クリアするまで出られないホラゲーに、なぜかVチューバーがいる件について   作:プロトタイプ・ゼロ

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第1のゲーム「泥人形と血濡れの宝物」
カセット1「神社に狼、我スネーク」


 

 

 

 俺――神塚(かみつか)明真(はるま)はどうやらホラゲーに呪われているらしい。そのことに気づいたのは中学生の時だった。いつの間にか現実とは違う場所で目を覚まし、その世界を完全に攻略するまで決して出ることができない。

 

 簡単に言うとラスボスを倒してエンディングを迎えない限り現実世界には帰れないってことだ。どう考えても倒せないようなボスから逃げ回り、攻略のヒントを探してエンディングルートを見つける。

 

 ホラゲーによっては最初から装備やアイテムが支給され、フィールドに落ちているアイテムや装備を手に入れて強化しなければクリアできないものもあった。

 

 高校生になるまでに様々なホラゲーを攻略してきた俺だが、このホラゲーにはある二つの共通点があった。それは絶対に死ぬことがないこと。そして、俺の攻撃は必ず相手に命中し倒すことができること。

 

 どうやら俺はホラゲーの世界に入っている間は無敵になるらしい。敵に何をされても死ぬことがない。まぁ、だからといって痛覚がないというわけじゃないから普通に痛いけどな。

 

 あとはそうだな……ホラゲーの中には必ず主人公が存在し、その主人公を陰からサポートしてクリアする方法もある。だが、ホラゲー世界の主人公は当然ながら普通に死んでしまうため、さっき言ったサポートをすることで死なないようにしなければならない。まぁ、セーブポイントまで送ることができれば、たとえ主人公が死んでしまってもその地点から再開するのでそこまで気にしなくてもいいのかもしれない。

 

 だが、1プレイヤーとしては目の前で人が死ぬのは見たくない。故に誰も死なないホラゲー攻略をすると決めている。

 

 だから今日もホラゲーを攻略するんだが…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うぅ〜、フブキィ……どこぉ?」

 

 どうしてVチューバーの大神ミオさんがいるんですかねぇ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ふぅ、落ち着け俺! 何だこれは(混乱中)? 待て待て待て待て!! 流石に予想外だぞ!! 今までなかったやん、こんなこと。なぜに今になってこんな事態が起こり得たのかなぁ!?

 

「今の手持ちを確認しよう」

 

 カバンを開き中身を確認する。やはり初期装備にあたる支給品があるわ。

 

 えぇと

 

 回復薬×3

 水×2

 コンバットナイフ×1

 包帯×10

 パニッシャー(レーザーポインター付き&弾無限)×1

 スティングレイ(高倍率スコープ付き&弾無限)×1

 段ボール×∞

 

 

 あー、そういう……クリア、できっかなぁ。

 

 ってかバイオハザードじゃねぇんかい!! 仕方ないか、隠れながらミオをサポートするしかねぇか。やってやらァ!! こちとら今までかなりの主人公をエンディングまで導いた男やぞ!!

 

 さて、そうと決まればメタルギアのようにコソコソと移動するとしますかねぇ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんかやけに暗いなぁ……うぅ〜やっぱり怖い。早くフブキと合流しないと」

 

 ホロライブゲーマーズに所属する大神ミオは、ゲームが始まってからずっとスタート地点から動けずにいた。本来ならばここにはミオ以外にも、同じゲーマーズの白上フブキといるはずだった。だが、なにかの不具合が発生したのか、フブキとは離れ離れになってしまい、ホラー耐性がないミオは一人ボッチにされてしまっていた。

 

 なんとか動こうとしても足がすくんで動けず、時々聞こえてくるカラスの鳴き声がやけに不気味に響き渡るため、余計に恐怖心が煽られる。

 

「どうしたらいいのさ〜」

 

 だからこそミオは直ぐ側にいる段ボールに気づかない。徐々にミオに近づいてくる段ボールは一定の距離になるとピタリと動きを止める。そしてわずかに空いている穴からミオの様子を見ると、深くため息を吐いていた。

 

(これ、いつまでここにいるんだろう……?)

 

 現在ミオがいるのはスタート地点の寂れた神社。最初のセーブポイントであり、体力を回復することができる。近くには後々出てくるとある存在に対抗するための聖水が流れている。

 

 明真は脳内にデータマップを展開する。黒い犬?のようなマークが神社におり、そこから少し離れた場所で白い狐のマークが動き回りながら神社に向かっている。その後ろを赤黒いオーラで覆われた文字化けしたマークが追っている。

 

(まずいなぁ……)

 

 白狐のスピードから考えておそらく気づいているだろう。だが、いかにここがセーブポイントと言えど真っ直ぐ来られると化け物が結界の外から動かなくなる可能性がある。

 

(仕方ない……)

 

 明真はミオに気づかれないように動きつつ階段を下っていく。と言うかミオは座り込んでいるため気づいてすらいなかったが。

 

 階段を降りきると段ボールを脱ぎ捨て、電柱に登り近くの家の屋根に上がる。

 

 ある程度屋根を歩いて移動すると、スティングレイを取り出し高倍率スコープに覗き込む。

 

(いた……やはり追いかけられてるな。あーいった化け物は一度クリティカルヒットするとしばらく動きを止めるからな。よぉく狙わないと)

 

 内心「止まってくんねぇかなぁ……」と舌打ちしつつフブキに当たらないように気をつける。化け物は仮面のような物を被っており、喉あたりまで裂けている口をカチンカチンと鳴らしている。

 

「ちょっくら死んでこい」

 

 化け物が曲がり角で動きを止めた瞬間を狙い弾を撃つ。見事脳天にぶっ刺さったことで化け物はその場で蹲る。

 

 向こうの方でフブキが驚愕しているのがわかる。だが、今化け物が動けないことを瞬時に悟ったのかまた走り出し神社に向かう。

 

「ふぅ……」

 

 一仕事終えたとばかりに額を拭い、急いで神社に戻るとやはりまだ動かずにウロウロしているミオにバレないように身を隠し段ボールの中に潜む。

 

(あ~、今までで一番緊張感漂うわぁこれ)

 

 

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