クリアするまで出られないホラゲーに、なぜかVチューバーがいる件について 作:プロトタイプ・ゼロ
皆さん、最近かなり寒くなってきた今日このごろ、どうお過ごしですか? 俺は風邪を引いて声が出なくなりました。皆さんもそういうこともあるかもしれないので、十分体調管理に気をつけてお過ごしください!
それでは、今日のゲームを起動しましょうか。
「――――――きろっ!」
誰かの声が聞こえる。
「――聞こえて―――のか?」
誰の声だろう? まだ声変わりをする前の高い少年の声みたいだ。
「くっ……吾輩のことを――する――て」
悪いが今は寝かせてほしいんだ。ずっと寝てなかったから。
「起きろって言ってるだろ!! この馬鹿者が!!」
「うるせぇな!?」
そんな耳元で叫ばれたら鼓膜破れるわドアホ!!
「…………誰だお前は?」
「それはこちらのセリフだな……まぁ、吾輩はなんとなくお前のことはわかっているのだが」
なんなんだよこいつ……。
「…………ギーツだ」
「ふむ、吾輩の考えが正しいなら、お前はそんな名前じゃないはずだが?」
そうだろう? なぁ、神塚明真?
眠気なんて吹き飛んだ。見た目がガキっぽいから油断してしまった。もしかしたら俺を殺す敵かもしれないのに。
だから壁に背中を預けて座り込んでいた体勢から瞬時に起き上がり、そいつの肩を掴むと地面に押し付け抜いた刀を首筋に当てる。
「……お前は誰だ? なんの目的があって俺に近づいてきた?」
「少しは話を聞いてもらいたいのだがな……まぁいい! 刮目せよ! 吾輩はラプラス・ダークネス! エデンの星を据える者! 秘密結社ホロックスの総帥をしている」
ごめん。正直わからん。秘密結社なのに名乗っても大丈夫なのかそれ? あと地面に押し付けられたその状態でそんな名乗り方されても……いや、押し付けたの俺か。
「怯えないのか。首筋に刀があるんだぞ?」
「それぐらいで怖がるような浅い生き方なんてしてないからな。それに吾輩悪魔だし」
悪魔? ラプラスで……あーそういう。
「ラプラスの悪魔……なるほどな」
なんとなく理解はできた。故に刀を首筋から外し、ラプラスを起き上がらせる。
「……悪かった。最近ろくに寝てねぇからピリついてた」
「いや勘違いするようなことを吾輩も言ったからな。おあいこでどうだ?」
見た目通りじゃねぇんだな。
「取り敢えずここから移動するぞ。吾輩のゲーム仲間も近くにいるはずだからな」
「……わかった」
刀を鞘に戻し仮面に触れ……
「仮面が割れてる……いや、ヒビが入ってるのか」
「ん? あぁ、吾輩がお前を見つけたときからヒビ割れていたぞ」
とするといろはを逃がしたあとに殺人鬼と連戦しまくった時に、どっかで攻撃が当たったのか。プレイヤーがいない場合、俺の無敵はなくなるから。
で、ここはどこなんだ? なんでこんな森の中で俺は寝ていたのだろうか? それも明らかに人工物の建物の壁が背中にあったし。謎すぎないか?
「そういえば吾輩の部下が世話になったな。感謝してもしきれないぐらいだ。アイツは吾輩の大切な部下の一人。あのまま目覚めないのかとヒヤヒヤしたぞ」
「……誰のことだ?」
「風真いろはのことだ……まさか、知らないのか!?」
「あの侍少女が風真いろはってことは本人から聞いたから知ってはいるが、そうか……お前の部下だったのか」
ラプラスの言うホロックスがどういう組織なのかは知らないが、目の前にいるラプラスは相当の実力者だ。本人はうまく隠してるのかもしれないが……ちょっと待てよ?
「お前、なんでホラーゲームの世界にいながら本来の力を発揮できている?」
「……? どういうことだ?」
「この世界では呪い持ちの俺以外は、ホラーゲームの設定上本来の力を出せなくなっている。なのに、お前は弱体化すらしていない」
獣人なら獣人特有の身体能力、天使や聖女なら聖なる力とか……そういったものが封印されてしまう。それに、現実世界での武器などもこの世界……というかホラーゲームには持ち込めない。
「悪魔……だからか? いや流石にない。あってたまるか」
「まぁ、そこら辺は追々考えればよくないか?」
「……そうかもな」
今は移動しよう。俺も疲労が回復してないからマトモに戦えるか不安だし。
「さて、じゃあ移動しよう……と、言いたいところだが」
「あぁ、いるな」
木々を押しのけ、俺の身長(153.4センチ)の3倍はあるんじゃないかって思うほどの巨体が現れた。右手には使い込まれた棍棒があり、僅かではあるが血がついている。
「グウゥオオオオオオオオオォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!」
鬼。それもまだ弱い方の赤鬼が、俺達の姿を見つけて瞬間力いっぱい息を吸い込み咆哮を上げる。
「ちっ……」
棍棒を振り回しながら突進してくる赤鬼に、思わず舌打ちをしてしまう。咄嗟にラプラスを抱きかかえながら背中の壁に飛び、足の筋肉を存分に使って赤鬼の頭上を飛び越える。
「なんかあったから使ってみるか」
何故かカバンに入っていた【魔改造型ショットガンロケットランチャー】を取り出し、左手で狙いを定めてロケットランチャーを放つ。その衝撃で
「ヴォぉ!?」
「がっ!!」
思いっきり左肩に骨が抉れた。なんとかうまく着地すると、痛みで動けなくなった赤鬼に背を向け走り出す。
「おい! 目的地はどこらへんだ!?」
「そのまままっすぐ走ればいい!! ってかお前肩大丈夫か!? なんか凄いグロテスクな状態になってるぞ!?」
「そんな痛みなんざ気にしてられるか!!」
「気にしろよ!! むしろこっちが気にするわ!! ちょっと顔上げたら肩から骨が出現してるとかホラーゲームよりもホラーしてるわ!!」
「グガアアアアアアアァァッ!!」
あ、やばっ。赤鬼が追いかけてきた。さて、どうしようか……。
「なんか凄い声しなかった!?」
「う、うん……」
「もう帰りたいよぉ……」
日が真上に登り森の探索を始めたAZKi、すいせい、かなたの3人は、武器の入手のために歩いていた。時々夜ではないのに現れる異形をすいせいが瞳を怪しく光らせて斬りかかり、時々かなたが殴り飛ばしてる。
異形を斬るすいせいの頬は若干赤らんでおり、地味に息が乱れている。その姿は何も知らない人が見ればセンシティブに見えるかもしれないが、それを1から見ているAZKiにとっては頬が引き攣る思いだ。
(前々からすいコパスとか言われてるすいちゃんだけど……これは否定できないよ)
なお、隣で異形を殴り飛ばしてる筋肉ゴリラ天使はガン無視するものとする。
「はぁ……こんなんじゃあすいちゃんは物足りないよ」
「いやいっぱい斬ってたよね!? しかも笑いながら!!」
「なんのことかなぁ〜? すいちゃんわかんなーい」
「う、うぜぇ……」
そういうかなたも十分笑いながら殴り飛ばしている事をツッコミたい気持ちだったが、AZKiはなんとか飲み込んだ。
早くも疲れてきたAZKiである。
そんな心の叫びが嘆きとして出したい状況で、白と紫の風が通り過ぎた。
「はい? はいいいぃぃぃぃぃぃぃ!?」
「なんか赤鬼来たあああぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「逃げよう!!」
3人はくるりと回れ右をし、通り過ぎた2つの風を追いかけるために走り出した。
「……ここまでくればいいか」
「吾輩なにもツッコまんぞ」
「なににだよ……」
なんか誰かを追い越したような気はするけど。
で、
「随分と豪華っぽい見た目の家だな……」
「そんな豪華か?」
「あいにく普通の一軒家に住んでるんでね。そこら辺はわからん」
あんな機械だらけの地下室がある家を普通の一軒家と言っていいのかはわからんが……いや待て? 今俺は何を考えた?
なんだ機械だらけの地下室って……? そんなもん知らんぞ俺は? でも確かに見たことはあるはずなんだが……まぁいいか。
「おっ、どうやら落ち着いたようだぞ? オマケ付きで」
「撃退するか」
「いやいや!? お前怪我したばっか、だろ……うが!?」
なんだよ、人の肩見て信じられないような顔を……あぁ、そういうことか。
「な、なんで……突き出した肩の骨が元に戻っているんだ!?」
「そういう呪いなんだよ。どんな怪我を負おうとも死ねないんだ。お前らプレイヤーがゲームをプレイしてる間は」
「はは……なんだよそれ」
さて、ちょっくら行ってくるか。
左肩をぐるぐる回し絶好調になったのを確認し終えると、右手で刀を抜き放ち一気に赤鬼の懐まで接近する。
「グガァ!?」
赤鬼は突然近くに現れた俺に立ち止まり警戒しながら棍棒を振ってくるが、その棍棒を踏み台にして肩を斬り裂く。それにより赤鬼の右肩がボトリと地面に落ち、赤鬼は肩を抑えながら後ろに下がる。
それが隙となり、一瞬でも俺から視界を外したのを好機に、トップスピードで接近する。そしてそのまま追い越しながら赤鬼を斬り裂いた。
足でブレーキをかけ、立ち止まった俺は刀についた血を振り払いゆっくりと鞘に戻していく。その後ろで赤鬼が余っている左手で棍棒を持ち、俺の頭に振り落とそうとしていた。
「あ、危ないっ!!」
赤鬼のはるか後ろにいる茶髪にマゼンタ色が混じった少女が心配そうに声を出すが、
チンッ!!
刀を鞘に戻した時に鳴る特有の甲高い音が響き、赤鬼が様々なところから血を吹き出しながらバラバラになる。
若干俺の服や仮面に血が付着したが、あまり気にしごめん嘘。めっちゃ臭い!! 猪とかそんなレベルを大きく超えたくらいには臭い!!
はぁ……仕方ねぇな。後で洗おう。
そうため息を吐きながら、唖然としている四人のもとに向かった。
どうだったでしょうか?
ようやく主人公が交流しました!!
まぁ、2話目で、なんですけどね……
良ければ感想などくれると嬉しいです!!もし誤字脱字があれば教えてください!
それでは皆様!!次のセーブデータでまたお会いしましょう!!
次のゲームに出してほしいコンビキャラは?(チームでも可)
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