【完結】ウサミミ少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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職場体験④

「……今現在マスコミがいないのが幸いでした、報道ヘリが来たら即座にあの犯人達は人質諸共死ぬつもりです、映画の撮影というわけでもなさそうです……エキストラの役者が放っている波長ではない、ただの一般市民が本気で怯えている波長です」

 

 波長を操作してそれらを読み取るムーンラビット。

 構えたルナティックガンを腰に下げ直すとギャングオルカへと告げる。

 

「とりあえず……犯人達の銃は超音波を放って内部構造を破損させたので撃発する事はありません……問題は10人が10人とも防弾ベストに仕込んでいるプラスチック爆弾ですね……あれは起爆される前に気絶させるしかありません』

 

 得た情報を共有する鈴仙。

 それに対してギャングオルカは告げる。

 

「ギャングオルカの権限の下、ムーンラビットの個性使用及び(ヴィラン)の制圧を許可する」

 

 そう聞いて鈴仙はギャングオルカにハンドサインで了解と告げるとギャングオルカと共にターミナルビルへと潜入する。

 波長操作を行いムーンラビットは自身とギャングオルカの光の屈折率と音の波長を操作して透明になり無音となる。

 ムーンラビットとギャングオルカは『透明』となり自身らの存在を消す。

 しかし『透明』になるとはいえそれはあくまでも『姿』という存在を消すだけであり『そこにいる』という事実を消すモノではない。

 

 それに留意しながら見張りをしていた2人組にギャングオルカが超音波を叩き込んで気絶させムーンラビットがインカムを奪ってターミナルビルへと侵入していく。

 そうして3分後、インカムに通信が入る。

 

『こちらAlpha1、Bravo2、応答せよ……異常はないか、どうぞ』

 

 それを聞いたムーンラビットはインカムを取り、さもそれが当然であるかのように告げる。

 

『こちらBlavo2、今の所異常なし、どうぞ』

 

 見張り番をしていたテロリストの声の波長と同じ波長にして声音を合わせるムーンラビット。

 ザザっ……というインカム独特のノイズの後、再度通信が行われる。

 

『Blavo2、了解した、そのまま警戒を続けろ、まだ警察もヒーローどもも気づいてねぇ、奴らが気づいた頃には既に此処はバラバラに吹き飛んだ肉片の収集と瓦礫の山の大掃除に仕事が変わっているだろう、我々で革命の始まりを、狼煙を上げる、5分にタイマーをセットしろ……此処にいる人間は我々を含め誰1人として生かして帰さない、全員死んでもらう……通信を終わる』

 

 突如として時間制限が……4分55秒以内に全員無傷で捕縛しなければならない。

 ムーンラビットは波長操作を行い自身の視界をサーモグラフィーの様にしつつ熱源を探知し事細かな情報を得てそれをギャングオルカへと共有する。

 

『中央エントランスに3人、あそことあそこの左右の柱の影に2人ずつ、司令塔と目されるテロリストが幼い子供を人質に……その横には気絶した女性、恐らくは母親だと……文字通り一瞬で事を済ませる必要があります……5カウントで私が右半分を制圧しますのでギャングオルカさんには左半分の制圧をお願いしたいです……』

 

 そう告げるムーンラビット。

 対するギャングオルカもコクリッと頷いて奇襲をかける。

 

 ムーンラビットはルナティックガンと自身の個性を使って瞬く間に気絶へと追い込む。

 ギャングオルカも超音波アタックを使い的確に1人ずつ気絶に追い込んでいく。

 

 そうして、テロリストの司令塔以外を全員気絶させて縛り上げると武装解除し確実に動けない様にする。

 そうして、司令塔が居るのが確認された部屋の内部を波長を飛ばして透視したムーンラビットはギャングオルカに告げる。

 

『ワイヤートラップと赤外線センサーがセットされていますね……良い物に繋がってるわけありませんね、これは……ワイヤートラップはベタな手ですがグレネードに繋がっています……不用意に蹴破ろう物ならその瞬間にドカンッです……さて、赤外線センサーの方は……』

 

 波長を飛ばして部屋を透視するムーンラビットは部屋の隅々まで確認しながらギャングオルカへと告げる。

 

『熱源探知機器を装着した機銃に接続されてますね、しかもオートで敵を視認して撃ってくるやつです……しかし……ただのテロリストに此処まで潤沢な装備が整えられるとは……とりあえず……』

 

 ムーンラビットはルナティックガンの銃口を扉に押し当ててその引き金を引く。

 その数秒後、短い呻き声と共にドスンッと倒れ込む音がしてテロリストの司令塔が気絶したのをしっかりと波長を視認して確認するムーンラビット。

 ハンドサインを送りギャングオルカはワイヤートラップに引っかからない様に慎重に、慎重に扉を開ける。

 

 赤外線センサーは波長操作を行い回避するとテロリストの司令塔の身体から全ての武装を剥ぎ取り武装を解除して近くにあった縄で縛る。

 

 そうして、全ての敵性反応を排除したムーンラビットとギャングオルカは確実に安全を確保したのを確認した上でターミナルビルに仕掛けられていた爆弾を内部構造を狂わせて対処した後に警察とプロヒーローの増援を要請した。

 

 その後、集まった警察車両やプロヒーロー達により人質となっていた者全員の無事を確認されて、テロリスト達は全員警察署へと連行されていった。

 危うく、稀に見る大惨事となる所であったが何とか回避できてムーンラビットはホッと胸を撫で下ろす。

 

 そうして……ギャングオルカと共に事情聴取の為にパトカーへと乗り込んで最寄りの警察署で事情聴取を受ける。

 

 2時間後、ようやく事情聴取が終わり解放されるギャングオルカと鈴仙。

 警察署をでて、グイッ〜と座りっぱなしで疲れた筋肉をほぐすかの様に伸びをする。

 人質達は襲われてから全員目隠しと手枷と足枷で拘束されていた為に何が起きたか分かっていなかった。

 けれど何となく助けが来たというのは実感していたらしい。 

 

 既に時刻は日付が変わっており4時手前である。

 此処から空港に戻って深夜便の席を取り朝方に沖縄へと戻る事となった。

 

 そうして、飛行機で移動し朝7時ちょうどに沖縄へと到着して……ギャングオルカの判断で今日は疲労回復の為に休みとなった。

 

「とりあえず此処に行ってくると良い、疲れが取れる、俺の知己がやっている温泉宿でな、俺の名前を出せば多少の融通は利かせてくれる」

 

 そう言われてギャングオルカさんから裏に何かを記載した名刺と共に宿代と称してギャングオルカより金を渡される鈴仙。

 

 厚意を無碍にするのも気が引ける為にありがたく受け取る。




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