ダンジョンセトラーズ   作:高橋五鹿

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第18話 樹木兵

 宿に入ると、何人かの酔客と店主しか居なかった。

 夜も遅いのでアニーは寝ているのだろう。

 グルイーザも今日は疲れているはずだ。

 

「こんな時間に珍しいね、モリア君。グルイーザ君なら、もう部屋に戻ってしまったよ」

「ですよね。なら――」

 

 明日また来ます、と言いかけて。

 グルイーザとの別れ際に言われたことを思い出す。

 

「部屋、空いてますか?」

「ひと部屋しか埋まってないよ」

 

 親父さんはそう言って苦笑した。

 

 夕食後、鍵を受け取ると店の奥に入り階段を上る。

 泊まるのは二度目なので迷うこともない。

 いつものように宿舎に戻ったら、いつものように独断専行で動いてしまいそうな予感がした。

 レミーは良くも悪くも器が大きい男なので、モリアの行動にあまり口を挟まないからだ。

 

 前回泊まったときと同じ部屋に入り、すぐに眠りについた。

 

 

 

 

 樹木の形をした怪物が(うごめ)いている。

 

 おとぎ話や詩人の物語、あるいは迷宮を探索する冒険者たちの武勇伝に出てくるような、動く樹の怪物――『樹人』と呼ばれる魔物に酷似したそれが、根を足のように動かして移動しているのだ。

 

 この怪物は『樹人』ではない。

 これの正体はかつての同居人――無名ではあるが、恐らく王国でも十指に数えられるであろう大魔法使い、セルピナの操る『樹木兵』だ。

 

 ――夢か。

 

 モリアはこれが夢の中だということを、ぼんやりと知覚していた。

 セルピナの事を考えていたから、彼女との模擬戦のことを思い出したのだろう。

 街の南側の森、狩人たちも訪れないような奥地でそれはおこなわれていた。

 

 十指に数えられる魔法使いというのは適当だ。

 グリフォン()(アイ)以外は該当者を知らない。

 セルピナ以外の孤児院の兄弟や、院長のラゼルフも、もしかしたらその中に入るかもしれない。

 最近知り合った黄金の髪の少女も、候補のひとりだろう。

 いや、いずれも少し大げさか。

 王都や迷宮都市を差し置いて、北の辺境にそんな優秀な人材が集中しているはずもない。

 

 樹木兵から伸ばされた枝がモリアに向かって振り下ろされたため、そこで思考は中断された。

 

 飛び退いて樹の枝を大きく避ける。

 これが人間の振るう剣であれば最小限の動きで避けるだけだが、樹木兵の振るう腕だとそうはいかない。

 叩きつけられた地面は爆ぜ、周囲のものを巻き込んでいく。

 太い枝から分かれた無数の細かい枝とて侮れない。

 この速度で振るわれれば、人間の皮膚など容易く切り裂くだろう。

 

 樹木兵はもう一体居た。

 モリア目掛けて、今度は横薙ぎに枝が振るわれる。

 垂直に跳んで躱す。

 その枝は、最初の一体が振り下ろした枝に命中した。

 

 動きが止まった枝に跳び乗る。

 一見無謀な行動にも見えるが、モリアは度重なる模擬戦の経験によって樹木兵の動きや癖を熟知している。

 敵を振り落とそうと動く枝の動きにも体重移動で柔軟に対応し、その上を駆ける。

 速いのは枝の先端だけだ。樹の幹に近付くほど動きは緩慢になる。

 

 枝の上を移動し幹を通り過ぎ、更に反対側の枝の先端に向かって駆ける。

 枝は先端に向かうほど動きの激しさを増し、振り落とされる前に自分から跳び降りた。

 すかさずモリア目掛けて背後から振るわれる枝を、振り返らずに躱す。

 

 そのまま前方に駆け抜け、樹木兵を抜き去った。

 術者であるセルピナとの距離は五十メートル。

 

 セルピナは咄嗟に頭部を腕でかばった。

 胴体にはローブの上から安物の革鎧(レザーアーマー)を着込んでいる。

 投石の衝撃をいくらかは和らげることが可能だ。

 それでも命中すればタダでは済まないだろう。

 痛みで動けなくなるかもしれないし、折れた骨が内蔵に突き刺さるかもしれない。

 モリアが走り、セルピナとの距離は三十メートルになった。

 

 そこでセルピナは降参した。

 

 中距離戦闘用の強力な魔法もあるにはあるのだが。

 それをモリアに当てるまでに、飛礫(つぶて)の一発や二発は受けてしまうだろう。

 その時点で、即死を免れたとしても戦闘不能に追い込まれてしまう。

 セルピナからすれば、モリアは相性の悪い相手だった。

 

 モリアは改めてセルピナの姿を見る。

 

 高い身長。長い黒髪。

 前髪の隙間から覗く視線はどこか(はかな)げで弱々しい。

 兄弟たちの中では珍しいタイプだった。

 

 セルピナはラゼルフの研究を否定はしなかったものの、同時に不安も抱いていたようだ。

 旅立つ前に、彼女はモリアにこう言った。

 

『モリア。もし私の心が樹海に飲まれてしまったなら、そのときは――』

 

 ――そんな言葉、セルピナは言っていただろうか?

 

 ラゼルフたちが行方不明となる前。

 樹海の正体が北の迷宮であったことなど、誰も知らなかったのだ。

 心が樹海に飲まれる、などという表現を使うはずもない。

 今の自分の記憶が混ざった夢なのだろうと、モリアは考える。

 

 夢の中のセルピナに、言葉を伝える。

 これはかつての自分が、間違いなく彼女に送った言葉だ。

 

『――そのときは、僕がきっと()()()()()よ』

 

 そこで場面は途切れた。

 

 

 

 

 目覚めてから少しして、ここがアニーの宿の二階であることを思い出す。

 一階に下りると、大あくびをしているアニーに遭遇した。

 

「ふあ……あふ? モリア、泊まってたんだ?」

「おはよう、アニー」

 

 アニーに挨拶をし、店主から白湯を受け取り飲んでいると店の扉がひらいた。

 見るまでもなく、入ってきた者がレミーということは分かる。

 

「モリア、ここに居たか」

「これからはこっちに泊まろうと思ってね。レミーもどう?」

「考えておく」

 

 反乱鎮圧に加わった黒鉄札にも結構な報奨金が支払われる。

 他の者は借金などと相殺かもしれないが、レミーにその心配はない。

 宿代くらい、どうということはないだろう。

 

 それに、レミーほどの人物が大部屋暮らしというのもどうなのか。

 異民族であるが故に、組合から不当な扱いを受けていると周囲に誤解されたら、全体の士気に関わるかもしれない。

 

「城壁の見張りから報告があって、お前と――多分グルイーザにも確認してほしいことがあるそうだ」

「分かった、今行くよ。グルイーザは寝てんのかな?」

「起こしてくるね」

 

 話を聞いていたアニーがすぐに階段を上っていく。

 

 結局今回も、急に連れ出すことになってしまった。

 しかしこれは不可抗力というものであろう。

 不機嫌そうに下りてくる少女の顔を予想して、モリアは苦笑した。

 

 

 

 

「それでェ? 今度はなんなんだよ」

 

 三人で朝の街中を城壁塔に向けて歩く最中。

 案の定、機嫌の悪い魔術師に対してレミーが説明する。

 

「北門の外にゾンビが何体か現れたらしい。統率がとれている感じではないらしいがな」

「あたしらが最初に第一拠点に向かったときも、はぐれてんのが居ただろ。人間も魔物も完璧じゃないのさ」

 

 レミーが言うには、降魔の障壁が効いているのかいないのか、素人目には判断が付きにくいので確認してほしいとのことらしい。

 

 城壁塔を上り、再び北門の上に向かう。

 壁上を歩いている間も、地面を何体かの獣のゾンビがうろついているのが見えていた。

 

 実際には、見た目でゾンビかどうかは判断できない。

 しかしほとんどの獣に大きな負傷があり、行動も普通とは言い難い。

 壁に向かって歩き、何度も頭をぶつけていたりする。

 魔法による識別などせずとも、ゾンビで間違いなさそうだ。

 

 北門に着き、観察を続ける。

 降魔石から半径五十メートル程度、より正確には降魔石の位置が地面よりも高い場所にあるため、それよりはやや狭い範囲。

 そこにゾンビは侵入していない。左右すぐ近くの壁にぶつかっている個体は居る。

 

「効果範囲には確かに居ないけど、ゾンビに意思が感じられない。たまたまそうなっているだけかもしれず、判断がつかない。と、そういうことですよね?」

 

 モリアの問いに衛兵たちは頷く。

 

「あたしは術の効果が継続しているかどうか判別できるから、術自体は発動しているとしか言い様がないな。奴らに効いているという証明が必要なら、誰か囮になって連中を引き寄せてみればいいんじゃねーの?」

 

「なら俺が行こう。お前たちは上から見ていてくれ」

 

 レミーはそう言うと、城壁の通路を引き返していった。

 

 

 

 

 王国北部辺境の少数民族出身であるレミーは、一族以外の人間と接した経験が少ない。

 それ故か他人の悪意に疎いのは、美徳でもあるが欠点でもある。

 

 一族以外の人間、つまり王国民は自分を軽視する。

 それが当然だったレミーにとっては、それはごく普通のことで、どうということはない。

 そもそもレミーにとって王国の人間など脅威ではない。

 無論、拘束されたり大勢に囲まれたりすれば話は別であろうが、そのような状況に追い込まれるほど愚かでもない。

 

 一族の中にはレミーを上回る技量の者も居たが、全て死んだ。

 元より、同族と争うことなど想像も付かない。

 そんなレミーにとって、モリアは初めて脅威たり得る人間――の、はずだった。

 

 しかしモリアは、理由はどうあれ自分のことをとても気にかけている。

 人付き合いの少ない人生を送ってきて、それで過不足無しと思っていたレミーの心境は少し変化した。

 

 他の人間に対する、興味が湧いてきたのである。

 

 

 

 レミーは街中に下りると、すぐに北門の内側へ向かった。

 門番たちは壁上の見張りから既に話を聞いているらしく、声を掛けてくる。

 

「外に出るんだろ? 出た後、門はどうすりゃいいんだ?」

「すぐ閉めていい。戻るときは見張りに伝える」

 

 門を僅かに開けてもらい、そこから街の外へ出る。

 降魔石の効果の有無に関わらず、油断は無い。

 すぐ近くに敵は居なかった。

 背後でゆっくりと門が閉じられる。

 

 首を巡らせ、左右後方の壁を見た。

 いずれも五十メートル以上先に、ゾンビらしき四足獣が壁の前をうろうろしている。

 この距離こそ、グルイーザの魔法が効いている証拠といえた。

 

 しかし、衛兵たちを安心させるにはもっと具体的な効果を見せる必要がある。

 間近まで接近しても獣が襲いかかってこなければ、分かりやすいだろう。

 それでも足りなければ、試しにあの獣を障壁内に叩き込んでみよう。

 壁上のモリアたちがこちらを見ていることを確認すると、レミーはゆっくりと壁際を進んで獣へと近付いていった。

 

 十メートルの位置まで近付くと、獣はこちらに向いた。

 門を開けた時点で自分に気付いていたはずだが、注意を向けようとはしていなかった。

 アンデッド故の鈍さなのか、それともそれが障壁の効果なのか、レミーにも分からない。

 駆け寄ってはこない。

 獣の位置は既に障壁の間近だった。

 ならば、こちらには寄ってこれないはずだ。

 抜き身のロングソードを提げたまま、更に近付く。

 

 獣が吠えた。

 

 遠吠えのような声だ。

 それだけではない。

 城壁北側に居る獣たちが、呼応するように一斉に吠えだした。

 明らかに異常な行動。

 壁上に合図を送るべきかと一瞬考えたが、モリアが気付かないわけがない。

 目の前の獣に注視する。

 今この場に居る獣のゾンビが全て襲ってきたところで、レミーの敵ではない。

 それでも油断はせず、最も近い場所に居る敵から目を離さなかった。

 

 だが、敵は意外な方向から現れる。

 

 地面が揺れた。

 北門の正面前方百メートルの位置。

 河川港と樹海の境界線。

 大地が突如爆発し、土煙が巻き上がる。

 さしものレミーも振り向いてそちらを確認した。

 衝撃は自分の位置まで伝わっている。壁の上はさぞ揺れただろう。

 

 土煙の中から現れる巨大な影。

 樹高二十メートルを超える樹が、生き物のように蠢いている。

 

 ――あれが例の植物魔法か!

 

 モリアに聞いた話と、己の直感を総動員して瞬時に対策を練る。

 眼の前の獣は無視だ。どうせこいつは障壁を超えることは出来ない。

 だが、新たに現れたあの敵はどうなのか。

 

 レミーはその名を知らぬが、『樹木兵』は今まさに北門の方へ向き力を溜めていた。

 樹の幹は前傾姿勢を取るかのように斜めに傾き、地上付近の土煙の向こうでは根が次々とせり上がってくる。

 

「まさか……走る、のか?」

 

 思わず声に出た。

 今まで見たことのある、どのような動物よりも巨大な体躯。

 それが根を膝のように折り曲げ、前に移動する。

 遠目に見る分には、緩慢な動作に見えなくもない。

 だがそれは錯覚だ。巨大な生物が一歩で稼ぐ距離は小型生物の十歩に勝る。

 そして、樹木兵は更に進んだ。

 真っ直ぐ北門を目指している。

 

 レミーは正面に回ることはしない。自殺行為だ。あの重量をまともに受けることは出来ない。動きもまるで予想できない。

 城門を開けてもらい中に避難することはもう無理だった。

 しかし、そんなことはどうでもいい。

 城壁内への避難が必要だというなら、モリアたちが上からロープを垂らすなりなんなりの対策をするだろう。逃げるのはそれからでいい。

 レミーは樹木兵の観察を続けた。

 

 樹の幹が、降魔石から半径五十メートル以内の位置に到達した。

 障壁が効いていない。

 何故なのかレミーには分からない。

 あれほどの巨大な敵には効かないものなのか。

 

 いずれにせよ、このままでは壁を破壊されてしまうかもしれない。

 戦争で城門をこじ開けるには、よく丸太が使われるというが、普通は大勢の人間で運ぶものだ。

 今は丸太が自走しているようなものである。

 

 根本を斬れば転ぶかもしれないと一瞬思ったが、どう考えても無謀だ。

 せめて相手の動きをもう少し理解するか、動きを止めでもしてくれないと攻撃の取っ掛かりも掴めない。

 そのためには城壁に激突した瞬間を狙うのが効果的であり、どうあっても北門は無事には済まないであろう。

 

 レミーは対策を考えながら、壁上から聴こえてくる会話内容も拾っている。

 グルイーザの攻撃魔法の巻き添えにならないよう、敵から離れろという指示もあり得るからだ。

 今はまだそういった声は聴こえてこない。

 いつでも攻撃に移れるよう、レミーは機会を待つ。

 

 すると北門から二十メートル程度の位置で、樹木兵は更に前傾姿勢を深め、そのまま前に倒れ込み始めた。

 樹高も二十メートルはあるので、先端がちょうど門の真上に落ちる感じだ。

 北門の真上に居たモリアたちは、既に左右へと退避している。

 

 樹木兵は、門を塞ぐように完全に倒れ込んだ。

 頂点付近の細い枝は壁に当たってへし折れている。

 強度は普通の樹木と変わらないようだ。

 

 一時的にでも北門からの出撃を止めることが目的なのだろうか?

 そうレミーが考えていると、再び地面が揺れる。

 河川港の先、樹木兵が現れた場所の左右。

 新たに両側に二体、計四体の樹木兵が動き出していた。

 更に、樹海の奥に大量の敵影が見える。

 アンデッドの軍勢が、間近に迫りつつあった。

 

 百メートル足らずの距離で、あの数の軍勢に気付かないなど普段のレミーではあり得ない。

 なんらかのカラクリがあることは明白だった。

 敵陣の気配を探る。

 神経を集中させずとも、すぐに分かった。

 一体だけ、別格の敵が居る。

 北門正面の先、最初の樹木兵が現れた場所の奥。

 背が高く、長い黒髪。ローブの上から簡素な革鎧を身に纏っている。

 

「樹海の悪霊……」

 

 直感が告げていた。

 あの人物……いや、今はもう人間かどうかは分からない。

 あの人影こそがこの戦場で最強の敵――《迷宮守護者》であると。

 

 ――似ている。

 

 人間というものに興味が湧いてきた、今のレミーには分かる。

 あの迷宮守護者は、モリアにどことなく似ている。

 

 今まで聞いてきた情報の断片から推測するに、血の繋がりは無いのだろう。

 だが、同じ家で育った家族だからだろうか。

 強大な力を持ち、容赦なく敵を(ほふ)る。

 それでいて、敵意や戦意とでもいうべき、猛々しさが欠けている。

 

 恐らくあれは、自分や街の人間たちを殺したくて戦っているわけではない。

 レミーたちのことなど眼中に無いのだ。

 そのことに少し嫉妬を覚え、そんな自分を意外に思う。

 

 思考を切り替え、間近な敵に集中する。

 障壁の効果範囲外に出ると、目の前の獣を斬り捨てた。

 そして迫り来る樹木兵の前に、今度は正面から立ち塞がった。

 

「特徴は……だいたい分かった」

 

 樹というのは硬いものだ。

 あのようにぐねぐねと動き回れるものではない。

 なるほど魔法というのは超常の力には違いない。

 

 ――だが万能ではない。

 

 あのグルイーザとて、無敵ではないのだ。

 樹木の怪物にも、必ず弱点がある。

 

 迷宮守護者も樹木兵も、レミーのことなど眼中に無い。

 ただ、正面から突っ込んでくるだけだ。

 地上を荒れ狂う根の束を正面に見据え、レミーは跳躍した。

 

 超常の力といっても様々だ。

 実体のあるものを操る魔法は、実体という枷からは逃れられない。

 不死のゾンビとて弱点を突かれずとも、手足がなくなれば動けない。

 

 ロングソードが唸りを上げ、眼下の太い根をいとも容易く斬り裂いた。

 

 長剣は硬い樹木を切るのに適した道具ではない。

 だから開拓者は斧を使う。

 しかし今は必要ない。

 樹木というものが実体を伴った存在である以上、元の硬さを保ったまま蛇のように動けるわけはない。

 大きく動いたその瞬間その場所こそが、樹木兵の弱点なのだ。

 

 根の上を駆け、樹木兵の背後へと着地する。

 巨体の重心を支える根を的確に見抜かれ斬り裂かれた樹木兵はバランスを崩し、城壁へと向かって倒れ込んだ。

 枝が蛇のように動き、自身を支えるかのように城壁を突いて押し留まる。

 

 レミーはその先――壁上に居たモリアが、枝の上へと跳び乗る姿を確認した。

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