【完結】ウサミミ少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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僕らのヴィランアカデミア マスキュラー編

 各自バラバラで行動し始めてから10分後。

 

 マスキュラーは200人ほど殴殺したが筋繊維を張り替える時間がない。

 多勢に無勢は変わらず。

 

「これが悪名高い血狂い? 拍子抜けもいい所だな」

 

 眼前の異能解放軍幹部、達磨はそう語りマスキュラーのプロフィールをペラペラと話し始める。

 血狂いマスキュラー……本名・今筋強斗。

 個性は『筋肉増強』。

 自らの筋繊維を増幅したり、体の内外に纏う事で筋力を強化する増強系の個性。

 単に筋力を高めるだけでなく、大量の筋肉で体表を覆えば肉壁にもなり、攻防ともに圧倒的な白兵戦能力を誇る。

 筋繊維は限界が来ると割けてしまう為、再度増幅するか、限界が来る前に張り替える必要があり、意図せず筋繊維に負担が掛かると張り替える前に筋繊維が割けてしまい、無防備になってしまう。

 

 

「何とも強い個性じゃな、儂の下位互換というのに目を瞑れば」

 

 それを聞いてマスキュラーはポケットから複数ある義眼の1つを嵌め込み叫ぶ。

 

「だぁれが‼︎ 下位互換だってえぇぇぇ⁉︎」

 

 マスキュラーは1万2千層の筋繊維の鎧を纏い暴虐の徒となるマスキュラー、その力を振るい解放戦士達を鏖殺していく。

 圧倒的な『力』。

 それに対して多少の小細工など無意味。

 

 しかし、圧倒的な力と圧倒的な力が拮抗するとなれば話しが変わる。

 1万2千層の筋繊維の鎧を纏ったマスキュラーの殴打を膨れ上がった4mとなった巨躯で……肥大化しそれに伴い増強された筋力を有した片腕でマスキュラーの殴打を受け止めながら。

 達磨は語る。

 

「儂の異能は『筋力増強』……お主の様に筋繊維の張り替えなどというまどろっこしいモノは無い、常にフルパワーで戦える、異能を鍛え上げた儂はその身に見合う巨躯を得た」

 

 純粋な力が拮抗しているならば……その戦い方が肉体による純粋な暴力のみであるならば……後は個性の扱いと体格の差が勝負を分ける。

 

「ガッ⁉︎ ナァァァァァ‼︎」

 

 軽々と投げ飛ばされる。家屋を何十とぶち壊す勢いで……。

 空中で何とか体勢を立て直すが今ので筋繊維が全て解けた。

 

 それを見逃す様な解放戦士達ではなく異能とサポートアイテムでマスキュラーを執拗に殴り、死ぬまで攻撃を加え続ける。

 

「アァ⁉︎ いってぇなぁ‼︎ 殴られたのは久しぶりだぁ‼︎ なぁ? テメェらもよぉ‼︎ 殴るからには殴られる覚悟が、殺しに来たんだから死ぬ覚悟はあるんだよなぁ‼︎ なぁ⁉︎」

 

 マスキュラーの個性は確かに脅威ではあるが個性のみに頼った動きでは無い。

 マスキュラーは素の身体能力もズバ抜けている。

 筋繊維の鎧無しでも数人を殴打で薙ぎ払い殺す程度は出来る。

 

 筋繊維を張り直すが眼前の巨躯を得ている奴とはパワーバトルが出来ない。

 だが……。

 

(ヴィラン)連合ってのはよぉ‼︎ こんな俺でも受け入れてくれた居場所なんだよ‼︎ こんな俺でも帰属意識っつうか、仲間意識っつうのはよ……僅かながらにあるんだよ‼︎ だから……こんな所で負けるわけにはいかねぇだろ⁉︎ なぁ‼︎ 悪かったよ、もう遊ぶのは辞めるよ‼︎ 悪い癖なんだ‼︎ 強えやつを見ると遊んじまう……あぁ直すよ、悪い癖だ……こっからは……本気の義眼()だ……」

 

 マスキュラーは自身のポケットから本気の義眼を取り出して嵌め込む。

 そして……己が個性を今張れる限界まで張り替える、

 

 1万2千層が限度……それじゃ勝てない、それじゃ間に合わない。

 

 だから……今この瞬間に、今この刹那で超えろ……限界を。

 時に怒りは凄まじい原動力になる、時に怒りは限界をぶち壊す奔流となる。

 

「誰が下位互換だぁ⁉︎ 上等ダァ……生臭坊主‼︎ 祈っとけ‼︎ 天国に行ける様に‼︎」

 

 マスキュラーは息を整えて……意識を切り替える。

 あの……雄英高校を襲撃した際にウサギ女が取った行動を思い返す。

 

 あの時……ウサギ女殴った時……完全に受け身をとってから吹き飛ばされた。

 

 それを思い出す。

 それを理解して自身の動きに組み込む。

 

 そして、筋繊維を遥かに限界を超えて張り続ける。

 

 1万2千層では足りない……10倍は見積もらなければ。

 

 12万の筋繊維を張る。

 

 そして擬似的ながら巨躯に渡り合う身体を得る。

 眼前の異能解放幹部、達磨を殴り続けてマスキュラーは叫ぶ。

 

「筋繊維の増強と筋力の増強‼︎ 大元は似てるが細部が違うな‼︎ 筋力増強がフルパワーで戦える⁉︎ 絵空事は大概にしとけ‼︎ ずっと力んでいられる訳ねぇだろ‼︎」

 

 マスキュラーは肉弾戦においては無類の強さを誇る。

 そして……純粋な暴力に小細工など必要ない。

 

 連撃を加え続ける。

 周囲の解放戦士達はマスキュラーの放つ殴打による暴風で既に近づく事すらままならない。

 達磨に至っては……やはり筋力増強を常にフルパワーで扱う訳では無いらしくほんの一瞬だけ弛む瞬間がある。

 

 マスキュラー自身も筋繊維の張り替えるタイミングがあるが、それをより速く、より適切に、より強靭に、より強固に、より厚くする。

 

 解けた先から常に張り直し……常に12万の筋繊維装甲を維持して……その肉体の圧倒的なまでの暴力を以てして眼前の相手を全力で打ち飛ばす。

 純粋な暴力で打ち勝てなくなった。

 それを理解したのか達磨は狂乱の叫びを上げる。

 

「あり得ないあり得ないあり得ない‼︎ 何故だ‼︎ 貴様の異能は張り替えるタイムラグがあった筈‼︎ 貴様の異能は‼︎ 筋繊維を鎧にして纏う程度の筈‼︎ 何だ貴様のソレは‼︎ 伸ばしたのでも言うのか‼︎ 張り替えるタイムラグを無くしたと‼︎ 限界を超えて自身の肉体が耐えれる以上の筋繊維を纏ったとでも言うのか‼︎」

 

 筋繊維とは……筋力増強の大元となるモノだ。

 筋繊維を纏うとは……元々持っているマスキュラーの筋力を数十倍にまで増強と言う事。

 マスキュラーは一撃で数十人単位の解放戦士達をミンチに変える威力の乱撃を叩き込む。

 

「筋繊維を纏う筋肉増強と筋力そのものを増強する筋力増強じゃあ肉体増強の過程は一緒だが……結果がちげぇ」

 

 マスキュラーは連撃を叩き込みながら思い返す。

 鈴仙の動きを。

 

 そして……連撃の合間に打つ。

 

 掌底を打ち達磨の内臓を揺らす。

 

 その一撃は達磨の肺を片方潰して……心臓の鼓動を一瞬止める。

 

 動きが止まった達磨を見て……マスキュラーは周囲の解放戦士達を見て呟く。

 

「さて……コイツはもう虫の息だ……戦っててもつまらん、俺の遊び相手は何処ダァ‼︎」

 

 

 筋繊維を纏い直してそう叫ぶマスキュラーであった。




感想・ブクマ・特に評価。飢えております。  低評価をもらったら少し傷つきますが、傷も創作のプラスになることはある(私の場合です)。でも無評価=虚無は創作のマイナスにしかならないッス(私の場合です)!  なので、無言で投げれるので、ぽちぽちっと☆を頂けると嬉しいです。多い分には困りませんよ‼︎


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