【完結】ウサミミ少女のヒーローアカデミア   作:紅葉紫苑

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倒すべき相手

 鈴仙は狂気の赤眼、狂気の赤い瞳、晴嵐の赤眼。

 そう呼ばれる自身の眼を、爛々と赤く光る眼で……マスカレイドを見て夢幻の世界に叩き落としながら告げる。

 

「波長操作で全ての情報が見えていても、取捨選択出来る『正解』が見えなかったら意味が無いでしょう? たった数日で何故? と思っているでしょうが数日前の私より今の私の方が何千倍も強い、いや……強くなったんですよ、腕を失い眼を失い……得たのは虚無感でしたがそれが何かの切っ掛けになることだってある……因みに貴女の正解は……私と対面せずに逃げの一択でしたがね」

 

 マスカレイドを目醒める事の無い深い深い夢幻の迷宮に叩き落としてエンデヴァーの方を見る鈴仙。

 どうやら向こうも脳無に辛くも勝利した様でボロボロの状態でホークスに支えられつつ勝利のスタンディングを行っていた。

 

 そこに……闖入者が1人。

 

 蒼炎で壁を創り満身創痍のエンデヴァーとホークスに間髪入れずに攻撃しようと蒼炎を滾らせる荼毘。

 

 それを見て、満身創痍のエンデヴァーは消え入りそうな声量でポツリと呟く。

 

「燈矢……」

 

 それが耳に入った瞬間、荼毘の動きが止まり狂気的な笑みを浮かべて呟く。

 

「オイオイオイオイ‼︎ ハハハハハハッ‼︎ やっと気づいたか? それとも鈴仙から聞いたか? マスカレイドから鈴仙に正体を99%バラされたよって聞いた時は腸が煮え繰り返るような思いだったがその表情見たらどーでも良くなったよ‼︎ 轟炎司‼︎ 最高の表情をどうもありがとう‼︎ さぁ地獄で俺と踊ろうぜ? 赫灼熱拳……プロミネンス‼︎」

 

「そうですね、それがどうしたというのですか? 罪には罰です」

 

 いつの間にか跳躍して移動して来ていた鈴仙がマスカレイドを左手で掴んだままウサギの脚力で荼毘にヘッドシザースを掛ける。

 脚の方が腕に比べて3〜4倍は力が有ると言われる、そして……異形型であるウサギの個性がその身体能力に反映されている鈴仙から繰り出される脚技は凄まじい威力を有している。

 

 そして……元々、お師匠である八意永琳から片腕が使えない状態やその他にも縛りを設けた訓練や脚技のみでの訓練を受ける事が多かった鈴仙。

 それ故に……ある意味ではこういった状況下には慣れていた。

 

 ヘッドシザースを仕掛けて荼毘を気絶に追い込もうとするが泥状の物質が荼毘の喉から迫り上がってくるのを脚から伝わる感触とその眼に見える波長で感じ取った鈴仙はもう一つの手に出る。

 

「あんまり使いたくない手ですが……仕方が有りません」

 

 波長操作を行い荼毘に対して呼吸や生存にに必要な神経伝達以外の全ての神経伝達を阻害する。

 五感を奪い取り……四肢を動かす事も、個性の発動すらさせず……生存に必要な神経伝達以外は全て停止させる。

 そして、空間反転を行い荼毘の身体をワープで移動出来ないように固定するとようやく気絶した……。

 

 脚に込めていた力を緩め荼毘とマスカレイドの身柄をホークスに渡す鈴仙。

 刹那……上から降ってくる者が……2体目の脳無であった。

 

 しかも恐らく……エンデヴァーとホークスが討滅した先程の脳無と同じくらい強い、そしてカタコトながらコイツも喋る。

 鈴仙はその全身で波長を感じ取り脳無の情報を得る。

 

 1つ・『肩部のジェット機構』による飛行。

 2つ・『変容する腕』による飛行の補助及び伸縮、分裂攻撃、そして無数の手を生やす。

 3つ・伸びた腕や変容した肉体を補強する『筋力増強』

 4つ・どんなに深い傷であろうと、脳さえ無事なら身体中がチリになろうと与えた傷をコンマ秒単位で治す程の『超再生』

 5つ・鈴仙の血やDNAを素にして培養でもしたのか……鈴仙と同様に『波長を操り支配する個性』を有している。

 6つ・多数の個性を使う為に思考する隙を無くして並列処理する為にあると思われる現在作動している超高性能スパコンと同等の演算性能すら有する程の『超高速演算』

 7つ・恐らくは……元々人外の膂力を更に増幅させているであろう個性、30階建てのビルすら軽々と1000m先まで投擲できる程の人外の膂力を生み出す『剛力』

 8つ・肉体の変容を可能にする個性である『肉体操作』

 9つ・対物理に特化させる為の『ショック無効化』

 

 9つも詰め込んだ最上位(ハイエンド)と呼ばれている脳無……しかもコイツは絶対に生かして帰してはいけない。

 鈴仙の個性は鈴仙が悪用していないからこそ……被害が無いだけである。

 

 光も音も「波長」なので、鈴仙がその気になれば、視覚や聴覚に頼って外界を捉える存在は彼女の能力支配から逃れる事はできない。

 それに……もっと言えば、脳波や脈拍や心拍、神経の電気信号なども重要な波であり、もしこれらを止められれば、感覚云々以前のレベルで機能停止および即死も有り得る。

 

 しかし鈴仙の善性故に鈴仙は自身の個性をその様な事に使いはしない。

 

 しかし眼前の脳無にはそんな倫理観や善性などあろう筈もない。

 

 波長を操り支配する個性は悪用すれば実に様々な事が可能となる。

 

 軽犯罪は言わずもがな……。

 例えば、思考の読み取りを行う事によりあらゆる情報収集。

 例えば、超高々度からのレーザー砲撃。

 例えば、スタンドアローンでない限り波長操作を行う事でのコンピュータへのハッキングも可能。

 例えば、生命維持に必要な機能の掌握。

 病院などに向けて緊急性が高い患者に対する波長操作などを行えば少し波長操作を行うだけで何人死ぬかなど自明の理である。

 

 簡単に、とても手軽に、極論、言ってしまえば指一つ動かす事なくそれらを可能とする鈴仙の個性……。

 

 鈴仙は眼前の脳無を見据えながら……ルナティックガンを握り潰す程の握力で握り締めて構えながら呟く。

 普段は無意識下で縦横無尽に動いているウサミミも今回ばかりは……一切動いてはいなかった。

 

 自分でもびっくりするくらい冷え切った声音で、ブリザードよりも冷たい声音で、凍り付いたかの様な表情と共に鈴仙はホークスとエンデヴァーに向けてポツリと呟いていた。

 

「エンデヴァーさんとホークスさんは避難してて下さい……コイツは……この脳無だけは……絶対にダメだ……ここで……やる、私が……絶対に‼︎」




感想・ブクマ・特に評価。飢えております。  低評価をもらったら少し傷つきますが、傷も創作のプラスになることはある(私の場合です)。でも無評価=虚無は創作のマイナスにしかならないッス(私の場合です)!  なので、無言で投げれるので、ぽちぽちっと☆を頂けると嬉しいです。多い分には困りませんよ‼︎


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