ナンバーズ戦争に巻き込まれたのでOCGのガチデッキで対抗します! 作:黒霧春也
〈ターン6〉
羽川さんの手札は0枚でフィールドにはマスマティシャンのみ。
今の状況ならコチラの方が有利だが、たった一枚のカードでひっくり返される事もあるので油断できない。
「いきます。私のターン、ドロー!! フィールドに魔法使い族モンスターが存在する場合、手札のドラゴン・復活の狂奏は発動できます!」
「ま、マジかよ……」
相手の底力がエグい件。
しかもこのタイミングでその蘇生札を引かれるなんて思ってなかった。
「なんかやばい気がするんだが!?」
「やばい気じゃなくてやばいカードなんだよ」
隣で一条が騒いでいるが、余裕がないので思わず辛辣に突っ込んでしまう。
(アニメみたいな展開だな)
デッキの相性が悪いとは言え、こっちはOCGのガチデッキを使っているのにここまで苦戦するなんて思わなかった……。
「このカードの効果で墓地のラビー・ドラゴンとアーク・ブレイブドラゴンを蘇生させます!」
「はあぁ!?」
「まあでも、ドラゴン・復活の狂奏を発動したターンはこっちが受けるダメージはゼロになるはず」
「そうです。ただ、私は墓地から特殊召喚されたアークブレイブ・ドラゴンの効果を発動。貴方達の魔法・罠ゾーンに存在する表側のカードを除外します!」
(またかよ!)
ラビー・ドラゴン、ATK2950
アークブレイブ・ドラゴン、ATK2400→2800
〈除外されたカード〉
・重騎士プリメラ
・重騎兵エメトVI
たった一枚のカードで形成逆転された。
しかもこっちのセンチュリオンモンスターが除外されまくっているので、これ以上はかなりきつい。
「このデュエルの展開がやばいな!」
「一進一退の攻防なのが見応えがあるわ」
「次はどうなるんだろうな?」
野次馬が盛り上がっている中、夕陽が表向きは真顔だが腕を組みながら人差し指をトントンとノックしている。
その姿を見ていると、羽川さんが不機嫌そうに目を細めた。
「まだ余裕があるのですか?」
「うん? まあ、手札もあるし次のターンで巻き返すよ」
「ッ! ならその希望をなくします! バトル、アークブレイブ・ドラゴンで攻撃力が下がった騎士皇レガーティアを攻撃!」
羽川さんが金色の翼竜ことアークブレイブ・ドラゴンに攻撃を指示を出すが、俺はレガーティアの効果を発動する。
「あ、レガーティアの効果で攻撃力2000以下の自分モンスターは戦闘では破壊されない」
「はあぁ!?!?」
「さ、さすがレベル12の超大型シンクロモンスターッスね……」
アークブレイブ・ドラゴンの攻撃はレガーティアが作り出したバリアに弾かれ、向こうが発動したドラゴン・復活の狂奏の効果でコチラが受けるダメージはゼロ。
なのでこの攻撃は無駄に思えたが、羽川さんは諦めずに次を仕掛けてきた。
「あんまりやりたくないですが、私はマスマティシャンでレガーティアに自爆特攻をします!」
「なっ、自分のモンスターを特攻させた!?」
『おそらくマスマティシャンの効果を発動するためだろう』
騎士皇レガーティア、ATK2000
VS
マスマティシャン、ATK1500
羽川(花梨)&蒼山(美里)、ダメージ500
LP1650→1150(➖500)
マスマティシャンが果敢に攻撃を仕掛けるが、レガーティアの一撃で儚く散っていく。
だがこの瞬間、自爆特攻で破壊されたマスマティシャンの効果が発動した。
「破壊されたマスマティシャンの効果で私はデッキから1枚ドローします! っ、このカードで貴方達にトドメを指します!」
「今度は何が来るんだ……?」
もうお腹いっぱいなんだがまだ展開があるのか?
そう思いながら息を吐くと、羽川さんは目を輝かせながらドローしたカードを天高くあげた。
「さあ私の奥の手をとくと見てください! 私は闇属性のクインテット・マジシャン、光属性の巨竜の聖騎士と巨神竜フェルグラントの3体を除外します!」
「花梨のヒキの強さにはドン引きッスね」
「美里に言われたくないです。それよりもこの効果で手札の混源龍レヴィオニアをフィールドに特殊召喚します!」
混源龍レヴィオニア、ATK3000
崖っぷちの時に現れたのは白銀の体に水色の線が入った大型のドラゴン。
コイツの効果は特殊召喚できればかなり強力で、個人的には出てきて欲しくなかったモンスターの1体。
「こんな時に攻撃力3000のモンスターかよ!」
「いや、レヴィオニアは攻撃力よりも効果がやばい!」
「それって……」
レヴィオニアの攻撃力に引っ張られている一条に突っ込みつつ、俺は相手への警戒度をさらに上げる。
「塩顔さん、いえ月原さんはレヴィオニアの効果を知っているのですね」
「今回の場合はフィールドのカードを2枚まで破壊する効果だろ」
「その通りです! なのでそちらにいるレガーティアとエメトVIは破壊させていただきますね」
「レガーティア!」
レヴィオニアの効果でコチラのモンスターが破壊されていく。
だがレガーティアは消える直前にコチラに親指を立てており、最後までコチラを応援してくれるようだった。
(このデュエル負けたくないな)
ここまで支えてくれた仲間達のためにもここは負けたくない。
そう思っていると、羽川さんが真剣な表情になりながら言葉を発した。
「これで詰ませます! バトルを終了させて、私は墓地に存在する巨神竜の遺跡の効果を発動します。フィールドに存在するアークブレイブ・ドラゴンを墓地に送りこのカードを手札に加えます!」
「て、ことは……」
「ええ! 私は手札に加えた永続魔法・巨神竜の遺跡を発動。これで互いに墓地以外から特殊召喚されたモンスターの効果はエンドフェイズまで無効化されます!」
最後の最後でそいつが戻ってくるか……。
でもまあ、勝利への方程式は揃っているので俺はニヤッと笑う。
「なんでこの状況で余裕そうにしているんッスか!」
「いや、今の手札でも
「なっ!?」「え?」「マジかよ!?」
なんかめっちゃ驚かれているような……。
てかイチゴ頭君よ、まさか諦めていたのか?
『彼がどう巻き返すか見ものだな』
(ハハッ、そこにいる背後霊にも見せてやるよ)
コチラの手札は3枚。
これだけあれば回るので、俺は余裕を作りながら息を吐く。
「ハッタリですね!」
「さあな? それより君はターンエンドか?」
「!? た、ターンエンド……」
(よし、コチラのターンに回ってきた)
このターンで決める。
向こうがターンエンドしたので、俺はデッキトップに手を置き勢いよくカードを引くのだった。
ーー
〈ターン7〉
今の状況を逆転できる方法は手札にはあるが、相手のライフを削るのには後一歩足りない。
(ある意味デスティニードローかもな)
俺は思わず頬を緩めながらデッキトップから勢いよくカードを引く。
「俺のターン、ドロー!!」
(きたあ!)
最後に足りなかった勝利へのピースである死者蘇生。このカードが来たならもう勝負は終わりだ。
「スタンバイフェイズ! 前のターンに墓地に送られたアークブレイブ・ドラゴンの効果で青氷の白夜竜を蘇生します!」
「ソイツ、何回も蘇ってくるな!」
「もちろんです! さあ、これでも逆転できますか?」
青氷の白夜竜、ATK3000
向こうが大型ドラゴンを蘇生させた事で余裕そうにしているので、俺は頭を振りながらいやらしく言葉を返す。
「悪いが一つ訂正させてもらう」
「? もしかして逆転は無理ってことッスか」
「いや、逆転じゃなくて
「またハッタリですか?」
それがハッタリじゃないんだよな。
俺は先程デッキからドローしたカードをデュエルディスクのプレートに勢いよく差し込む。
「まあ見てろ。俺は魔法カード・死者蘇生を発動!」
「このタイミングで死者蘇生って事は……」
「ああ、何度でも立ち上がれ! 騎士皇レガーティア!!」
騎士皇レガーティア、ATK3500
相手の効果で破壊されたレガーティア。
コイツがボロボロの姿で墓地から立ち上がり、俺を守るように降臨した。
「で、でも効果は……ッ! 墓地から特殊召喚されたなら!」
「悪いが巨神竜の遺跡の効果は受けない! 俺は特殊召喚されたレガーティアの効果発動! ワンドローした後、レヴィオニアを破壊させもらう!」
「ま、まだです! 私は墓地にある復活の福音を除外する事で破壊を防ぎます!」
2ターン目で墓地に送られていた復活の福音を今使ったか。でもまあ、その程度で止まる気がないんだけどな。
俺は気持ちに余裕を持たせながら次の展開を進めていく。
「これで身代わりは使わせた! 俺は魔法カード・王の棺を発動!」
「そのカードは!」
「そうだ! このカードがフィールドに存在する場合、墓地のホルス達は自身の効果で墓地から特殊召喚できる!」
ホルスの栄光ーイムセティ、ATK3000
ホルスの先導ーハーピ、ATK2400
ホルスの祝福ードゥアムテフ、DFF0→2400
レガーティアを含む高レベルのモンスターが4体揃った。
その光景は圧巻の一言で野次馬の盛り上がりは最高潮近くまで上がっているようだ。
「あ、あの状況で巻き返しやがったぞ!」
「しかもたった2枚の魔法カードだけでフィールドを整えるなんて!」
「ハッタリじゃなかったのね!」
攻撃力3500のレガーティアが蘇生された事で流れが変わったが、プラスでホルス達も復活した。
そのおかげで流れどころか雰囲気がガラリと変化したので、俺はニヤッとしながら顔を上げ続ける。
「さらにフィールド魔法・スタンドアップ・センチュリオン!を発動! このカードの効果で手札の従騎士トゥルーデアを墓地に送り、デッキの重騎士プリメラを表向きで魔法・罠ゾーンにセット。そして自身の効果でモンスターゾーンに移動させる!」
「チューナーモンスターまで揃えてきたッス!」
「あ、ついでに手札の騎士の絆を発動して墓地にいる重騎兵エメトVIを表側で魔法・罠ゾーンに置く」
「なんかエグいくね?」
巨神竜の遺跡の効果で特殊召喚されたプリメラの効果は無効になっているが今はこれで充分。
「俺はレベル8のホルスの祝福ードゥアムテフにレベル4のプリメラをチューニング! 集いし騎士の魂よ、頂点を取る王となりて我が元に表現せよ! シンクロ召喚レベル12! 降臨せよ、騎士皇レガーティア!!」
「に、2枚目!? 貴方、超大型のシンクロモンスターをもう一枚持っていたの!?」
「それはノーコメント。っと、このタイミングで墓地にある騎士の絆を除外して効果発動。墓地に存在するトゥルーデアを表向きで魔法・罠ゾーンにセット」
「完全に向こうのペースッスね……」
騎士皇レガーティア、ATK3500(2体目)
騎士皇レガーティアはアニメで見るクェーサーよりは大きくはないが、それでも3〜4メートルくらいありそうだ。
まあ、そんな感じで2体目のレガーティアを出せたが、気を抜くわけにはいかないので容赦なく最後の手札を使う。
「さらに重騎士プリメラを通常召喚」
「ええ!? まだ持っていたのですか!」
「まあな。あ、プリメラの効果でデッキから騎士皇爆誕を手札に加える」
「なんか強そうな名前をしたカードだな!」
イチゴ頭君、君はさっきから野次馬に混ざって盛り上がってない?
てか夕陽さんもうっとりした顔でコチラを見ているのでキャラ崩壊してないですか?
「やっぱり彼は、じゅるり」
「……」
つ、突っ込みたいが突っ込めない。
なので目を逸らしながらフィールドに揃ったモンスター……あの、プリメラちゃん。
貴女も不機嫌そうに手に持った剣を夕陽さんに向けないでね。
「デュエルに戻って、俺はレベル8のホルスの先導ーハーピにレベル4のプリメラをチューニング!!」
「え? その展開ってまさか……」
「そのまさかだ! 集いし騎士の魂よ、頂点を取る王となりて我が元に表現せよ! シンクロ召喚レベル12! みたび降臨せよ、騎士皇レガーティア!!」
「「「「さ、3枚目!?!?」」」」
騎士皇レガーティア、ATK3500(3体目)
フィールドに現れたのは3体目のレガーティア。
元の世界でも3体同時に並ぶ事はなかったので、俺は嬉しくてテンションが爆上がりしてしまう。
「こ、こんな事が……」
「ここで決めさせてもらう! バトル、シンクロ召喚したレガーティア2体でレヴィオニアと青氷の白夜竜をホルスの栄光ーイセムティでラビー・ドラゴンへ攻撃!」
「きゃあぁ!?」「くうぅ!」
騎士皇レガーティア、ATK3500
VS
混源龍レヴィオニア、ATK3000
(ダメージ500)
騎士皇レガーティア、ATK3500
VS
青氷の白夜竜、ATK3000
(ダメージ500)
ホルスの栄光ーイムセティ、ATK3000
VS
ラビー・ドラゴン、ATK2950
(ダメージ50)
羽川&蒼山LP1150→100
(ダメージ、500➕500➕50 1050)
相手フィールドに存在するドラゴンは全て倒し切り、向こうのフィールドはガラ空き状態になった。
なので俺は墓地から蘇生されたボロボロのレガーティアに視線を合わせると、彼女は嬉しそうに頷きながら天高く手を上げる。
「これで終わりだ! 騎士皇レガーティアでダイレクトアタック!
「そ、そんな……」「あの状況で逆転されたッス……」
「「きゃあ!?!?」」
騎士皇レガーティア、ATK3500(ダイレクトアタック)
羽川&蒼山LP100→0
(ダメージ3500)
・勝者、月原(純斗)&一条
ーー
デュエルの決着がつき、野次馬は満足そうに去っていった。
「な、なんとか勝てたぜ!」
『ただ我々は完全に彼の足を引っ張っていたがな』
「そんな事を言うなよ」
一条は嬉しそうに背後霊にも話しかけているが、当の本人である背後霊は口に手を置いて何か考えているようだ。
そんな中、勢いよく吹き飛んで地面に倒れている女子2人が悔しそうに立ち上がった。
「も、もう少しで勝てたッスよね……」
「いや、あの状況で返されるのがおかしいです」
涙目で立ち上がる2人に満足そうな表情をした夕陽さんが近づく。
「2人とも、これで彼を認めてくれるかな?」
「そ、それは……。あの塩顔さんの方は認めますが、イチゴ頭君は無理です!」
「ウチも花梨と同じ意見ッス」
「なるほど、今はそれで大丈夫だよ」
なんか2人にも認めてもらえたみたいでよかった。
俺はそう思っていると、アニメみたいに砂埃を舞い上げながら走ってくる存在がいた。
「反省文を書いていたらデュエルが終わっている!?」
現れたのはさっき先生に連れて行かれたサッカー部の先輩。
彼が口を大きく開けながらコチラを見てきたので一礼すると、向こうは驚いたように目を見開いた。
「あ、君は! 4月3日の時の大会の決勝でオレをボコボコにしたやつだな!」
「え? ああ、はい」
「なるほどな……」
互いにいま気づいたので固まっていると、コチラを見ていた一条が嬉しそうに声をかけてきた。
「なあお前、今度はオレとデュエルをしないか?」
「うーん、これから用事があるしデュエルするならサッカー部の先輩とやってくれ」
「そ、そうなのか……。ではサッカー部の先輩、よろしくお願いするぜ!」
ほぼ初対面っぽい先輩相手なのに丁寧語を使わない一条。
その姿にサッカー部の先輩は頬を引きつらせながらデュエルディスクを構えた。
「お前に先輩の凄さを教えてやる」
「あ、俺はそろそろ帰りますね」
「ボク達も離れるよ」
「はい!」「ッス!」
「「え?」」
そそくさと去っていく俺達を見た一条とサッカー部の先輩は口を大きく開けていた。
まあでも、これ以上は面倒なので俺と夕陽さん達は学園の敷地からから出ていくのだった。
〈余談〉
サッカー部の先輩(加藤)VS一条のデュエルはサッカー部の先輩が圧倒したらしい。
皆様、アンケートにご協力していただきありがとうございます。今回の結果は自分の中でスッキリした部分があったのでよかったです。(他にも何かアンケートを出すかもしれないです)
・出したいの、主人公以外で活躍してほしいキャラ(このキャラが好き)やラブコメ展開の度合いとかです。
大体の投稿時間は何時頃がいいかを知りたいのでアンケートをやらせていただきます。(あくまで目安です)プラス、締め切りは1月26日の18時です。
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1番、12時頃
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2番、15時頃
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3番、16時頃
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4番、17時頃
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5番、18時頃
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6番、19時頃
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7番、20時頃
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8番、21時以降