今日は何やら非常にご機嫌なコハルに呼ばれて彼女の部屋に遊びに来ております。
何でも、尊敬している人が出ている動画がアップロードされるとかで、業務中も「ダメ!ポイ捨てなんてしたら皆の過ごす場所が汚くなっちゃう!」と注意をした後に、しきりにスマートフォンを確認してソワソワしておりました。
何人目かの生徒を注意した後でスマートフォンを見たコハルが勢いよく跳び上がり、羽根をパタパタさせながら頬に服の裾を当てて「キャー」と小声で喜んでいたのが非常に可愛らしかったです。
激務の中での小さな癒し、それを心待ちにする気分は私にも分かります。
先日も行きつけのカフェで新作のスイーツが発売され、少し食べ過ぎてしまいカフェの従業員の方におひとり様の個数に制限は設けておりませんが現在お頼みいただいている十個までで平にご容赦をと謝られてしまいました。
確かにコハルは体も小さく、未だに戦闘技術も未熟ですが、その身体に宿る精神は正義実現委員会に相応しい物を備えております。
そんな彼女が尊敬する人物、さぞ立派な方に違いありません。
今日はエミヤさんの独占取材がアップロードされる!された!
先日、SRT特殊学園の閉鎖に対する危険性を説いて、連邦生徒会を巻き込んだ悪徳企業の計画をご破算させたとネットニュースで見た時は本当に驚いた。
多くの人は知らないけれど、クロノスのホームページにある隠しリンク、『シノンの個人撮影』というページにアップロードされていたエミヤさんの戦闘風景は誰が見ても美しいと評する絶技で溢れていた。
剣の舞一つをとってもどれ程の修練を積んでいるのか分からない程、投擲による攻撃の正確性、ドローンを破壊する順番や破壊による二次被害により巻き込んで敵を倒す戦術眼、どれも素晴らしく無駄のない動きで、私も真似してみようかと短刀を購入したけれど、全く真似する事が出来ずその頂きの高さを知るばかりだった。
以前、私の無知からエミヤさんにお耳は孕まない事を教えて貰ったけれど、それ以来、エミヤさんを見るとついついエッチな人に見えてしまって頭がわーーーってなっちゃう。
本当は心の底から尊敬しているのに、どうして素直になれないんだろう。
でも今日はそんなエミヤさんの独占取材、一体どんな質問と答えが聞けるのか私は楽しみで仕方がない!
ハスミ先輩にも来てもらって、二人で一緒にイヤホンでの視聴をオススメと書いてあったのでBluetoothのハブを購入してイヤホンを登録し、それぞれがイヤホンで聞けるように準備は完了。
クロノスのチャンネルを覗けばアップロード済みの動画があったので、私達は早速再生した。
そこに映ったエミヤさんはあの日と同じ格好いいスーツを着ていて、黒と赤のコントラストが思わず私達正義実現委員会の物にも思えてついつい嬉しさで頬が緩んでしまった。ハスミ先輩もキリッとしたエミヤさんの容姿に思わず声を漏らしていて、尊敬している人が尊敬している人に認められる不思議な嬉しさを私は感じていた。
なんと凛々しい方でしょうか……この眼、見ているだけで毒になる程の鋭さを持っている。
……なんか獣耳付け始めた。
ちょ、ちょっと恥ずかしそうにされていますね、可愛らしい……。
おや、この質問は我がトリニティのシスターフッドの者でしょうか?
あぁ……耳が動いてしまうのは私も気合が入ったり怒りで我を失う程になると羽根が広がるので他人事とは思えない悩みですね、コハルも恥ずかしいと頭羽根で目元を隠す癖があります。
……なんというお答えでしょうか、コハルが尊敬しているのも納得です。この方の人生経験の豊富さは私達一生徒など及びもつかない程でしょう。この方と直接お話をしたコハルが羨ましい程です。
「とても、深い考えをお持ちな方ですね」
「はいっ!」
私が褒めたのは彼だというのに、まるで我が事の様に喜んでいます。
愛らしい……。
この純粋さを他の生徒達も欠片だけでも持ってくれればどれ程素敵な学園になる事やら……。
えへへ、ハスミ先輩がエミヤさんの事褒めてる……。
なんでだろう?なんだか凄く嬉しい!
頬っぺたが緩まない様に手で持ち上げなきゃ。
次の質問は、た、タイプ!?女性の!?
美味しく食べる子が好き……私はそんなに食べる方じゃないけど、いっぱい食べないと強くなれないって色んな本に書いてあったし、だからハスミ先輩は強いんだろうなぁ。
それにハスミ先輩とカフェに行ったとき、すっごく美味しそうにスイーツを食べていたし、エミヤさんはハスミ先輩は意外とタイプだったりするのかな……?
……?
あれ?
うぅ、なんだかモヤっとした。
思わず後ろを見てみると、なんだかハスミ先輩の顔が赤くなってる……。
「成程そういった見方をされる方もいるのですね……誰かと幸せを共有する。素敵な考え方です」
凄く頷いてる。
あれ、もしかしてコレってハスミ先輩がエミヤさんの事をアリとか、その、恋愛的な目で見る様になっちゃう可能性もあるのかな?
……うぅぅ!なんだかモヤっとする。
エミヤさん……なんと素敵な考えをお持ちな方なのでしょうか。
成程、食事とはソレ即ち幸せにつながる事、食事を制限しようとしていた自分が愚かに感じます。
きっと、私が食事を美味しそうに食べる事で笑顔になる方もいらっしゃる。
そう考えれば私がいっぱい食べるのは誰かの助けになっている筈ですね。
決していっぱいスイーツを食べる体の良い言い訳が見つかったことを喜んでいる訳ではございませんが、実にタメになるお話が多く聞けて素晴らしい時間です。
おや、今度は好きな動物。
獅子……ですか。
そういえばコハルは驚いたり警戒を厳にした際に、時折猫の様に威嚇する事がありますし……。
あら……?
コハルの頭羽根が広がって、たてがみの様な形に……。
ま、まさか、エミヤさんの好きな動物と聞いて少しでも獅子の様な形に持っていこうと……?
今度は自分の爪を、いえ、あれは手を少し丸めているけれど閉じずに……獅子の手を真似ている?
どうしましょう。
私はコハルが時折あの眼になった時は「(もうちょっと黒目が大きければ何処かの漫画のご家庭のお父様そっくりですね)」と思っておりましたが、コハルの方から猫科に寄せられるとソレにしか見えなくなってきて……あ、危ないですね、私のくしゃみが「へーちょ」になる所でした。
「は、ハスミ先輩」
「どうしましたか?」
「ライオン!……みたいですか?ってアレ私何を聞いてるんだろうあわわ恥ずかしいやっぱり何でも無いです忘れて下さい本当に何でもないんです私なんて子猫が良い所です子猫としてにゃんにゃ……今のにゃんにゃんも忘れて下さい」
「かっっっっっっわよ(ふふ、大丈夫ですよコハル、貴方は立派です)」
ハスミ先輩がいきなり血を口から滲ませて親指を立てて動かなくなっちゃった。
あ!こ、これ私の質問!
ふんふん……えへへ、また教えてくれるんだ。
ひっ!?
は、ハスミ先輩に肩を掴まれて……!?
「コハル……?」
す、すごい顔でこっちを見て来てる。
どうしたんだろう?何か変な事でもあったかな?
エミヤさんは私にえっちなのが何かを教えてくれて、それを今度は依頼してくれればじっくりと教えてくれるって言っただけだし。
「エミヤさんは、貴女に……え、エッチな事を教えたのですか?」
なんだかそうやって聞かれると恥ずかしくて、思わず顔を隠して目を逸らして、
「は、はい……」
そうやって答えるので精いっぱいだった。
口元をもごもごさせているハスミ先輩は加えて何かを聞きたそうにしているけれど、どうしても次の言葉を言うのが恥ずかしいみたいで、私は必死に何を聞きたいのか考えを巡らせる。
「その……不快感などは無かったですか?」
不快感……えっと、不快だから、快感だったかそうじゃないか……?
気持ちが良いか気持ち良くないか!?
も、もしかしてあの時、私の頭羽根を触られた事まで知ってる!?
な、なんで!?
でも、は、ハスミ先輩に嘘を吐くわけにはいかないし、だけど恥ずかしいよぉ……。
「えっと……気持ち、良かったです……」
「!? そう、ですか」
私の思っていた以上にコハルは大人でした。
ああ、私なんて体が大きいばかりで恋愛経験はコハルよりも無い、先輩として恥じるばかりです。
――――!?
と、突然、レポーターの方がベッドに……これは、エミヤさんの声がより深く耳の奥に……!
いけません、忙しさはともかくとして日頃のストレスの所為で睡眠不足の今、この様な優しい声を聴いてしまっては……!
こ、コハルの部屋だというのに、眠気が……コハルはもう寝てる!?早くないですか!?まだこのパート始まったばかりですよ!?
自然と椅子から落ちそうになっていたので、膝枕の体勢でコハルを支えてあげます。
あぁもう指までしゃぶって……これでは赤子ではありませんか。
……コハルが、赤子ですか。
私の指を口元に近づけてみると、ふふ、ぱくっと咥えてくれましたね。
ちゅーちゅーしてもソレはお乳ではありませんよコハル。
……♡
!?
いけません!私は今、一体何を……!?
エミヤさんの音声の所為か、どうにも邪な考えが増長している気がします。
これは、恐ろしい……。
いつか私がエミヤさんと出会う時があれば、注意しなくてはいけませんね。
油断すれば、私まで赤子にされてしまうかもしれません。
心新たに、尊敬こそすれど決して堕とされない覚悟を胸にハスミはコハルは守り抜くと心に誓うのであった。
多分大筋合ってると思うんだけどミレニアムの第3章書いてもいい?
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いいよ
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だめだよ
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やってみろ
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エロ書け