「──新宿駅の東南口前で起きた通り魔殺人事件だが、以降君達に捜査権が移った」
捜査一課の男が不服そうに捜査資料のファイルをデスクに放って、目の前の女刑事を睨んだ。
彼女は心底面倒そうに鼻を鳴らし、放られたファイルを手に取って開く。
「事件が起きたのは2020年5月5日午後15時21分、新宿駅東南口前の広場
容疑者は
被害者は
目撃証言によると、被害者が友人と駅へ向かって歩いている際
反対方向からやってきた容疑者が、突然、大きな声をあげ、被害者の友人へ紫色の石製ナイフを突き立てた──」
「だが、友人を庇った被害者が腹部を刺され、直後に容疑者も自らそのナイフで喉を切り裂いて……
あとはそのまま2人とも仏様か」
やり切れないと言いたげに目を逸らした男に女刑事は目を細めて溜め息を吐く。
「──なるほど、コイツぁ災難だったな
部屋中に容疑者の血で書き殴られた英文、冷凍庫に収納された身元不明のバラバラ遺体と
確かにアタシらの領分だ」
のそりと立ち上がった女刑事はファイルの背で二、三度自分の肩を叩いて口角を吊り上げた。
「任せろよ
大元は根こそぎ蹂躙してやる
それがアタシらの仕事だからな」
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──私は夢を見ている。
いつからだろう、いつ寝てしまったのかすら忘れてしまうくらい。
夢の中の私は貴族の令嬢で、傲慢な父に世間知らずの母、怠惰で嫉妬深い姉と気苦労の絶えない使用人達に囲まれて暮らしていた。
私のことだけど、まるで私のことじゃないみたいに、このエリーゼ=ユゥラ・ケレス・ピステイルという少女を内側からずっと眺めている。
それでいて私はまるで彼女の分身のように、あるいは影のように彼女の悪戯に手を貸していたり、ちょっとしたピンチを助けたり。
私の知識が彼女の人生を豊かにしていた、ような気がする。
ここにはアニメや漫画、ゲームみたいに
その全てはヴィクトリア=ティガ─・レレス・ピステイル、長く美しい金髪と宝石のように煌めく翠色の瞳、この国随一の美貌を持つ貴族令嬢である、
そんな
目的は──