ナンバーズ戦争に巻き込まれたのでOCGのガチデッキで対抗します!   作:黒霧春也

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 皆様、お久しぶりです!
 今回で決着をつけようと思いましたが、割とつかなかったので次に終われたらいいなと思った作者です……。


37話・幻影騎士団のテーマは耐えてからの一発逆転……。うん、割とシンプルな脳筋じゃね?

《ターン4、エンドフェイズ。プレイヤー、一条(イチゴ頭)〉

・プレイヤー、月原(純斗)

・LP850、手札0枚

《フィールド》

〈モンスター〉

・なし

〈魔法・罠〉

 ーー

・プレイヤー、一条(イチゴ頭)

・LP500、手札2枚

《フィールド》

〈モンスター〉

・ガガガガンマン、ATK1500〈X素材1〉

・No.55ゴゴゴゴライアス、ATK2400〈X素材1〉

・No.39希望皇ホープ、ATK2500〈X素材0〉

〈魔法・罠〉

・伏せカード2枚。

 

 現在の状況はこんな感じで、アドバイスは4ターン目に移行。

 満面の笑みを浮かべてるイチゴ頭へ女性陣の鋭い視線が向けられる。

 

「な、なあ、なんか女性陣に睨まれてない?」

『たぶんだが言いたい事がたくさんあるんだろう』

「ええ!? あの純斗を追い込んでるのに指摘なんてあるのかよ」

「「「あるに決まってる!」」」

「おおう……」

 

 女性陣から力強い一言が飛んできた。

 イチゴ頭は彼女達の言葉にビビったのか、勢いよく椅子の背もたれに背中をぶつけた。

 

 俺も言いたい事はあるが、今は彼女達に任せるか。

 傍観スタイルで腕を組んでると、美里さんが目を細めながら口を開いた。

 

「まずウチからッスけど、4ターン目の最初に召喚したゴゴゴジャイアントを霧剣で止められたらどうしたんすスか?」

「その場合は、えっと……ミストラルカモン!」

『このタイミングでわたしにぶん投げるな!?』

 

 ミストラルが見えてよかった。

 背後霊を目視出来ない女性陣が、冷たい視線をイチゴ頭にむけており、俺はホッとしながら成り行きを見守る。

 

「それでウチの質問に答えはあるッスか?」

「あ、その、このデュエルは教育も含めてるから純斗が初手から止めるとは思ってなかったんだよ!」

「ほーう? まあ、ツッコミたいッスが結果的に止めなかったからここは流すッス」

「『ホッ……』」

 

 なんでミストラルまでホッとしてるんだ?

 安堵したような表情を浮かべるイチゴ頭は、テーブルに置いてあるお茶を飲んだ。

 彼の隣で浮いてるミストラルは、一息吐いた後に口に手を置いて何かを考え始めた。

 

『しかし、純斗が見逃さなければわたし達は負けてたのか……』

「ん? なんか言ったか?」

『なんでもない。それよりもキミは女性陣の方を見た方がいいぞ』

「そ、そうだな……」

 

 仕切り直し。

 ミストラルの正論にイチゴ頭は頷き、視線を女性陣の方へ戻した。

 

「そろそろ話を戻してもいいかな?」

「もちろん! それで他に気になったところはあるか?」

「色々あるけど、純斗の盤面を返すために16枚のドローは反則すぎない?」

「あー、まあ、手札が良かったからな」

「「「「いやいや!? それで済む話じゃない!」」」」

「ええ!?」

 

 待って待って!? あのチートドロー数を運だけて片付けるのはやめて。

 OCGで16枚のドローするな、増速するGを使って相手が特殊召喚しまくるか、ごく一部の限られたデッキじゃないとかなり難しい。

 

 一条遊次ことイチゴ頭が成長途中の主人公なのがわかるな。

 高校入学して数日でデュエルの指導する事になるとは思わなかったが、結果オーライなのでそこは問題ない……が。

 俺&女性陣のツッコミを受けたイチゴ頭が、なんとも言えない表情で冷や汗を流し始めた。

 

「そんな驚く事なのかよ」

「おいまさか、お前は手札の大切さを知らないのか?」

「ま、まあ、手札があれば有利程度なのはわかるぜ」

「やべぇ、俺は今日1番頭が痛くなった」

「ウチもッス……」『「「同じく……」」』

 

 女性陣どころかミストラルさんまで頭を押さえてないか?

 コチラの呆れた反応を見たイチゴ頭は不思議そうに頭を傾けた。

 

 マジでどう説明すればいいんだ?

 遊戯王デュエルモンスターズどころかカードゲームの大半は手札が大切なのに、イチゴ頭にはイマイチ伝わってなさそう。

 色んな意味でポンコツなイチゴ頭に戸惑ってると、難しい顔をしていた羽川さんが言葉を発する。

 

「て、手札の大切さは置いといて、展開の方にいきましょう!」

「おう! それでオレの連続エクシーズ召喚はどうだった?」

「エクシーズを使うボクからすれば100点中80点は挙げられるよ」

「よしっ、だいぶ高得点だな!」

 

 結構高得点だな。

 意見が厳し目の夕陽さんにしては甘めの点数なので驚いてると、彼女は心底不機嫌そうに続きを話す。

 

「高得点なのは途中からで最初はエクシーズモンスターの効果を使った時だと20点もないよ」

「あー、なるほど……。この場合はイチゴ頭ではなくミストラルが高得点なんだな」

「ソユコト」

「ええ!? それはひどくねーか!」

 

 いやあの、手札を16枚補充したお前が何を言うか。

 アニメよりのぶっ壊れカードを使えるならともかく、コッチはOCGの乏しいドローソースで頑張ってるんだぞ。

 首元まで出かかった言葉を飲み込みながら、大きめの声で反論するイチゴ頭へトドメを指す。

 

「お前な……。あれだけ手札が補充できたのに勝負を決められないのは甘くないか?」

『確かに純斗の意見は一理ある』

「一理? こんな時になんで唐辛子の話をしてるんだ?」

「おいぃ、唐辛子は一理じゃなくて一味や七味だろ……」

「そういえばそうだった!」

 

 このボケ体質め。

 ミストラルも割とボケ体質でツッコミがいないと収集がつかない。

 持久走を走った後みたいな疲れを感じながら、俺はイチゴ頭から女性陣へ視線を向ける。

 

「夕陽さん達は他に何かあるか?」

「んー、後は純斗がしぶとく生き残ったところくらいだね」

「なるほど……」

 

 そこはあくまで保険をかけただけなんだけどな。

 夕陽さんの発言に美里さんと羽川さんが頷く中、イマイチ理解できてないのかイチゴ頭が不思議そうな表情で質問してきた。

 

「なんで女性陣は驚いてるんだ?」

「私的には純斗がエクシーズモンスター5体の攻撃を防ぎ切った事に驚いてるわ」

「あー……。てか、なんで防げたんだ?」

「ダークガントレットの件なら、嫌な予感がして保険をかけたんだよ」

「「「保険?」」」「なる」『ほう』

 

 やっぱりこの辺は説明した方がいいか。

 コチラの意図をつかめてそうなのは夕陽さんとミストラルで、イチゴ頭はともかく美里さんと羽川さんはつかめてなさそうだな。

 俺は若干頬をひきつらせながら、頭の中で言葉をまとめながら自分なりに伝えていく。

 

「今の遊次だけならともかく、ミストラルが参加すれば盤面がひっくり返りそうだと思ったんだよ」

「へぇー、じゃあ3ターン目にダークガントレットを落としたのは、ミストラルが参加する事をよんでたんスね」

「いや、そこまでは読んでなくてあくまで保険だ」

「なるほど……。ほんと純斗さんは守りが硬いッスね」

「まあなー」

 

 デュエルの基本は自分のライフが1でも残ってる状態で相手のライフをゼロにする。

 一部の特殊勝利やライフゼロでも生き残れる特殊なカードを除き、基本的に相手のライフを削れば勝ち。

 その事は現代OCGで経験してるので、俺はなんとも言えないむず痒い気持ちで苦笑いを続ける。

 

「……それで周りがあまり見えてないんスね」

「ん? なんか言ったか?」

「いや、なんでもないッス!」

 

 なんかつぶやかれたけど気のせいか?

 美里さんが気になる発言をする中、元の柔らかい視線に戻した夕陽さんが落ち着いた口調で話す。

 

「さてと、ボク達の指摘はこの辺にしとくからデュエルを続けてよ」

「お、おう。それはいいけど夕陽さんの膝の上にいるタキオンさんは大丈夫か?」

「主よ、やっと我に声をかけてくれたんじゃな……」

「なんかすまない」

 

 地味に目と声が死んでるタキオンさん。

 さっきまでのクールビューティな感じから、残念な美女にジョブチェンジしたような?

 

 ま、まあでも、今はデュエルが先だよな。

 一通り指摘が終わり、俺は気持ちを切り替えるようにデッキの上に手を置く。

 

「で、では、改めていくぞ」

「おう」

「俺のターン、ドロー!」

 

〈ターン5〉

 

 やってまいりました俺のターン。

 手札はゼロで引いたカードは……え、この罠カードがいま来るの?

 

 これってこのターンで勝負を決めないと負けるのでは?

 俺は冷や汗ダラダラで墓地を確認すると、なんとか勝ち筋が見えたのでホッとする。

 

「急に墓地を確認してるがどうした?」

「いや、勝利の方程式が揃ったと思ってな」

「『え?』」

 

 名台詞をパクらせていただきます。

 墓地にあるカードを確認した後、俺はぎこちない笑みを浮かべながらカードの効果を発動していく。

 

「俺は墓地に存在する幻影騎士団ダスティローブを除外して効果発動。デッキから幻影騎士団サイレントブーツを手札に加えて、さらに墓地の幻影騎士団ティアースケイルは自身の効果で蘇生!」

「おいおい、その展開ってさっきみたぞ!」

「ああ! 次に手札の幻影騎士団サイレントブーツは自身の効果で特殊召喚できる!」

 

 これでレベル3のモンスターが2体。

 俺はニヤリと頬を吊り上げながら、エクストラデッキから一枚のカードを取り出す。

 

「幻影騎士団は倒れない! 俺はレベル3の幻影騎士団モンスター2体でオーバレイ! エクシーズ召喚! 現れろ、ランク3! 幻影騎士団ブレイクソード!!」

「やっぱりそいつか!?」

「まあな! でだ、俺はブレイクソードの効果を発動してコイツ自身と左の伏せカードを破壊させてもらう!」

「ぐっ、ピンポイントガードが!」

 

 へえー、伏せカードはピンポイントガードか。

 今のタイミングでは使えないが、優秀なカードなので伏せるのはアリ。

 ミストラルが助言してる影響でデュエルタクティクスが上がってるし、ここは一気に勝負を決めないとな。

 

「そして破壊されたブレイクソードの効果で墓地のティアースケイルとサイレントブーツをレベル4で特殊召喚する」

『この展開は! 来るぞ遊次!』

「マジかよ!?」

 

 おお、遊戯王で有名なセリフが聞けるのはありがたい。

 声質はアストラルよりもナンバーズ96に近いミストラルさんは、神妙な面持ちでコチラを見続けてる。

 

「いくぞ! 俺はレベル4の闇属性モンスター2体でオーバレイ! 黒の帷を纏いし黒騎士よ、現世に現れ叛逆せよ! エクシーズ召喚!! 現れろ、ランク4!! レイダーズ・ナイト!!」

「ら、ランク4なのに攻撃力がブレイクソードと同じ2000なんスね」

「まあなー。でもコイツにはエクシーズの可能性が詰まってるんだよ」

「「「「へ?」」」」『エクシーズの可能性?』

 

 初見からすればわからないか。

 レイダーズナイトの攻撃力はブレイクソードと変わらないし、ステータス主義っぽい世界だと疑問符も浮かびそうだな。

 この世界の価値観はまだ分かり切ってないが、なんとなくで想定しながら話を進めていく。

 

「まあ、一言説明するなら脳筋は正義だな」

「それってドユコトなの!?」

「ははっ、それは今からわかる。俺はX素材を一つ取り除いてレイダーズ・ナイトの効果を発動。このカード上にランクが一つ高いか低いかのエクシーズモンスターをこのカードを素材にしてエクシーズ召喚できる!」

「……つ、つまりセイクリットプレアデスからトレミスへ変化するのと似た感じってこと?」

「おおまかに括ればそんな感じ」

 

 厳密には少し違うが上に乗せるは同じ。

 単体の幻影騎士団どっかのぶっ壊れ干支さん達ほどではないが、少しトリッキーな事もできる。

 なので俺は容赦なく、エクストラデッキから一枚のカードを取り出す。

 

「脅威に抗う鉄の意志で、暗雲を切り払え! 今、重なり合う魂に勝利を誓う!! エクシーズ召喚、 現れろ、ランク5!! アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン!!」

「なんか無駄にカッコつけな口上からすごいドラゴンが現れたッス!?」

 

 か、カッコつけ……グスン。

 美里さんから飛んできた一言に胸を刺された俺は、テーブルに突っ伏したかったがなんとか我慢する。

 

 アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン。

 ATK3000

 

 幻影騎士団の最終兵器の一体、アーク・リベリオン・エクシーズ・ドラゴン。

 俺はかっこいいと思っていたセリフを言えた事に満足しながら、目をキラキラとさせてるイチゴ頭の方へ視線を向けるのだった。

 




 活動報告でも書きましたが、PV100万を超えました!
 皆様、我が作品を読んでいただきありがとうございます!
 ーー
〈2月18日の修正・13時36分〉
・ガガガザムライが36話でリリースされたので修正しました。

大体の投稿時間は何時頃がいいかを知りたいのでアンケートをやらせていただきます。(あくまで目安です)プラス、締め切りは1月26日の18時です。

  • 1番、12時頃
  • 2番、15時頃
  • 3番、16時頃
  • 4番、17時頃
  • 5番、18時頃
  • 6番、19時頃
  • 7番、20時頃
  • 8番、21時以降
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