絶対UFZに入りたくないバルタンVS絶対加入させたいゼロ   作:スターク(元:はぎほぎ)

57 / 61
スマホが熱暴走して大変だった
ニコニコ見てたら勝手にコメント打ち出すしYouTube見てたら勝手にスパチャしようとするし


ゼロ暗殺計画

──見てられなかった。

 

人智を明らかに超えた武力。

それを他者に向けて使った人類。

使われて絶叫した人々。

 

ナナには幻滅されちまうかも知れないな。

それでも、ただ見てられる訳……無ぇだろ!!

 

「ウルトラマンゼロ!?」

「た、助かった!!」

「喜んでいる場合かっ!彼の挺身を無駄にするな、この艦だけでもこの情報を本星へ持ち帰るんだ!!!」

 

バリアを張って、唯一生き残ったブラキオン艦とそれを追う金属群の間に割って入る。九死に一生を得た喜びの思念を受け取った直後、絶え間ない衝撃がバリア越しに腕を震わせた。

1発1発は軽い……けど無数!

 

『行かせねぇ!!』

 

回り込まれるのを防ぐ為に広域に張ってるのが災いし、のしかかる圧が尋常じゃねぇ!艦船が簡単に侵食されたのを見るにブレスレットは頼れねぇし……

反撃?バカ言うな、コイツは刹那の“仲間”だぞ!

 

(思念波の残滓を感じる。何者かに思考を奪われたか、または()()()()()かの二択だッ)

 

物言わないELS達は、けれど刹那の言う通りの存在なのだと感覚で理解出来た。自由意思を奪われ利用されるだけの存在を手に掛けるだなんて、そんな事はしたくない……それに。

 

「何故だウルトラマン!!」

「邪魔するな、UFZは戦争には不干渉だろう?!」

「已むを得ん!!ブラキオンに与するというなら我々の……ッ!」

 

ELSの後方、ストラド艦から聞こえてくる怨嗟さえ俺を叩く。彼らからすりゃ、人間同士の戦争に介入した時点で俺は侵略宇宙人と大差ない。

 

“程度の問題”と断じられりゃどれだけ楽だろう。

“お前らがそう(侵略者に)なっちまったからだ”と言い返せばそれで終わりだろう。

でもそんな簡単な終わり方にはさせたくない。片方を正義だの悪だなと決め付けるやり方じゃ、被害者しかいないこの戦場を救えないから。

 

だが、ならどうするんだ。

決まってんだろ。

 

『ゼロ!』

『バレット!?』

『抑えてろ、援護する!!』

 

分かってるぜ、バレット。

人間だけじゃ止められない時。

 

繰り返した過ちが、致命的な域に達しそうになった時──それを止めるのが、ウルトラマンだってな!

 

『う……ぉおおおおおッ!』

 

渾身の力でバリアごと相手を押し返した瞬間、バレットのオールレンジ攻撃が火を噴いた。威力のある砲撃じゃない、なるほど()()()()()()!それならELSを殺しちまう心配も無ぇ、考えたな!

 

「バレット乱入!“自律型増殖金属”が無力化されていきます!!」

「こうなれば……全砲門開け!これよりUFZを敵性団体と断定し、攻g《ストラド軍に告ぐッ》なっ……」

 

そして俺達は、決して独りじゃない!

気を引いている内にストラドを包囲してくれたUSA艦隊。お前らを待ってたんだ。

 

《事前通告の通り、USAの名の下にこれ以上の戦闘行為を“過剰”と判断!また貴軍における自己増殖金属使用においてヤプールの関与が疑われるため、ここに介入する!!即時撤退されたし!》

 

司令の力強い声音が宙域に響き渡り、これにはさしものストラド軍もその攻勢を弱めた。向こう側のELSへの操縦も途絶えたのか、バリアへの圧が弱まっていく。

けどそれは必ずしも憎悪を止める物じゃない。分かってる、問題はこっからだよな……!

 

「ヤプールだと……?」

「そんなバカな、これは我が軍が開発した新兵器だと聞いてるが」

「だが事実なら」

「それでも」

「関係あるか!」

「だが流石にヤプールは……」

「ブラキオンを滅ぼせればそれで良いだろうッ」

「しかし……!」

 

葛藤が始まるが、しかし憎しみの心は根深い。迷いの中でも確かに渦巻いたまま、彼らを巣食い続けている。

一時しのぎでもこの場を納めるには、あと一押しが不可欠……というタイミングで。

 

『……何だ?』

 

ストラド軍の背後に控える、一番近く眩い星が断続的に輝いた。

 

『星間信号だ。内容は……』

「王政府直々の撤退命令だと!?」

「ここからという時に……っ」

 

バレットの解説と、ストラド軍人の思念は同時。そして艦隊は即座にワープし、宙域から姿を消したのだった。ELS達も同時に。

……サンキュー、バレット、司令。そして()()()()

 

《何がだ?感謝したいのは我々の方だ。君が介入してくれなければ今頃、ストラド艦隊および金属結晶群はブラキオン本星へと雪崩れ込んでいただろう》

『けど……人間同士の争いに、この力を使っちまったんだ』

『だからせめて、防御に徹して反撃はしなかった。そうだろう?』

 

バレットの言葉に頷く。けれど所詮は自己満足、ストラドからすりゃ違いは無い。

だから言い訳したくねぇんだ。今この自らの行いを、戒めにしないと。

 

『……そこまで考える必要は無いと思うが、その()()()こそがお前をヒーロー足らしめるんだろうなぁ』

『失望したか?』

『さぁてどう言うべきか……全肯定は出来んが、否定するつもりも無いとだけ』

 

バレットも言葉を濁す辺り、グレーゾーンという認識は変わらないようだ。だからこそ自分で自分を赦さず、疑い続けるべきなんだろう。

信じ切って凝り固まった正義ほど怖いモンは無いから。力に視野狭窄を起こし、プラズマスパークに触れようとした俺のように…………

 

 

 

…………!!

 

『バレット!』

『ああ。司令、分かっているな?!』

《っ……武運を祈る!!》

 

俺の第六感が、バレットの持つマイナス思念計が、それぞれ感知した。俺達に向けられた()()()()()!!

USA艦隊は鶴の一声で即離脱、何か事前に伝えてたのか?

 

『一言だけな』

『何を?』

『俺達は()だ』

 

はい?という間の抜けた質問返しをした、その時。

俺達を取り巻く時空が、壊れた。

 

 


 

 

掛かった……掛かった、今だ!!

 

因縁深く、憎き憎っくきウルトラマン!

アナザースペースにおいて散々、再起を阻んでくれたバルタン星人!

取り巻きのUFZはこの場におらず、USAには逃げられたものの……最も厄介なこの二者を今、纏めて排除する機!!

 

『全ヤプール、“触媒”へと感応せよ!』

 

数多の銀河へ散在させた我ら一族の思念を集約。束ね挙げたその精神エネルギーを、先日捕えた触媒を介する事でこの宇宙の境界面へ働き掛ける。

シャボン玉同士の接触を想像すれば良い。触れ合ったそれらは、当たり所が悪ければ破裂してしまうが、慎重に事を運べば?

 

よ……よせ!やめろッ!!!

 

──吠えるな。貴様が時間凍結などという小細工など弄さなければ、我らがこんな手間をかける必要さえなかったのだぞ。

今更後悔したとて遅い。時空に開かれたこの()()に、嘆き、絶叫するがいい!!

 

『貴様の知る地球人……その愚かしき神話に準え名付けてやろう、この“クトゥグア”の猛威を──!!!』

 

 


 

 

『俺とゼロが孤立した時、奴らは必ず何か仕掛けてくる。その時になったら至急距離を取れ、良いな』

 

バレットからの言伝、従っての即時撤退。それを終えた瞬間、果たしてその通りに異変は起きた。

 

宇宙が。

 

彼らのいた宙域が、()()()()()()()()()のだ。

 

「局所的時空共振を感知!規模AAAクラス、特大です!!」

「震動波、逆移送への波及も確認されていますッ」

「僚艦キョウトウ、カサオーでも同様の値を計測!ブラックホールに近似しています?!」

「付近を航行中の船舶へ緊急打診だ、我らも退避するぞ!」

 

指示を飛ばしながら見上げたスクリーンには、現象の震源地で揉まれる英雄二人の姿が映る。どうか無事でいてくれ、と願うも……それを阻んだのは悪意だった。

 

「シンワントより入電!!水平3時・鉛直2時の方角より複数の飛来物体を確認したとのこと、現象中心へ向かっている模様です!!!」

「映像出s……怪獣?!」

 

見紛いようが無い。それは私にとっても因縁のある生物兵器だったから。

 

「ゲランダ……ッ」

 

モネラ星人、またもヤプールと組んだか!!

 

 


 

 

 

『この程度で俺達を抑えようなんざァ……!』

 

ゼロとバレットは抗う。辛うじて彼らの放つ力はクトゥグアの引力を上回っており、また襲い来るゲランダの特攻(体当たり)を難なく避けられるだけの技量も相まって、徐々に引力圏からの脱出に成功しつつあった。

 

『予想より遥かに弱くて助かった、この調子なら最低でもお前だけは助かるぞ!』

『バーロー!お前も一緒に決まってんだろ!!』

『お前はそういう奴だったな……ッ』

 

軽口を叩き合い、しかしウルティメイトイージスを装着する余裕は流石に無い彼らへ、更なる助け舟。先に離脱していたUSA艦の一隻がギリギリまで接近し、牽引光線(トラクタービーム)を投げかけたのである。

さながら“蜘蛛の糸”だな。という考えをよぎらせるバレットの鼓膜を、叩いたのはUSA司令の叱咤。

 

《推力全開で引っ張る!早く上がってこい!!》

『助かるぜ……!』

 

この一手でヤプール陣営の目論見は瓦解する。本当にその手を伸ばし掴むだけで。

残り3m。2m。

1m。

 

 

────ゼロ達の周囲に、緑の粒子が舞った。

 

 

『『なっ……?!!』』

《どしたゼロバレット!何、通信──》

 

突如彼らを襲う、急激に増した引力。時を同じくする()()()()に気を割く間も無く、彼らの五体は奈落へと引きずり込まれていく。牽引光線の届かないマゼンタ色の彼方へ、二人の希望(ヒーロー)が消えていく。

 

『チクショ、こんな……バレット、なんかあっか!?』

『そんな物──待て、何故か思念回線()()は極限レベルで良い!思念に有りっ丈を乗せて────』

 

そして──時空は閉ざされた。

 

先程の光などまるで嘘だったかのように、暗黒と静寂を取り戻す宇宙。それを悄然と眺めるUSA司令の耳に、異次元人の嘲笑が聞こえてくるかのようだった。

 

 

 

『これはこれは……何と形容すべきでしょうか、ねぇ』

『ッ────』

『存じております、陛下。不満な事も、同時にまさしく僥倖である事も』

 

そんな、全てが終わった宙域の端にて。隠れていたUSA艦隊とは入れ替わりで、小惑星群に佇む人影があった。

彼の足元には輝きを放つ発掘物。それは微塵も衰える事無く、ゼロ達が垣間見た()()()()を撒き続けている。

 

『マキジ・ガイカが齎した掘り出し物ですが、よもやヤプールの新兵器とこれ程の親和性を見せるとは。この波に乗らない手は無いでしょうねぇ』

 

ギャンブルは苦手なのですが、と嘯く彼の足取りは実際重い。しかしツキが回ってきたという現実が彼の足を突き動かしていた。

憎むべき者達が一斉に退場した宇宙へ、スライが躍り出る。次に切る札を着々と選びながら。

 

 

 

 

 

《感じましたか》

「ああ。全て」

《……》

「…………」

 

 

──取り戻すぞ」

《ええ。総てを》

 

刹那、暗闇に灯る相貌。

 

戦果無双の勇気。それを未だ、この宇宙は知らない。




希望が消えた宇宙。人々は導を失い、世界は悪魔の喰らい合うままに混沌を突き進む。
その中に取り残された少女達が、縋る物は有り得るのだろうか?

次回。【それでも】。

無垢なる祈りよ、世界を揺らせ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。