ポケモン蟲レジェンズアルセウス   作:放仮ご百物語

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どうも、放仮ごです。前回はひどい出来で申し訳なかった。思い付きでただラスボスとラウラを戦わせたいってだけだったので……今回から本気出す。楽しんでいただけると幸いです。


VSミカルゲ

 シンジュ団のノボリさんと出会ったとき、相方のクダリさんとも引き離され記憶まで失い手持ちまで失いヒスイの地に流されてきたと知って、俺は激怒した。

 必ず、かの邪知暴虐の邪神を除かなければならぬと決意した。俺にはBW以降がわからぬ。俺は、ただの蟲好きである。蟲ポケモンはかっこよくてかわいくて美しくて最高で最強なのだと愛を以て証明するためだけに戦ってきた蟲馬鹿である。けれどもことポケモンの知ってるキャラに対しては、人一倍に敏感であった。BW2でシロナが出てきたとき興奮しなかった奴いなかっただろ、それと一緒だ。

 

 

 正直すべてのポケモンに会えーとか理不尽すぎる、とか。まだ見ぬ蟲ポケモンいいながら思いっきり見たことある蟲ポケしかいないやら。文句はいくらでもある。あるが。

 

 

やってやる。倒してやるぞ。アルセウス。(五七五)

 

 

 ノボリさんの件だけでお前は敵認定だ。

 

 

 

 

 

 

 

 しかしまさかギンガ団に入ることになるとは思わなかった。プラズマ団には一時期いたことあるけど。アカギにそっくりなシマボシさんにはいまだに慣れん。濡れ衣を着せられてコトブキ村を追放された時は悲しい気持ちになるぐらいには親しみ感じちゃってたけど。その時のことはまたの機会に語るとしよう。

 

 

 

 

 

 時空の裂け目とやらを引き起こしていたパルキアとなんか見たことない姿をしていたディアルガをしばいたあと、この時代での友人の一人、なんかダイヤモンド・パールのラスボスのシロナにそっくりな男ウォロの提案で、アルセウスに所縁がありそうな……と言うか俺は所縁あることを知っている、プレートを探して伝説ポケモンを捕まえる日々を送った。あのレジギガスまで捕まえることになるとは思わんかったが、そのうち皆ちゃんとした場所に帰してやるつもりだ。蟲ポケモン以外を愛せるつもりはないからな。

 

 

「ディアルガ・パルキアの像と比べ遠く離れた場所に、壊されたまま置かれた像……なにを表しているか わかりますか…?」

 

「……ギラティナ、か」

 

 

 テンガン山カミナギ寺院跡の、足先部分しか残されてない像を指してウォロの尋ねてきた言葉に、その足と、前世の記憶から推理する。アルセウス、ディアルガ、パルキア。ここまで揃えばあと一匹がいないことはおかしい。はんこつポケモン、ギラティナ。ムカデを思わせるフォルムから結構気に入ってる伝説ポケモンだ。ちなみにタイプはドラゴン・ゴースト。なんでだ公式。

 

 

「ほう?さすがはディアルガ・パルキアに打ち勝った最強のポケモン使い!よくご存じで。その通り、壊され朽ちた像はディアルガ・パルキアと同格にして追放されたというポケモン、ギラティナを模したもの!暴れ者ゆえ、世界の裏側に潜んでいましたが、いつかアルセウスに牙をむこうとした存在のようです」

 

「お前こそ、よく知ってるな?」

 

「あなたこそ。まるで神の視点でも持っているかのごとき知識。ジブン、感服してしまいます」

 

「それは言い過ぎだ」

 

 

 ウォロと笑い合う。こいつは話し上手でなんとなしに馬が合う。まあ俺の知識はずるみたいなもんなんだが。

 

 

「さて。もしギラティナなるポケモンが アルセウスに挑むとしたら どこに姿をみせるでしょうか!?」

 

「テンガン山のやりのはしr……いやシンオウ神殿、だろうな」

 

「そうです!最も天に近い場所!そして時空の裂け目が生じた場所です!……フフフ!……ハハハハ!」

 

「どうした、ウォロ」

 

 

 突然笑い出したウォロに、むしのしらせのような警鐘が脳裏に響く。咄嗟にこの時代ならではの木製モンスターボールを後ろ手に構えると、ウォロは目をキラキラと輝かせて俺を見てきた。

 

 

「いやあ申し訳ない!世界の秘密に近づいているのでは?という高揚がジブンを饒舌にします。ジブン、幼きころよりつらいことや悲しいことがあるとなぜこんな目にあうのかとひたすら考えたものです」

 

「……ポケモンがいたなら、そんなことがあっても大丈夫だろう。寄り添ってくれるはずだ」

 

「貴方のいた世界ではそうだったのですね。ジブンにはそれがなかった。ならばとジブンは自らの好奇心、向上心に忠実であることを選びました!強く興味をひかれたのは神話、歴史、遺跡などです!なぜならそれらを調べることで世界の成り立ちがわかれば、よりよい理想の世界の創造も可能では?といったことを夢想しましてね」

 

「理想の世界か……蟲ポケモンだらけの世界とか素晴らしいな」

 

「そうでしょうとも!ラウラさんならそう言ってくれると……」

 

「だけどそれは、他人に迷惑が掛からない範囲でだ。自分の好きを押し付けるのは勝手だが、他人の迷惑になったらだめだ。自分の好きなものを理解してもらうように頑張るべきだ。そうすれば、いつか理想の世界は叶うだろう」

 

 

 ウォロの言葉に、思わず反論する。世界…いや新宇宙創造は未来のギンガ団のアカギもやらかそうとしてたが、あれは心のない世界という確実に破綻しうるものだった。誰にも理解されることがないから強行しようとし、失敗した。同じことをしようとすればただの悪だ。もう少しやり方はあったはずなんだ。リッシ湖爆破とかいう大惨事を引き起こさなくても、な。

 

 

「そうですか……そうですね。さて世界の裏側がみつかれば……荒ぶる神の子と出会えれば……シンオウさまのことも、なにかわかるやもしれませんね!さあ今一度テンガン山のシンオウ神殿に向かうとしましょう! ディアルガ・パルキアが裂け目より現れたことにより、なにか最後のプレートに関するものも出現しているかもしれません!」

 

「そうだな。ヒスイ地方を駆け回って見つからないんだ。そこにないなら嘘だろ」

 

 

 意気揚々と駆けていくウォロをよそに、モンスターボール六個を取り出す。もしギラティナと戦うなら、決死の戦いになるだろう。俺は無理矢理愛する蟲ポケモンたちを戦わせる気はない。

 

 

「…ココロネ。アゲハ。バサタロウ。パラササ。スコピ。ヌメリン」

 

 

 最初に出会ったコロボーシが進化したコロトック。アゲハント。バサギリ。パラセクト。ドラピオン。ヒスイのすがたのヌメルゴン(オヤブン)。これが今の俺のパーティーだ。バサタロウとスコピは転移される前に持ってた手持ちと一緒だが、頼りにしていた二体だったから新しく育てた。ヌメルゴンはカタツムリは蟲かどうかという議論が頭の中で繰り広げられたが、定義では蟲だからよし!という結論にいたって採用した。エムリットだかユクシーだったかに会いに行ったときに門番として立ちふさがったこいつに一目ぼれしてしまったんだからしゃーない。

 

 

「戦いたくないなら、逃げてもいいんだぞ」

 

 

 俺の言葉に首を傾げるこの地での相棒たち。心配は無用か。ああ、元の時代に戻れるときはお前らも連れてってやりたいなあ。

 

 

「…このむしのしらせが現実にならないといいんだがな」

 

 

 鳴りやまない脳内の警鐘に顔をしかめつつ、みんなをボールに戻した俺は登山を再開した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ディアルガとの戦いで半壊したシンオウ神殿まで辿り着くと、ヒスイ地方を一望できる広場でウォロは背を向けて待っていた。

 

 

「神殿も壊れ……まるで槍の柱ですね。そう、あなたが先ほど言いかけたフレーズ!気に入りましたよ!この場所はのちにそう呼ばれるのですかね?素晴らしいです!さて本題のギラティナですが、どうやらいないようです……」

 

「やけにテンション高いな」

 

「ンン、どうかしましたか?いや 失礼!どうかしているのは、ワタクシですね!」

 

 

 一人称が変わった。むしのしらせはこれか。シロナさんみたいな見た目で理由もなく信用してしまっていたが……そういうことか。

 

 

「ワタクシ、ウォロの本当の目的をお話しすべきですか。ワタクシはアルセウスの存在を確信したときから、どうすればアルセウスに会えるのか!それだけを考えておりました。

 

―――アルセウスに挑もうとしたギラティナを探しだし、時空の裂け目を開けさせたのもその一つ」

 

 

 そうか、こいつか。こいつが、一連の事件の真犯人……組織でもなく、ただの一個人でここまでやるとはな……!

 

 

「全なる神の欠片をアナタに集めさせるのも、その一つ!神の欠片たるプレートは18枚……アナタが持っているのは17枚。では、あと1枚は……?ここに在る!」

 

 

 そう言って懐から紫色のプレート……もののけプレートを取り出して見せつけ、服に手をかけると帽子と共に脱ぎ捨て、異様な姿に変わる。アルセウスを模した髪型に結い上げた金髪と、白を基調としたやはりアルセウスを模したかのような衣装を身に纏った姿。まるでそれは、推し活する厄介オタクのそれだった。

 

 

「さあ、集めたプレートをよこしなさい!ワタクシがすべてのプレートを揃えます!ワタクシは、アルセウスに会いたいという好奇心を抑えることなどできない!アルセウスと会うことができ、さらには従えることができたならば!よりよい世界を創造できるか試す!もっとも、世界をあらためて創造するならヒスイ地方は一瞬にして無となる!アナタも、アナタの知る人やポケモンも、存在しなかったことになるでしょう!」

 

 

 それが目的か。まんまとこいつにはめられたわけだ。しかもシロナみたいなやつがアカギみたいなことをやらかすとは……最悪だな。

 

 

「先ほど言いましたね。他人に迷惑をかけてはならないと。知ったことか!虫唾が走る!なぜ、あんな屑どものことを顧みなければならない!?世界が消えるのを止めるなら、ワタクシと戦え!蟲使いのラウラ!もっとも アナタにその気がなくても プレートを奪うため挑みますがね!」

 

 

▼ポケモンつかいの ウォロが 勝負を しかけてきた!

 

 

「友人だと思ってたのは俺だけだったってわけか……バサタロウ!」

 

「というわりには殺意MAXじゃないですか。ワタクシは好きですよ、あなたのそういう残酷なところ。それ以外については…反吐が出ると思ってますがね。」

 

 

 ウォロが繰り出してきたのはミカルゲ。俺はバサタロウ。全力で行かせてもらう。

 

 

「ジャッ……バサタロウ!早業!がんせきアックス!」

 

「貴方の戦いをどれだけ傍で見守ってきたと思ってる!初手にそれをすることなんて、“おみおとおし”だ!力業です!じんつうりきでお返しなさい!」

 

 

 がんせきアックス。本来は尖った岩が食い込みスリップダメージを与えるという追加効果があるが、俺はこれをもとの時代のやり方で使っている。すなわちステルスロックをばら撒く、これで対人戦は有利に事を進めてきた。それに加えてさらに早業で先手を取る戦法。だがそれを、ウォロは知っている。ばら撒いたステルスロックを力業で強化されたじんつうりきで纏められ、岩石にしてぶつけてきた。エスパータイプでもないのに厄介な……!

 

 

「早業!さいみんじゅつ!」

 

「力業!つるぎのまい!」

 

 

 間髪入れず放たれるさいみんじゅつを、力業で強化したつるぎのまいで防御しつつ攻撃力を上げる。一撃で落とす!

 

 

「そこだ!シザークロス!」

 

「早業。あくのはどう!」

 

 

 決めるつもりで放ったシザークロスを、あくのはどうで“ひるまされて”防がれたことに舌打ちする。この時代での「はどう」は必中の技でしかない。怯ませるのは俺の時代でのものだ。

 

 

「俺が教えたことを吸収しやがって……!」

 

「貴方の知識!私の知らないものばかりでしたよ、本当に興味深かった!お返しに、完膚なきまでに!蟲の無力さを知らしめて差し上げますよ!力業!シャドーボール!」

 

「つばめがえし」

 

 

 スパーンと、放たれたシャドーボールを真っ二つにしてバサタロウと共にウォロとミカルゲを睨みつける。

 

 

「蟲が……なんだって?」

 

「っ……ミカルゲの最高火力を切り捨てるなど、ふざけてますね……」

 

「知らしめてみろよ。本当に、無力かどうかをな!」

 

 

 決めた。アルセウスの前にこいつボコる。グルグル巻きにして蟲ポケモンがいかに素晴らしいか改めて語り尽くしてやる。




・ラウラ
ヒスイヌメルゴンを蟲認定した蟲狂い。ノボリの件でアルセウスはぶん殴ると決めた。蟲を馬鹿にされたのでウォロも倒すと決めたシンプルな頭をしている。一応この話の前作でもあるスカーレットでは早業力業を現代で再現するなど、バトルセンスは本物。

・ウォロ
アルセウス狂信者。さんざん蟲の話を聞かされてそろそろ我慢できなかった人。レジェンズのバトルシステムもあってみんなのトラウマってぐらい強い。未来でギンガ団がやらかしたことを一人でやってるやべー奴。

・アルセウス
その狂信者止めてもらわないと困るんですが、そんな蟲で本当に勝てるとでも思っているのか……?(汗)
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