絶対UFZに入りたくないバルタンVS絶対加入させたいゼロ   作:スターク(元:はぎほぎ)

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フルバーストはどっちかと言うとドラグーンよりハイマットの方が好き
でもファンネルはロマンなのでこれはこれで大好き


Z-Pの英雄

ウォルナから呼ばれ、駆けつけた惑星リンクはすでに地獄絵図の様相を呈していた。広大な街が一面瓦礫、黒煙を燻らせながら炎の竜巻が上がっている。

 

『……超獣と接敵するのは二度目だが、やはり唆らん』

《あら、あなたの大好きなウルトラマンの宿敵ヤプールですよ?恋焦がれた超獣ですよ?》

『どいつもこいつもイタリアも、見た事も無い種類じゃ懐かしみようが無いだろ……ちなみにだが、』

 

ウォルナの軽口に応じながら見上げた先には、超獣共が倒れ際に打ち上げたミサイル群。その数、ひーふーみー……沢山!360°全方位から!!

 

『今のは“どいつ”と“ドイツ”を掛け合わせたギャグだ──ッ!!!』

 

もうここまで来ると一々照準してやる必要すら無い。先程と同じ二十の火線を角度20°ずつバラ撒いてやれば、瞬く間に中空で誘爆の嵐が巻き起こった。

が、その間にビルの合間から立ち上がる巨影がチラホラ。一体ずつ脳と脊髄と心臓と股間を撃ち抜いた筈だが、はて?

 

《生物兵器というだけあって、通常の生物における急所を破壊されても止まらないようですね。後、私が事情(前世知識)を分かっている事を加味してもそのギャグは面白くないです。親父ギャグです》

『痛い所を突いてくるなぁ!』

 

背後の少年達を遠隔バリアで覆ってから、向けられたレーザー砲を跳躍で回避。その間にも火砲が俺に向けられ、2回3回とアクロバティックに躱しながら大空目掛けて5連射する。クルクル回る、その気分だけはウルトラマンタロウ。

それを終えて地に足つけた俺を、着地狩りしようと超獣が砲口を重ねてきた。

 

瞬間、先刻放った五つの光弾が重力に惹かれ奴らの足元に着弾。バランスを崩したその隙をついて、光の鞭を放ち2体の首を絡め取る。

 

『せぇ……のッ』

『『カッ──!?!?』』

 

超獣一本釣り。頚椎を引き抜く勢いで郊外にブン投げ、群れを分断した。これで1vs5を1vs3に出来る、安直だがそれ故に有効な各個撃破策。

 

『なぁウォルナ。今コイツらはヤプールの制御下に無いと思うんだが、お前はどう思う?』

《有効ではあるものの短絡的な包囲行動、誘爆の危険性を考えない火力集中、味方の隙を埋める様子の無い非協調性。彼らの開発者ならば、もっと各々の特性を活かすよう立ち回らせるでしょう》

『嬉しいな、一言一句同感だ』

 

一体ごとにそれぞれの最適解を選んでるだけで、連携としてはまるで噛み合っていない。だから俺は今も無傷だし、それはつまりコイツらが何やら異常な方法で出現させられたイレギュラーな状態にある事を物語っている。

………どういう事かと言うと。

 

「こりゃぁやっぱり、リンクに手掛かりがあるか。“悪魔”へ辿り着くヒントが!」

《……ええ。そうかも知れませんね》

 

ヤプールが首を突っ込んで、それでも自由に動けず暴走してしまわせる程の何かがこの星にはある。そう確信し、俺は再度銃口を閃かせた。

 

 

《アクセスコード:1988-221。シェルター緊急脱出システムに介入、パスワード“fOFtriangle40”》

 

 


 

 

──地下3000m、強化シェルター。それは星間貿易の中間地点として外資を稼ぎまくったギルドが、その有り余る財を投入して拵えたものである。その強度たるや、住民の大半を収容しつつ星の爆発にも耐えるほど。

また地上の現況をリアルタイムで映すスクリーンも兼ね備えたそれは──舞い降りた異星人の雄姿を、収容者へ克明に伝えてもいた。

 

「頑張れー!」

「僕らの町を守って~!!」

 

無邪気に応援する幼児たちを他所に、大人たちは怪訝な視線を送りつつ成り行きを見守る。多くは彼が何者であるかを知らず、知っている者は介入の意図を知らず、その真意を量り損ねていたからである。

 

「…どうします?彼が怪獣を掃討し終えたら、外に出ますか?」

「いや……奴こそが怪獣を呼び起こした張本人かも知れない。マッチポンプで油断させるつもりじゃないのか」

「USA軍との連絡は?もう救難信号は発してるんだろ」

「その筈なんだが応答が無いんだ。電波障害か故障かどっちか……ッ?」

 

その時。無視できない震えがシェルター全体を伝わり、僅かながらに悲鳴が上がった。震えは揺れに、揺れはいつしか大揺れに変わり、不安と動揺が沸き起こる。

地上の戦闘の影響?否、そうではない。収容者の一人が、揺れに紛れて唸りを上げる()()()をその耳に拾い上げた。

 

「バカな!誰が緊急脱出システムを作動させた!?」

「マスターコンソールには誰も触れてない!完全自動(オート)だッ」

「そんな訳が無い、地殻破壊レベルの災害でも起きない限りこの機能は…!」

「パパぁ!ママぁ!!怖いよぉ!」

 

シェルター自身が起こす鳴動、それはやがて切っ先を定めるように集約していく。

今だ混乱収まらず、致死の弾丸が飛び交う──地上へ。

 

 

《エンジン全開、発射まで残り10秒──信じてますよ、バレット》

 

 


 

 

《……!アレを見て下さい!》

『何だ何だ、やっと良い具合にパターン入ったとこr……えぇーーーッ!?*1

 

噓だろあり得ん。視界の真ん中には突如地面がスライドして出来た大穴。かつそこから迫り上がってくる巨大ロケット。中には市民が大量。

よりによってこのタイミングで発射するつもりか!?俺はともかく、まだ超獣達は活動可能な状態なんだぞ!!

 

『ギギッ』

『ガガッ』

『ゲゲルグッ』

『案の定狙われているし』

《どうします?このままだとあの船、落とされますよ》

『どうするも何も……』

 

言っている間に発射、仰角を上げて照準する超獣達。その間へ飛んで入って、俺は叫んだ。

 

『阻止するしか無いだろう!!』

 

特殊金属粒子を蒸着させた対ビーム装甲でもある外套、それを翻してビームを弾く。自分なりに試作したスペルゲン反射鏡の応用だ、とはいえ狙った方向にはまだ返せないから改良必須だが。

さぁ、庇い切ったところで仕切り直しを…!!

 

《後方より二体!飛行能力を持っていたようです》

『厄介な……』

 

今までは地上戦だったから発揮していなかっただけのようで、しかし標的である俺とロケットが飛び立った事により追跡を促されたのだろう。片や背中に格納していた翼、片や、足裏に備えていたブースターを用い、避難船目掛けて突っ込んでくる。

 

『させるかッ』

『『ギャン?!』』

 

突進してのラリアット。一体は直撃により墜落、二体目は躱したところを光鞭で捕らえて引き摺り落とした。まだロケットは加速途中、距離を稼げたとは言えない。

巻き込まない為にも、一刻も早く地上戦に戻さなければ……という思考の隙を突かれたのか。突然の()()を受け、俺は大きくバランスを崩す事となった。

 

『いつの間に…!?』

『カカカカ……!』

《次元転移機能で背後から出現し、()し掛かってきたようです。首・右手・左足を拘束されています》

 

背中から覆い被さってきた超獣に自由を奪われ、反撃手段を絶たれる。次いで被照準感知──地上の2体と、再飛翔してきた2体から。

ああ……不味いな。

 

()()()()()()

 

超獣から。

地上の市民から。

飛び去る避難民から。

ウォルナから。

 

このままでは手の内を晒してしまうだろう……が。

 

(死ぬよか良いか───!!)

 

切り札を使うなら確殺の状況で。目撃者が残れば噂として広まり、その札は効力を大幅に減ずる事になる。だがまぁ仕方もあるまい、また新たに策を用意しておけば良いのだから。

そう考え、俺は外套の中から両脇腹の肉を()()した。

 

『『『『『!?!?!?!?!?』』』』』

 

突如ちぎれ跳んだ標的の肉、それに面食らったような超獣達の顔は痛快だった。驚いてる時点で()()()だとも知らずに。

肉は空中で溶ける。形を無くし、分裂し、新たな姿へ生まれ変わっていく。瞬く間に小さな俺の姿へ、瞬く間にミニバルタンの群れへ。

その数20。全てが俺本人、思考を共有し自由自在に軌道を描くオールレンジ兵装だ!

 

『躱すなよッ…ォオオオオオ!!!』

 

『ギャアッ!?』

『グワバッ』

『『『ギヤアアアァァァ!?!』』』

 

結果は悲鳴が教えてくれる。各ミニバルタンからの火砲×40、内35が直撃。地上空中問わず、総ての超獣の四肢を穿ち攻撃を阻止した。

俺を羽交い絞めにしていた個体も同様で、苦悶と同時に離れたその鳩尾へ肘打ち。同時に二の腕から展開した砲身を押し付け接射、突き抜けた拡散砲弾が脊髄を背中全体ごと挽肉にする事で今度こそ息の根を止める。一匹目。

 

『次ィ!』

 

落ち行く二体。追い付き並ぶと同時に背中へロックオン、コンマ0.1を待たずに両手から発射。翼持ちには冷凍弾を、ブースター持ちの方には粘着焼夷弾を叩きつけた。

飛膜への血流が滞り、破砕。翼持ちは地に叩きつけられ粉々となる。

ブースター持ちは傷口から内部燃料に引火。落下を待たずして焼死した。

 

『ラスト…!!』

 

苦し紛れに砲弾を放ってきた1体、その攻撃を着地と同時にスライディングする事で回避。股下を潜り抜ける際、置き土産とばかりに菊門へ徹甲弾をブチ込んでる。背後で内側から爆散。

そして最後の一体は、両手を構えて防御姿勢を取っていた。このままだと真正面から衝突、俺の方がダメージを負う事になるだろう。

ので。

 

『その手を食うとでも?』

『───カッ───?!』

 

()()()、重い音。

そうはならないように、そうはさせない為に、近接戦闘という狙撃者特有の弱点を埋めるべく開発していた兵装──右での鋏を変形させて成した長剣(サーベル)が、ここで活きた。運動エネルギーそのままに敵の甲殻を突き破り、その心窩に深く突き立っていた。

 

後はなんて事も無い。長剣が開いた間隙へ銃口を押し当て発泡。相手の体内にめり込んだ時限砲弾が、数拍の後に炸裂する。

その数拍で飛び退き、立ち昇る爆炎と敵性存在の殲滅を確認してから、ようやく俺は息を吐いたのだった。

 

『終わった〜』

《……お疲れ様でした。凄まじかったですよ》

『ん?もしかして()()()()のは好きじゃなかったか』

 

反応の薄さに少し不安が過る。惚れた女の手前、柄にも無く張り切ったのは逆効果だったか……と思えば、返ってきたのは否定だ。

 

《ただ圧倒されただけですよ。先程の拘束から脱した斉射、惚れ惚れとするほどの絶技でしたから……それに》

 

そう告げて、ウォルナが示した先には生き残った市民の姿。声は無く、だが光を灯した瞳で俺を見上げている。

まさかとは思うが……俺を救世主か何かだとでも?

 

《他に何があります?逃げ遅れた子供を庇い立てまでしておいて、感謝されない理屈なんてありはしません》

『違うな』

《何がですか。貴方は彼らを守り救った。このロジックを否定するなんて、貴方自身にすら……》

『コイツらを助けたのはお前だからだ』

 

ヒーローなんてガラじゃない。俺は俺にとって利益があって、それを為せる力があったからそうしただけの事。

けどお前は違った。

 

『気付いてた。お前が俺を、この星(リンク)から遠ざけようとしてた事なんてさ』

《──っ…》

『でもその上で、超獣がこの星に現れた時、俺がそれに気付くより先にお前は助けを求めてくれた。だから俺も早く駆けつけることが出来て、生存者も増えた。違うか?』

 

母船に届いたウォルナからのSOS、それは俺を急がせるには十分過ぎるほどの“悲鳴”だった。自分の都合を打ち捨てでも、他者の命を失わせたくないという叫びが篭っていたからこそ、俺だって最速で駆け付ける事が出来たんだよ。

 

『皆を救ったヒーローはお前なんだよ、ウォルナ』

 

俺は俺自身を誇らない。代わりに、俺がこの女に惚れた事を誇りたい。

そんな想いと共に放った言葉を、彼女はどう受け取ってくれたのか。

 

《……なら貴方は、私にとってのヒーローですね》

 

どこか乾いた笑みで、それでも嬉しくなる殺し文句で応えてくれたのが結果。

それを今度は、隠し事の無い本心から聞きたいと。心からそう思った。

 

 


 

 

「こんな筈では……!」

 

バレットが乱入してくるなど想定の遥か外だ。最初の墜落時に離脱した事で超獣もろとも死ぬ羽目にこそならなかったものの、もっとじっくり暴れ回らせる算段だったのが完全に台無しになってしまった。

奴の実力は今まで数度、戦場で目撃し警戒こそしていたものの……クソッ!

 

「間に合え!間に合ってくれ!!」

 

モネラ共が、ヤプール共が勘付き駆け付けるより早く。TUFIRの元へ辿り着き、その身柄を確保・離脱せねばならない。限られたこの時間でそれが出来るだろうか、いや為さねばならないのだ。

そして私は賭けに……勝った!

 

「しめた!!!」

 

辿り着いた隔壁、その向こうに目的のブツがある。本来の持ち主であるモネラ共がここに来た形跡は無く、つまり私が誰より先んじたという事。

後はこの扉を開き、奥の宝を我が物にさえ出来れば───!!

 

「道案内ご苦労」

 

「───ガ、

 

どうやら、私の運はそこで尽きたようで。

背後からの凶弾にまんまと倒される身体。痛み、痺れ、ありとあらゆる事象が活動を阻む。だが何が起きたかを察するには、あまりにも理解に容易い。

 

「そうか。この奥にアイツがいる……魔導の、そういう認識で良いんだな?」

「その小粋な仮面を剥いでみたい所だったが、生憎お察しの通り時間が無い」

 

辛うじて見上げた視界が閃光に染まる。衝撃と、今度こそ途切れる意識。

最後にたった一言、下された言葉が嫌に耳に染みついた。

 

「お前はここで退場(リタイア)だ、スライ」

*1
筆者はイッテQ全盛期に戻りたい




ゼル伝が来年で40周年ですってよ奥さん
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