絶対UFZに入りたくないバルタンVS絶対加入させたいゼロ   作:スターク(元:はぎほぎ)

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0になり、そしてまた

俺とベリアルは、結局どこまで行っても似た者同士なんだろう。

力を求め、光を求め、一度は拒絶され。孤独と絶望の中に沈んだ。

1人で何でも出来ると信じたくて、その夢破れて彷徨って。それが俺だ、それがベリアルだ。

何が違うんだろうな。俺達は。

 

『……なんでだよ』

 

俺はプラズマスパークに選ばれて。

お前は選ばれなかった。

 

俺はバレットを味方に就けて。

お前は裏切られた。

 

俺はノアに力を授けられて。

お前はキングに封印された。

 

『なんでなんだよぉ……』

 

本当に、なんでなんだろうな。

俺の6倍くらいデカいのに、お前の姿が小さく思えるんだ。悲しいぐらいに弱々しいんだ。

俺とお前で違うものなんて……そうか、一つだけ。

 

『俺には──仲間がいたから』

『!!!』

 

剣を掲げる。ベリアルは防御の為に右腕を翳すが、最早意味は無い。

 

斬。

 

『ッ……っ、ッ…!!』

 

だった一振りだった。力なんて込めちゃいない、だというのに齎された結果は驚愕して然るべきもの。

 

マレブランデスが両断。

ベリアルに残されていた右腕が、尻尾もろとも消し飛び。

要塞に保管されていた無数のダークロプス達が、バラバラになって切れ目からエスメラルダに落ちていく。

 

見上げてくる仲間達の姿が見えた。決意を込めた頷きが、俺の背を押した。

 

『今度こそ、決着(ケリ)をつけてやる!』

 

容赦はしない。だが慈悲はあった。

一撃で宇宙の果てまで吹っ飛ばす。それが俺なりの、お前への敬意だと信じて。

 

そんな俺の想いに呼応して、イージスが離脱。各パーツが再構築されて左手に装着された。

“ファイナルウルティメイトゼロ”。ベリアル、これがお前に引導を渡す技の名だ!

 

『くっ……そォオオオオオ!!』

 

ベリアルは叫び、陰に潜り込んでその姿を消した。気配は消えてないのを見るに、影移動はミラーナイトの鏡移動ほど自由に別の場所へ飛べる訳じゃないようだ。影同士が繋がってる場所にしか行けないんだろう、恐らく。

そしてこの技の威力はマレブランデスそのものを消し飛ばせる。どこに隠れても無意味だ。

 

(……が、それで終わらせるつもりは無ぇ)

 

キチンと、直撃させる。戦いの終わりを、宇宙に知らしめる為に。乱れた時代が終わり、平和が訪れたと安心させる為に。

最後の勝負だぜベリアル。俺がブチ当てるか、テメェが避け切るか!

 

『……………っ……………』

 

一転して静寂。さっきまでの激戦が何だったのかってぐらいに、誰も口を開かない。音だって、精々崩落するマレブランデスの断末魔くらいな物。

その中で冷静に、ベリアルの気配と痕跡を探り続けた。集う光が高まり続け、制御下を離れるその時まで。

 

『……いや、違うな』

 

ここに来て、また()()を見失う所だった。俺1人で全てを終わらせようとするつもりだった。

違う。この力は皆の物で──ここにいるのは、俺1人じゃないんだ。

 

 


 

 

『ナナ、どうだ』

《……母船はもう復元不可能ですね》

『使用は?』

《最後の一回だけならば》

 

マレブランデス崩落の影響で、墜落した俺の船は奥深くまで落ち込んでいた。ナナをそこへ送り込んだのは、まだ使える機能が残ってないか確認する為だ。

もう外套に仕込んだ兵器群は粗方使い切るか無効化されてしまってるし、肝心の俺自身もさっきやっと両足と片腕を見てくれだけ再生出来たぐらい追い詰められてる。内臓だって殆ど失って、たまたま手をつけられてない。

それでも……あと一回か。なら充分だ。

 

《機能補填は私が担います。どうか憂いなく》

『ナナ』

《なんでしょうか?》

『お前は最高の相棒だよ』

《……!》

 

至れり尽くせりってのはこの事だ。最愛の愛娘からこんなにしてもらえるなんて、俺は天下の果報者だな。

 

《お父様!やっぱりこの戦いが終わったら結婚しましょう!!》

『はいはい、戯言で雑に立てたフラグは置いといて』

《も〜っ!!》

 

嗚呼締まらん、だからこそこの幸せを守りたい。守り抜いてみせる。憧れの光(ウルトラマン)と共に。

 

((ノア)は確かに応えてくれた、ウルティメイトイージスが起動した。ならば俺が為すべきは、99%まで高まった勝率を1()0()0()%()にする事!)

 

船の残骸に右手の鋏を突き刺した。生体認証パス、最終兵器起動。

 

《サポートシステムON!ファイナルモード、Active!!》

 

バラバラの残骸達がひとりでに動き出す。分解、結合、俺とナナのカプセルを取り巻く形で変形。天文台のように展開された機器中心から最後に砲塔が伸び、全ての工程を完了した。

母船その物を砲台とする──反射鏡を“最終兵器”とするなら、これが俺の“最終手段”だ。

 

《タイムレンジ修正。近過去-5、近未来+10》

『索敵開始。バイタルモデル入力、範囲はマレブランデス全域に』

《エネルギーゲイン処理に異常確認、手動修正。各駆動機接続、“バルタニックキャノン”発射準備OK!》

『了解。目標存在確率85%以上のエリアを1秒ごとに拡大、カウントダウン開始!』

5(Five)4(Four)!》

 

この要塞の構造なんか、とっくの昔に把握済みだ。追い詰められたお前がどこに隠れるかも大体見当ついてる。

この一撃で、俺とお前の関係は終わりにしよう。

 

3(Three)!》

 

──見つけた。

 

2(two)!》

 

(さらば、ウルトラマンベリアル)

 

俺が面と向かって出会った、最初のウルトラマン。

もう二度と顔も見たくない。

 

1(One)!》

 

……お膳立てはバッチリ済ませた。

最後はしっかり決めろよ?ヒーローのトドメは、派手にドカンと相場が決まってるんだから。

さぁ、突き進め───!

 

《『0(ゼロ)ォッ!!!!』》

 

全ての悲劇と因縁を今、ZEROに。

 

 


 

 

大爆発。

待ってたぜ……バレット!

 

『ウォ、ァッ、オアァァアアア!?!』

 

下から掘り起こされ高く打ち上げられたベリアルの絶叫。もう逃さない、外しはしない。

限界を超えて束ねられた希望の力…受けてみろ、ベリアル!

 

『これが!』

『ゼッッ……』

『俺達のッ!!』

『……ロォオオオ!!』

 

『“光”だアアァァァアッ!!!』

 

心に刻んだ絆を、時間さえ置き去りにして放つ神撃。ギリギリに研ぎ澄ませた精神で穿つそれは、狂い無くベリアルのカラータイマーへと直撃した。

着弾と同時に、回転。高まる光と熱で以て、宇宙を蝕む闇を抉り裂いていく!

 

『ひ、ぃ……ッ、』

『うおおおおおおお!!』

『光ッ、よぉお……!』

 

縋るような断末魔が、最期だった。

タイマーが打ち砕かれ、極光の矢が巨体を貫通。風穴を開けられたアークベリアルの身体が直後、一瞬の収縮を経て爆裂する。

爆風範囲はマレブランデス全域に及び、要塞はそれに煽られとうとう全崩壊。全てが光に呑まれて消え、そして───何も、残らなかった。

 

 

『──皆……ありがとう』

 

 

掴んだ確かな勝利を、新たな形を得たブレスレットに捧げる。俺1人では決して届かなかった地平、俺だけでは絶対に得られなかった未来へ。

 

 

 

やがて、ミラーナイトが。次いでグレンファイヤーが来る。

最後に……おい待てジャンボット、どういう事だ!?

 

『どうも何もない。これは……バレットだ』

『まっ、まさか!彼は大丈夫なのですか!?』

「分かんない……さっき漂ってるのを見つけた時にはこうだったよ」

 

担がれて来たバレットは、まるで燃え尽きた灰のように真っ白な姿で。

ピクリとも動かない姿からは生気を感じ取れない。まさか最後の砲撃で、全ての力を…?

 

『やっとハッピーエンドだってのにオメー……くそぉ!!』

『死んでないぞ』

『『『『「生きてんの!?その有様で!?!」』』』』

 

と思ってたら普通に喋ってズッコケる俺達。ビビらせんなオイ、本気で落ち込んだんだぞ!?

 

「バレット、良かったです!全員無事で……!」

『あーエメラナ姫、ちょっとショッキングな絵面になるから目を閉じといてくれ。背中の出っ張ってる所を引っ張ってくれないか、ジャンボット』

『こうか?』

ジュププピプッブチチッ

『うわぁ脱皮不全ん〜…』

 

外殻から引っこ抜かれるように出て来たのはベタベタの粘液に包まれた新品(?)のバレット。もう何が何だか。

ところでナナは……あっ、バレットの体内に気配があった。大丈夫そうだな。

 

『やれやれ騒がしい……ほら、ゼロ』

『え?』

『ンだよここに来て鈍いなぁ。あっち見ろあっち』

『あっちって……』

 

諸々の安否を確認して息を吐いたら、なぜか背中を叩かれ向き直される。そうして目に入ったのは───数多くの、戦艦達。

この宇宙を守る為、星を超えて集った仲間達が勝鬨を待っていた。

 

『俺に、しろと?』

『『『『お前以外に誰がいる』』』』

『バレット』

『『『確かに』』』

『ファッ!?ふざけんなオイ待て、ノアの加護を直に貰ったゼロの方が示しつくだろここは!!!』

 

しょーがねーな、そこまで嫌なら俺が音頭取ってやるか。元より目立ちたがり屋な性分、こういうのは願ったり叶ったりだしな!

そぅら───よっと!!

 

『『『わああぁぁぁあ───!!!』』』

 

左手のブレスレットを掲げた瞬間、喝采が巻き起こった。真空で音は聞こえなくても、湧き上がる喜びの感情が思念波として伝わってくる程に。

へへっ。なぁ、お前ら!

 

『最高だぜっ!!』

 

振り返りざまに突きつけた拳。そこに合わさる、四つそれぞれの手。

 

ベリアルが脱獄してから始まった一連の事件は。ここに漸く完全解決したのだった。

 

勇気ある光の、大勝利によって!

 

 

 


 

 

 

《申し訳ない。最後の一射で壊れてさえいなければ、貴方がたの手を煩わせる事も無かったんだが》

『礼を言いたいのは我々の方だ。畏まらないでくれ』

 

ダークロプス戦役が収束して数時間。劇的勝利からの流れで、そのまま勢いに任せて光の国と地球間で国交を結ぼうか打診したのだが、どうやら現状のテクノロジーでは本来ここまで来れないらしく。かなり無理と背伸びをした結果、帰りの便(エネルギー)を失ってしまったのだという。

なのでまだ余裕のある警備隊隊員を二手に分け、片方を哨戒、片方を彼らの送迎に割いた。私は送迎側という事になる。

 

《ウルトラマン。一つ聞きたいんだが、ゼロはどうしてるんだ?》

『彼は一足先に今回の元凶……ベリアルのいる宇宙へ向かった。今の所続報は無い』

《そうか……心配だな》

『大丈夫だ。我々の心は彼と共にある。必ず勝利してくれると……信じている』

《なら私達も彼を信じますよ。惑星チェイニーじゃ、異世界の私達も彼に助けられたみたいですし?》

《なんか俺そこで一回死んだらしいけど。異世界のボスに看取られたって聞いてんだけど》

《最終的に向こうの僕らも助かったらしいんだから良いじゃないですか〜》

『……ハハッ』

 

和気藹々と話す彼らに、不意にありし日の科特隊を思い出す。ハヤタ、イデ、フジ、アラシ、キャップ。貴方達の心は今も、彼らに受け継がれているのだろうか。

 

『さぁ、名残惜しいがここで別れだ。ワープゲートを開くぞ』

《重ね重ねになるが、見送りに感謝する。ありがとう、ウルトラマン!》

《また何かあったら呼んでくれ。地球人(おれたち)は、お前達の味方なんだから──》

《あっその時はちょっと一筆ウルトラサインをヘプッ》

《こーらオキ、調子に乗らないのっ───》

 

『ああ。また会おう、友よ』

 

時空の彼方、今は遠き太陽系第三惑星へと帰っていった心強き仲間達へ。私の最後の言葉は、彼らに届いただろうか?

 

『時の流れは早いですね』

『80。君が担当した艦隊(グループ)の方には、君の教え子の子孫が乗っていたそうだが?』

『ええ、矢的猛として艦にお邪魔させてもらいましたが大層喜ばれましたよ。それどころかホラ、これを見て下さい』

『……写真か。古いな』

『私と生徒のツーショットのコピーですよ、原本は実家に今も飾ってあるそうで。見たら当時の思い出が蘇ってしまい……

 

……我々と地球人では、時の流れが違い過ぎる。私が同じ時を過ごした戦友達も、地球では既に歴史の一部となってしまった。そうやって、我々と彼らの関係性はリセットを繰り返さざるを得ない物なのかも知れないな。

 

『だが……その繰り返しの中で、受け継がれて来たものがある。これまでも、これからも』

『……ですね』

 

初代()から始まって無限(メビウス)に至り、今また始まりへ。その中から新たに生まれ、育まれる何かを求めて、我々はこの宇宙(そら)を飛び続けるのだろう。

 

……その時だった。

 

『む、ウルトラサイン?』

『っ!!ゼロ勝利!セブンが連絡を受け取ったそうです!』

『そうか……!』

 

これも繰り返し。

無限から0へ、そしてゼロから別世界での再スタートという事!

 

『進め、ウルトラマンゼロ!』

 

セブンの息子よ、若きウルトラ戦士よ。その切先で、新たな歴史を切り開いてゆけ……!




これまでに詰め込み過ぎたせいで滅茶苦茶湿っぽい決着になった
バレットのラストシューティングとか絶叫まみれにする予定だったんじゃが……


次回、ベリ銀編最終回。多分。
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