ナンバーズ戦争に巻き込まれたのでOCGのガチデッキで対抗します! 作:黒霧春也
夕陽さんのハイライトをなんとか復活させた後。
俺と美里さんは汗がビッショリになりながら互いに顔を見合わせた。
「な、なんとかなったな……」
「ほんと助かったッスね……」
さっきはマジで怖かった。
俺と美里さんがガクガク震えていると、今度は羽川さんが遠慮がちに手を挙げた。
「次は私の番ですが大丈夫ですか?」
「ああ、その辺は大丈夫だ」
ただ流石に海皇デッキでは羽川さんの巨神竜デッキ相手では勝ち目が薄い。
なので床に置いてあるトランクを広げて別のデッキを取り出す。
「ウチの時とは違うデッキを使うんスね」
「まあな」
4人ともに合わせたデッキを用意してよかった。
そう思いながら改めてデュエル盤前の席に座り、羽川さんと向かい合う。
「それではよろしくお願いします」
「おう、こちらこそ!」
互いにデッキをシャッフルした後、デュエル盤の電源が入っていることを確認する。
「今度はどんなデッキが見られるんだ?」
「さあ? でも純斗の事だから何かあるんだと思うよ」
(マジシャン扱いされてないか?)
今回用意したデッキはマジシャン系統ではないが、羽川さんのデッキ対策には合う感じ。
そのため自信を持ちつつ、デュエルをスタートする。
「「デュエル!!」」
月原(純斗)LP4000VS羽川LP4000
先攻、月原
モニターの画面に映された先攻の文字。
久しぶり感があるので嬉しくなりながら展開していく。
「俺は魔法カード、汎神の帝王を発動。手札の真源の帝王を墓地に送り2枚ドローする」
「今度は帝王デッキですか……」
「見た感じ手札も悪くなさそうだね」
確かに手札はいい方。
しかも今の2ドローでさらに回る展開が作れるので、かなり動けそうだな。
「さらに墓地の汎神の帝王の効果。このカードを除外してデッキから帝王カード3枚、この場合は帝王の深淵3枚を羽川さんに見せる」
「この中から1枚を選べばいいんですよね」
「そうそう」
「全部同じだろ!?」
一条君の突っ込みはまさにその通り。
ただ帝王デッキを使う時によくある光景なので、俺は頷きながら羽川さんが選んだ帝王の深淵を手札に加える。
「てなわけで手札に加えた帝王の深淵を発動。今手札にある天帝アイテールを相手に見せて、永続魔法の帝王の開岩を手札に加えてそのまま発動させてもらう」
「準備は整ってきましたね……」
「そうだな」
羽川さんは巨神竜ストラクに近い構成のデッキなので相性的に少しきついが、なんとかなるのでどんどん回していく。
「魔法カード、ワン・フォー・ワンを発動。手札の邪帝ガイウスを墓地送り、デッキからレベル1の天帝従騎イデアを特殊召喚。そしてイデアの効果で冥帝従騎エイドスをデッキから特殊召喚!」
「一気に2体のモンスターが揃った!」
「なんかデッキは違うけどいつもの回し方に似ているね」
「そりゃそうだろ」
基本的にはネットのデッキレシピとか見て作成するが、細かい調整はどうしても本人の性格に引っ張られる。
もちろん自分を押し殺せるタイプはなんとかなるかもしれないが、感情強めの俺は自分に引っ張られる事が多い。
「っと、エイドスの効果でこのターン、追加でアドバンス召喚が可能になる」
「帝デッキの持ち味を生かして来ましたね」
「しかも純斗は通常召喚をしてないって事は」
フィールドには家臣が2体いてまだ召喚権を使ってない。
帝デッキを知っているなら今の状況でやる事は自ずとわかってくる。
「そう! 俺はフィールドの家臣2体をリリースして天帝アイテールをアドバンス召喚! そしてイデア、アイテール、開岩の効果発動!」
「これって純斗お得意の複数効果だよな」
「お得意と言われてもな」
大体のデッキが複数チェーンがあるデッキなのだが……。
ただ一条が使うオノマトペデッキもどきは少ないから、コチラがおかしく見えるのはあるかもな。
「まあでもこの効果の連鎖は強いッスよ!」
「3つの効果が発動している時点で弱くなくね?」
「それはそうです!」
チェーンの解決順は開岩、アイテール、イデア。
順番的にはこんな感じなので、落ち着いたタイミングで処理していく。
「まずは開岩の効果で冥帝エレボスを手札に加える。次にアイテールの効果でデッキの真源の帝王と帝王の烈旋を墓地に送り、2体目のアイテールをデッキから特殊召喚!」
「またアイテールが増えた!?」
「そして最後にイデアの効果で除外されている汎神の帝王を手札に戻す」
天帝アイテール(1体目)
ATK2800、レベル8
天帝アイテール(2体目)
ATK2800、レベル8
これでチェーン処理終了なう。
今の手札はサーチした汎神の帝王とアイテールとエレボスの3枚を含めて5枚。
ここまでかなり回したが、展開はまだ終わらない。
「さらに魔法カード、トレード・インを発動。手札のレベル8モンスターであるエレボスを墓地に送り2枚ドロー。さらに汎神の帝王を発動して手札の始源の帝王を墓地に送りさらに2枚ドロー」
「どんだけドローするんだよ!」
ここまでドローしないとキーカードが来ないんだよ。
俺は主人公補正のディスティニードローを恨みながら手札に加えたカードを使う。
「さらに墓地の真源の帝王の効果発動。墓地の帝王の深淵を除外してこのカードをモンスター扱いで守備表示で特殊召喚する」
「これでリリースできるカードが増えましたね」
「展開自体もエグいッスね」
「というか1ターンが長く感じるんだけど?」
真源の帝王(通常モンスター扱い)
DFF2400、レベル5
それを言われたら終わりなんだよな……。
俺が持っているデッキの大半は1ターンが長くて、そっちを使えばソリティア状態になるから今の方がマシだぞ。
「と、とりあえずデュエルに戻って。エイドスの効果でアドバンス召喚権を得ているから真源の帝王をリリースして手札の虚無魔人をアドバンス召喚!」
「そ、そんなカードまで入っているの……」
「うん? なんでそんなに驚いているんだ?」
虚無魔人
ATK2400、レベル6
俺が虚無魔人をアドバンス召喚すると、女性陣の3人が目をぱちくりしながら固まっていた。
そんな中、効果を知らないっぽい一条に向かって虚無魔人の効果を説明していく。
「イチゴ頭に説明すると虚無魔人がフィールドにいる限り、互いにモンスターを特殊召喚出来ない効果を持っているんだよ」
「はあぁ!? やばすぎるだろ!」
「まあな。でも羽川さんもロック入りのデッキだしこれくらいしても問題ないだろ」
「問題ありますよ!」
やっぱりそうか。
半分煽りのつもりで言ったので、思いっきり刺さっている反応ありがとうございます。
ついでに驚きすぎてイチゴ頭への突っ込みを忘れている一条……。
「っと、俺はカードを2枚伏せてターンエンド。そしてこのタイミングで特殊召喚された天帝アイテールは手札に戻る」
「最初から絶望感があるッスね」
「特殊召喚を多用するデッキだと大体詰むよ」
「じゃあ、オレのデッキはキツくね?」
ほぼ全員に刺さると思うよ。
俺は内心で余裕を作りつつ、苦笑いを浮かべている羽川さんの動きを観察する。
「先手は取られましたがまだ動けます!」
「そうか、ならやってみてくれ」
「はい! 私のターン、ドロー!」
不利な状況でも諦めてない。
羽川さんの目を見ると光が灯っているので、この状況を打開するカードが手札にありそうだな。
「来ました! 私は速攻魔法、禁じられた聖杯を虚無魔人に向けて発動。これで攻撃力が400ポイント上がる代わりに効果を無効にします!」
「これで虚無魔人の厄介な効果が無くなったな!」
「はい! なので思いっきり回します!」
(こんな簡単に突破されるなんてな)
元の世界でも虚無魔人は出されたらキツいカード。
それなのに羽川さんは効果無効のカードで簡単に突破して来たので、ここは評価点だな。
「私は魔法カード竜の霊廟を発動。デッキから通常ドラゴンのラビードラゴンを墓地に送り、追加で巨神竜フェルグラントを墓地に送ります」
「そっちも回り始めた」
「ですです! 次に魔法カード、おろかな副葬を発動して魔法カードの巨神竜の遺跡を墓地に送ります」
巨神竜のデッキを相手する場合はディメンション・アトラクターやマクロコスモスみたいな除外するカードを入れたら終わる。
ただそれをすると羽川さんの実力が見れずに一方的なデュエルになるので、今回は却下した。
「さあ、次はどうする?」
「こうします! 私は手札のアークブレイブドラゴンを墓地に送り、巨神竜の遺跡を墓地から手札に戻します」
「やっぱりそう来るか!」
「ええ! さらに魔法カード、復活の福音を発動して墓地の巨神竜フェルグラントを蘇生します!」
巨神竜フェルグラント
ATK2800、レベル8
次々と回る盤面。
しかも巨神竜フェルグラントを蘇生されたのは少し不味いな。
「巨神竜フェルグラントの効果発動。純斗さんのフィールドにいる虚無魔人を除外します」
「悪いがそうはさせない。永続罠の帝王の溶撃を発動してアドバンス召喚したモンスター以外の効果は無効化される」
「やっぱり無効系の罠でしたか!」
そりゃ無限泡影しかりブレイクスルー・スキルのモンスター効果を無効にするカードは好きなので。
「純斗さんの癖が見えて来たッスね」
「そうだけど対策するのは難しいよ」
「うーん、オレなら突っ込むけどな」
「それはお前が無鉄砲なだけだ」
対策の一つとして無効にされる事を前提に動く。
これが出来れば個人的にデュエリストのレベルが上がると思うが、俺が言うのは違うと思い今はスルーする。
「仕方ないですね。私は巨神竜の遺跡を発動します」
「これで互いに墓地から特殊召喚されたモンスター以外の効果は無効になるんだよな」
「そうです。ただ純斗さんが使った帝王の溶撃があるのですでに妨害されてますよね」
「まあ、そうだな」
互いにモンスター効果が無効になる展開。
ただ抜け道もあるので、そこを見逃さずに回していきたいところだな。
「ここで私は魔法カード、スタンピング・クラッシュを発動」
「このタイミングでか!」
「もちろんです! それで私が破壊するのは帝王の溶撃です」
このタイミングで魔法・罠を破壊するカードを使ったのは、最初に使ってこなかったのは俺を油断させるためか?
「対抗策はない」
「では破壊します」
月原(純斗)、LP4000→3500
スタンピング・クラッシュの追加効果で500のダメージ。
元の世界の8000ライフならまだ良かったが、4000ライフだと少しキツく感じるな……。
「見た感じ花梨が押しているッスね」
「そうだけど純斗にはまだ伏せカードがあるよ」
「そのカード次第で変わりそうッス!」
確かに伏せカードは使えるカードだがキツいのは変わりないんだよな。
そう考えながら俺は対策を考えるのだった。
大きな修正点があったので修正しました。(2回目)
大体の投稿時間は何時頃がいいかを知りたいのでアンケートをやらせていただきます。(あくまで目安です)プラス、締め切りは1月26日の18時です。
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1番、12時頃
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2番、15時頃
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3番、16時頃
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4番、17時頃
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5番、18時頃
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6番、19時頃
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7番、20時頃
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8番、21時以降