【完結】ウサミミ少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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息抜き

 さて……無事にハイツアライアンスに戻った鈴仙……部屋の方は学校側の呼んだ業者により完璧に修繕されているが……それよりも何よりも今……鈴仙は再度殺されかけていた。

 

 溜まりに溜まった課題という名前の敵に。

 

 5日間休んでいて授業はそれなりに進んでいる、そしてその授業からも課題は当然ながら出ている。

 ここ2週間、課題もそうだがA組やB組の皆に何かを教える時間で忙殺されており鈴仙には『休み』なんて概念は消滅していた。

 まぁ元より休みの日も誰かしらに色々と教え込んでるからそんな大差ないのだが……。

 元々医学薬学の第一人者である八意永琳から勉強を教わっていた鈴仙はA組の中でも最上位に位置する程に頭脳明晰な鈴仙は授業に関しては一切問題がない。

 だがしかし、いかんせん課題の量が多すぎる。

 

 必死になって手を動かして捌くが机に積まれた課題をチラリと見てウサミミがペショリと力無くシナシナと萎んで畳に仰向けに寝転んでため息を吐く。

 3時間かけて9割は終わったが残りあと1割が残っている。

 気力が途切れてため息を吐きながら力無く呟く。

 

「お……終わるわけないこんなの……」

 

 (ヴィラン)に襲撃されたという学校側の対策不備により幸いな事に提出期限は無期限であるものの……日曜日であり休日であるが現在時刻は13.15分。

 

 はぁ……とため息を深く吐いているとコンッコンッと扉がノックされて何事かと鈴仙はゆっくりと起き上がって扉を開けると八百万百と八百万百に抱き抱えられた壊理ちゃんがいた。

 

「あら、八百万さん……それに壊理ちゃん……どうしましたか?」

 

「鈴仙さん……根を詰めすぎても逆効果ですわよ……その様子だと食事も碌に摂っていないでしょう? 課題を終わらすのも大事ですがたまには息抜きしませんと身体が持ちませんわ」

 

 そう言われて鈴仙は思い返す……。

 そういえば退院してから以降はずっと課題や自己鍛錬、A組B組の皆のトレーニングにつきっきりで全然息抜きなんて出来ていなかったと……。

 八百万百が胸ポケットからチケットを3枚取り出して告げる。

 

「デザートビュッフェの招待状ですわ……内1枚は私が……内1枚はジャンケンで耳郎さんが勝ち取ったので後から来ます、そして残ったこの1枚ですがクラス皆の総意でいつもお世話になっている鈴仙さんにと決まりました……て事で今から行きますわよ……壊理ちゃんも同伴者としてお連れする許可は頂いております……鈴仙さんの外出許可証も代筆で書いておりますので……さぁ」

 

 そう強い眼差しで八百万百が……愛くるしい眼で壊理ちゃん()が見てくる。

 それを見て……鈴仙は笑顔を浮かべて言葉を紡ぐ。

 

「お気遣いありがとうございます……ですが……」

 

 そう呟いた所でプクゥッと頬を膨らませた八百万百が言葉を被せる。

 

「ですが……私はいいので他の人となんて言ったら怒りますわよ? 言ったはずですわ、クラスの総意だと、常日頃から鈴仙さんにお世話になっているのです……皆……鈴仙さんの事を心配しているのです」

 

 八百万百がA組の、拳藤一佳がB組の皆に聞いて鈴仙に何かを教えてもらっている時間を再度確認すると、ここ2週間、鈴仙には就寝時間と入浴の時間以外は常に誰かしらに勉強だったり武術だったり、色々と何かを教えておりプライベートなんてものは無かったというのが判明。

 拳藤一佳も八百万百もそれを見て思った。

 

 明らかに皆……鈴仙に『頼りすぎている』と……拳藤一佳も八百万百も含めて。

 

 先んじてそう言われて鈴仙は流石に『私の代わりに誰か別の人を』なんて言えなくなったのか甚平の様なラフの格好をした自身を見て苦笑しながら呟いた。

 

「お心遣いありがとうございます、八百万さん……では、お言葉に甘えてご一緒させていただきます……着替えてきますので少々お待ち下さい……フォーマルな服装の方がよろしいでしょうか?」

 

「ラフな格好で構いませんわよ……仰々しいものでもありませんし」

 

 数分後、洋服に着替えた鈴仙……9月も中旬という事で季節物でコーディネートをした鈴仙であった。

 

 そんなこんなで準備を整えた八百万百、鈴仙、耳郎、そして壊理ちゃん。

 

 雄英の寮から出て電車を乗り継いで着いた場所はデザートビュッフェ、しかも結構な高級店。

 

 八百万百の後についていく鈴仙と耳郎響香……。

 

 そうして席に案内されて説明を受けてデザートビュッフェがスタートする。

 デザートの品揃えを見た鈴仙と耳郎響香は10秒程驚愕で唖然としていた。

 しかし壊理ちゃん(いもうと)が裾を引っ張る感覚で我を取り戻す。

 

 ショートケーキ

 ロールケーキ

 シフォンケーキ

 モンブラン

 マドレーヌ

 マフィン

 パウンドケーキ

 チーズケーキ

 シュークリーム

 ティラミス

 エクレア

 クロカンブッシュ

 スフォリアテッレ

 ベニエ

 デニッシュペストリー

 サヴァラン

 ラング・ド・シャ

 アップルパイ

 ミルフィーユ

 タルト・タタン

 メイズ・オヴ・オナー・タルト

 ムース

 シュトーレン

 クラフティ

 フルーツタルト

 タルトレット

 オランジェット

 ブッシュドノエル

 フロランタン

 ケイジャーダ

 プロフィテロール

 プラリネ

 クール・ド・フランス

 フォンダンショコラ

 ファーブルトン

 マロングラッセ

 ベイクウェルタルト

 ガレット・ブルトンヌ

 パンドーロ

 マドレーヌ

 カッサータ

 グーゲルフップフ

 カヴァルッチ

 カヌレ

 カリソン

 バクラヴァ

 フィナンシェ

 スノーボール

 アイスクリーム

 ソフトクリーム

 シャーベット

 ソルベ

 ジェラート

 グラニテ

 

 ケーキ類・焼き菓子・生菓子・冷菓が並べられておりそれぞれの出来栄えは素人である鈴仙にも理解出来る程素晴らしい出来栄えであった。

 

 八百万百は慣れた手つきでお皿に盛っていく。

 耳郎響香は八百万百の真似をしながら……。

 

 かくいう鈴仙は自分のよりも壊理ちゃん(いもうと)を優先していた。

 

「壊理ちゃん、どれ食べたい?」

 

 そう鈴仙が問いかけると壊理ちゃんはアップルパイとタルト・タタンを見た瞬間に目をキラキラと輝かせたので壊理ちゃんの代わりに皿へと盛っていく鈴仙。

 

 一度席に戻り各自取り分けた物を確認する。

 

 八百万百、カットされたショートケーキとシフォンケーキ。

 耳郎響香、マロングラッセとフロランタン。

 壊理ちゃん、アップルパイとタルト・タタン。

 

 鈴仙、スフォリアテッレとチーズケーキ。

 

 少ないと思うかもしれないが……デザートビュッフェはまだまだ始まったばかりなのだ。




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