【完結】ウサミミ少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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隻眼隻腕のウサミミ少女

 ルナティックガンを構えて傭兵の1人の脚を撃ち抜く鈴仙。

 脚を撃ち抜かれて悶え苦しむ傭兵の1人の首を掴み波長操作で恐怖を与えつつ思考を読み取る、その間にも鈴仙に攻撃を行おうとしてくる者達全員をルナティックガンの威嚇射撃で黙らせる。

 防弾ヘルメットのバイザー越しからでも分かるほどキツイ臭いの吐息が鼻につく。

 鈴仙は左眼から流れ出る血を拭う事もせずに首根っこを掴んでいる傭兵へと呟く。

 

「Your breath stinks,fuck head」

 

 それに対して傭兵は流石に怯えてだろうかギブギブと連呼していた。

 口調的に恐らくは日本人……。

 

 鈴仙はため息をつきながら英語で語る。

 

「Give? Give me what? You're gonna give me something, right? Well, come on, what the fuck are you trying to say? Quit yapping, you goofball.You gonna give it to me or not? C'mon‼︎」

 

 波長操作で記憶を読み取ると神経系を弄くり回して気絶させる。

 そして、ルナティックガンを構え直して呟く。

 

「次」

 

 そもそも、根本的な所で傭兵たちは勘違いをしている。

 

 前回、鈴仙が逃げに徹したのはまともな装備もなく資格も無かったが故であり……如何に身体に電波妨害装置を埋め込もうともそんなの『本気でブチギレている鈴仙』を前にしては何の時間稼ぎにもならない。

 

 別にわざわざ当人に対して波長操作をしてやる必要も、気絶させる為に波長操作をする必要も全くない。

 

 如何に取り囲もうとも至極単純に天井から壁を形成し圧を掛けるだけで押し潰せる為にまともに動くことすらもままならなくなる。

 

 空間断裂の個性持ちは真っ先に気絶させた為にこれ以上の攻撃はされない、感知の範囲を広げて現在地を把握すると雄英高校の教師陣とギャングオルカさんへとテレパシーを繋ぐ。

 

『あぁ、相澤先生、ギャングオルカさん、クレアさん……お疲れ様です、現在地は京都伏見の山中ですね……えぇ、はい……現在地は相澤先生とギャングオルカさん、クレア・ボヤンスさんの脳内に叩き込んでおきましたので……ッ⁉︎ ご無理を承知で伺いますが30分以内に来れそうですか?』

 

 波長操作で把握したこの場所は山荘であり本来のルートから遠く離れている。

 

 しかも京都の山……。

 鈴仙のただならない声音に何かを察した相澤先生。

 

『ッ……‼︎ 持ち堪えろ鈴仙‼︎ 今急いで向かっている‼︎』

 

『了解です、なるべく持ち堪えますが……流石に(ヴィラン)連合のフルパはキツイですね、1対10……いえ、傭兵部隊も加味すると戦力差が……』

 

 

 マスキュラー、ムーンフィッシュ、マグネ、スピナー、トガヒミコ、荼毘、コンプレス、マスカレイド、そして黒霧が装備を完全に整えて揃っている。

 そして恐らくこの傭兵部隊も(ヴィラン)連合の手駒……そして、死柄木弔のこの波長から読み取るに異能解放と喧伝していた者達を手駒へと取り込んだ……(ヴィラン)連合に圧倒的に足りなかった資金力も人的資源も解決されている。

 

 それを読み取った鈴仙の顔は酷く歪み心の中で呟く。

 

(最悪ですね……11万人が各地に潜伏……そんな事よりも何よりも死柄木弔の崩壊は五指で触れるのが発動条件だったはずなのに……無意識下でリミッターを掛けていただけだとは、指先で触れると周囲の物に伝播するとは……これが突然変異? 似た様な個性を見た気が……触れる事が絶対条件で……)

 

 

 思案しつつ死柄木弔の波長から余す事無く全てを読み取る鈴仙。

 

 死柄木が自身の過去の罪の意識から解き放たれたことで、個性が真の能力を取り戻し、死柄木の指が一本でも触れれば、触れたものに接触する全ての物体に対して無差別に効果を作用させることが可能になった。

 ひとたび個性を発動すれば、死柄木の手からそれに連なるあらゆる物体に崩壊が伝播してゆき、死柄木を中心とした円形の範囲内に存在する全てのものを塵に変えてしまう。

 

 この個性の大きな特徴として炎やレーザー、電撃や衝撃波といった物理的に接触することができない現象とは相互に干渉しないというものがある。

 崩壊が発動するものはあくまでも死柄木の手で触れたものと、それに連なるもののみであり、人の手で掴むことができないものにまでは崩壊の効果は及ばない。

 つまり、手で触れることができない攻撃を死柄木は防ぐことができないが、それと同時に、この個性に対しては明確な防御手段が存在しないということをも意味している。

 土の壁や氷の壁で防御することは不可能であり、衝撃波等の飛び道具で崩壊の伝播を押し返すこともできない。

 そのため崩壊の発動圏内に入ってしまった場合は、空中に逃れるか、もしくは全身に崩壊が及ぶ前に接触部分を切り落とすしかない。

 

 それを踏まえて鈴仙は思案する。

 素の身体能力がそもそもとして高かった死柄木弔……範囲攻撃が無い事が唯一の救いであったが……未知の情報とは純金のインゴットに値する。

 

 今、鈴仙が行う事は2つ。

 

 この情報をヒーロー達に共有する事。

 そして、死なない事。

 

 波長操作で自身の神経伝達速度を異常な速度で伝達させる。

 

 全ての神経伝達や感覚を3倍速で伝達させる、筋肉の伸縮、思考速度、心拍の速度、波長操作で3倍速にする事が出来るその全てを。

 

 鈴仙の体感する時間が変わる。

 

 3倍速で全てを感じ取り3倍速で動く。

 

 しかし、マスカレイドのみが鈴仙の動きに対応して来た。

 

 3倍速で動く鈴仙は周囲から見るとその眼に止まることが無い程に速く見えない速度で動いていた。

 

 マスカレイドさえ居なければ恐らく一瞬の隙を突いて何人かを気絶させてこの場から逃走する事が可能であったろう。

 しかし、それは『たられば』に過ぎない。

 

 叶わないIFに過ぎない。

 

 眼前の(ヴィラン)、マスカレイドを見て鈴仙は理解する。

 

「私の個性を扱う……いや、私のだけじゃないですね、マスカレイド、……他者の個性を見るだけでストックして引き出す事で自由自在に使える個性、まさに名は体を表す、ですかマスカレイド」

 

 マスカレイドは鈴仙の鋭い拳打や神業とも呼べるルナティックガンの銃撃を捌きつつ仮面の下で和やかな笑みを浮かべつつ鈴仙に語る。

 

「そうだね、加えて言うならば対象を見るだけで仮面というストックが確保できる、相手が気絶していようと死んでいようとね」

 

 その言葉が紡がれた刹那、鈴仙はゾクリッと悪寒を感じ取り真横へと跳躍して避けようとしたが遅かった。

 

 顔と顔が密着する程の至近距離でマスカレイドから放たれた空間断裂の個性が鈴仙の右腕を肩から断ち切った。




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