場面は移り変わり1-Aの生徒達を崖下に叩き落とした後。
マンダレイはイレイザーヘッドに対して語る。
「しっかし……無茶苦茶なスケジュールじゃないか? イレイザー」
そうマンダレイより問いかけられたイレイザーは髪を掻いて告げる。
「まァ……通常は2年の前期から修得予定のモノを前倒しで取らせるつもりで来ているのでどうあっても無茶は出ます……緊急時限定個性自由行使許可証……通称ヒーロー免許……その仮免、
そう告げるイレイザー……。
その脳裏には鈴仙が遭遇したという
そうして、場面は再び崖下に叩き落とされたクラスメイトに戻る。
「無闇矢鱈に個性は使用せずに行きましょう」
そう告げた鈴仙、クラスメイト達に対してその理由を説明する。
1つ、反響定位で配置されている魔獣の数を割り出したが総数394体、土塊で出来ている都合上『ピクシーボブ』の個性で無限湧きの仮想
2つ、マンダレイが語った到着目安の3〜4時間というのはそれはあくまでも最初から最後まで時速5〜6kmで歩き続けた場合の話しである、それは言うなればミスなく行けた場合の数値であり、理論値である……よって平地でのウォーキングのソレに近いであろう目安時間は今回に限り当てにならない、今回とは前提が違う、碌な舗装すらされていないデコボコとした山道、そして襲いかかってくる仮想
3つ、目安時間が大幅に異なれば個性の使用配分にも当然だが大きな差が出る、八百万百がいい例だが一定のエネルギーを使用する個性の場合などは中盤終盤にてガス欠が発生する可能性が高い。
「先ほどの土塊の魔獣1体倒すのに私と飯田天哉さん、轟焦凍さん、緑谷出久さん、爆豪勝己さんの5人で叩いた訳ですが先程のアレは明らかに戦力過剰でした、よって私以外の4人をメインの火力に据えつつチーム編成します」
火力や索敵、機動性などを考慮してチーム編成をしていく鈴仙。
そうしてチーム編成を行い終える。
鈴仙自身は『波長を操り支配する個性』という事でなんでもそつなくこなせるタイプである。
それは耳障りを良くして言えば万能型と言える、しかしながら万能型とは悪く言えば器用貧乏型である、それを踏まえている鈴仙は遊撃手に徹底すると宣言。
心操人使は遊撃手の鈴仙に着いて自身の個性が効かない場合で尚且つ巨大な
そうすると、何処かの編成が3人になってしまうが空いた枠には適宜、遊撃手の鈴仙がフォローする事で対処する。
そうして、鈴仙がパンパンっと手を打ち鳴らして注目させながら皆に告げる。
「取り敢えず先に言っておきます、先程の『プッシーキャッツ』からも『相澤先生』からもどうせお昼までには来れないだろうという感情の波長が見えていました、理論値とまでは行かなくても適切な対処をしていけば必ずお昼までには着ける距離です、各チーム、適宜ローテーションで休憩を取りつつ進んでいきましょう、そして……此処からは私個人の思いなのですが、宿泊施設で待っているプッシーキャッツと相澤先生をびっくりさせましょう? さっきの相澤先生やプッシーキャッツからのサプライズ、とてもびっくりしませんでしたか? サプライズにはサプライズで返したいとは思いませんか? 皆さん」
鈴仙は妖しい笑みを浮かべつつそう告げて目標地点である宿泊施設に向けて進み始めるA組一同。
そうして……進んでいき何とか14時までに到着したA組一同。
全員、疲労の色が濃く見えるがローテーションで休息を挟みつつ行軍した為に限界まで個性を酷使した者は居なかった……限界まで使わなかったというだけで限界に限りなく近い形で酷使していた為、最終盤は危うかったが。
そうして這々の体で何とか宿泊施設へと辿り着く皆、13時55分、5分前とギリギリの時間になってしまったが何とか時間内に辿り着いた。
疲労困憊の色を見せるA組と心操人使に対してマンダレイと、ピクシーボブ、それと相澤先生は驚愕の波長を浮かべつつ語る。
「おぉ〜時間ギリギリだけど本当に辿り着けるなんてね……そこの5人、君達の躊躇の無さは『経験値』によるものかしら? 3年後が楽しみツバつけとこー‼︎」
鈴仙は同性である為にツバは付けられなかった……波長を通して感じたのは結婚願望……あぁ、だからか緑谷出久、飯田天哉、轟焦凍、爆豪勝己にツバ付けてるのは……。
苦笑いを浮かべながらそれを見る鈴仙。
相澤先生が告げる。
「取り敢えずバスから荷物下ろして部屋に持っていけ、そのあと30分休んだ後に昼食、昼食後に本合宿の説明を行ってその後軽い基礎トレを30分行った後に徐々に負荷の強いトレーニングメニューを1時間行う、18.30分に夕食、その後入浴して就寝だ……本格的なトレーニングは明日からだ、さぁキビキビ動け‼︎」
その言葉に返事をしつつ動き始めた一同。
30分後、昼食となり疲労で疲れ切った身体に食事を介してエネルギーが充填される。
そうして昼食も終わり……宿泊施設から少し離れた場所に集められるクラス一同。
そして相澤先生からソフトボールを渡される鈴仙。
「さて、鈴仙そいつを投げてみろ……前回の、入学時点で行った個性把握テストの時の記録は984.6mだった……さて、どの程度伸びてるかな?」
そう告げられてクラスメイト達が鈴仙の投擲するボールの距離を予想する。
1キロメートル超えるんじゃね? とか聞こえてきた……2キロ超えるんじゃね? みたいな言葉も聞こえてきた……鈴仙のウサミミが前後左右にブンブンと回りながら雄弁に語る『ハードルを上げないで〜』と。
そうして、自身の個性を自身に適用して脳と神経、筋肉のリミッターを解放する鈴仙。
呼吸を落ち着かせて投擲する。
「セイッ‼︎」
思い切り、現在出せる最高にパフォーマンスで投擲し10数秒後、着弾音が響く。
クラスメイト達が結構行ったんじゃね? と、どよめきたつ中で相澤先生が持っている記録装置に記録が表示された。
「994.1m」
10mも伸びていない……その事に何より驚いたのは他ならぬ鈴仙自身であった。
ソレを見ながら相澤先生が告げてきた。
「約3ヶ月間、様々な経験を経て諸君らは確かに成長している、だがソレはあくまでも精神面や技術面、あとは多少の体力面の成長がメインで……『個性』そのものは今見た通りそこまで成長していない、だから、明日から諸君らの『個性』を伸ばす、死ぬ程キツいが、これくらい軽く乗り越えて行こう」
そう告げられる。