【完結】ウサミミ少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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今年最後の投稿です

本編が超シリアスなのでほのぼのした話です




一佳とのお泊まり

「……という訳で‼︎ 珈琲はとても幅広く、奥が深いんだよ、鈴仙‼︎」

 

 一佳の部屋で珈琲豆の実物を見せて貰いながら一佳の教えを聞く鈴仙。

 

 冬休みのある日、鈴仙がそれとなく語った。

 一佳に対してコーヒーに関して興味を持ったの、そう話題を振ったのが3日前……じゃあ予定を合わせて、コーヒーの事を教えるよっとキラキラと瞳を輝かせて鈴仙の手を取りガバッと思い切り抱きつきながら約束した。

 

 そうして、約束当日……鈴仙はB組寮、拳藤一佳の部屋に招かれていた。

 

 一佳は八百万に創造してもらったベージュのスーツを着用、そして何処からか取り出した伊達メガネを着用した一佳は柑子色のポニーテールを揺らしながら珈琲の種類や豆の挽き方、香りの出し方などを鈴仙に伝えていく。

 そう言えば一佳はコーヒー鑑定士、コーヒーソムリエ、コーヒーマイスター……その他にもコーヒーに関する多種多様な資格を取得しているのだった。

 好きこそ物の上手なれっていう格言もあるけどマジなんだなぁ……そんな事をほんわかと考えながら一佳の淹れてくれた珈琲をコクッコクっとゆっくりと飲んでいる。

 鈴仙はコーヒーに関してはあまり詳しくなく、また一佳の勧めでミルクと砂糖を混ぜているが……依然として苦い、苦いけど、苦味の後に甘さがあって美味しい。

 

 一佳から珈琲の歴史やその利用法、珈琲豆の種類や焙煎について語られる。

 

 何処から用意したのかホワイトボードに書き込まれておりとても分かり易い。

 

「実はコーヒーは生豆の状態では青臭い匂いがするくらいで、全然味がしない。焙煎という工程を経て初めてコーヒーらしい香りや味が出てくる。浅煎りは酸味や果実感のあるフレーバーが、深煎りは苦みや香ばしさが際立ってくる……ぶっちゃけて言うと正直産地とかより焙煎度のほうが味に影響するので、産地で買うよりは焙煎度を指定して買うほうがわかりやすい、そして焙煎すると味の劣化が始まるので、できれば焙煎から1か月以内には飲み切りたい」

 

 一佳先生による珈琲の授業が始まる。

 

「浅煎りから深煎りまで、8段階に分けることが多い。呼び方については人によって異なることもあり、特に明確な基準があるわけでもないので、以下の焙煎度はあくまで参考程度としよう」

 

 ライトロースト

 最も浅煎り。

 いわゆるコーヒーの香りはほぼしないし、普通に飲むのには全く向いていない。

 生豆の状態を確認するためのカッピングテストに使われる……というより、それ以外の用途がほぼない。

 ある意味ではコーヒー豆そのものの個性が最も強く出るため、あえて飲むこともある。

 

 シナモンロースト

 ライトローストよりはコーヒーらしい香りがするが、まだまだ青臭いので扱っている店も少ない。

 これもカッピングに使われるほか、コーヒー豆そのものの味や香りを楽しむという用途で飲まれることもある。

 北欧ではライト~シナモンローストの浅煎りのコーヒーが飲まれることも多いらしい。

 

 ミディアムロースト

 ここからは一般に飲まれる程度の焙煎度。

 酸味やフレーバーが際立ち、苦みはあまり感じられない。酸味が強いので、ミルクと合わせるよりはブラックで飲むのに向いている。

 

 ハイロースト

 酸味が抑えられ、コーヒーらしい苦味が出てくる。バランスが良く、ハイ~シティくらいが一般的にはよく使われている。

 

 シティロースト

 酸味と苦味のバランスもよく、焙煎によるロースト香も感じられ、これもよく使われる。苦味を活かして甘いものと合わせてもよいし、ミルクと合わせてもコーヒーの味が負けなくなってくる。

 

 フルシティロースト

 酸味というよりは苦味のほうが強くなってくる。コーヒー豆表面に油が浮いているのが見えるようになってくる。これ以上の焙煎度は、深い苦味を活かしてエスプレッソやアイスコーヒーにしたりするのに向いている。

 

 フレンチロースト

 酸味がかなり消え、ロースト香と苦みが前面に出てくる。名前の通り、深煎りは南欧でよく飲まれている。ウィンナーコーヒーのように生クリームと合わせると、生クリームの甘味とコーヒーの苦味とのコントラストが楽しめる。

 

 イタリアンロースト

 見た目からして炭みたいに真っ黒になる焙煎度。酸味などはなく、ロースト香と純粋な苦味がさらに際立つ。ここまでやると香ばしいを超えてスモーキーな感じまでしてくる。

 

 そして、実際にやってみようという事でコーヒー豆を実際に挽く事になった鈴仙。

 しかし、慣れた手つきで行う一佳とは対照的に辿々しい手つきで、おっかなびっくりな様子で珈琲豆を挽く鈴仙。

 

 

 30分ほど掛けてコーヒー豆を粗挽きしていく。

 

 そして……淹れかたにも一家言あるのか一佳先生から語られる。

 

「コーヒーの淹れ方にも色々あってね……」

 

 ドリップ系

 

 ・ペーパードリップ

 

 恐らく日本で最も普及しているであろう淹れ方。ドリッパに紙製のフィルタをセット、粉を入れ湯を注ぐとコーヒーが抽出される。

 コーヒーを淹れる前にフィルタにお湯を通すことをリンスと言い、必須ではないものの、紙の匂いを取る・フィルタをドリッパーに貼り付けるなどの効果がある。湯が完全に切れる前にドリッパを外せば雑味がなくなる。また抽出したコーヒーに火をかけ、沸騰直前まで熱するとより風味が増すが加減が難しい。

 ちゃんとした手順を踏めば水準以上のものが出来る反面、油分がかなり取り除かれる為全体的に尖った味になりがち。

 

 ドリッパーには円錐形のものと台形のものがあり、使う紙の形も全く違うので注意。一般には台形の方が淹れる人の腕前によらず安定した味が出せるとされているが、円錐形のドリッパーにもそのようなコンセプトのものがあるので一概には言えない。

 

 ネルドリップ

 

 フィルタを布にしている為、紙より油分を多く抽出する為にまろやかで丸みを帯びた味になる。

 しかし布の後処理を怠ると使い物にならなくなる為に注意。

 

 エスプレッソ

 

 加圧蒸気を圧縮したコーヒー粉に通すことで抽出したコーヒー。

 イタリアンにおける「コーヒー」とはこれのこと。

 普通にお湯を通すよりも効率的に抽出できるため早く、少なく、濃厚なコーヒーになる。

 しかしその分とても苦いため、余程好きでもなければ意地を張らずに砂糖を入れることをオススメするとの事……どうも詳しく聞くと一佳は1度やらかしたらしい。

 ちなみにエスプレッソをベースにした飲み物の場合、1回の抽出分をショットと数える。

 フレンチローストなどの深煎りの豆が使われることが多いが、あえて浅煎りの豆を使うこともある。

 

 直火式エスプレッソ

 

 コーヒーの粉と水を入れて直火にかけ、沸騰の圧力でエスプレッソ抽出を行う。

 器具が安価で比較的入手もしやすいとか。

 しかし蒸気圧のみで抽出するので時間がかかり、また余計な熱もかかるので「焼けたような味」になりがち。

 

 エスプレッソマシン

 

 蒸気圧ではなくポンプで圧力をかけて抽出する。

 機械的な部品が多くなり直火式に比べて高価であり、また圧力がかかる部分があり通常のコーヒーメーカーと比べて故障する部分が増えるが、直火式と比べると味が良いとされる。

 ミルクを泡立てる用のスチーム機能がついている機種もある。

 

 半自動式エスプレッソマシン

 

 名称に「半自動」とあるが、実質手動式と言ってもいい。

 コーヒー粉を金属製のフィルターにセットし、手動で抽出のON/OFFを行う。

 比較的安価であり機種によっては1万円くらいで購入できるのが利点あり、メンテナンスも容易だが、コーヒー粉を押し固める「タンピング」が上手くできないと美味しくならない。練習するべし。

 

 全自動エスプレッソマシン

 

 コーヒー豆の粉砕から抽出までフルオートでやってくれるタイプ。

 豆と水を入れてボタンを押すだけで確実に抽出できるが、非常に高くメンテナンスが煩雑、何よりでかい。

 一佳の部屋に置いてあるのコーヒーマシンもこのタイプでありフラッグシップモデルの為に7桁円からする最高級品である。

 

 カプセル式エスプレッソマシン

 

 コーヒー粉が専用の小型カートリッジになっておりカートリッジを入れてボタンを押すだけで抽出できる。シティホテルの客室やオフィスに置いてあることも。

 マシンが比較的安価でメンテナンスも簡単だが、対応したカートリッジが必要になる。

 

 手動式エスプレッソマシン

 

 てこの原理を使って、手で圧力をかけて抽出する。抽出圧力を完全に思い通りにできるのがメリットだが、機械式と比べても安くないどころか高いので、こだわりのある人向け。

 てこの原理を使う都合上、長いハンドルも付いてくるのでスペースも必要になる。

 

 サイフォン

 

 フラスコとゴム栓のついた漏斗を使い、加熱して水が沸騰したフラスコにゴム栓付き漏斗を刺し、蒸気圧で漏斗にお湯を逆流させる。

 コーヒー粉とお湯を混ぜた上で火を止めると、蒸気圧が下がりフラスコに漏斗のフィルタで濾されたコーヒーが戻る。フィルタは基本的に布製。

 直火式エスプレッソと原理は似ているが、こちらはコーヒー粉と湯が一度完全に混ざることが特徴。

 手間はかかるが手順の再現性が高く、安定して同じ味を出しやすいことと、実験器具風の見た目がオシャレなためインテリアとしても人気がある。

 

 フレンチプレス

 

 円筒状の容器にコーヒー粉とお湯を注ぎ、抽出が終わったら上からプランジャーと呼ばれる金属フィルターを押し込んで、コーヒーの粉と抽出液を分離する道具。ドリップと比べると油分が出やすく、コクのある味わいになる傾向がある。

 

 コールドブリュー

 

 コーヒーを冷水で抽出して飲む飲み方。お湯で抽出するより時間がかかり、一杯作るのに7~8時間かかる。

 

 浸漬式

 

 冷水の入ったボトルにコーヒー粉を投入して放置する方法。水の入ったボトルに粉を直接入れ、フィルターで濾して飲む方法、ストレーナーという円筒状の網に粉を入れてから投入する方法、麦茶パックみたいな既製品のパックを使う方法などがある。

 

 ウォータードリップ

 

 所謂ダッチワ……ダッチコーヒー。水で点滴みたいに一滴一滴抽出する。

 繊細な風味を引き出し、豆によっては苦味を和らげてくれる。最近は比較的安価な器具が販売されている。

 

 超音波抽出

 

 実験室レベルだが、超音波を使ってコールドブリューする方法が開発されている。なんと3分で抽出が終わるのに、今までのコールドブリューと同じ味が出せるということで注目されている。

 

 

 長くなったが……話を聞いていると一佳は本当に珈琲好きなんだなぁと感服する。

 

 

 そして……いくつかの工程を経てよく見る飲料としてのコーヒーとなる。

 

 鈴仙が自作した和菓子と洋菓子で甘味を摂りつつ珈琲を味わう2人。

 今回鈴仙が持ち込んだのはアップルパイと団子である。

 

 紅玉を使用したアップルパイであり味と出来栄えは相当良い。

 味見役として八百万百に食べてもらった所、アップルパイもお団子も八百万百イチオシの超高級スイーツ店で出せる程の味と見栄えとの太鼓判を頂いた。

 

 コーヒーとアップルパイ、そしてお団子を楽しみながら2人が交わす話は色々と変わり……朝9.00に一佳の部屋へ招待されたのにふと時刻を見れば既に18.00を回っていた為に……別れを惜しむ……とはならず、今日は外泊届を先んじて提出している為に一佳のお部屋でお泊まりである。

 コーヒーの話を振った日に一佳から誘われた為にありがたく申し出を受け入れた鈴仙。

 

 一佳の部屋に設置されているお風呂場で2人一緒にお風呂を楽しむ。

 2人同時に浴槽に入るとギリギリである、互いの身体が密着してしまうがそれもまた心地良い。

 

 

 

 

 入浴後……パジャマに着替えたらお菓子や珈琲、紅茶で2人だけのティーパーティーを行う。

 一佳のオススメの珈琲を飲みながら、鈴仙が自作したアップルパイやピーチパイ、10種類のお団子を仲良く食べて就寝となる。

 

 一佳の部屋のベッドはダブルサイズであり2人でも問題なくベッドへと横になれる。

 

 一佳は鈴仙のウサミミとウサギ尻尾へと触れながら語る。

 

「おやすみ……鈴仙」

 

 それに対して……鈴仙も一佳の事を抱きしめて呟く。

 

「えぇ……おやすみ、一佳」




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