしくね』
未使用のモンスターボールを近づけるとラルトスは白いスイッチに自ら触れてボールの中に吸い込まれた。しばらくボールが揺れるとカチンと音がした。
『出てこい、ラルトス!』
「ラル〜」
『ふふ、本当にきれいな色をしてるね君は。そうだな…君は今日から《テンザ》って名前だよ!』
「ラル?」
「あー、テンザ、ラルトス、君、名前、分かった?」
「ラル!ラルッッ!!」
「よろしく、テンザ」
こうして新たな手持ちとして色違いのラルトスはテンザとして僕の仲間になった。久々にいい出会いができて今日はよく眠れそうだった。
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おいしそうなにおいにつられてみにきちゃった。
ひととイーブイがなかよさそうにごはんをつくってた。もういっしゅうかんもなにもたべてないから、おいしそう。
『ラルトス?』
「ヒッ!!」
ごはんをつくっていたひとにみつかった。なにいってるかわからない…こわい、また、こうげきされちゃう、やだ、こわい!
『怯えないで・・・何もしないから。もしかして、お腹空いてる?』
「空いてる…」
『一緒に食べる?』
「いいの、やったぁ‼︎」
ひとはなべのほうにむきあうとなにかうごきはじめた。
『はいこれがラルトス、これが君の分。それでこれがイーブイの分でこっちが僕の分』
「やった!おいしそう!」
『あっはは、嬉しそうだね。あ、忘れて』
ひとがこしにあるぼーるをなげるとおおきなぽけもんがでてきた。こわいみためしてる、けど、このひとのことしんらいしてるみたい。こころのなか、ぽかぽかしてる。
『これ、君の分だから好きなところで食べていいよ』
あ、きのうつわをもったおおきなぽけもんはどこかにとんでいっちゃった。いつか、あんなかっこよくてつよくなれたらな。
そしてひとがたべていいっていったからたべはじめた。かれーはくちのなかがいたくて、でもとってもおいしくて、あたたかかった。きのみもあってそれもおいしかった。イーブイのをみたけどきのみはわたしのしかはいってなかった。
「ねぇ、なんでわたしのだけきのみが入ってるの?」
「兄様、君の体がボロボロだって気づいたから回復できるきのみを一緒に食べさせたかったんだよ。兄様ね、ぼくらが傷ついてる姿が怖いんだってパパが言ってた。だから傷ついてるポケモンはなるべく助けたいって言ってた」
そうなんだ…。わたし、このひとといっしょにいたい。このひとがかなしいおもいをするならわたしがとりのぞきたい。わたしがまもらなくちゃ
「連れてって!わたしを捕まえて!」
『もしかして、僕と一緒に来たいの?』
「うん!一緒に旅したい!!」
『わかった、じゃあよろしくね』
ぼーるをちかづけられたのでしろいところをさわるとなかにすいこまれた。なかはせまかったけどひとそとがみえた。
『出てこい、ラルトス!』
「わぁ〜すごい」
『ふふ、本当にきれいな色をしてるね君は。そうだな…君は今日から《テンザ》って名前だよ!』
「なんて言ったの?」
「あー、テンザ、ラルトス、君、名前、分かった?」
「わかる!テンザわかるよ!!」
「よろしく、テンザ」
ひとのことばがわかった。さっきよりもずっとかたことだったけどわかった。テンザ、それがわたしのなまえ…。テンザ、テンザ!
「ご主人!絶対テンザが守るからね!」
《手持ちポケモン》
・イーブイ
マサルと共にアローラ地方からやってきた。ラルトスとの会話ではマサルのことを兄様と呼び、たまごの頃から一緒。パパはマサルの幼なじみのパートナーのポケモン。
・テンザ(ラルトス)
色違いのラルトスでワイルドエリアで出会った。マサルの優しさに触れて着いていくことを決める。マサルのことご主人呼びしている。
・?????
一番古い手持ちでありマサルが辛いときにいつも支えてくれた最強の相棒。手持ちには加えているもののしばらくは使わない予定である。
《サブチーム》
・ゴン(フライゴン)
アローラでサブチームとして活躍していたポケモン。育成にも力を入れていて並のトレーナーとバトルしてもそれほど謙遜はないほど強い。現在はボックス内で休養中。
・ガル(ガルーラ)
サブチームのバランサー。様々なタイプ技を覚えておりメガガルーラナイト持ち。マサルに頼られるのが嬉しくていつも親子共々張り切っている。現在はボックス内で親子で遊んでいる。