ルイズに捧ぐ召喚詠唱   作:かりん2022

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傑の縛り

「ちょっと待ってろ、傑」

 

 そう言って、悟は宙に浮かんだ魔法陣に手を沈めた。

 出てきたのは、タブレット。

 

「それはなんだい?」

「魔法の板」

「機械に見えるけど」

「まあ見てろって。俺からは何も言えないけど、それを見せることはできる。ああ、俺達の出番は8巻から。あ、いうまでもないけど補助監督には内容悟らせんなよ」

 

 車での移動中、傑はそのタブレットをじっと見た。

 傑が怒っているのがわかる。

 

「胸糞悪いな」

 

 そこで、俺の表情に気づいて、傑は微笑んだ。

 

「君に対してじゃないよ」

 

 そうして、夏油は未だ持っていた弱い呪霊で文字を書く。

 

『これを盾に君を脅したんだね。そいつは。単なる漫画のキャラクターなんだって、軽んじて』

 

 五条悟は答えない。縛りで何をされたかは言えないからだ。

 ぐつぐつと傑は煮立っているようだった。

 100℃超えてない? 大丈夫?

 

 その場所について、傑は俺に手を伸ばした。

 

「一緒に行こう。大丈夫だよ、悟。呪霊はまた1から集めれば良いんだ。私は絶対に君を助ける。その為にも、まずは甚爾を倒そうか」

「ああ、傑。頼りにしてる。でも、一旦俺に説得を任せてくれねーかな」

「わかった。好きにしなよ。全力でフォローするから」

 

 お話の中では取れなかった、傑の手。それを、俺はぎゅっと握った。

 

「恵を頼むよって言われてたんじゃねーのかよ! てめーの息子だろ!」

 

 最低だと思ったけど、甚爾の柔らかいところを突いた。

 

「なんでお前が知ってる」

「お前の息子を宿儺の器にしようって一派がいる。俺は正直、今のうちに殺しておきたい。かといって禪院家で育てれば、恵は大好きな姉と引き離されて泣くだろうな。術式持ってるから禪院家で暮らせば幸せ? その答え、本当は知ってるんじゃねーの? 結局、お前がやるしかねーんだよ。で、どうする?」

「どうする? 何が言いてーんだよ」

「てめーの息子ぐらい、自分で守ってやれって言ってんだよ。真希は将来、呪術師になるぞ。呪霊が見えなくても、お前より弱くてもな」

「何を知ってる」

「未来を。宿儺の復活防ぐ手伝いするなら、水に流してお前の息子を守るの協力してやんよ。宿儺に殺されるのはごめんだからな」

「っ ずいぶん反則な術式持ちがいたもんだな。俺の子が受肉してお前を殺すってか」

「そー。今から10年後にね。あ、未来情報については黙ってた方がいいぞ。未来で宿儺の器は秘匿死刑の判決が降りてる」

 

 トン、と甚爾は下がった。

 

「考えとくわ」

 

 甚爾は下がった。

 

「逃がして良かったのかい、悟」

「ごめんな、傑」

「……いいよ。私も約束を守れなかったしね。理子ちゃんの遺体を回収して、それでまたそれを読ませてよ」

「ああ。……傑。大丈夫か」

「大丈夫ではないよ。大丈夫ではないけど、君の方が大丈夫ではないだろ。一緒に背負わせてくれ。戦わせてくれないか」

「……うん。手、離さないでくれよな」

「絶対離さないよ。私を出汁に悟を苦しめた奴をぶん殴るまではね。縛るよ」

「それ、あいつ死なない?」

「あはは。冗談だろ? 確実に殺すに決まってるじゃないか」

 

 その手を離す時を永遠に来なくするため、夏油にあいつと会わせないようにしようと誓う悟だった。




マシュマロ
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