ナンバーズ戦争に巻き込まれたのでOCGのガチデッキで対抗します!   作:黒霧春也

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16話・ブッパで破壊しようとしてくるのはやめていただきたいんですが?

〈ターン4。プレイヤー、蒼山〉

 

「やっとウチのターンッスね」

 

「待たせたか?」

 

「そこそこ!」

 

 蒼山さんは少し気だるけな感じがあるが、すぐにやる気のある表示に戻りデッキからカードを引いた。

 

「ウチのターン、ドロー! スタンバイフェイズ、前のターンに墓地に送られたアークブレイブ・ドラゴンの効果発動。墓地の青氷の白夜竜を特殊召喚するッス!」

 

「またそいつか!」

 

 アークブレイブ・ドラゴンの効果は両方厄介だな。

 俺はそう思いながら伏せカードをチラ見していると、さっそく向こうが動いた。

 

「ウチはカードを1枚伏せて魔法カード、手札抹殺を発動するッス!」

 

「手札抹殺って事は……」

 

「ウチと前のターンのプレイヤーである月原さんに手札を捨ててもらうッス」

 

〈月原の捨てたカード〉

・篝火

 

〈蒼山が捨てたカード〉

・マジシャンズ・ヴァルキュリア

・クリスタル・ガール

・ブリザード・プリンセス

・妖眼の相剣師

 

 コチラは一枚ドローで向こうは4枚ドロー。

 ただの手札交換ならいいが、蒼山さんが伏せたカードが気になる。

 

「きたッス! ウチはマスマティシャンを通常召喚。コイツの効果でデッキからEmハットトリッカーを墓地に送るッス!」

 

「もしかしてあいつも墓地を利用する気か!」

 

「多分な……」

 

 一条の発言に頷きつつ、向こうの出方を見ていると蒼山さんはニヤッと笑った。

 

「さらにウチは手札のワンフォー・ワンを捨てて魔法カード、ライトニング・ボルテックスを発動するッス!」

 

「仕方ない……。俺は神竜騎士フェルグラントの効果をレガーティアに向けて発動。この効果でレガーティアの効果は無効になるが、他のカード効果を受けない!」

 

「でも他のモンスターは破壊するッス!」

 

 ライトニング・ボルテックスは手札を一枚捨てて相手の表側表示のモンスターを全て破壊する。

 その効果で銀河眼の光波竜と神竜騎士フェルグラントは破壊されてしまった。

 

(おそらくあの伏せカードはアレだよな)

 

 予想は蘇生札の死者蘇生か融合系のカード。

 このどちらかの中で後者の融合系のカードで1番やばいのは……。

 

「まさかあのカードか!」

 

「何か気づいたみたいッスけどもう遅い! ウチは伏せていた円融魔術を発動! 墓地に存在する魔法使い属モンスター5体を除外して融合するッス!」

 

「なんかめっちゃやばい気がするんだけど?」

 

「美里も容赦ないですね」

 

 やっぱりそいつか!

 俺は頭を抱えそうになっていると、蒼山さんが超大型の融合モンスターを呼び出す。

 

「来るッス! クインテット・マジシャン!!」

 

 クインテット・マジシャン、ATK4500

 

 相手のフィールに現れたのは最上級魔術師と呼ばれているブラック・マジシャンと似たローブに大きな杖を構えたモンスター。

 このカードが現れた時、フィールドの空気がガラリと変わった。

 

「レベル12のシンクロの後にレベル12の融合モンスターまで来るなんて!」

 

「マジでプロにも匹敵するレベルのデュエルをしてないか?」

 

「アタシにはもうわからないわ!」

 

「明日の号外が分厚くなりそうだぜ!」

 

 確かに号外が厚くなりそうですね……。

 俺は目を逸らしたくなっていると、蒼山さんが容赦なくクインテット・マジシャンの効果を発動してきた。

 

「融合召喚に成功したクインテット・マジシャンの効果発動ッス! 相手のフィールドにあるカードを全て破壊させてもらうッスよ!」

 

「ええ!? それって、つまり!」

 

『フェルグラントの効果で守られているレガーティア以外は破壊されるという事だ』

 

「なに冷静に言っているんだよ!?」

 

 冷静に頷いている背後霊と焦っている一条。

 この2人は真反対だなと思いながら、俺は焦らずに伏せカードを発動する。

 

「リバースカード、オープン。無限泡影を使わせてもらう」

 

「!? クインテット・マジシャン!」

 

「なるほど、そのカードを使ってコチラのモンスターの効果を無効にしたのですね!」

 

「ああ、そういう事だ」

 

無限泡影を伏せていてよかった……。

 内心でホッとしていると、蒼山さんは悔しそうに歯をならした。

 

「でも攻撃力はクインテット・マジシャンの方が上ッス!」

 

「確かにそうだが試してみるか? っと、俺は永続罠扱いになっているプリメラの効果を発動して、このカードをモンスターゾーンに移動。そしてコイツの効果で騎士の絆を手札に加える!」

 

「壁が増えたところでどうにもならないっす!」

 

「それはどうかな? 俺はさらに墓地に存在するエメトVIの効果を発動。フィールドにいるプリメラを表向きで魔法・罠ゾーンに移動させて自身を守備表示で特殊召喚する」

 

「!?」

 

 重騎兵エメトVI、DFF3000

 

 これで相手は動けないはず。

 そう思っていると向こうは少し戸惑っていたが、まだなんとかなるのか余裕そうな表情に戻った。

 

「でも攻撃力はこっちが上ッス! バトル、クインテット・マジシャンで騎士皇レガーティアを攻撃するッス!」

 

「ッ! すまない、レガーティア……」

 

 クインテット・マジシャン、ATK4500

 VS

 騎士皇レガーティア、ATK3500

 月原&一条LP1700→700(➖1000)

 

 コチラに放たれた攻撃はレガーティアが身を張って止めてくれた為、ダメージが減ったがライフは700なのでガンマンラインに入ってしまった……。

 

「これ以上は動けないッスね。うちはカードを1枚伏せてターンエンドッス!」

 

「この瞬間、墓地の騎士魔防陣の効果発動! 墓地のレガーティアを攻撃力を1500ポイント下げて特殊召喚する!」

 

「墓地からトラップ……。しかもエースの帰還ですか!」

 

「ああ! 再び立ち上がれ騎士皇レガーティア!!」

 

 先程クインテット・マジシャンにやられたレガーティアがコチラを見ながら堂々と復活。

 そして、レガーディアは真顔に戻りながらクインテット・マジシャンに手を向けた。

 

「でも攻撃力は2000に下がっているッス!」

 

「確かにこれならコチラが有利なのは変わらないです!」

 

「それはどうかな?」

 

「「!?」」

 

 確かに攻撃力的には、そちらのフィールドに存在するモンスターの方が上だが一つ忘れてないか?

 

「俺は特殊召喚されたレガーティアの効果発動。ワンドローした後、クインテットマジシャンを破壊する!」

 

「! その効果はシンクロ召喚した場合じゃないんですか!?」

 

「それは違う!」

 

 レガーディアの効果でクインテット・マジシャンは破壊され、その光景に蒼山さんが固まっていた。

 

「クインテット・マジシャンは効果で破壊されないのになんでッス……ああ!」

 

「なるほど、このタイミングを狙っての()()()()ですか」

 

「? ドユコトだ?」

 

 デュエルしている4人の中で一条だけは理解できてないのか頭を傾げた。その姿に背後霊は呆れていたのか、ため息を吐いた後に説明を始めた。

 

『まとめると相手の魔術師は効果破壊耐性を持っていたが、彼が使った罠カードでその効果が無効になって破壊されたんだ』

 

「いや、それがどうしたんだよ」

 

『遊次、君は彼が罠カードで相手モンスターの効果を無効にしたタイミングを覚えているか?』

 

「それって融合召喚された時だろ」

 

 向こうが今の状況に戸惑っている間、一条と背後霊は言葉のキャッチボールを続けた。

 

『私の推測だが、彼は最初からあの魔術師をどう対処するか決めていたんだろう』

 

「おいおい、そんなことが……」

 

(背後霊さんの言うとおりです)

 

 大まかは予測していたがここまで上手くいくとは。

 俺は内心で落ち着きながらエンドフェイズなので、フィールドにいるモンスターの効果を発動していく。

 

「デュエルに戻って、エンドフェイズなのでレガーティアの効果発動。墓地に存在する2枚目のエメトVIを魔法・罠ゾーンに表側でセットさせてもらう!」

 

「インチキ効果も大概にしてほしいッス!」

 

「お前らが言うか!?」

 

 こっちは相性が悪いデッキとデュエルしているんだぞ!

 それでインチキ効果と言われても自爆特攻のブーメランしか投げれないんだよ!

 俺はそう突っ込みつつ、やっとコチラ(一条)のターンになったのでホッとするのだった。

 

 ーー

 

〈4ターン目終了時点〉

・月原(純斗)手札3枚(1枚は騎士の絆)。一条、手札2枚。

・LP700

〈フィールド〉

・重騎兵エメトVI、DFF3000

・騎士皇レガーティア、ATK2000(罠の効果で攻撃力1500ダウン)

〈魔法・罠〉

・重騎士プリメラ〈永続罠扱い〉

・重騎兵エメトVI〈永続罠扱い〉

 ーー

・羽川、手札0枚。蒼山、手札1枚。

・LP3650

〈フィールド〉

・青氷の白夜竜、ATK3000

・マスマティシャン、ATK1500

〈魔法・罠〉

・伏せカード✖️1

 

 フィールド的にはこんな感じか……。

 うん、まとめると俺達の方が不利だが手札的には余裕があるので巻き返せそうだ。

 

「ここで負けるか! オレのターン、ドロー!!」

 

「足を引っ張っている貴方が何をしても遅いです!」

 

「ええ!?」

 

『確かに彼女の言うとおり我々のパワー不足は当てはまっているな』

 

「おいミストラル!?」

 

 ある意味ではど正論なのか……?

 羽川さんの足を引っ張っている発言を聞いて悩んでいると、周りにいる野次馬は互いに顔を見合わせた後に頷いていた。

 

「他の3人に比べてイチゴ頭はそこまでだよな」

 

「というか、ほとんど塩顔がなんとかしているわよね」

 

「実質2対1かよ……」

 

(結構ボロカスだな)

 

 周りのヤジを耳にしたのか一条が悔しそうに頭を掻いた後、自分の頬を叩いて気合を入れた。

 

「オレだってやれるんだ! いくぜ、オレは魔法カード、オノマト連携を発動! 手札のタスケルトンを墓地に送ってデッキからガガガマジシャンとガガガガールを手札に加える!」

 

「何をする気ですか?」

 

「こうするんだよ! オレはガガガマジシャンを召喚するぜ!」

 

 ガガガマジシャン、ATK1500

 

 一条が召喚したのは腰に改造制服➕腰に鎖をつけた魔法使いのモンスター。

 このカードは自身の効果でレベルを変動できるので、使い勝手はいいモンスターだが……。

 

「いまさらそんなモンスターを出してもコチラのモンスターには勝てないッスよ!」

 

「まあな。でも、オレは魔法カード、ガガガウィンドを発動して手札のガガガガールをレベル4にして特殊召喚するぜ!」

 

「今度は後輩っぽい女の子ですか……」

 

 ガガガガール、ATK1000

 

 次に出てきたのは漫画版でパンチ◯したことで一時期有名になったガガガガール。

 というかコイツはアニメでも結構優遇されていた記憶があるぞ。

 

『いけ遊次!』

 

「おう! オレはレベル4のガガガマジシャンとガガガガールでオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚! 現れろ、ランク4! ガガガザムライ!!」

 

 ガガガザムライ、ATK1900

 

 ガガガモンスター2体を使ってエクシーズ召喚されたのはエセサムライみたいなコスプレをしたモンスター。

 なんとも言えない風貌で攻撃力も1900なので、向こうの2人の目が点になっていた。

 

「この局面で攻撃1900のエクシーズモンスター……」

 

「うん、期待はずれッス!」

 

「ふん! 期待はずれかどうか自分の目で確かめるんだな」

 

(イチゴ頭君が啖呵を切ったぞ)

 

 俺はガヤみたいな感覚で見ていると、一条がガガガザムライの方に視線を飛ばしながら効果を発動した。

 

「エクシーズ素材になったガガガガールの効果を発動! 相手フィールドにいる青氷の白夜竜の攻撃力をゼロにするぜ!」

 

「そう来るんですね」

 

「対策くらいはあるんだよ!」

 

 青氷の白夜竜、ATK3000→0

 

 エクシーズ素材になったガガガガールは半透明な姿でピンクのガラケーを使い、相手フィールドに存在するドラゴンの攻撃力をゼロにした。

 そのおかげでコチラの方がモンスター的には有利になったが……。

 

(向こうが焦ってないって事は何かありそうだな)

 

「このままいくぜ! オレはX素材を一つ使ってガガガザムライの効果発動。このターン、ガガガザムライは2回攻撃ができる!」

 

「その2回の攻撃とセンチュリオンモンスターの攻撃が通ればウチらの負けッスね」

 

「その通りだぜ!」

 

 明らかフラグ(罠)が立っているんだが?

 ただ勢いに飲まれているのか、一条はそのまま次の行動に出た。

 

「バトル、俺はガガガザムライで攻撃力が0になった青氷の白夜竜を攻撃!」

 

「フッ、貴方はいま()()と言ったッスよね」

 

「言ったけどそれがどうした?」

 

「いや、貴方は周りが見えてなくて弱いと思っただけッス」

 

 このセリフ。

 俺は頭を抱えそうになっていると、蒼山さんが容赦なくあのカードを発動した。

 

「相手モンスターの攻撃宣言に発動するカード、聖なるバリアーミラーフォース!」

 

「なっ!? そのカードは!」

 

「相手の攻撃表示モンスターを全て破壊するッス!」

 

 聖なるバリアーミラーフォース。

 このカードは使う人によってカマセになるが、今の状況的に防ぐカードがないので効果的。

 

(魔法の筒じゃなくてよかった)

 

 この状況で魔法の筒なら負けていた。

 俺はホッとしていると、コチラを見ている夕陽は呆れたようにため息を吐く。

 

「こんな見え見えのトラップに引っかかるなんて……。しかも状況的にナンバーズを使わないのはダメダメだね」

 

(辛辣だな)

 

 てか夕陽さんちゃっかりサングラスをかけてないですか?

 俺は手を使って目を覆っていると、ミラーフォースの光が収まってきた。

 

「わりい、お前のモンスターまで破壊されてしまった」

 

「いや……君のおかげで助かった」

 

「え?」

 

 悲しそうな顔で頭を下げてくる一条に手を振りつつ、光が収まってきたフィールドを見る。

 すると、そこにはバリアを貼ってミラーフォースを防いだモンスターの姿があった。

 

「これで残ったのは守備表示モンスターだ……。なんでレガーティアがフィールドに残っているんスか!?」

 

「それは魔法・罠ゾーンに存在するプリメラの効果を発動したからだよ」

 

「へ? そのカード達ってフィールドを移動するだけじゃないんですか?」

 

 確かに今まではモンスターゾーンと魔法・罠ゾーンを移動しているだけだった。

 そのおかげでこっちの効果から目を逸らす事ができたみたいだ。

 

「ああ。プリメラの効果でレベル5以上のセンチュリオンモンスターは効果で破壊されない。つまりはミラーフォースを受けても大丈夫だったんだよ」

 

「そんな事が……」

 

 これでコチラのモンスターの方が攻撃力が上になった。

 なので半泣きになって膝をついている一条の方に顔を向けつつ、優しめに言葉をかける。

 

「君の無鉄砲さは問題があるかもしれないけど、今回に関してはその行動力は無駄じゃなかったな」

 

「そ、それって!」

 

「ああ、顔を上げろ!」

 

 コチラはまだ動ける。その事を一条に伝えると、彼は顔を上げて前を見た。

 

「よっしゃ! いくぜ、オレは騎士皇レガーティアで青氷の白夜竜を攻撃!!」

 

「くうぅ!?」「そんな!」

 

 騎士皇レガーティア、ATK2000

 VS

 青氷の白夜竜、ATK0

 羽川&蒼山LP3650→1650(➖2000)

 

 レガーディアの渾身の一撃が攻撃力が下がっている青氷の白夜竜に直撃。

 そのまま向こうのモンスターは地面に沈み、その余波を受けた女子2人がまた地面を転がっていく。

 

「ま、まだ終わらないですよ!」

 

「ここで負けたら夕陽様に顔を合わせられないッス!」

 

 向こうのフィールドに残っているのは攻撃表示のマスマティシャンのみ。

 コチラは攻撃力2000のレガーディアと守備力3000のエメトVIが残っている。

 

(このターンで大きく流れが変わったな)

 

 一条のデュエルタクティクスはまだまだかもしれないが勢いはある。

 ならその勢いを使ったデュエルで成長がすすめば大物になりそうだな……。てか、今更だが背後霊がいるなら主人公の可能性があるよな。

 

「よし! オレはこれでターンエンド!」

 

 色々考えていると手札が0枚の一条がターンエンド。そのままターン6になり、真顔になっている羽川さんの番に回っていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

大体の投稿時間は何時頃がいいかを知りたいのでアンケートをやらせていただきます。(あくまで目安です)プラス、締め切りは1月26日の18時です。

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