ナンバーズ戦争に巻き込まれたのでOCGのガチデッキで対抗します! 作:黒霧春也
デュエルの決着が付き、自販機で飲み物を買い直した後。
俺は近くのベンチに座り、隣に座る一条と背後霊ことミストラルが落ち着くまで待った。
「少しは落ち着いたか」
「ああ。でもなんでオレ達にトドメを刺さなかったんだ?」
「理由はさっき説明したはずだよな……」
『確かに論理的な理由は聞いた。ただ君の雰囲気的に他にも何かありそうな気がした』
(ミストラルさんは鋭いな)
原作のゼアルのアストラルみたいな立ち位置っぽいな。
俺はミストラルさんの評価を上げつつ、右手に持った麦茶を飲み始める。
「君達に頼みたい事があるって言ったからそこでバレたか?」
『私には人の感情はあまりわからないが、君は悪者ではない感じがする』
「そうか? まあ、ガチデュエルの場合は今回みたいに容赦なく叩き潰すけどな」
『その行動は私も理解できるから問題ない』
あら、意外とミストラルさんと話しが合う?
ベンチに座る背後霊の姿は違和感があるが、話していてあまりズレを感じないのは大きい。
そう思っているとコー◯を飲んでいた一条が不安そうに口を開いた。
「それでお前はオレに何を頼みたいんだ?」
『私も気になるな』
「自分でもズレている感覚があるのだけ前提として言うが」
「おう」『うん』
なんかめっちゃ重苦しい雰囲気になっているような……。
でもまあ、俺の中ではこっちが本題なので少し緊張しながら目的を話す。
「実はだな……。お前らをプロデュースしたいんだよ」
「『へ?』」
「もちろんアイドルとかじゃなくてデュエルの方だけどな」
早口になった気もするが勢いで押し切るしかない。
俺は気持ちで焦っている事を自覚しながらも、感情が抑えられずにマシンガントークみたいに喋り続ける。
「俺の気持ち的にガチデッキで無双するとチート(反則)しているみたいでさ。なら才能がありそうなやつを見つけて、ソイツをプロデュースして大きな大会で優勝してもらいたいんだよ」
「そ、その才能がありそうなのがオレ?」
『というより、プロデュースするのはいいが君になんの得があるんだ?』
「後方腕組み師匠が出来るのと、君達が風除けになって新聞部の件みたいな事になりにくいと思ったんだよ」
「お、おう……」
かなり早口になったので息がしんどい。
ただ今の伝え方でなんとかなったはず……。そう思っていると一条が戸惑いながら言葉を返してきた。
「よ、よくわからないがオレにデュエルを教えてくれるのか?」
「君達の視点からはその認識で大丈夫だ」
『明らか釣り合ってない気もするが……』
「なんかオレ達の方が得してないか?」
さらに戸惑っている雰囲気を2人に出されているが、こっちだってワケがあるから仕方ないんだよ。
(いい年して厨二っぽいのは自覚している。ただそれでもカッコつけたいんだよ!)
10歳くらい若返って2度目の高校生活。
これだけでも幸せなのに、さらに上の幸せを1人で得るのは気持ち的に落ち着かない。
その気持ちもあるから彼に声をかけたのかもしれないな。
「そんな感じでデュエルのプロデュースさせてもらっていいか?」
「オレは別にいいけど……」
「よかった」
2人も了承してくれたしよかった。
ただそうなるとデッキの強化やデュエルタクティクスの話になるので打ち合わせしたいな。
(それと背後霊と話すなんてあまりない事だよな……)
『純斗よ、これからよろしく頼む』
「ああ。って、ミストラルさんと呼べばいいんだよな」
『私の事は呼び捨てで構わない』
「了解した。ならまた打ち合わせを……!?」
落ち着いたタイミングでどうするか。
その話を2人としようとした時、周りにいた人や噴水の水が止まった。
(これってまさか)
この現象に見覚えがあるので冷や汗を流し始めると、公園の入り口の方から白スーツを着た20歳くらいの男女2人組がコチラに歩いてきた。
「ナンバーズ持ちはあのガキ2人でいいのか?」
「この空間で動いているって事はそうだろう」
「見た感じあんまり強くなさそうだな」
男性の方は茶色髪で短髪で体は鍛えているのか筋骨隆々で身長の高い青年。
対する女性の方は胸は慎ましいスレンダーさはあるが、キツめの目線は一部の人には刺さりそうな姿をしている。
(ゼアルのゴーシュとドロワっぽい2人組だな……)
彼らの会話も含めて立ち位置がほぼそっくりな気がする。
「これって!」
『ナンバーズハンターの力か!』
「そうだろうな」
一条はさっきのデュエルでボロボロになっている。
ならここはプロデューサーでもある俺が戦うべきだよな。
「おいガキども! 大人しくナンバーズを渡せば痛い目を見なくていいぞ」
「痛い目ね……。なんかカマセっぽい言い方だな」
「! テメェ、なら試してみるか?」
(うわぁ、少し煽っただけでもこれか)
大男の方は今にもやる気なのか左腕にデュエルディスクを装着していた。
そんな中、彼の隣にいるクール系の女性はヤレヤレと首を振りながら呟く。
「ファイブ、今回はワタシがナンバーズを回収する約束だったよな」
「んな事言ったってよ! あのクソガキが煽ってくるならぶっ倒してやりたいだろ!」
「ぶっ倒すのは構わないがナンバーズを回収するのが先だ」
「チッ! わかったよお堅いシックス!」
(なんか勝手に決められてない?)
こっちの話を全く聞かずに進む会話。
これがデュエル脳なのかと戦慄していると、キツめの性格をしてそうな紫髪の女性がデュエルディスクを左腕に装着した。
「さあ、どっちがワタシの獲物になるんだ?」
「獲物になるつもりはないが俺が相手してやる」
「純斗……」
一条が心配した視線を向けてくるが、特に問題はないので軽く手を振っておく。
「ほう、進んで潰されにくるとはな」
「その言葉、そっくりそのまま返してやる」
(ついでに後で夕陽さんに連絡しよ)
流れ的に相手がナンバーズハンター関係なのはほぼ確定。それならこの不思議空間をなんとかして夕陽さんに連絡したいところ。
俺はそう思いながらデュエルディスクを装着しながら紫髪の女性の前に立つ。
「さっさと終わらせてやる」
「やってみろ」
「「デュエル!!」」
月原(純斗)LP4000VSシックス(紫髪の女性)LP4000
先攻はシックス。
先攻は取れなかったが手札は悪くない。
そう思っていると、紫髪の女性が嬉しそうに口元を吊り上げた。
「この手札はいい! 手札から魔法カード、フォトン・リードを発動「その効果に対して手札の増殖するGを発動する」なっ!?」
今回はちょうどよく増殖するGが来てくれたので発動するが……。
カサカサした黒い物体が現れた事で紫髪の女性どころか、茶髪の男性まで固まっていた。
「なんでそんなカードを入れているんだよ!」
「強いからに決まっているだろ! それよりもデュエルを進めてくれ」
「あ、ああ……。フォトン・リードの効果で手札のデイブレーカーを特殊召喚して自身の効果で2体目のデイブレーカーを特殊召喚!」
(とりあえず2枚のドロー)
デイブレーカー(1体目)
ATK1700、レベル4
デイブレーカー(2体目)
ATK1700、レベル4
ドロー美味しいです。
ただリアルっぽい質量で見る増殖するGには俺自身もドン引きしてしまったので、このカードは色んな意味で使いにくく感じた。
「さらにフォトン・デルタ・ウィングを通常召喚。コイツの効果で同名カードをデッキから特殊召喚する!」
「増Gの効果でワンドロー」
「あ、アイツ……。しれっと手札を増やしているな」
フォトン・デルタ・ウィング(1体目)
ATK1800、レベル4
フォトン・デルタ・ウィング(2体目)
DFF900、レベル4
確かフォトン・デルタ・ウィングはフィールドに2体以上いる場合、相手は攻撃宣言が行えないんだよな。
「で、出鼻は挫かれたが問題ない! ワタシはレベル4のデイブレーカー2体でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚! 現れろランク4! フォトン・バタフライ・アサシン!」
「増Gの効果でワンドロー」
「フォトン!? コイツらナンバーズハンターか!」
「今更かよ!?」『今更!?』
気づくのか遅くね?
内心どころか思わず一条に突っ込んでしまったが、この反応がナンバーズハンター達は予想外だったらしく違う意味で驚いていた。
「お、おれ達の正体を知っているのか?」
「ま、まあ……。それよりもデュエルを進めてくれ」
「わ、わかった。ワタシはカードを一枚伏せてターンエンド!」
(ドロー枚数は4枚か。まあ、悪くはないな)
多少問題は起きたが結果は充分なので、ここからどうやっていくかを手札を見ながら考える。
〈ターン2〉
「俺のターン、ドロー。まずは魔法カード、ハーピィの羽箒を発動して魔法・罠カードを破壊する!」
「光子化が! でもお前はワタシには攻撃できないぞ!」
「そんなの百も承知だ! 俺は手札からフィールド魔法、スタンドアップ・センチュリオンを発動。手札のホルスの祝福ードゥアムテフを墓地に送りデッキの従騎士トゥルーデアを表向きで魔法・罠ゾーンにセット!」
「は? そんな事をして何になるんだ?」
センチュリオンカードを初めて見る相手にはコチラの動きは意味がわからないよな。
まあでも、その顔を絶望に変えてやる。
「さらに速攻魔法・誓いのエンブレーマを発動してデッキの重騎士プリメラを表向きで魔法・罠ゾーンにセット」
「これってさっきの動きと同じ……」
一条が何かに気づいたみたいで呟いているが、回している途中なのでネタバレはしてほしくないところだな。
「何をしたいのかはわからないが所詮雑魚だろ!」
「それはどうかな? 俺は魔法・罠ゾーンに存在するプリメラとトゥルーデアの効果で自身達をモンスターゾーンに移動させる」
「ほう、それで?」
「……まずはトゥルーデアの効果で自身とデッキの重騎兵エメトVIを表向きで魔法・罠ゾーンへ。次にプリメラの効果でデッキの騎士皇爆誕を手札に加える」
重騎士プリメラ(チューナー)
ATK1600、レベル4
従騎士トゥルーデア
DFF2000、レベル4→8
妨害がないとスルスル回るな。
ただ向こうはターンが長いことに不満そうで強い視線をコチラに向けてきた。
「負けることを悟ったのはいいがターンが長いんだよ!」
「そこはすまないがまだ付き合ってもらうぞ! 俺は魔法・罠ゾーンに表向きに存在するエメトVIを自身の効果でモンスターゾーンへ」
「守備力3000……。だがフォトン・バタフライ・アサシンの効果を使えば問題ない!」
「
「!?」
重騎兵エメトVI
DFF3000、レベル8
悪いが後攻ワンキルさせてもらう。
ここまできたら容赦するつもりはないので、自信満々に腕組みしているプリメラに頷きつつ思いっきり叫ぶ。
「いくぞ! 俺はレベル8のエメトにレベル4のプリメラをチューニング! 集いし騎士の魂よ、頂点を取る王となりて我が元に表現せよ! シンクロ召喚レベル12! 降臨せよ、騎士皇レガーティア!!」
「れ、レベル12の超大型のシンクロモンスターだと!?」
「おいおい、こんなモンスターがあのガキから出てくるのかよ……」
騎士皇レガーティア
ATK3500、レベル12
少し手間取ったがエースのレガーティアが腕組みしながらフィールドに降臨。
その姿にナンバーズハンターの2人は口を大きく開けていた。
「特殊召喚したレガーティアの効果でワンドローした後に相手フィールドで攻撃力が1番高いフォトン・バタフライ・アサシンを破壊させてもらう!」
「なんだと!?」
「よし! これで相手のエースは破壊できた!」
毎度の如くレガーティアの効果は強力だな。
俺は安心しながらレガーティアの効果を発動させてフォトン・バタフライ・アサシンを破壊する。
「だ、だが! フォトン・デルタ・ウィングが2体存在する場合、お前は攻撃宣言を行えない!」
「それが? 俺は手札のホルスの栄光ーイムセティの効果発動。自身と手札の騎士魔防陣を墓地に送りデッキから王の棺を手札に加えた後にワンドロー」
「どんだけドローするんだよ!?」
「そんなのやれる限りするだろ!」
(誓いのエンブレーマのデメリット効果もなくなったからさらに展開してやる)
こんだけ回しても手札がかなり余っているのは嬉しい。
なので容赦なく叩き潰せるので、俺は気持ちが昂りながらデュエルを進めていく。
「さっき加えた王の棺を発動。この効果で手札にある2枚目のホルスの栄光ーイムセティを墓地に送り、デッキにいるホルスの先導ーハーピを墓地に送る」
残りの手札は5枚あるのにほとんどの準備が整ってしまった。
ここまで気持ちのいいデュエルは元の世界でもなかなかないのでめちゃくちゃ楽しい。
「お前、マジで何がしたいんだ?」
「その答えは後にわかる。俺は墓地に存在するホルスモンスター3種の効果を発動して自身を蘇生させる!」
「れ、レベル8のモンスターが一気に三体も現れただと!?」
何回かやっているがこの瞬間が楽しいんだよな。
ナンバーズハンターがさらに驚く姿を見てニヤッとしながら次の展開に繋げていくのだった。
大体の投稿時間は何時頃がいいかを知りたいのでアンケートをやらせていただきます。(あくまで目安です)プラス、締め切りは1月26日の18時です。
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1番、12時頃
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2番、15時頃
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3番、16時頃
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4番、17時頃
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5番、18時頃
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6番、19時頃
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7番、20時頃
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8番、21時以降