【完結】ウサミミ少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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雄英体育祭
開幕ッ‼︎ 雄英体育祭‼︎


 そうして休日が終わる。

 

 そして、学校に到着した鈴仙は八百万百や芦戸三奈といった女子陣と使っている化粧品やシャンプーやリンスなどの話しで盛り上がっているとそろそろ朝のホームルームの時間となり意識を切り替える。

 

 相澤先生が教室へと入ってきて挨拶を交わして開口一番告げられる。

 

「2週間後、雄英体育祭が開催される」

 

 その言葉を聞いて沸き立つクラス。

 だが(ヴィラン)の襲撃を受けてなお強行するのは驚きである。

 

 鈴仙は言葉こそ出さないもののウサミミが無意識的にぴょこぴょこと動いており『驚いてるよ〜』といった気持ちが露わになっている。

 

「雄英体育祭はビッグイベントの1つだ、(ヴィラン)の襲撃程度で開催を中止していいものじゃあない」

 

 そう告げられて八百万百が語る。

 

「全国のプロも観戦に来たりするのですわよ、スカウト目的で」

 

 その言葉を肯定するかの様に相澤先生は語る。

 

「当然、名のあるヒーロー事務所に入った方が話題性も得る経験値も高くなる、時間は有限だぞ? プロに見込まれればその場で将来が拓ける訳だ、年に一回、計3回だけのチャンス、ビルボードチャート上位のヒーロー目指すなら絶対に外せないイベントだ、心して取り掛れよ? それじゃあ授業始まるぞ」

 

 そうして、授業が終わり昼休みとなり皆思い思いの場所で食事をとる。

 鈴仙は自身で作ってきたお弁当を持参している為に食堂には行かずに教室内でゆっくりと食事をしている。

 八百万百もお弁当を持参している為に食事後は他愛無い話しや互いの個性について話したりコスメについての談義を開催したりでゆるふわな雰囲気を醸し出している。

 

 そうして、放課後。

 鈴仙はそう言えばと前置きしてクラスメイト達へと語りかける。

 

「トレーニング施設の申請したけど皆でトレーニングしない? 2週間後の体育祭に向けてさ」

 

 鈴仙は毎日クラスメイトを誘って放課後に1時間程トレーニング施設を借りて皆で自主トレーニングを行っており体育祭に向けて1時間行っている自主トレーニングを2時間に増加させて申請している。

 顎に人差し指を当ててウサミミをクルンクルンと無意識的に回転させながらそう語る鈴仙。

 個性を使って有利に運べるかも知れないが何よりも基礎体力が無ければどうもならないというのは先の(ヴィラン)襲撃の際にクラスの全員が痛感していた事であった。

 2週間という短期間では何かが劇的に変わるわけでは無い。

 だがそれでも何もしないよりかは変わるし、何より1人でのトレーニングというのはトレーニング以外の誘惑が多く先延ばしになりがちである。

 例えばダイエットなどが分かりやすい一例なのだが、今日は疲れたから明日から、まだこれだけ余裕があるから明日からやろう、そんな思考が隙間に入り込みやすい。

 そんな時、隣に誰かが居てくれた方が結果としてトレーニングの効果があったりするものだ。

 そしてトレーニング施設への移動をする為に教室を出ようとする鈴仙だが唯一の出入り口を他科の生徒達に塞がれており出れない。

 

「ありゃま……出れませんね」

 

「どうせ敵情視察だろ、くだらねぇ……邪魔だ、退けよモブ共」

 

 棘がありまくるキツい口調で扉の前に固まっている集団へと告げる爆豪勝己。

 爆豪勝己の言葉で敵意が高まったのを視認した鈴仙はウサミミがヘニョォッと萎むのを感じながらため息を吐くが、確かにこのままでは出れない。

 トレーニング施設の使用時間はきっかり2時間であり、2時間というのは思ったよりも短いものだ。

 

「爆豪さん、確かに通れないですが……ある程度言い方というものがありますよ」

 

 そう語る鈴仙のウサミミはぴょこぴょことウサミミの毛が逆立っており言外に『もぉぉ退いてよおおお』と言わんばかりに目まぐるしくグルングルンと回転していた。

 そんなのを知ってか知らずか人混みを押し分けて前に出てくる普通科と思しき男子生徒。

 男子生徒が口を開く。

 

「どんなもんかと見に来たけど随分と偉そうだなぁ……ヒーロー科に在籍する奴は皆こんななのかい? こう言うの見るとちょっと幻滅しちゃうなぁ……体育祭のリザルトによっちゃ、ヒーロー科への編入も検討してくれるんだってさ、知ってた? その逆も然りだそうだ……敵情視察? 少なくとも俺は敵情視察じゃなくて、調子乗ってると足元ゴッソリ掬っちゃうぞって宣戦布告をしにきたんだけれどな」

 

 そう語る普通科の生徒を無視して出ていく爆豪勝己。

 そして、今しがた宣戦布告をした生徒の肩を掴んで笑顔を浮かべながら言の葉を紡ぐ鈴仙。

 

「良い宣言ですね、そこまで意識が高い貴方には、私と共にブートキャンプに行く権利を贈呈しましょう」

 

 ブートキャンプ、その言葉を鈴仙が告げた刹那、A組の何人かの顔色がサァッと青褪める。

 毎日行っている自由参加、途中参加、途中退出OK、見学もご自由なトレーニングではあるが鈴仙はブートキャンプの際は容赦しない。

 ブートキャンプ時はトレーニング時と平時の余りの違いから鬼教官と揶揄される程である。

 空気が凍りついて宣戦布告をしてきた他科の生徒は状況が飲み込めないのかしばし硬直して5秒後に言の葉を溢す。

 

「……えっ?」

 

「えっ? ではないですよ? まさか宣戦布告だけしてそのまま帰る気でいたんですか? ちょうど良いので貴方もトレーニングに巻き込みます、許可は既に取ってあるのでご心配なく」

 

 そう告げて肩を掴んだまま引き摺っていきトレーニング施設へと宣戦布告をしてきた普通科の生徒をドナドナしていく鈴仙。

 流れのままにドナドナしてきた普通科の生徒とクラスメイト達と共に基礎的な柔軟や走り込みを行なったのちにドナドナしてきた普通科の生徒に対して鈴仙はにっこりと優しい笑みを浮かべながら肩を掴んだまま離さずに語る。

 

「んー、見たところ身体つきはがっしりとしてますが……筋肉の動きが少し硬いですね、柔軟してますか? 柔軟やストレッチは基本の基です、柔軟性を鍛えればより良いトレーニング効果が見込めます、2週間で劇的に変わる訳ではないですが、貴方がヒーロー科を、延いてはプロヒーローを志すならばもっともっと身のこなしや体術を学んで損はないと私は考えます、ねぇ、普通科の生徒さん」

 

 基礎トレを終えて普通科の生徒は頬を掻きながら告げる。

 

「……普通科の生徒って呼び方は辞めてくれ……俺の名前は心操人使だ……ていうかなんで俺だけ連れてきた? 他にもたくさん人が居たろ?」

 

 そう告げられる鈴仙。

 A組のクラスメイト達も走り込みや基礎トレ、個性を使用した訓練を反復しているが鈴仙は誰よりも過酷なメニューをこなしてる。

 そんな最中、普通科の生徒、心操人使が問いかけてきた。

 それに対して鈴仙はにっこりと優しい笑みを浮かべて答える。

 

「あの場の、扉の前に居た誰よりも、貴方だけが、一番意欲が見えたからです……絶対に勝ちたい、絶対にヒーローになってみせると、貪欲なまでの執念が見えたので、しかし、今思い返せば少し強引すぎましたね、謝ります……体育祭開催までこの自主トレ、毎日放課後に自由参加で行う予定なので次の予定が空いていれば歓迎しますよ? 私は強くなりたいと願う者は大歓迎です」

 

 そう心操人使に告げる鈴仙であった。

 

 そうして、2週間という長い様で短い期間があっという間に過ぎ去り、遂に雄英体育祭の当日を迎えた。

 そして、選手代表として鈴仙が呼ばれる。

 

 壇上に登った鈴仙は緊張でウサミミをクルンクルンとさせたりペシャアッと萎ませたり、クシャアッとさせたりヘニョっと擬音が聞こえてくる様な忙しないウサミミの動きで緊張を露わにさせたり、緊張のあまりウサギ尻尾の毛を逆立てたり忙しい。

 

「選手宣誓、私たち選手一同はスポーツマンシップに乗っ取り、正々堂々と競い合う事を宣言します、選手代表、鈴仙・優曇華院・イナバ」

 

 鈴仙の選手宣誓が行われ、雄英体育祭がスタートした。

 




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