ルイズに捧ぐ召喚詠唱   作:かりん2022

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悟の証言1

「帰ってこれたぁ!」

 

 景色が変わって、見慣れた学校で俺は心底ほっとした。

 傑がいた。それを認識した途端、俺は傑に抱きついていた。

 手元から、傑のぬいぐるみが落ちる。

 

「傑っ……!! 心配させんなよっ!」

「それはこっちのセリフだ……っ」

 

 混乱していたからか、涙がポロポロと落ちる。

 

「あっ やべ。トイレ行きたい! うげっ汚れてるのに抱きついちまった、ごめん! とりあえず俺、トイレ行ってくる。ちょっと待ってて」

 

 涙を拭きながら、傑の胸から顔を上げ、離れようとすると、ぎゅっと背に回す腕に力をこめられた。

 

「心配だから一緒に行くよ。あと、自分を汚れてるなんていうな」

「悟さま! 心配しました!」

「!?」

「心配させんな、クズ」

 

 ビクッと肩を跳ねさせる。なんだか教室には、俺の家のやつや傑、硝子、夜蛾センとたくさんいて、呪符などが散らばっていた。

 

「あーっと、ごめん! トイレ行ってから報告する」

 

 そうして、トイレに行って念入りに手を洗う。

 

「うー。手ぇ冷たっ」

 

 でもなんかまだ感触残ってる気がするんだよな。

 

「悟。お湯にしな。っていうか疲れただろ。シャワーにしなよ」

「ん。そうしようかな。わ、服ボロボロ」

 

 閉じ込められた場所で呪力ぶっ放しまくったからなー。焦ってたのか、結構怪我もしてる。自爆で。恥ずっ!

 

「でも待たせてるしなぁ」

「ちょっとくらい大丈夫だよ。呪霊使って連絡する」

「そこまでしなくても」

 

 既に呪霊を飛ばしてしまったようなので、俺は大人しく傑と服を取りに行ってお風呂に入った。

 

「五条。怪我の様子見せろ」

 

 医師と硝子に言われて、体のあちこち、余計な所まで見られる。

 硝子に手を伸ばされて、思わず伸ばされた指を思い出して叩き落としてしまった。

 

「ごめっ」

「気にすんな」

「えっ まさかトラウマ? 俺そんなタマだっけ? 弱っ えっちが」

「五条」

「ごめん硝「気にすんな。でもちょっとだけ我慢してくれ」」

「私の手は大丈夫? ちょっと抑えるよ、ごめんね。嫌だったら言って」

 

 そして治療が終わる。ちょっと緊張してしまった。

 

「とりあえず、大丈夫っぽいな」

「サンキュ」

「他に気になるところはあるか。苦手になったものとか。なんでもいいから言え」

「あー。悟って女の声で言われるの、ちょっとびっくりするかも?」

「わかった。男の声は大丈夫かな?」

「それは多分大丈夫。むしろ、こんなんで苦手出来るの嫌だから、硝子も悟って呼んで」

「……わかった。無理すんなよ、悟」

 

 治療の後さいどシャワーで洗い流し、服を着る。

 ココアを貰い、両隣に傑と硝子がついて、何があったか聞かれる事になった。

 

「ごめん、縛り結ばされて、言えねーんだ」

「つまり、犯人はまだ健在ということですか。その手の甲の印は」

「わりぃ。気が動転してて、そういや二回目防ぐ方法とかも全然考えてねーや。この手の甲は、あー。所有印的な? これもなんとかしないとな」

 

 困ったな。皆深刻な顔してるし。

 

「とりあえず、いつ召喚されても大丈夫なように、合同任務無しにしてもらえるかな」

「逆だろ!!!!!」

 

 傑が急に俺の肩を掴んで叫んで、びっくりした。

 

「ご、ごめん。とりあえず、呪霊を護衛につけるし、解決するまでずっとそばに居るから」

「マジで? あー。どうしよ」

「問題があるのか、悟」

「ちょっと一人で考えたい事があって。でも、今一人は嫌かも」

「考え事の邪魔はしないよ」

「本当悪い」

「とにかく、今日は温かいものを食べてもう休め」

 

 そう言われて、傑が俺の部屋に泊まる事になった。

 傑に寄りかかり、その体温を感じながら毛布に包まって、考え事をする。

 未来情報らしきもの。あれは本当なのか嘘なのか。

 

 皆亡くなる。殺される。情報の精度はどの程度か。もう既に予兆はあったのか。

 縛りを結んでいるから俺からこれらの情報を告げることは出来ない。

 一人で、どうにか出来るのか。1000年暗躍してる呪詛師を?

 無理だろ。でも、みんな死ぬ。

 うわ、吐き気してきた。やばっ 吐く。

 傑はすぐにゴミ箱を用意してくれて、俺の背をさすってくれた。

 

「悟。対策考えるのも大事だけど、今日はもう何も考えなくてもいいんじゃないか?」

 

 心配そうな傑の声。お前を。お前を、皆を失いたくない。

 だってもう、心を許しちまったんだ。

 

「傑。お前、ずっと一緒にいろよな。どっか行くなよ。何があっても。いや、俺がなんとかするし」

「……悟。あの人形、もしかして、私を出汁にして脅されたりなんかしたのかい?」

「何があったかは言えねーんだ」

「悟。私は君に守られるほど弱くはないよ」

 

 毅然として、怒りを抑える声。

 

「お前が弱いなんて言ってねーよ。つか……俺が助けてほしーし」

「助けるよ。私が出来る事、なんでもする」

「俺の事助けんの、すげー大変みたいだぞ。今も監視されてるかもだし」

 

 毛布で俺を隠すように、傑は俺を包んだ。

 

「どうすればいい?」

「ん。誰にも言わない? 下手に動くと逆効果だし」

「言わないよ」

「とりあえず、来年春までにすげー強くなって。でないと下手すると、俺殺されるかも」

「わかった」

 

 とにかく、一歩ずつどうにかしていくしかねーよな。

 本当、どうしたらいいんだろう。

 まずは二人して生き残ること、かな。

 

 あーもう気が動転してたとはいえ、縛り結ぶんじゃなかった!




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主人公は

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