絶対UFZに入りたくないバルタンVS絶対加入させたいゼロ 作:スターク(元:はぎほぎ)
デマや風説が世から無くならない訳ですわ
んで今回は、アークベリアル戦以外の最強技がどうにも奮わない事に対する理由付け回です
ノア『すっごい弄り倒されてる、ハッキリ分かるんだね』
“ファイナルウルティメイトゼロ”。
これはウルトラマンゼロが放つ、最も火力の高い最大最後の
《充填率20%。第一結晶体、点灯を確認》
『ぐぬぬぬ……』
ゼロに纏われたウルティメイトイージスが、その左手へ分離・再結合・装着の三工程を経る事で巨大な弓矢となり、待機状態へ移行。
《充填率40%。第二結晶体の点灯を確認》
『ふんぬぬぬぬぬぬ…………ッ!』
発射されれば、秘められたエネルギーを解き放ち、狙った相手を貫通・蒸発させる。これは比喩ではない。
《充填率、60%を突破。第三結晶体も点灯》
『まだぁ?』
『るっせぇ!こう見えて全力だっての』
非活性で遺跡に封印されていた石化状態でも、内部にマレブランデスを蒸発させて余りあるエネルギーを感知できたんだ。それが本領を発揮すればどうなったかは俺もよく覚えている。
《80%。集中してください、ゼロ》
『んな事言われたってよぉ……』
「……まぁ、ベリアルとの決戦時に比べれば短く感じるな」
『USA司令、それは明らかに緊張感の有無によるバイアスがかかっている』
しかし難点として、その力を解放するまでのチャージ時間が挙げられた。単純に隙だらけ過ぎるんだ。
まぁコレに関しては、威力低減を呑み込めばそれなりの時間でブッ放せるからそこまで問題は無いんだが……。
《──
『しゃあッ!!ファイナルウルティメイトォ、ゼローーーーッッ!!!』
今回のチャージは最大。時間を始めとする全ての条件を、最初に発揮されたアークベリアル戦と完全に同じくして、お待たせしましたとばかりに放たれたそれは。
光速もかくやというスピードで世界を裂き。
目標となっていた超巨大隕石──少し前に逮捕したテロリストが、置き土産として「ゆけア・ダチャ・クー!愚かしき記録と共に!!」とかほざきながら、銀河市民が居住する惑星へ差し向けたモノ──に直撃し、掘削し、中心まで潜り込み。
一瞬だけ遅れて、大爆発・蒸発を引き起こした。
『ミラーナイト、これは……』
『ええ。姫様の思った通りかと』
凄まじい威力だ。ゼロツインシュートでも火星級天体を10個ぐらい纏めて破壊出来る威力を誇るが、これはその
……さて。ここで疑問。
『5倍程度か……』
目撃したこの目と、今しがた算出されたデータを疑いたくなる程に、だ。
『この程度の威力だったら、3連射はしないとアークベリアルの甲殻を抜けない。凄まじい減衰が起きている』
《やはり仮設α、“アークベリアル撃破分で全消耗”が最有力でしょうか》
「
『いや、起動前のエネルギー量からしてそれは考えにくい』
司令も呼んでの実験だったが、これで答えはほぼ決まった。そうしている内にゼロも戻ってきた事だし、暫定的に結論を出すとするか。
『なぁ、やっぱりウルティメイトイージスは……』
『あぁ。恐らく“ベリアルを倒したらそれで終わり”の筈だったようだ』
全てのエネルギーを
今もお前の左手に装着されて、劣化したとはいえ全機能が継続している事自体が、きっとイレギュラーなんだ。
『つっても付いちまってるのはしょうがねぇだろ。どういう理屈なんだ』
『う~ん。仮説に仮設を重ねる形になるが、異世界のウルトラマン同士で力の親和が起きた結果……や、これ以上の明言は避けさせてもらおう』
『バレットの知見を以てしても謎とは、なんとも歯痒いですね』
『言うなミラーナイト。取り敢えず鏡の星の遺跡を再調査したい、アポ取れるか』
「しかし……ウルティメイトイージス自体のエネルギー回復があまり見込めないのなら、なんとか外付けで補えないものでしょうか」
そしてここで転機。具体的にはエメラナの提案。
なんと形容すべきか、それがこの場における議題を決定づけてしまったのだ。
『おっ良いな!実は前々から考えてた事があったんだけどよぉ──』
もっと言えば、更にグレンファイヤーが相乗りした事によって。
“ウルティメイトイージス魔改造計画会議”という、実に畏れ多く素っ頓狂な論議へと。
第一案:グレンファイヤー
【そりゃオメー、強化と言やぁ燃やすだろ!】
概要:結晶体から炎を噴き出させてよ!後ついでに、アフターバーナーみてーに後ろにも火炎出そうぜ!!めっちゃカッコいいって!
『バカかな?』
《実にバカですね》
『なにおうー!!』
言ってくれやがって!こう見えてちゃんと根拠とかもあるんだぜ?!
例えばよ、さっき話題に出てたアークベリアルの甲殻。アレって焼き鳥のロケットパンチが効かないぐらい分厚かったけど、俺の炎なら熔かせたろ?つまり炎は防御無視!火力アップ!!
『私を引き合いに出すな!アレは元になったアイアロンの炎熱耐性が比較的低かっただけの事だろうッ』
『お堅い事言うなって〜。それに加えてアフターバーナーで更に加速!!もう怖いモン無しだ!』
……あれ?なんか顔渋いな、バレット。
《やはりバカはバカでしたか……》
『あ゛ーっ!?』
《良いですか火力バカ。血液から頭の中まで炎な貴方と違って、他の種族が火を出すには燃料と点火装置が要ります。ファイナルゼロ*1の各部にそれを取り付けるって事は、つまり鎧状態のゼロの身体にも装着されちゃうって事なんですよ。剥き出しの動力部が》
それかどうしたってんだ?なんならゼロ自体の機動性も上がって一石二ちょ……
……あっ。
《そうです、攻撃喰らった瞬間誘爆します。防御力が売りなイージスの長所が死にますね》
『ぬわーっ!!』
「……第一案、却下と」
結論:不採用
『もっと言や、アフターバーナーなんて付けた日には構えてる俺も丸焦げだよな』
『ぐわーっ!!!』
『グレンファイヤーは二度刺される』
第二案:ミラーナイト
【全ては堅固な守りから】
概要:ファイナルゼロではなく、ウルティメイトゼロ自身の長所を伸ばしてみようかと
『私のディフェンスミラー、もしくはバレットのスペルゲン反射鏡をコーティングするんです』
『それは
バレットが早速肯定してくれました。勝機!
『ウルティメイトイージスは元から反射機能がありますが、収束機能はそれ程高くはなく照準も合わせにくいです。しかし可動性のある反射材を表面に更に設ければ、その機能を高めるのも難くはない筈』
「君達UFZ、そして我々USAの本懐は“防衛”にこそある。イージスが盾の機能を存分に果たしてくれるのなら、これより心強い事は無い」
『ちょちょちょ!?なんか俺の案より反応良くない?!!』
『残念だったな^_^』
『これ見よがしに肩ポンすんな!』
後ろの喧騒から目を逸らしてバレットの反応を見ます。彼は……首を振りました。
縦に。
『……名案だ。早速やってみよう』
結論:採用
『『なんで????』』
結果:コーティング剥離により失敗
『あー、感覚で分かったけど多分
『ソンナー』
『残念だったなミラーちゃん^_^』
『これ見よがしに肩ポンするな』
第三案:ジャンボット
【各パーツの利便性と機動性を高めるのはどうだ?】
概要:オールレンジ。オールレンジは全てを解決する。
『オールレンジ?』
『バレットが惑星リンクでかつて見せた
弓形態に変形する際、イージスは一旦分離・解体されてからひとりでに再結合する。その機能は自律起動にも応用出来るのではないだろうか。
……とは考えてみたものの、難易度は高い。なにせオールレンジ戦術自体、この宇宙ではバレット以外に実用成功例が無いのだから。
だがスラッガーを自在に手繰るゼロなら或いは……?
『……出来るか?脳波コントロール』
『んー。ちょっと試してみ、ああダメだこりゃ』
『姫様、見てはいけません!』
「ジャンボット!?」
《 こ れ は 酷 い 》
なんか妙に卑猥な形になってしまったので撤回!言い出しっぺだが中止、中止ーっ!!
結論:保留
「良い案だと思ったのだがなぁ」
『悪ィ。ゼロスラッガーよりもだいぶ難易度高ぇわコレ』
『だが個別操作自体は可能なのが分かった。改善点は後々直していこう」
『不覚……エメラナ姫の前で私はなんて事を……』
『残念でしたね……』
『これ見よがしに肩ポンすんn──いやガチ共感だなコレ』
「ゼロが……あんなあられもない格好を……忘れなきゃ……忘れなきゃいけないのに……」
《誰かー。エスメラルダ第二王女の性癖が壊れたんですがどうしましょうかー》
第四案:USA司令
【量産化】
概要:イージスを強化するというより、味方全体の底上げを。なんとか再現し、我が軍の艦に使えないだろうか。
「本来の予定では、エネルギーが無くなったとしても抜け殻として装甲は残るのだろう?その組成を理解し再生産できれば……」
『無理だ。解析を
残念そうなバレットの声音に、我々はつい首を傾げた。
その物言いではまるで……
『え゛。これ
『いや無機物だよ。ただ恐らく、中にまだ残ってる光の力に
『何それ……怖……』
『まぁ俺がノアでもそうしただろう。妥当な判断さ、悪用される危険性を考えればな』
「……高望みだったか」
神の如き上位存在によって阻まれた。そしてその根拠もまた正当性があるとなれば、悔しいが引き下がらざるを得ない。
未だ平和と相互理解を築けない我が身の不甲斐無さを嘆く他無いか……と思っていた所に、バレットからの一声が。
『だが朗報も無くは無い。この
「何だと?」
『それまでに、力を得ても暴走しない世界を築けば良いんだよ。そもそもそんな世界じゃ
つまりノアの神は、我々に猶予を与えた……という事か?
今はダメでも、いつかは。
悪用される危険を孕んだ時代を超えて、善き使い方に終始できる時代まで待つ、と?
「その時までは“お預け”だな」
『ああ。頑張っていこう』
どこか
結論:延期
第四案:エメラナ姫
【そもそもの話なんですけど】
概要:強化する必要なんて無いのでは???
『まぁそう』
『それはそう』
『確かにそう』
《本当にそう》
『言われてみればそう』
「反論するまでもなくそう」
「ですよね?」
今この状態でも、あのベリアルを一度(M78スペースでの事も含めれば二度も)瀕死に追い込んだゼロツインシュート、その5倍を上回る威力なんです。しかもそれに貫通力と、一瞬での破壊拡散効果が付いている……もうこれ以上は要らなくないですか?バレットも言ってましたがオーバースペックですって。
『姫様の仰る通りだ、わざわざ更に血を吐くマラソンに参加しにいく事もあるまい』
『ああ。弱まったままってのも痒い気分だが、変に強化して持て余すのも避けてぇしな』
『じゃあ強化論はこれでおしまい、っつー事で』
程々の所で丸く収まり、各人の気晴らしにもなった良い終わり方。それを迎えられたようで、私としても満足でした。
ノアの神よ。こんな私達ですが、どうか見守り下さい……。
結論:採用・決定。
『ですがここまで来たんですし、折角ですからゼロとバレットとナナの意見も伺いましょうか』
「えっ」
『まぁ良いけど……』
第五案:ウルトラマンゼロ
【心の架け橋、ってのはどうだ?】
概要:このイージスは人々の心の光をノアが
『そうすりゃ、誤解とかは無くなる。それによって起きる争いも未然に防げるんじゃね?』
『……
『何だそりゃ』
「でも画期的ですよ!本当に心を繋げられるのなら、少なくとも情報の行き違いや捉え方の差異による戦闘の勃発は避けられます!!それによって減る悲劇がどれだけある事か……」
だろだろ?言語の壁だって一緒くたに飛び越えちまえば、何にも恐れる事は無ぇ。
分かり合えさえすれば、俺達は手を取り合えるんだからな!
『いや、駄目だゼロ。
『……そうなのか?』
「ああ、バレットの言う通りだ。宇宙は広く、そこに息づく生命もまた多様。そこには必ず、相容れない文化と倫理がある……間を取り持つ役も無しに直接鉢合わせてしまえば、軋轢が起こるのも必至だろう」
『あー……』
しくじったな。バルタンとの和解がなまじ上手くいっちまったモンだから、いささか感覚が狂ってたようだ。アレもバレットという緩衝役と、そしてバルタンが地球文化に染まってたという奇跡的な幸運が重なった結果だったってのに……。
『だが夢がある。私達が正義を同じくして共に立ち上がれたように、宇宙中の人々が心の手を繋げられたならば』
『きっと、素晴らしい景色が見られるのでしょうね』
「その地平を目指す事こそが我々と君たちの存在意義と言える。励もうじゃないか」
『良いなぁ良いなぁ!一緒に銀河の荒波に繰り出すってのも乙だろ、えぇ?!』
《……甘ったれた理想。ですがだからこそ貴方なんでしょうね、ゼロ》
『ああ……きっとそれが一番いい』
けれど皆、そんな俺を肯定してくれる。だからこそ俺は折れずにいられる。
そうだ。へこたれてる場合じゃねぇ……そんな甘い理想を現実にする事こそ、ウルトラマンの真骨頂だからな!
『よーし!平和な未来、いっちょ目指してやろうぜッ!!』
第六案:バルタン星人バレット
【フォトンブラッド追加】
「ダメだろ」
「ダメです!」
『ダメに決まってるだろう!!』
『流れブチ壊しじゃないですか!』
スマン。ゼロの後に出すべき案じゃなかったなコレ。
開発者根性でついつい
『え、何?フォトンブラッド??』
『俺にも分かんね。誰か教えてくれよぃ』
「バレットが発見した革新的物質です。“プラズマ”の更に先、超臨界流体さえ内包した素粒子の成れの果て、又の名を“活性光子”と呼びます」
その概要はエメラナが説明した通りだ。物質は基本的に固体・液体・気体の三態の様相を為すんだが、気体が一定以上の高温になると、プラズマという四態目の状態へ派生する。このプラズマ状態は、物質を構成する電子と原子が分離して自由に動き回るから中々凄まじいエネルギーを発揮するんだ。
そして超臨界流体とは、高温だけでなく高圧まで加えられた物質が呈する状態の事。気体の特性と液体の特性を両立し、拡散と溶解を同時に発現し得る。
フォトンブラッドとは、その二種の状態を兼ね備えた物質。さらに遊離電子が軒並み光子への変化と還元を毎瞬繰り返す混沌の状態。
かつ、一度発生させれば、維持に
「このフォトンブラッドが画期的と言われる所以は、その“反発係数”にあります。通常、物質は物が当たった時、増幅機能などが搭載されてない限りはそれより弱い応力で返す……その弱くなる係数は“e=x”と表されます。xに入るのは1未満の正の数です」
『??????』
『1の力で殴った時、0.5の力で跳ね返してくるゴムがあったとする。その時、ゴムの反発係数は0.5という事だ』
『サンキュ焼き鳥』
「そして、最低出力のフォトンブラッドの反発係数はe=5.55です」
『……おかしくね?』
そうだ、ゼロ。
お前の疑念は、至極正しい。
『さっき言ってただろ、反発係数は
『待って待って。ついてけねぇんだが』
『グレン。今言われたのは、フォトンブラッドを1の力で殴ったら5以上の力で跳ね返されるって事なんだ』
『……あり得んじゃね?バレットのスペルゲン何たらだって、ゼロやベリアルの光線を元の威力以上にして返せるんだろ』
『スペルゲン反射鏡は使い手が他所からエネルギーを上乗せする事によってそれを可能としている。だがフォトンブラッドは何の補助も無く衝撃を
……これこそフォトンブラッドの画期的な特性。1のエネルギーから5以上を生み出す魔法の物質、という訳だ。
先述の超臨界流体として自在に形を変えながら、衝撃を受けたその瞬間だけボース・アインシュタイン凝縮に近似した現象を引き起こしてダイラタンシー効果を発動。仮説としては光子が超ひも理論の振幅と同じ周期で震動しているのを原因として、その相互干渉により衝撃を増幅している可能性が高い──ああ不味い、技術者根性で説明がやたら複雑になってしまうな──ともかく、この世全ての保存則を丸ごと覆す超物質なんだ。
《つまり!これをウルティメイトイージスの表面に奔らせれば、最低出力のレッドフォトンブラッドでも威力を簡単に倍加出来るのです!!》
『もう、ナナさんたら。私が説明しようとしてたのにっ』
《お父様の天才っぷりをこれ以上他の誰かに語らせるわけにはいきませんからね!!!》
『聞けば聞くほどすげぇ物質だな。しかも赤が最低って事は、もっと上があるんだろ?』
《それはもう。青でe=6.315、黄で6.913、白で7.333、銀は11.1!正直プラズマスパークなんか目じゃないですよ、ゴミですよゴミ》
『コラ。永久機関として比べるならプラズマスパークは第一、フォトンブラッドを使って完成し得るのは第二なんだから分野が違うだろ』
《アイタッ》
調子に乗ったナナを制裁しながら訂正。とにもかくにも、これを上手く使えれば世の中は変革を迎えるだろう。発見当初、俺はその未来を夢想して小躍りしたものだった。
『で。なんでそれを皆拒否したんだ?』
……うん。
『
『ゴールドの領域さえ無ければな……』
『過励起さえ起こさなければ或いは……』
「全USA加盟星はフォトンブラッド使用製品で溢れていただろうな……」
「エメラル鉱石と併せて色んな開発が為されていたでしょうね……」
『『金??』』
《フォトンブラッドの最高到達点。銀色を超えた金色です、ピッカピカです》
フォトンブラッドにエネルギーを加え続けた先に輝く色。それが“ゴールドフォトンブラッド”。
これが……不味過ぎた。存在そのものが。
『ゴールドになったフォトンブラッドは、その振動を周囲に共振させる。それはエネルギー励起が高まるごとに光子変換率が高くなって時間経過による減衰が起きなくなり、その分だけ拡大性が大きくなる』
『ブルブル震えちまうのか』
『例えばお前らがゴールドフォトンブラッドに触れたとしよう』
『『うん』』
『触れた部分から身体が同色のフォトンブラッドに変換されていくんだ』
……青ざめたな。この物質が齎す
『待て……待て待て待て!!もしかしなくても宇宙全体が金色になっちまうじゃねぇか?!』
『最大励起状態で遊離電子の全てが光子化したゴールドフォトンブラッドならそうなるな』
『でもよ!だったら金のフォトンブラッドから物理的に離れちまえば、』
『ちなみに空間を伝播し、その空間も変換消滅させていくから』
『『とんでもねぇ厄ネタじゃねぇか?!!?』』
だから公開前にUSAに告知して開発禁止したんだよ。もしフォトンブラッドが銀河中に流通しちまえば、その内のどれがいつ金色に光るか分かったモンじゃないから!!
「銀色までは……銀色までは優等生なんだがなぁ……っ!」
《銀は銀で使用後にエゲツない毒性を示しますけどね》
『えーと、金色ってもしかして自然発生したりする感じ?』
『人為的な意図が絡まんとまずあり得ん、そこは心配無用だ。通常のフォトンブラッドは時間経過で霧散するからな、ゴールドになる程の時間は自然界では存在できないんだ』
「そもそも通常のフォトンブラッドもかなり人為的に条件整えないと発生しなかった筈ですしね」
『それは何よりなんだが……うーん』
なお、ゴールド化した後に対処法が無い訳じゃない。共振破壊されるよりも速いペースで空間閉鎖を仕掛けて、その中でゴールドフォトンブラッド同士で対消滅するのを待てば良い。が、その間も絶え間なく空間を閉じ続ける必要があるから凄まじいコストが掛かるんだなコレが。
後あるとすれば、つい最近判明した、ウルトラマンの光線に存在する空間修復作用ぐらいな物。
……なんでこんなモンをイージスに仕込もうとか考えたんだ俺。疲れてるのか?
《まぁ……はい》
『多分そうだな。休め』
「USA司令としても勧告する。休暇を取れ」
『取り敢えず俺達も大人しく頑張るから、な?』
そんな感じで決まってしまった臨時休暇。その期間を反省に費やす事を決めつつ、俺は天を仰いだのだった。
『……しかし、いざ考えると鳥肌が立ちそうですね。バレット以外の誰かが、この宇宙でゴールドフォトンブラッドを発見し使用してしまったらと思うと……』
『それに関しても安心してくれ。対策は既に行なっているから』
身を震わせたミラーナイトを元気付ける。その可能性と危険性を俺が考えない訳無いだろ、と。
『フォトンブラッドは常に特殊な振動波を発してるんだ。その内“銀”はずば抜けて特殊でな、一度発生すればすぐ感知できる。逆に金は怖いぐらい感知されないんだが……順々に出力を上げないと金には至らない以上、それまでに絶対発覚するよ』
唐突にゴールドフォトンブラッド
『という訳で、貴方の持つ“オーガギア”は使用禁止です。というか没収したいのですが宜しいですか?』
「え、やだ」
『でしょうねッ』
スライです。目の前の
何が酷いって彼、予想以上に暴走機関車というか……!
「なーにお高く止まってんだよ〜。宇宙が滅びたって良いじゃんか、もっと気軽に敵を
(破滅の引き金に掛けた指の軽さァ!!)
UFZおよびUSAの包囲網から脱した後、拠点への帰路で野良の怪獣と出くわした時はたまげました。だって彼、滅茶苦茶軽いノリで
『あのですねぇ。確かに私はテロリストですが、世界を消し去りたいのではなく世界を我が陛下の物としたいのです。そこは勘違いしないでいただけないと』
「まぁ良いだろ。このゴールドフォトンブラッド?なんか知らんけど制御できてるんだしさ」
『
「無理。だって開発者殺しちまったし」
『貴方ねェ……!!』
“よく分からないけど出来る”は“よく分からない内に出来なくなった”と紙一重であるという事を彼は把握しているのでしょうか。してないんでしょうね。糞が!
『もう良いです。客室に戻って待機してください、外出は許可が出るまで禁止ですよっ』
「あいさのさ。戦闘機会があったら呼んでくれよ、フルブーストで駆け付けっから」
『さっさと!戻って!!下さいッッッ!!!』
「おぅふ」
元の世界へ帰る、という彼の望みを把握できていなかったらどうなっていたか分かりません。取り扱いを間違えたくない大爆発物ですよ、UFZになんとか押し付けられないでしょうか?
しかしそれも一先ずここまで。空間干渉を阻む素材で出来た個室に押し込み、何重にもロックを掛けました。これで一安心……しても良いですよね?します。
これでやっと、待ちに待った我が主へのお目通りが叶うのですから。
『ご機嫌如何でしょうか、ベリアル陛下』
『────』
拠点再深部の研究室。その中央に座す培養カプセルと、その中に漂う闇の炎……それが今の陛下の御姿でした。
しかし、
『やはり……あの男が近くに居れば居るほど、激しく活動すればするほど、陛下のバイタルは回復し向上する。単独で治療されている時の10倍は速い』
『──ッ──』
『大変申し訳ありません、今しばらく辛抱を。あの男の狼藉は目に余るものがありますが、近い内に貴方へ贄として捧げますので』
目に見えて苛立つ主を諫めつつ、想いを馳せるは生贄の手段。
王道はやはり憑依させる“器”、としてだろうか?何とか自由意思を封じて主導権を奪われる可能性を避けつつ、彼自身の内にベリアル様を位置する。これを出来れば陛下の完全回復もすぐに為され、更にゴールドフォトンブラッドという最強兵器を手にすることも出来る訳だ。これを盾に脅せばUSAも封殺でき、ウルトラマンゼロ・バレットとの決戦だけに注力できるだろう。
しかし焦りは禁物。バレットに利用されTUFIRを失ったような無様を二度と晒さぬよう、慎重に慎重を重ねていくとしましょう……
……しかし。不確定要素が一つ。
(ヤプールは何を考えている……?)
バレットに追い詰められた後、陛下に駆逐されて以来、全く音沙汰の無い仇敵。その静けさが、私にはどうにも不穏に思えていました。
幾度にもわたる打撃により、この宇宙から撤退した?いや、奴らの執念深さ的にそれは考えにくい。しかし再起を図っているのなら、私にもバレットにもここまで動きを気取られずに居られる物なのか……?
『陛下はどう思われますか。ヤプールはまた来るのか、来ないのか』
『……』
『いや興味を湧かせろとは言いませんが警戒はして下さい。なんだかんだで厄介な相手ではあるんd』
「邪魔すんぞ〜!!!」
「本当に邪魔ァ!!?」
そんな私の煩悶を蹴り飛ばす機械音声。比喩ではなく本当に壁を蹴り崩しやがりました!?!
『ななななにぬねなんで!どうやって脱出を?!』
「フォトンブラッド弾をドバーッと掛けたら融けたが」
『言った側からァ!!!』
叫びながら陛下を隠すべく立ちはだかりますが、時既に遅し。彼の視界に陛下が入り、陛下もまた彼を認識します。
瞬間、背後からドス黒い重圧。一瞬意識が持っていかれそうになりますが……堪えました。
『────……ッ!!』
「っ……なーるほど?お前が俺に関心を示した理由が分かったぜ」
『やはり、貴方にも何か感じる物がありましたか』
「薄らボンヤリとはな。怖いね全く……ま、この同族嫌悪も恐怖も今は
それを苦も見せず凌いだ彼は、1束の書類を投げて寄越します。それは彼に割り当てた部屋へ、特に意味も無く残していた広告で。
『……闇オークションの予告ですね。これが何か』
「裏面の品一覧。丸付けたやつ、是が非でも落としとけ」
『惑星ユピテルに落下した発光体?どんな価値があると……』
「この世界に第一永久機関は無いんだろ?」
自信満々に言い放つその様は。
まるで、
「“
しばらく荒れるぞ、と告げてきたのでした。
フォトンブラッドは「まぁこの作品じゃそういう危険設定の物質なんやろ」ってぐらいの認識でいて下さればそれでOKです
盛りに盛り過ぎて原型ありませんし、それを使うこのキャラも次章が終わったら暫く出番ありませんから