コスチューム改良2
今日はA組B組合同訓練を行うそうで……鈴仙主導の訓練やブートキャンプで一緒になる事は多々あるが授業ではなんだかんだで初じゃないだろうか。
ヒーローコスチュームを身に纏った鈴仙。
鈴仙のコスチュームは入学当初から変わらず……上下共に黒のスーツ、白ワイシャツに黒いネクタイ、そして黒のコンバットブーツという出立ちである。
しかし、入学当初に比べて細かな所を変更している。
まず、新たにスーツとワイシャツの表地と裏地に新素材で作られた衝撃分散機能を搭載した素材を縫い込んでいる。
あの2人は鈴仙の腕と眼を見て即座に代わりを作りましょうと告げてきた。
発目さんは日頃からお世話になっている恩返しだと、メリッサさんも……重傷を負った父親の手術を八意永琳が行った事によりその恩を返したいと……メリッサさんと発目さん、それとお師匠様との共同開発である。
コスチュームの機能の向上を完了させた3人はそのまま作業に没頭しており……今は開発ルームで鈴仙の義眼と無くなった腕の代わりになる物も3人が協力して鋭意製作中との事で、義眼は完成したが腕の方はまだ未完成だとか。
お師匠様はコスチュームの開発ライセンスすら取得していたのかと驚くばかりである。
これによりある程度肉体に受ける衝撃を緩和出来る為に近接格闘で万が一の事態に陥っても問題はない。
ただ一つ問題があるとすれば……衝撃はある程度までは分散されるが結局喰らうのには変わらない為に、鈴仙にはそれなりの衝撃とかなりの激痛が伴う。
しかし確実に骨折し内臓に骨が刺さる打撃の威力を可能な限り軽減して最終的には打撲程度に留めるというだけでも有難い。
あとはスーツのみに搭載していた防刃、防弾、対爆、防水、撥水、速乾機能と新たに防塵機能を搭載し、元あった機能は更に強化して同じ物を白ワイシャツにも搭載させた。
防弾機能も調整と強化の結果、50口径すら今の鈴仙のコスチュームを撃ち抜くには1マガジンでは足らない様に魔改造を施された。
対爆機能も更に強化しておりC4爆弾を5発、超至近距離で起爆されたとしても問題ない程の耐性を有している。
防刃も同様であり高周波ブレードすら耐え得る。
まぁ、防弾と防爆、防刃に関してはあくまでも『コスチュームは』それらを耐えるだけで着用している鈴仙の事は一切考慮に入れていない為に喰らわないのが1番なのだが。
これらの機能は具体的に言えば
戦闘用に装備を整えたコンバットブーツも踏み抜き防止の鉄板の厚さを調整した。
ネクタイには人参を模した形のネクタイピンを付けておりこちらはおしゃれの意味合いが強い。
腰には変わらずルナティックガンが装着されている。
前に一度ルナティックガンを解析しようとした発目さんとメリッサさんにお願いされて渡したところ……2時間で返されておりあまりにも速すぎる返却の為に話しを伺うと……2人が調べた結果……ルナティックガンは現代の技術では絶対に到達する事が不可能な技術の塊であり、素材から内部機構から……銃身や全てにおいてブラックボックスの塊であり、現代においては最早オーパーツとしか言い表せない謎の技術で造られた逸品でしかないとか。
結局、パワーローダー先生やその他の技術者と見ても何一つとして分からないらしく、技術者としては悔しかったが分からない物は分からない……それで返却しにきたのだとか。
ルナティックガンを見て……稀代の天才技術者2人が口を揃えて告げた。
このルナティックガンに搭載されている理論や技術や仕組みは……何万年もの遥か先の未来の技術だと言っても過言ではないと。
それを聞いて鈴仙は思い返す。
確かにお師匠様の作った発明品の99%は盗用も盗作も絶対に出来ない謎技術のオンパレードであり、遥かに先の未来を感じさせるものばかりだったなぁと。
薬学に知識が豊富なお師匠様だがその頭脳は凡ゆる方面に精通している。
医者として働く傍ら……とても勤勉で知識欲旺盛であり、雑事はともかく色々な事にチャレンジするアクティブな面も見せる。お師匠様の脳に詰められた膨大な知識は長年のトライ&エラーによるところも大きい。
その一方で、とても合理的な性格で必要とあらば冷酷な決断もあっさり下す。
最近でいえば脳無の処遇などであろうか……。
医者としても薬師としてもその腕前は尋常じゃ無く高い。
八意永琳が自身の診療所である永遠亭で販売している薬は非常に良心的な値段で、副作用も少なく、それでいて効果は高い。しかも払えない場合は支払いをずっと待ってくれると至れり尽くせりである。
ヒーローとしてもかなりの強者であるお師匠様……「天文密葬法」や「天網蜘網捕蝶の法」に見られるように相手の動きを封じていく戦法を好み、かくいう鈴仙もそれに影響されている。
月の頭脳と謳われる程の天才であり、多くの発明品を生み出している。しかも未だに本人しか作れないほど高度な代物で発明品の何処かに月を模った紋章や刻印、または発明品そのものに月を意味する名前が入っている程に月に対しての思い入れは強い。
あらゆる方面に精通しており……ぶっちゃけた話し、現代医術をはじめとしたあらゆる学問は永琳の後追いと言っても間違いではないと評されるほどの、学問、知識面においてのオールマイトと言える程に他者との隔絶した差がある。
八意永琳は現代の医学ではどうにもならない病人を治すことができる唯一の人物ということで世界中から頼りにされている。
他にも、八意永琳のコレクションを展示した『月都万象展』を開催。
意外と盛況だったとかで年一開催も計画している。
話しがズレた。
ともかく……鈴仙やA組B組の面々のコスチュームには魔改造が施されている。
緑谷のグローブにも八意永琳の頭脳が活用された機構が搭載されていたり爆豪勝己のコスチュームにも八意永琳の知識が余すことなく活用されている。
それの集大成が面制圧重装機動ストレイフパンツァーである。
当初はその理外の速度に振り回されていた爆豪だが八意永琳が機能を一部オミット・ロック機能を搭載して再度調整を施した。
そうして、コスチュームを一新してサポートアイテムを八意永琳の知識を活かして強化した面々であった。