俺は、目の前の光景に絶望していた。
「……なぁ、少し聞いても良いか?」
「何だ?」
「俺達はさ、飯を食いに来たんだよな?」
「そうだな。ちょうど腹が減ってて、近くの飯屋で飯にしようぜって話だったからな」
「そんでもって俺がトイレ行ってる間にお前に注文を任せたよな」
「そうだな。俺が目に留まった料理を注文したからな」
「だったらよぉ………」
『それでは、グランドスペシャルプレート大食いチャレンジ!制限時間は25分!スタートです!!』
「何をどうしたら俺達が大食いチャレンジする事になってんだよ!?」
「ゴメーン☆好奇心に勝てなかったんだ!」
マジでふざけんなよ、ぶっ飛ばしてやろうか!?
そう、目の前の友人の手によって作られた地獄のような光景に絶望していたのだ。
目の前のテーブルには、これでもかと言わんばかりにハンバーグや海老フライ、トマトパスタにオムライスなど、
お子様ランチをそのまま山盛りにして一つにまとめたような料理がドカンと鎮座していた。
「お前マジで蹴り飛ばす………!」
「だ、大丈夫だって!頼んだのは一つだけだし、2人で食えば余裕だって!」
「そんな言い訳が許されると思うなよ?」
「分かってるよ俺もちゃんと食うから!!」
「マジで絶対許さねぇ!!」
ヤケクソになりながらも、とりあえず食事を始めた。
食べながら説明を聞いたが、制限時間は25分、目の前の料理の量はなんと3.3kgとの事。
食い切らなければ5000円を支払う事になるそうだ。
俺達に死ねと申すか?
そんな事を考えてからおおよそ3分が経過した頃、徐に友人の口が開いた。
「ごめん、ちょっと良い?」
「ん、どうした?水がいるか?」
「いや、そうじゃないの……」
「は?………ちょっと待て!お前まさか!?」
最悪の予感がしたので、思わず聞いてしまった。
「ごめん、マジでギブアップ」
「お前さああああああああああ!!!!!」
そして………
『残り時間5分です!!』
「クソッタレもう食い切れねぇ………!」
「頑張れ♡頑張れ♡」
「マジで今話しかけんなっていうかお前も食うんだよ!!」
残り時間が5分に差し掛かったものの、食べきれたのはおおよそ半分。
しかも、友人に関しては食わずに応援する始末。
もしこの瞬間だけ殺人が合法になるならすぐにでもコイツをブチ殺したい。
(クッソ!無理矢理に押し付けようとしても胃が拒否してリバースしちまう………!)
何か、何か打開策は無いのか………!?
そう考えていた時だった。
「キャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」
「!?」
女性の悲鳴が聞こえた。
しかも、ここからそう遠くはない距離だ。
すぐさま俺はバッグを背負って店を出ようと走り出した。
しかし、レジの前の所で店員に止められた。
「あ、お客様!チャレンジの方は!?」
「リタイアだ!代金はお支払いする!!」
俺は財布に入れていた5000円札をレジに叩きつけ、大急ぎで店を出たのだった。
「「えぇ………?」」
そして、友人と店員は呆然としながら出入り口を見つめるのだった。
数分後………
「悲鳴が出たのはこの辺りか………?」
あれから周辺を走り回り、悲鳴が聞こえた場所へと辿り着いた。
しかし周囲を見ても、人影らしき姿は何処にも見当たらなかった。
(一体どうなってるんだ?確かに聞こえたはずだけど………)
俺の気のせいだったか………?
そう考えていると、何処からか物音が聞こえる。
ザブザブ…………
「ん、何の音だ…………?」
ザブザブザブ………!
「これは、波の音……なのか?」
ザブザブザブザブ……!!
「いや違う!これは波の音じゃない!!」
ザブザブザブザブザブ!!!!!
「泳いでる音!何かが泳いでこっちに近付いているのか!?」
(おかしいぞ!?ここは海から大きくかけ離れている陸地だ!魚なんかがいるような場所じゃない!!)
そう混乱していると、俺の背後から巨大な何かが食らいつこうとして来た。
『ガアアアアアアアアアアアア!!!!!!』
「うおおおおお危ねぇぇぇぇぇ!?」
「何だ今の!?………へ?」
間一髪の所で回避出来たが、
ふと周りを見てると、俺は衝撃的な光景を前に動きが止まってしまった。
そこにあったのは………、
「人の、死体………!?」
そう、人の死体と思われる物体が、地面に放逐されていたのだ。
しかもよく見てみると、所々四肢の一部が欠損しているように見える。
考えたくもないが、さっきの何かがこの人を何かしらの形で殺害したと思われる。
「嘘、だろ………!?」
なぜ今まで見えていなかったのか?
なぜ気づきもしなかったのか?
様々な『何故?』が浮かんできたが、まず優先するべきは………!
「この事態を引き起こした奴をぶっ飛ばす事だ!!」
そう自分に発破をかけ、バッグからデザイアドライバーを取り出しセットする。
『DESIRE DRIVER』
次に、ドライバーと一緒に取り出したバックルをドライバーにセットする。
『SET』
「ふぅ………よし!」
呼吸を調え、胸に当てた手を握り締め、戦士へと変わる言葉を叫ぶ。
「変身!!」
そして、ドライバーにセットしたバックルのスイッチを押した。
『GREAT!』
ドライバーのシステムが起動し、スーツが形成される。
その後、飛来してきたレイジングソードを掴み、戦闘を開始する。
「さぁて、初陣と行きますか!!」
『READY FIGHT』
いかがだったでしょうか?
それでは第三話で( ´ ▽ ` )ノシ