トリニティはトリニティでも、違う作品ですよねコレ? 作:ペルフェクティ
2-1「シャーレ」
特異現象捜査部に所属し始めて、おおよそ2カ月。本当に色んなことがあった。
部長のヒマリさんはかなりすごい人だったみたいで、
2日もしないうちに、いつの間にか
『蒔菜(マキナ) ハヤト』 それが学生としての私の名前だ。
それから、「俺」から、「私」になった。
肉体に引っ張られているのか、徐々に女性らしさ?というモノを理解した、と思う。
感性も引っ張られているのか、とにかく美しい物や綺麗な物に心奪われる様になった。
あとこの肉体は意外とポンコツだな、と…。
運動的なポンコツではなく、どうも語彙力とかが残念な感じになってしまう。
例えば――――
「エイミさん、その荷物私が運びますよ」
「そう?ならお願いしようかな」
「ふふふ、任せてください 私はこう見えても 縁の下の太鼓持ちなんですから!」
「…それを言うなら、力持ち じゃない?」
「……////(カァァァア!)」
とか
「ヒマリ部長って、静かに佇んでると、すっごく綺麗ですよね」
「まぁ、うん ちょっと残念なところもあるけど」
「まぁ、ああいうのって良く 高嶺の薔薇 って言ったりしますし」
「…高嶺の花、だよ」
「オオアオ…」
とまぁ、こんな感じで、意識してても、何かしら言葉の誤用が多いのだ。
正直まぁ、これも一つの私の個性だと思って受け入れるしかないとは思ってる。
『銃』を貰った。このキヴォトスでは銃を持たずに出歩くことは、裸で歩くと同意義だそうで…、
さすがに誇張表現すぎないですか、部長。え、誇張でも何でもないんです?
…
と、とにかくまぁ、そういうことで私専用の銃を貰ったわけなのだ。
貰ったのは、部長も使用しているリボルバー拳銃なのだが、
部長の使う『高嶺の花』よりも1~2回り程大きく、銃身も倍程ある代物。
なんでも、専用の弾薬を使用するM500という大型拳銃だそうで。
「専用の弾丸って…(ジャラ)、うわ…なんですかこれ、明らかに部長が使う弾丸より大きいじゃないですか」
「そうでしょうね、なにせ私の持つ『高嶺の花』の弾薬が.38スペシャル弾…その.500マグナム弾は、その4倍以上は威力を持つ弾丸ですので」
「それって撃つだけで肩外れません?」
「…背負っているその剣を片手でも扱える機械の身体で、肩が外れると?」
「あ、野暮でしたね」
「とりあえず、その銃…M500に名前を付けてあげなさい 今後はハヤト専用の銃な訳ですからね」
「ハイ、考えておきます!」
そうやって色々悩んだ結果、部長やヒマリさんをせめて守れるようにという意味を込めて…
『ガーディアン(守護者)』と名付けることにした。
そういえば、一応もう一つ思い出したこともあった。
背負っていた剣の名前だ、『TFG-ヘレジー・クロウ』…といってもそれだけしか思い出せなかったけど。
ヘレジー・クロウはどうも経年劣化なのか、摩耗して刃が欠けて鈍らとなってしまっている。
まぁ、質量は有るし、めちゃくちゃ丈夫だから鈍器として使えるからいいけどね。
ちなみに住居に関してはまだどうにもならないので、部室の一角に簡易ベッドを置かせてもらっている。
そんなこんなで、今日も元気に部員として働こうと部長に指示を受けたところ…。
「それなら、そうですね…しばらく、シャーレに出向してもらいましょうか」
「シャーレ…って言いますと、あの?」
『シャーレ』
正式名称は『連邦捜査部S.C.H.A.L.E』、先日、キヴォトスの外からやってきたという『先生』を
顧問として立ち上げられた特別機関。
「ええ、あのシャーレです。連邦生徒会長の失踪も気になりますし、
キヴォトスの外からやってきた『先生』がどのような人物なのかの確認も必要です」
「ですので、しばらくの間は先生に付き添う形で、ハヤトには調査をしてもらいたいのです」
「なるほど…そういう事であれば、頑張って調査に挑みます!」
「くれぐれも先生に迷惑はかけないように、何かあれば、端末で連絡を」
「了解です!」
…
“はじめまして、えーっと…”
「蒔菜ハヤトと言います、所属している部の部長の指示で、しばらくの間先生のお手伝いをすることになりました。よろしくお願いします」
“よろしく、ハヤト”
「はい!…早速ですが、何かお手伝いできることはありますか?」
“うーん…と言っても、今のところは私関係の書類仕事しかないし…あ、じゃあ珈琲を淹れてもらえるかな?”
「珈琲ですね、お任せください!」
こうして、私の、シャーレでの活動が始まったのだ。