二次創作12位
にランキング入りしててびっくりした作者です、これからも拙作をよろしくお願いします
読んでくださっている皆様に最大級の感謝を。
家庭訪問
鈴仙が意識を取り戻してから……2日が経過し検査などを行い主治医からの許可が降りて退院してようやく自宅へと戻れた。
退院前に……A組B組の皆が鈴仙のお見舞いに来てくれたのは嬉しかった。
そう思い返し自宅に戻り八意永琳に告げる。
「ご心配をおかけしました、お師匠様」
そう告げた鈴仙であるが八意永琳は無言で立ち上がり……鈴仙へと近づいて無言で抱きしめてきた。
優しく頭を撫でながら八意永琳は鈴仙に告げる。
「貴女が無事で良かったわ……心配したのよ」
嗚咽混じりの声音で語る八意永琳。
そして……翌日、相澤先生とオールマイト、それに根津校長が八意永琳の家へと訪問し寮生活の知らせをしてきた。
保護者の許可が必須の為にこうして家庭訪問に来たとの事。
話しを聞いて八意永琳は表情を曇らせ口を開く。
「……イレイザーヘッド……私はね、亡き親友からこの子を託されたの、この子が狙われたと……攫われたと聞いて、私の持てる全ての伝手と人脈を使ってこの子の居場所を探したわ……結果だけ見ればこの子は何の怪我も後遺症もなく無事だった……けれど、それは運が良かったからに過ぎないわ」
八意永琳が相澤先生の事を名前でなくヒーロー名で呼んでおり鈴仙の眼はお師匠と慕う人が今まで見た事ない位に怒っているのを感じ取っていた。
「ほぼ引退していたヒーローが何を今更と思うのでしょう? でもね、貴方達はあの合宿で、万全を期した筈の、絶対に負けたらいけない所で負けたのよ……しかもこの子に至っては結局、居場所が最後まで掴めずに自力での脱出を余儀なくされていた……報告書は読んだのよね? この子の居場所と
それを聞き息を呑む鈴仙。
未成年者であり八意永琳の保護監督下にある鈴仙には今回の件に関しての決定権は欠片もない。
八意永琳が許可を出さなければ鈴仙の入寮は当然、認められない。
それでも……この場での決定権はないにせよ、呟いた所で変わらないにせよ……鈴仙は呟かずにはいられなかった。
「お師匠様……私は……」
その涙が混じった呟きが……静かに消えていった。
八意永琳は無言で鈴仙を見て……少し考え込んで告げる。
「……けれど鈴仙、雄英には貴女の大事な友人達がいるのでしょう? ……イレイザーヘッド、オールマイト、根津校長……私から言えるのはただ一つ……この子をしっかりと見てて……それだけよ……入寮に関しては了承しましょう……」
それを聞いて教師3人は八意永琳に深々と頭を下げていた。
教師3人が帰った後……鈴仙は八意永琳へと告げる。
「ありがとうございました、お師匠様……許可を出していただいて……」
そう告げるとお師匠様は鈴仙に告げる。
「鈴仙……泣いていいのよ……貴女は昔から我慢強いからね、極限状態にあっても自分の気持ちを押し殺してしまうでしょう? ダメよ……それは、泣きたくなったら泣いていいの、心が押し潰されそうになったら周りに助けを求めてもいいの、貴女の周りには友人が、頼れる人達がいるでしょう?」
それを聞いて……鈴仙の双眸からはツゥッと一筋の涙が零れ落ち、それを切っ掛けに決壊したかの様に大粒の涙が溢れ出す。
八意永琳に抱きついてワンワンと大粒の涙を流しながら泣き叫ぶ。
「お……お師匠様、わ、わた……私、こわ……怖かった……あの部屋で……何をされるかも分からない……も……もしかしたら……犯されるかもって……ずっとずっと怖かった……もう一生……お師匠様に会えないんじゃないかって、雄英の皆と会えないんじゃないかって、ずっとずっとあの部屋に閉じ籠められたまま死んじゃうんだ、そうなのかもって……思って……怖かった……うっうわぁぁぁん‼︎」
八意永琳は自身の胸に顔を埋めて泣きじゃくる鈴仙の頭を優しく撫でていた。
30分後、ようやく泣き止んだ鈴仙。
その眼は涙で赤く腫れており……泣き腫らした顔を見られる前に鈴仙はお風呂に入ってきますと上擦った声音で告げてお風呂へと向かっていった。
それを見送り……八意永琳は天井を見上げながら呟く。
今は亡き親友を思い、親友から託された遺児を思い呟いた。
「ねぇ……貴女はこんな私に何であの子を託したの? 時折自分自身に嫌気がさすよ、私は……立派に母親をやれているのかと、私は……貴女との約束を守れているのかと……私はあの子に何もしてやれていないのではないかと……そう考えない日など無い……なぁ、お前が生きていたら、今の私を見て笑ってくれるか? それとも……怒るか? それとも呆れるか? 私らしくないって、八意永琳らしくないってさ……でもさ、あの子にあんなに怖い思いをさせて……監禁されてたあの子を、何一つあの子を救う方法を見つけられなかった私が……あの子の心に何の治療も出来てない……何が最高の名医よ、何が月の賢者よ……なにが天才よ、私はたった1人の娘すら満足に助けられなかった」
そう呟く八意永琳の言葉は誰にも届く事なく消えていった。
そして……翌日、鈴仙は寮へと入った。
雄英敷地内、校舎から徒歩2分、築2日。
ハイツアライアンス。
ここが……新たな家だ。
そうして、皆が集まる事ができた、心操人使も居る。教師陣の協議の結果A組になったとの事、皆新たなクラスメイトに沸いていた。
しかし、鈴仙に関しては尋常じゃない被害が及んでいる為にクラスメイト達は気が気じゃなかったらしい。
八百万さんから何度も何度も謝られたが既に終わった事だ。
「気にしないで下さい……あの時はアレが最良で、最善の方法だったのです……」
そう告げると涙を拭きながらコクリッと首を縦に振る八百万百。
そうして相澤先生より今後の流れや寮の説明が入る。
「さて、今後の流れになるが……当面は合宿で取る予定だった『仮免』取得に向けて動いていく、皆、張り切っていこう」
そうして、寮に入りそれぞれのスペースの説明が行われる。
1棟1クラス。
右が女子棟、左が男子棟。
1階は共同スペース、ソファやテレビもあり結構豪勢だ。
食事や風呂洗濯はここで行うとの事。
部屋は2階から男女各4部屋5階建。
8畳程の広さであり、シャワー付き浴槽、エアコン、トイレ、冷凍庫付き冷蔵庫、クローゼット、ベランダ付きの空間である。
部屋割りは
2F男子、峰田実、緑谷出久、青山優雅、常闇踏陰。女子は無し
3F男子、上鳴電気、飯田天哉、尾白猿夫、心操人使。女子、耳郎響香、葉隠透。
4F男子、障子目蔵、切島鋭児郎、爆豪勝己。女子、麗日お茶子、芦戸三奈。
5F男子、砂藤力道、轟焦凍、瀬呂範太。女子、八百万百、鈴仙、蛙吹梅雨。
となっていた。
とりあえず部屋を作ってゆっくりしてろとのお達しに皆が返事をする。
明日からまた今後の動きを説明するとの事。
鈴仙は部屋へと入って直ぐに感じ取った違和感……それは、フローリング……落ち着かない。
そう感じ鈴仙は轟焦凍に智慧を借りにいった。