ナンバーズ戦争に巻き込まれたのでOCGのガチデッキで対抗します!   作:黒霧春也

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9話・二つ名が銀薔薇でテラナイト使い。うん、なんか厨二っぽい〈別視点〉

《ターン2》

 光坂(夕陽)。LP4000、手札5枚。

〈フィールド〉

・星因子ウヌク、ATK1800

・星騎士リュラ、ATK1200

〈魔法・罠〉

・なし

 

 夕陽の前には星を模様した鎧を着た女騎士が2体並んでおり、手札も5枚あるので余裕がある。

 

「通常召喚はされたからこれ以上の展開は難しいはず」

 

「いや? 普通に動けるよ」

 

「嘘だろ!?」

 

 通常召喚権を使っているので大型モンスターは現れにくい。

 加藤はそう思ってリラックスしていたが、夕陽に否定されて口を開けて驚いていた。

 

「マジかよ……。でもこれ以上どうやって展開していくんだ?」

 

「銀髪が召喚したモンスターはチューナーってわけじゃないわよね」

 

「見た感じは違うな」

 

 集まった野次馬はそれぞれの持論を口にしていると、メガネをかけたザ・ガリ勉みたいな風貌をした七三分けの少年が何かに気づいた。

 

「テラナイトってどこかで聞き覚えが……!」

 

「おいガリ勉、アイツのことを知っているのか?」

 

「ガリ勉呼びはやめてください! ってそれよりも加藤先輩が戦っている相手ってあの()()()では?」

 

「向こうの取り巻き女子の2人もそう言っていたけど銀薔薇って何?」

 

 銀薔薇の意味がわからない生徒達。

 その中で七三分けの少年は大きく口を開けながら続きの言葉を口にした。

 

「銀薔薇は去年の全国大会の中学生の部でベスト8に入った超実力派の二つ名ですよ!」

 

「はあぁ!? それってめっちゃ強いんじゃないのか!」

 

「もちろんです!」

 

 見た目通りのデータマンみたいな七三分けの少年の一言で野次馬は互いに顔を合わせた。

 彼らの表情は驚きや妬み、他にもいろんな表情が混ざっているようだ。

 

(ま、マジかよ……)

 

 野次馬の騒ぎようを耳にした加藤は今更ながら冷や汗を流し始めた。

 逆に夕陽の取り巻きである羽川と蒼山は嬉しそうにニヤッと頬を緩ませる。

 

「あの方々も気づいたみたいですね」

 

「意外と早かったッスね」

 

 本人の手柄ではないのに満足そうにドヤ顔を浮かべている2人。

 見た目は比較的整っており、様にはなっているがツッコミどころは多そうだ。

 

「とりあえずデュエルに戻るね」

 

「お、おう」

 

「改めてボクは速攻魔法・天架ける星因子を発動。デッキから星因子アルタイルを特殊召喚した後に星因子ウヌクをデッキに戻す」

 

「そんなことをして何になるんだ?」

 

 モンスターを変えただけ。

 少なくとも加藤からはそう見えたみたいだが、夕陽本人は思うところがあるのか少し不機嫌そうにデュエルを進めた。

 

「そんなの決まっている。ボクは特殊召喚された星因子アルタイルの効果発動。墓地に存在する星因子デネブを守備表示で特殊召喚。そして星因子デネブの効果でデッキから星因子ウヌクを手札に加える」

 

「な……!」

 

・星因子アルタイル、ATK1700

・星因子デネブ、ATK1500

 

 さっきからサーチを多用して手札を減らさない戦法。

 しかも翼が生えた白騎士と変わったリング付きの長剣を持つ女騎士。この2体が増え、夕陽のフィールドにはレベル4のモンスターが3体揃ったのでこれからやる召喚方法は……。

 

「レベルが同じモンスターが3体って、まさか!」

 

「そのまさかさ! ボクはレベル4のリュラ、アルタイル、デネブでオーバレイ!! 3体のモンスターでオーバレイネットワークを構築、エクシーズ召喚! 現れろ、ランク4! 星輝士トライヴェール!!」

 

 星輝士トライヴェール、ATK2100

 

 夕陽のフィールドに現れたのはビームサーベルっぽい片手剣➕ビームシールドっぽい三角形の盾を持つ白銀にピンクの飾りを出したような女騎士。

 その姿は美しいが、ステータス的にジャンク・ガードナーの方が上と知った加藤はホッとしたのか息を吐いた。

 

「エクシーズ召喚には驚いたけど、攻撃力2100のトライヴェールでは守備力2600のジャンク・ガードナーには勝てないよ」

 

「それはどうかな?」

 

「!」

 

 遊戯王ではお決まりのセリフ。

 その一言を耳にした加藤は目に見えるように動揺し、夕陽はニヤッと頬を少し吊り上げた。

 

「ボクはエクシーズ召喚に成功したトライヴェールの効果発動。自身以外のフィールドのカードを全て持ち主の手札に戻す」

 

「それって……」

 

「貴方のジャンク・ガードナーはエクストラデッキに、伏せカードは手札に戻るってことだよ」

 

「!?」

 

 トライヴェールが右手に持つビームサーベルを天高く突き上げ光らせた結果、本人以外のフィールドにあるカード全てが離れていく。

 その姿に加藤は固まっていたが、夕陽は真顔に戻り容赦なく次の手を打つ。

 

「さらにトライヴェールのX素材を一つ取り除いて効果発動。貴方の手札を1枚、ランダムで捨てさせる」

 

「くず鉄のかかしが!」

 

 防御札であるくず鉄のかかしが墓地に送られ加藤は硬直から焦りの表情を浮かべる。

 その姿に野次馬は先ほどと同じく驚いていた。

 

「これが全国ベスト8の実力か……」

 

「エクシーズモンスターってめっちゃ強いな」

 

「あの加藤さんが手も足も出てないですね」

 

「流石、銀薔薇の二つ名があるデュエリストだぜ」

 

 好き勝手に言っている野次馬。

 その言葉に夕陽の取り巻きである羽川と蒼山は自慢げに鼻を鳴らしており、もはや淑女のメッキが剥がれた状態になっている。

 

「やっぱり夕陽様はかっこいいです」

 

「ウチも同じことを思うッス! それに容赦がないところも良いッスよ!」

 

「それはそう!」

 

 残念少女感が強くなっているが、それはさておき。

 デュエルの方に戻ると加藤のフィールドはガラ空きなので、夕陽は容赦なく攻撃を仕掛けた。

 

「バトル! トライヴェールでダイレクトアタック!」

 

「ぐっ、ああ!?」

 

 星輝士トライヴェール、ATK2100

 ダイレクトアタック、2100。

 加藤LP4000→1900

 

 トライヴェールが放つ剣技を受けた加藤は後方に吹き飛んでいく。ただ受け身は取ったみたいでなんとか立ち上がりつつ顔を上げた。

 

「あの布陣をこうも簡単に突破されるなんてな」

 

「そりゃあの程度ならなんとかなるよ」

 

「そうかい! まあ、追撃はなさそうだね」

 

「それはそう。ボクはカードを2枚伏せてターンエンド」

 

 手札のカード2枚を伏せてターン2が終了。

 ここまでの展開的に夕陽の方が有利だが、加藤の目は死んでないのでまだ何かありそうだ。

 

〈余談〉

 

 イチゴみたいな髪型と色をした少年・一条遊次と青白い背後霊ことミストラル。

 この2人が急いで中庭に出るとデュエルが行われており、遊次は悔しそうに拳を握り締める。

 

「遅かったか!」

 

『……』

 

「うん? 不思議そうな顔をしてどうしたんだ?」

 

『いや、ナンバーズハンターが使っているモンスターは私達の時と違うぞ」

 

 2人がナンバーズハンターことNo.1(光坂夕陽)と戦った時はフォトンギャラクシーデッキで、プライベート用のデッキであるテラナイトではなかった。

 その事にミストラルが口に手を置いて考えていると、デュエル中のNo.1と目が合う。

 

「へえ、イチゴもこの学園にいたんだね」

 

「誰がイチゴだ! てかお前がここにいる理由はなんなんだよ!」

 

「別に、ここにいるのはプライベートでナンバーズは関係ないよ」

 

『なるほど……』

 

 No.1が使うモンスターが違う理由を理解したミストラルは一つ頷いているが、遊次の方はよくわかってないのか頭を傾けた。

 

「ぷ、プライベート?」

 

『つまり個人的な用事って事だ』

 

「お、おう」

 

 納得はできてないがそんな物とわかったのか遊次が目を丸める。

 そんな中、No.1(夕陽)の取り巻きである羽川と蒼山が、遊次の方を見て呆れるようにため息を吐く。

 

「夕陽様がここに来た理由はあのアホっぽい子と出会うため?」

 

「そ、そんなわけはないと思うッスよ」

 

 思い込みが激しい羽川に冷や汗を流す蒼山が突っ込むのだった。

 

大体の投稿時間は何時頃がいいかを知りたいのでアンケートをやらせていただきます。(あくまで目安です)プラス、締め切りは1月26日の18時です。

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