以前、「仮面ライダーHearts」の氷道麗華さんについて話していたら、龍騎の世界観を借りた話を書こうぜ! ってことがあったんですね。向こう方、もう忘れてるかもしれないけど。いや、覚えてくれてるかな?
ともかく、そんなこんなで書くことになったので、気が向いたときにちまちま書いてたんですね。
で、なんでかわからないけど、トチ狂った結果がこれですよ。これ。
僕、何人に迷惑かけてますかね? 数えるのが恐ろしいので、やめておきますけど。
上記の通り、この作品「仮面ライダー雀護」は、「仮面ライダー龍騎」の世界観を借りています。決まっているのはライダーだけというふざけた状況で、この混戦はどこまで行くのか……ご注目です。
それでは、プロローグ&一話的な感じですが、お楽しみいただければ幸いです。
――――街は瓦礫の山だった。
建物は崩れ、燃えていた。俺は……ただ、歩みを進めることしかできなかった。
――――鳥の音が聞こえる。
なんという鳥だろうか。鳥に詳しいわけでもないから、分かるわけもないが。ふと、上を見た。あれは……
――――鳥だ。炎に包まれた、朱色をした大きな鳥。
鳥が、こちらを見た。俺の体が、炎に包まれる。ああ……
――――綺麗な鳥だ。
浅葱町 南雲宅
「んんっ!!」
少年は上半身を起こして、ぐうっと体を伸ばす。そして、息を吐くとゆっくり起きあがった。部屋の障子のわずかな隙間から日の光が差してくる。かすかに開いた瞳が、その光を感じた。
「ヨッシャ!! いい天気!!」
少年はこぶしを作って叫んだ。障子を開けて体全身に朝日を浴び、体の中の時計を調節していく。
「ああ。やっぱり晴れっていうのは、いいもんだな……」
少年は後ろを向いて、寝間着から制服に着替えた。黒い学ランは差してくる光をすべて受け止めて、熱を帯びていく。彼は、部屋から出ると兄に出会った。
「はよーっ」
「おはよう、って言えよ。衛」
「えー? 別にいいじゃん」
「そんな挨拶、死んだ爺さんが聞いたら、即行“崩玉”だからな?」
「それは嫌だ……」
彼の家、南雲家に伝わる古武術“南雲流”の一つ“南雲流脚術・崩玉”の威力を思い出したのか、少年……衛は体を震わせた。兄は、それを見て笑う。
「そんな心配するなよ。今、あれが使える人はいないんだから」
「でも、親父は“招雷”が使えるだろ? あれ、“崩玉”と同じくらいじゃないか?」
“崩玉”と同じ威力を持つ技、“南雲流拳術・招雷”のことを思い出した衛の顔は真っ青になっていた。彼の父親は、家の中で最強。苦手な脚術の中には使えないものもあるが、それ以外ならすべてが使える猛者だ。兄は、それを見てまた笑った。
「大丈夫だって。父さんは、誰かを守る以外の理由で力をふるわないからな」
「……まあ、そうだよな」
「ああ。昔、お前も言ってただろ? 父さんは正義のヒーローだって。赤い騎士なんだって」
南雲家のシンボル朱雀を連想させる赤い服を好む父を思い出して、双子の兄……攻はそう言った。
「まあ……確かに」
「あの、武士か拳士の言葉が似合う父さんに、騎士はどうかと思うけど。確かに、父さんは強くて憧れるよな」
攻はそこまで言うと、ふと腕時計を見た。もう時間は、大して残っていなかった。
「やべっ、もう時間だ。衛、早くいかないと遅刻するぞ」
「まじかよっ!」
二人は急いで下に降りて行った。遅刻しないように祈りながら。
朽葉町 見色市立朽葉高校
「間に合ったー……」
自分の席にぐだー、っと倒れこむと、衛はそう呟いた。授業の開始まで十分。いつも通りなら間に合わなかった。隣の教室では、攻も同じような反応をしているだろう。衛は、グダーッと倒れこみつつ、後方から友人が来るのに気が付いた。
「珍しいな。いつもは、修行とかで早起きしてるんじゃなかったか?」
「今日は、休みだったんだよ」
「そういうのって、休みを入れないもんじゃないのか?」
「まあ……そう思いがちだけど、俺は継がないし。それなりに自衛できればよし、って感じだからな」
二男であるが故の気楽さだろうか。鍛えておいて悪いことはないので鍛えているが、嫌になったら止めればいいとは言われている。だが、負けず嫌いで体を動かすことが好きな衛は、止める気がさらさらない。
「だから、とにかく、今日はなかったんだよ」
「そうか。でも、遅刻には注意しとけよ」
「りょーかい」
机に倒れこんだまま、敬礼だけする衛。友人は、その様子に苦笑していた。
「あ、ちょっと待ってくれ」
「ん? なんだ?」
衛は、思わず友人に声をかけた。そういえば、この友人、多趣味で占いをしていた気がする。
「コウ。お前、占いできたよな?」
「……まあ、齧ったっていうくらいだけど」
「ちょっと夢占いしてくれ」
衛がそういうと、友人……康太は衛のそばに戻ってきた。衛は、あの瓦礫の街と炎の鳥を思い出した。
「……なるほど」
「どうだ?」
友人は、いろいろと思い出しながら占いの結果を話す。
「まず、壊れた街だ。街っていうのは、総じて人間関係を表す。このことから言えることは、“人間関係の崩壊”。これが、関係の変化だけを表すのか、文字通り、破壊なのかは俺の実力では分からないな」
「じゃあ、炎の鳥は!?」
「炎の鳥か。炎も鳥も、意欲や感情の盛り上がりを示す。炎は強いものであれば、成功なんかを暗示する。だから、“目的の達成”って言えると思う……」
そういった友人は、少し歯切れ悪そうだった。衛は少し首をかしげた。友人は、少しためらいながら口を開いた。
「あのな、お前の家って朱雀がシンボルだろ?」
「ああ」
「だから、そのまま考えない方がいい気がしてな」
「どういうことだ?」
「えっとな……意訳、してみようってことだ」
ここで、チャイムが鳴ったが、友人の席は衛の二つ後ろだったためか、少しためらいつつも教師が来ていないために、もう少し話すことにしたようだ。
「えっとな……炎の鳥っていうのを、朱雀。つまり、南雲家とかマモ自身と考えてみる。そうすると、意味が変わってくる」
「どんなんだ?」
「まず、お前は一人だった。他には、どこにも、誰もいなかった。そうだな?」
「そうだ。みんな、逃げたのか。それとも……」
衛は、そこで思い出した。瓦礫の中に感じた、ほのかな死の気配……
「……孤独は、焦りや不安を表す。そして、同時に運気の下降。そして、朱雀……ここでは、マモ自身とするな。自分が表すのは、理想の自己だ。だから、マモは強く羽ばたく存在になりたいと思ってる。と考えられる。そして…………死は、新たな価値観の創造を表す。だから……」
「だから?」
「今までの結果を総合すると、マモは……」
「俺は?」
だんだん、割とまじめな話になってきて、衛は次を次をとせかす。康太は少しだけ待つように合図してから、答えをまとめた。
「俺の結果だから、信用しなくてもいいからな」
康太はそう、前置きをした。それは、ある種の予言だったのかもしれない。
「……まず、マモには、問題が起きる。とてつもなく大きな問題だ。それは、マモの価値観を……マモの人格すらも変えるかもしれない。そして、それをきっかけに、マモは何かの目標を持つ。それは、強くなることに関係があると思う。強くなることが、手段か目的かは分からないけど。そして、結局は成功するんだ。ただ……これまでの人間関係を犠牲にすると思う」
そう言った。衛は、それを生涯忘れないだろう。なぜなら、それは――――
――――彼が迎える、そう遠くない未来なのだから。
どうでしたか? 次回から、本格的に戦いが始まるんじゃないですか? 見切り発車なので分かりませんが。
とりあえず、夢占いの件は実際の夢占いに基づいて……というか、夢占いを調べまくって作っています。素人レベルの占いですが、いい感じにできたらいいですね。
それと、武術に関しては、山石悠の
題名は、名作小説をもじっておきます。この今話は『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』より。
ということで、こんな感じの物語。なんか、一話で言ったらやばいことが、本編に書いてある気がするけど、僕もみんなもスルーする方向でよろしくです。
それでは、次回『鏡の国のナイト』(『鏡の国のアリス』より)も見ていただければ幸いです。
See you next time!