【完結】ウサミミ少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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那歩島実地研修④

「……ゲホッ……ゴホッ……」

 

 鈴仙が目覚めると其処は診療所であった。

 身体中に包帯が巻かれており火傷は何かの個性でほぼ治癒していた……。

 身体中に貼られた湿布やガーゼを見つつ診療所の先生方にお礼を告げて事務所へと戻る。

 

 事務所へと戻ると会議が始まる直前であった。

 

「……作戦会議には間に合った様で良かったです」

 

 ゆっくりと片手をあげてクラスの皆に弱々しい動きで、緩慢な動きで手を振る鈴仙。

 ゆっくりとソファに移ると捕らえた(ヴィラン)の処遇について改めて確認する。

 地下のボイラー室に赤外線センサー付きで捕縛したらしい、何を問いかけても頑として口を開かないそうだ。

 ……それを聞いて鈴仙は告げる。

 

「この作戦会議の後で私はボイラー室に行ってきます……さて、目下の所……分かってる範囲での情報を纏めましょう」

 鈴仙はホワイトボードに情報を纏めていく。

 現在分かっている情報。

 獣の様相をした(ヴィラン)・キメラ。

 スーツを着込みマスクを装着した個性不明の(ヴィラン)・ナイン。

 巻き付けた布でミイラの様に非生物を操作する(ヴィラン)・マミー。

 髪が鋭利な刃物の様になる(ヴィラン)・スライス。

 光を操作する(ヴィラン)・カンデラ。

 音の波長を操作する(ヴィラン)・エコー。

 

 ボイラー室に閉じ込めた(ヴィラン)はマミー……。

 

 ナインの狙いは自身の個性使用の際に発生する細胞の死滅によるデメリットを相殺する為の『細胞活性化』の個性を有する島民の誰か。

 そして……『波長を操作して支配する個性』を有する鈴仙。

 

 ナインの有する個性を分かる範囲で書き出していく鈴仙。

 

 暗雲が急に立ち込めた事から気象操作系統の個性、これがナイン本来の個性だと思われる。

 爪を弾丸の様に射出する個性。

 空気の壁を形成する個性。

 衝撃波を発生させる個性。

 禍々しい大蛇の様な使い魔を複数匹自在に使役する個性。

 電波障害を発生させる個性。

 個性を奪い個性を与える個性。

 自在に飛行する個性。

 波長を感知する個性。

 

 

「……通信基地局はギリギリ破壊されていない様でしたが機能としては死んだも同然です、(ヴィラン)側に光と音を操る2人組が居る……そしてナインの有する個性の中に……電波障害の個性が有ります……光と音を操る(ヴィラン)は私が完全に無効化出来ますが……電波障害による島全域に及んでいる広範囲EMP攻撃はどうしようもありません……スマホも使えません、恐らくはドローンも飛ばせないでしょう』

 

 そうして……会議を煮詰めていく。

 活真君の個性である『B型細胞活性化』が狙い……そして本来の目的からは外れているが鈴仙の個性も良い個性だと言って狙っている。

 峰田実が頭を抱えて呟く。

 

「鈴仙をあそこまでズタボロにした(ヴィラン)だぞ⁉︎ どーすんだよ……」

 

 それを聞いた皆は沈黙するが鈴仙が口を開く。

 

「唯一幸いな事は(ヴィラン)の狙いが明確に判明した事です……私が囮となってエコー、カンデラ、ナイン……3人の(ヴィラン)を相手取ります……他の2人……キメラとスライスはそちらでお願いします……」

 

 そう話すと爆豪勝己や緑谷出久から待ったが掛かる。

 

「おいテメェウサギ女……さっきズタボロにされたのを忘れたんかボケ……1対3とかいう数的不利を自分から作ってどーすんだ、俺も(ヴィラン)の主戦力をボコすに決まってんだろ」

 

「鈴仙さん……まだ身体が本調子じゃないって診療所の先生から聞いたよ……」

 

 それを聞いた鈴仙はいつもの様に笑みを浮かべて語りかける。

 

「身体の方は大丈夫です……数的不利もなんら問題ありません……ですがそうですね……爆豪勝己さん、緑谷出久さん……貴方達には轟焦凍さん達と共にキメラを倒すチームの方へと助力をお願いします……あの耐久力は異常です極大光線砲撃(マスター・スパーク)を何十発も耐える程の耐久力……恐らくはキメラ個人が鍛え上げてきた自前の物でしょう……最悪なのは分断させたキメラとナインが合流してしまう事です、それだけは何としても防がなければなりません……」

 

 そうして……会議を煮詰めていき戦略は決まった。

 

 那歩島から数キロメートル離れた城跡に誘い込んでキメラ、スライスを分断しエコー、カンデラ、ナインを空中戦で徹底的に潰す。

 

「……島民と観光客にはこれ以上被害を出さないようにしなければ……」

 

 島民と観光客には避難をしてもらうしかない。

 

 そして……会議が終わり鈴仙はマミーを捕縛しているボイラー室へと向かっていった。

 鈴仙が視認した(ヴィラン)に対する情報の精度は99%、残りの1%を完璧な物にするべく問いかけを行う。

 

 パイプ椅子に座り対面になる様に座る鈴仙。

 隣には万が一に備えて爆豪勝己と緑谷出久、それに轟焦凍を控えさせている。

 八百万百が創った拘束椅子と拘束の機械により雁字搦めにされているマミーを見て鈴仙は口を開く。

 

「さて……と、(ヴィラン)名はマミーであってますか? 個性は『木乃伊』……布を巻きつけた非生物をミイラとして自由自在に操作すると……おや、ダンマリですか……せっかく雑談から入って緊張をほぐそうとしましたのに……まぁいいや」

 

 そう1人のべつ幕無しに喋る鈴仙であるが爆豪勝己からの『とっととしろやウサギ女』という視線を感じとりやるべき事をやる。

 波長を操作して無理矢理にマミーの神経伝達を操作、自身の眼を見る様に脳からの『命令』を下す。

 マミーは鈴仙の紅い瞳を無理矢理に見させられる。

 そして、鈴仙が質問を繰り返す。

 

「さて……と、名前は?」

 

「マミー」

 

「個性は?」

 

「木乃伊……布を巻きつけた非生物を操作できる」

 

「残った仲間の人数と名前と個性、それと目的」

 

「5人、キメラ、スライス、ナイン、カンデラ、エコー……目的と個性は……」

 

 そうして、情報を纏め上げていく鈴仙。

 目的は中々に大それたものだった。

 ……今現在の社会システムの崩壊。

 そして、ナインの有するデメリット、なぜ個性を奪い与える事が出来るのか。

 それらを問いかけていく。

 

 全てを聴き終えた鈴仙はマミーに皮肉混じりに告げる。

 

「ではでは……情報ありがとうございます、この情報だけでかなり戦略も戦況も変わるでしょう……」

 

 指をパチンッと鳴らしてマミーに掛けた精神操作を解除する。

 

 そうして……事務所へと戻った鈴仙はクラスメイト達と共に防衛に回るチームとスライスの打倒に回るチーム、キメラを打倒するチームを決めていった。

 

 そして……鈴仙は当初の予定通りにエコー、カンデラ、ナインを相手取る。




原典との相違点

鈴仙が船上でマミー以外の(ヴィラン)を全員足止めした影響で通信基地局は破壊されておらず商店街には被害が出ていません。
マミーが被害を出す前に爆豪勝己と緑谷出久に叩きのめされました。

しかし電波障害の個性をナインが有していた事により島全域を覆う様にEMP攻撃を喰らい通信網や電力網がダウン。
光を操作する個性を有するカンデラ、音の波長を操るエコーの2人により仮に電波障害を打ち消したとしてもこの2人をどうにかしない限り救援を呼ぶのは不可能な状況です。

鈴仙がナイン、エコー、カンデラを相手取る為に原典とは違いスライスとキメラの打倒には爆豪勝己と緑谷出久が対応。

キメラの耐久力が原典に比べて10倍ほど上がっております。
具体的には蛙吹梅雨の毒液による妨害などは意にも介しませんし轟焦凍の凍結も一瞬で叩き割ります。



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