絶対UFZに入りたくないバルタンVS絶対加入させたいゼロ 作:スターク(元:はぎほぎ)
玉座から
跳躍、着地。マント含め6万6千tが広間を揺らす、その影響で幹部達は揃ってたたらを踏んだ。
そしてそれは、台座のドームに閉じ込められた状態でこの場に連行された
『……クックック』
その姿が余程痛快だったようで、それは笑い声を漏らした。堪えていたそれはやがて哄笑に変わり、大音量で大気を震わせる事となった。
『クァ―ハッハッハッハ!!なんとも虫けらみたいに小さくなっちまったじゃねェか?』
「
『そうだぜ俺だ!テメェがこの傷を刻んだベリアル様だぜ、なァゼロォ…ッ!!!』
右目の傷を忌まわし気に見せつけてから、次にベリアルが向いたのは台座の一番近くで跪く部下。一転して気をよくしたように、その肩を刺々しい右手で叩く。
『お手柄だなバレット!褒めて遣わす、って言やァ良いのかこういう場合?』
『勿体無きお言葉。私は陛下より機を与えられたのみにございます』
『そう畏まんな!
『……ありがとうございます』
(口ばかりよく回る…陛下も何故アイツなどに!)
(いい気はせんな……)
ダークゴーネ達の内心を知ってか知らずか、まるで気の知れた仲であるが如く馴れ馴れしい。そんな扱いをされて、バレットは表情一つ動かさなかった。
そしてまた、暗黒の巨人は宿敵を見下ろす。こちらを睨めつけてくる矢のような視線を満足げに受けながら。
『しかし感動の再会もこんな有様じゃ、憐れさに涙すら出ちまいそうだぜ。泣いていいぞ、ホラ』
「ほざきやがれ、俺が怖いから閉じ込めたんだろ!」
『なァにが怖ぇもんか。ほれ、コレが欲しいんだろ?──オイ、アイアロン』
『はっ、此処に』
挑発を受け流し、受け取ったのは闇の塊。否、重要なのは中身の方だ。
そこにあったのはウルトラゼロアイ。ゼロにとって一発逆転の力を秘めたそれは今、確かにベリアルの手の内へ収まってしまった。
ギリ、と歯が鳴る。
『コレさえありゃ何とかなると思ってんだろ?正面から叩き潰してやってもいいが……
「なっ!!」
『その体の無力、永遠に噛み締めなァ──!!』
言いながら右手を振りかぶる、視線が向かうは床。ゼロの希望を叩きつけて粉砕するつもりである。
止める者はいない。止められる者はいない。ゼロはせめて叫びでそれを止めようとし、
『陛下、お待ちを』
結果的に、止めたのは彼ではなかった。
『……ンだよ、バレット。今良いとこだったろ』
『過ぎた真似をお許しください。しかしその変身道具──
『貴様、陛下のお手を止めた挙句に身勝手にもプレゼンだと!?いい加減にしn』
『下がれ。面白い、言ってみろよ』
面白い。逆説的に、つまらなければどうなるか。
言外に示した主人に、それでもバレットは言葉を紡いだ。
『この世界にディファレーター光線は存在しません。サンプルが陛下の放つ技以外無いこの現状では、私を含め他の存在には再現すら不可能です。しかしそのウルトラアイの中には、彼の身体を光の巨人へと変化させるほどのそれが眠っている』
『だからどうしたってンだよ?』
『作れるかも知れないのです。
ベリアルが止まった。ゼロも開いた口を塞げなかった。
しばしの沈黙が場を支配する。光と闇、双方どちらにとってもその言葉は聞き捨てならない物だったのだ。
『……お、おい。なんだその“ぷらずますぱぁく”というのは?分かるように説明しろ』
『超高出力の光エネルギーを放ち続ける第一永久機関です。未だ机上の空論ですが、私の計算では星系一つを余裕で覆うパワー帯を生成するでしょう──エメラル炉心どころか完成版のディメンジョンコアすら遥か過去の物にするそれが、陛下が今手に持つ物によって形を成す可能性があります』
『そっ、それは本当なのでしょうね!?もし真実であれば総てのエネルギー問題は解決、どころか現在稼働中のレギオノイドを全機ダークロプス……いや、
アイアロンの疑問、それに対し示された答えでダークゴーネが歓喜する。だがベリアルはまだ動かない、その全身を硬直させたかのように。
時間にして10秒。配下が異常を察して鎮まってからその時を経て、やっと皇帝は口を開いた。
『バレット、一つ聞くが』
『何でしょうか?』
『お前、
『いえ……何の事です?』
『ア゛ー、違うならもう良い』
本気の困惑で以て応じられてから、ベリアルはそっぽを向いて何やら独り言を始める。降って湧いた
やがて意を決して、ベリアルは振り返った。その口角は決意と喜びに彩られ。
『───いいぜ。バレット、お前の案に乗せられてやろうじゃねェか』
『陛下、では』
『用件が終わり次第、
『勿体なきお言葉……!』
かくしてゼロアイ破壊は未遂に終わった。ゼロは安堵しそうになり、しかし自身の置かれた状況を思い出して気を引き締め直す。
何一つとして好転してはいないのだ。
『さぁて、勢揃いといった所で……“開演”といくか』
「一体何を……」
『テメェは黙って見てろ。主演は俺達だ』
吐き捨てるように告げると、示し合わせていたかのようにダークゴーネがスクリーンを展開。映し出されたのはダークロプスの大群、およびそれを収納する時空揚陸舟艇“デルスト”。
マレブランデスの背面に展開されたその機兵部隊へ向けて、かつてダークロプスゼロが用いた
映像は切り替わり、打ち出されたばかりのデルストの視界を投影する。リアルタイムで星を超え、銀河を飛び、やがて宇宙の境界を抜けて、そして───
「俺達の宇宙……?!」
『懐かしいモンだな』
ゼロが、そしてベリアルが、バレットが生まれた宇宙へ。
突入と同時に星の光が流れ、やがて止まった。到着したその目的地の名は説明するまでもない。
煌々と瞬く光の国である。
『今ので丁度
「やめろテメェ!!」
『やめるかよ。光の国をぶっ潰してやるぜ!』
『っ……』
先着していた49万のダークロプス部隊と合流し、船団のカメラは輝きの星を見下ろしている。やがてそこに映る、こちらへ向けて飛び出してくる光達。
それを目にしたバレットが、微かに呟いた。
『ウルトラマン……ゾフィーにセブン、帰マン』
『何をほざいてるのですか』
『……いや。錚々たるメンツだな、と』
勢揃いし、ロボット達と対峙する銀色の巨人。世界を幾度となく救ってきた彼らの雄姿はしかし、戦力差を鑑みればあまりにも風前の灯火で。
「親父───ッ!!!」
開戦。光の巨人達の放つ一撃が10のデルストを撃ち落とし、しかしその中から100のダークロプスが這い出た。
そしてデルストが1000の光弾を返す。100のダークロプスがそこに光線で追い討ちする。
エースも、タロウも、レオも80も。その全ての姿が、爆煙に揉まれて見えなくなっていく。悲鳴にも似たゼロの怒号が響き渡った。
バレットは──無言だった。ただ押し黙り、スクリーンを凝視していた。
見逃すまいと。目を逸らすものかと。
『ハーッハッハッハァ!!見ろ、ウルトラ戦士がまるでゴミのようだァ!』
ベリアルは笑いが止まらなかった。自らを追放した故郷への復讐を、それを自らの手を直接汚さずに一方的に行なっているのだ。気分が良くない訳が無い、あまりにも彼は愉快過ぎた。
闇の進撃は止まらない。惨劇は止められない。
ダークロプスの一団が、突如
『は?』
「……え」
『何……?』
ウルトラ戦士の反撃……ではない。バレットにも心当たりは──無い訳ではないが、少なくともこの局面でそんな動作を起こすような機能は付けていない。
そもそも爆発を起こしたのは最後尾、ウルトラ戦士達と接敵すらしていない集団だった。何故?攻撃された。もしそうなら、誰から?
見つけたのは、ゼロだった。
「スペース……ペンドラゴン?」
突如ダークロプスからの攻撃が止まる。防戦一方だった我々にとってそれは九死に得た一生であり、しかし同時に不審過ぎる相手の隙だった。
『セブン、大丈夫か!』
『問題無い!しかしマン、何があったんだ』
『分からない。どうやら想定外の攻撃を受けて相手が混乱したようだ』
想定外とは何だ。我々は別に策など巡らせていない、正面から応戦しただけだ。ならばその攻撃は、我々ではなく別勢力による物となる。
いずれにせよ、この時間で体勢を立て直さねば……と思った、その時だった。
《こちらペンドラゴン、こちらペンドラゴン!全ての回線を開き、これを全勢力に通達する!──オキ、ちゃんと記録してるな?》
《分かってますよボス、
《じゃあ今の言葉は後で削除しとかないとね!》
いつか聞いた壮年の地球人男性とその仲間の声。電波を通じて介されたそれが、我々にも届く。
《口は災いの元ってか……まぁいい!
『あなたは……あなた達は!』
メビウスの声と、挟撃に対応した敵船団が陣容を変えたのは同時。開けた視界に、彼らの全貌がその姿を現した。
開いたワープゲート、そこから《次々に》現れる戦艦。我々がかつて助け、助けられたスペースペンドラゴンとその同型達!
《ここからは
刹那、全艦がその砲門を閃かせる。突き刺さる巨大な光線、爆散するデルスト共。
ゾフィーの掛け声が轟いた。
『“友”に遅れをとるな!!』
M87光線が迸る。挟撃された敵軍が大混乱を引き起こす。
我々も……負けられない!!
『総員に告ぐ!地球人達と連携し、ダークロプス軍団を撃滅せよッッ!!!』
爺さん「出番かと思ったけどもうちょっと待ってみるわ」