【完結】ウサミミ少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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職場体験を終えて

「1週間大変お世話になりました‼︎」

 

 ギャングオルカとそのサイドキック達にお辞儀をしてそう叫ぶ鈴仙。

 1週間の職場体験、とても意義のある1週間であった。

 

 そうして、ギャングオルカとそのサイドキック達から頑張ってな、と告げられてギャングオルカ事務所を出てタクシーで空港へと向かい飛行機に乗り込む鈴仙。

 

「色々と学べた有意義な1週間だったなぁ……これを糧にして学校生活も頑張るぞおおお」

 

 ウサミミも千切れんばかりの勢いでグルングルン旋回しており『やったやった‼︎ とても有意義な1週間だったよぉぉぉ‼︎』と荒ぶっていた。

 

 そうして……飛行機で本土へと戻り空港へと着いた途端に疲労がどっと押し寄せるのを感じてウサミミがヘニョォォォォっと力なく項垂れるのを感じる鈴仙であった。

 そうして家路に着いた鈴仙は1週間ぶりとなる我が家へと戻った。

 翌日、息を切らして鈴仙が教室へと入ってきた。

 

「お……‥おはよう……疲れた」

 

 いつも7時35分には学校に着いている鈴仙が50分も遅れてきた事に驚愕を隠せないクラスメイト達、始業ギリギリに着くなんて鈴仙らしくない。

 芦戸三奈や八百万百が問いかけてくる。

 

「どったん? 鈴仙……珍しいじゃんこんなに遅く来るの、初めてじゃない?」

 

「どうしたのですか? 鈴仙さん」

 

 ダッシュで突っ切って来たのかゼェハァと息を切らして滴る汗をハンカチで拭い制汗剤を使用する鈴仙。

 激しく息切れを起こしており2分程してようやく落ち着いたのか返答を行う。

 

「なんか……家出たらマスコミや週刊誌記者の集団が居てもみくちゃにされてさ……学校に急いでるからって言っても全然聞いてくれないし自分達の質問ばっかりで……裏路地や遠回りだから普段通らない道や迂回ルートを全部駆使して必死になって撒いてきた所……中にはここまで追いかけてきた記者も居たよ……」

 

 ネクタイを緩めてぐでぇっと机に突っ伏す鈴仙。

 その表情には朝から疲労の色が濃く見えておりウサミミも疲労でクシャァッと力無く垂れていた。

 鈴仙の言葉に対して労いの言葉をかける芦戸三奈と八百万百。

 鈴仙としてもこれが続く様ならば学業に支障が出かねない為に相澤先生に相談する事もやぶさかではないと思案していた。

 

 そうして朝のホームルームが開始されて午前中の授業が始まる。

 昼休みとなり弁当を忘れた事に気づいた鈴仙は食堂に赴いて食事をとる。

 鈴仙が注文したのは人参のグラッセにニンジンハンバーグ、ニンジンサラダに白米。

 そうして昼食を食べていると一佳から声がかけられる。

 

「やっ、鈴仙隣いい?」

 

 水を飲み干して、鈴仙はコクリッと頷く。

 隣に座った一佳から羨ましそうに問いかけられる。

 

「どうだった? 職場体験さ、あの後も結構イルカショーとか出てたじゃん……ていうか一番びっくりしたのがその後だよ鈴仙、空港テロ未遂って何があったのさ」

 

 そう問われて一佳に事の顛末を話す。

 顛末を聞いた一佳は壮絶な体験だったんだね、と労いの言葉をかけてきてくれた。

 正直……今朝のマスコミの方がキツかったとは言えない……。

 その後は色んな話しをしつつ昼休みが終わりに近づいてきた為に互いにクラスへと戻る。

 

 そうして、午後の授業はオールマイトによる工業地帯での救助訓練レースが開催された。

 当然ながら被害は最小限に抑える事が大前提である為、爆豪勝己が名指しで言われる。

 

 第一チーム。

 瀬呂範太。

 爆豪勝己。

 鈴仙。

 飯田天哉。

 緑谷出久。

 

 クラスでも特に機動力に長けた者達が固まっており、オールマイトのスタートの合図と共に駆け出す。

 

 瀬呂範太は個性『テープ』でパイプや各所にテープを射出して立体機動を行うが立体機動が出来るのは何も瀬呂範太のみではない。

 爆豪勝己も掌から爆破を行い立体機動を行う、爆破の都合上連続的に放てば放つ分だけ速度が上がる。

 飯田天哉は単純に走り抜けていた、鈴仙の行うパルクールを真似たのか工業地帯のパイプ程度ではもはや障害物にはなり得ない。

 緑谷出久は本人曰く増強系の個性だと言う事だったが毎日行っているトレーニングが功を奏したのか本人曰く10%の力を今は常時25%で扱える様になったと喜んでいた、正直言って単純な速度だけならクラスでも上位に位置する。

 そして、鈴仙はそもそも空中に透明な壁を設置してそれを足場にしており『ウサギ』の脚力も潜水時の動きでかなり鍛えられたのか凄まじい速度を手にしていた。

 

 モニターを見ている皆は目まぐるしく移り変わる1位に対して予想をしづらく予想はかなりバラバラの物となっていた。

 誰が勝ってもおかしくない第一レース。

 

 その勝者は……鈴仙であった。

 だがかなりの僅差での勝利であり他4人が劣っていたという訳では決してない。

 なんなら後1cmしか差がなかった為、本当に僅差であった。

 

 そうして……レースが終わったタイミングでオールマイトが緑谷出久へとコソリと話しかけたが……正直言って私の居ない所で話して欲しかった。

 

 幾ら口元を隠そうとも、幾ら小声で会話しようとも、波長で会話が筒抜けである。

 何ですかワン・フォー・オールって。

 何ですかオール・フォー・ワンって。

 それ、私が知ったらアウトなやつじゃないんですか? 

 

 放課後、相澤先生より呼び出された為に職員室へと入る鈴仙。

 しかし、全く同じタイミングで隣の仮眠室でオールマイトと緑谷出久が会話しており……全部丸聞こえで聞きたくもない会話が波長で読み取れてしまう。

 何ですか、聖火の如く受け継がれてきた個性って……。

 何ですか、混ざり合って生まれた個性って。

 何より嫌な予想が、あって欲しくなった予想が当たってしまいウサミミをペショリと力無く垂らす鈴仙。

 

「おい? 聞いてるか?」

 

 そう問いかけられた鈴仙は相澤先生の言葉で意識を戻す。

 

「え? ええ、聞いてます聞いてます……私の家に貼り付いてたマスコミの事ですよね」

 

 そう告げる鈴仙。

 

「そっちも話したが、いま話しているはこっちだ……職場体験で何があったお前……」

 

 そう告げて手元のタブレット端末を弄りとある映像を見せてきた。

 それは空港で起きたテロを被害0で食い止めたというニュースの映像でありそこには私が映っていた。

 

 鈴仙は顛末を語る、ギャングオルカさんより報告は為されている為にその確認だと告げられた。

 マスコミや週刊記者に対しても各社に厳重な抗議を行うとも仰ってくれた。

 ありがたい。

 

 そうして、話しが終わり……何とも運が悪い事に全く同じタイミングで緑谷出久とオールマイトも話しが終わった。

 全部聞いてしまった……。

 

 どうしよう。




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