艦隊これくしょん―軽快な鏑矢―   作:オーバードライヴ

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大変お待たせしました。




先に言っておきます。

すいませんでしたぁっ!


注意事項です。
・『啓開の鏑矢』の時系列はガン無視。今回は時事ネタで時系列行方不明。前回の続きです。
・無駄にネタに走る可能性大。今回はとくにえっちぃネタあり、注意! 一応R15?
・キャラ崩壊あり、注意。特に筑摩さんが大変申し訳ないことになってます。注意!
・駄文、駄文、アンド駄文

それでもいい方は、抜錨の用意を。
それでは抜錨!

そして、すいませんでしたぁっ!


筑摩「バナナはおやつに入りますか?(意味深)」

 

 ウェーク島基地には食堂のキッチンのほかに談話室横に給湯室がある。ここには支給品のお茶やペットボトルの水、それぞれが買った嗜好品などがあったり、小腹が空いた時に軽く自炊ができるようにコンロなどもそろえられている。

 

 その給湯室で割烹着に袖を通したのは龍鳳だ。クジラの刺繍が入った白い割烹着に白い頭巾を付けた完全装備である。

 

「お待たせするわけにもいきませんし、うどんにしましょうか」

「それがいいわね」

 

 龍鳳の横でエプロンをつけるのは如月だ。艦娘の中で料理が上手いのは基本この二人である。次点で雷、筑摩、龍田と続く。

 

「フリーズドライのねぎしかないのが難点なのよねぇ」

「まぁ仕方ないって言えば仕方ないんですよねー。こんな末端の基地に1週間おきに輸送機飛ばすなんてできませんから」

 

 そういいながらもうどん用の出汁を取っていく。本当は時間をかけて取りたいところだがそう時間をかけていられないのでかつおだしをパパッと作っていく。鰹節も高級品になってしまったが、それを使えるのはある意味軍属の強みだった。

 

「で、追い鰹もいれてっと」

「贅沢よね~」

「提督に出すものですから。秋月さんが見たら卒倒するかもね~」

 

 関西だしであっさりと仕上げて、うどんを茹でる。

 

「提督は喜んでくれるかしらね?」

「えぇ、きっと」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……んっ」

 

 眩しさに目を覚ました航暉はゆっくりと体を動かした。

 龍鳳特製の関西だしのうどんを食べている途中の記憶はある。その後からがあいまいだ。あぁ、ごちそうさまもお礼も言えてないな。ていうかご飯食べながら寝たとか失礼すぎる。お礼言わなきゃなぁ。

 

「提督~? 目が覚めまちたか~」

 

 妙な甘ったるい声に航暉は目を開く。ピントがゆっくりとあってくる。

 

「……!?」

「起こしてしまいましたか? ごめんなさいねー、お熱はかりますよ」

「ち、ちちちちちちちち、ちくまぁ!?」

「今は看護婦さんとよんでくださいね」

 

 その格好に航暉は一気に覚醒した。

 

「な、なんでそんなふくがうぇーくとうにありゅ(、、)んだっ!?」

「伊波少尉に借りました~。ささ、お熱はかりますからね~」

 

 気にした様子もなく重巡洋艦娘筑摩改め看護婦さんは体温計を手ににじり寄ってくる。ほのかにピンクで清潔感にあふれるナース服はピッタリサイズで作られているのか二つの胸のふくらみを強く協調している。長い髪をシニヨンにまとめナースキャップをかぶった姿は似合っている。世の男性諸君の少なからずにそう言う需要は有るだろうと納得させるぐらいには魅力的であるのも確かだ。

 だからって鼻息荒くにじり寄られるのはたまったもんじゃないのである。

 

「ち、ちくま! こわい、なんかでちゃいけないオーラでてる!」

「ちょーっとお熱はかるだけですから、ほらほらほら……」

「――――――っ!」

 

 ベッドだと逃げることもままならない。航暉はあっという間に追いつかれ、来ていただぼっとしたワイシャツの前をはだける必要に迫られた。

 救いは看護婦さんが持ってきた体温計が30秒で測り終わるタイプだってことだろう。電子音が鳴るとさっさと突き返す。

 

「熱は……37度6分。ちょっと高いですね~。お薬入れましょうか?」

 

 その笑みに航暉は鳥肌が二重三重に立つのを感じた。ヤバい、かなりヤバい。なにがヤバいのかわからないのがすごくヤバい。

 

「にがーいお薬は嫌だと思うので……」

 

 何やら薬を探している。鳥肌の立ち方が頂点に達した。

 

「下のお口からどうぞ~」

「アウトーッ!?」

 

 振り返った筑摩の手には……座薬。

 

「37どくらいならざやくひつようないっ! うれししそうにズボンにてをかけるなっ!?」

「ほらほら暴れない♪」

 

 航暉、人生最大の貞操の危機である。

 

「だ、だれっ、おたすけっ……!」

「ほら、すぐに済みますから……」

 

 がらでもなく古今東西津々浦々の八百万の神々に祈りを飛ばしながら必死に足掻いていた航暉。その祈りが通じたのかタンッとリノリウムを蹴る音がする。

 

「しれーかんに何やってるのよ!」

 

 見事なまでのトゥキックが看護婦の腰に入った。

 

「ごふっ……!」

「だ、大丈夫? しれーかん!」

「た、たすかった……! ほんとにたすかった、いかづち」

「もう、大げさねぇ」

 

 横で気絶している重巡洋艦を尻目に雷は(ちゃんと特Ⅲ型の制服姿であることに航暉が安心感を覚えたのは言うまでもない)腰が抜けた状態の航暉の頭を撫でた。

 

「もう、司令官ったら、私がいるじゃない!」

 

 その反応にとりあえず胸をなでおろす航暉、酷いことにはならなさそうだ。

 

「よ、よかった。へんたいナースが増えなくて本当によかった……!」

「そ、そうね! そうよね!」

 

 この時、航暉は雷のぎこちない口調と目線が廊下に向かっていたことに気付かなかった。結果的にではあるがそれは両方にとって僥倖だったと言える。

 

 

 

 廊下では肌色成分多めな改造ナース服を着た軽空母と医務長から白衣を借りた雷の妹分が航暉の言葉で撃沈していたのである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なんだかいつもいじょうにつかれた……」

 

 一日の大半を寝て過ごしたことになる航暉はシャワーを浴びようと大浴場にきていた。言うまでもなく男湯である。熱も平熱まで下がったし湯船に浸かっても大丈夫だと思うがシャワーで軽く済ませるつもりだった。

 

「それで書類系統が倍増したこっちも疲れましたよ、大佐」

「あぁ、わるかった。ちゃんとこどもあつかいせずにはなしてくれる、しょうさのやさしさがみにしみるよ」

 

 後ろでは合田正一郎少佐が湯船に浸かっていた。

 

「それにしても、災難でしたね」

「まったくだ」

 

 風呂にくるのでも一苦労だったのである。入浴介助を付ければ風呂OKと言われ、合田少佐に頼むことで何とかしようとしたところを艦娘たちに見つかった。直後に水着装備で“お背中御流しします、さぁ、さぁ、さぁ!”とやってきた筑摩をどう防ぐかでかなり綱渡りな攻防を強いられたのである。利根にアドバイスをもらい、恥を捨てて“ちくまおねえちゃんなんかきらい!”と叫んで男湯に逃げ込んだのが10分前の出来事だった。

“私たちは兵器で備品ですから性別なんて気にせずにほらほら”とは筑摩の談だが、そう言う風には扱えない航暉の思考回路と、そう言う風には見えない艦娘たちの見た目もあって到底取り合えない理論だった。

 

「あしたにはちゃんとなおってるといいなぁ……」

「治ってくれないとこっちが困ります」

「だよなぁ……」

 

 明日もこの調子だと非常に困る。男二人の共通見解だった。

 

 その時、嫌な感じがした。航暉は首の後ろあたりがピリッとしたのを感じていた。

 

「……なぁ、しょうさ。なにかきこえない?」

「え……? なにも聞こえませんでしたけど?」

「いや……。なにか……、いるぞ!」

 

 とっさに桶で前を隠した航暉の判断は正しかったといえる。

 

 

 

 

「しれいか~ん!」

「どわぁああああああああああああああああああっ!?」

 

 

 

 

 勢いよく大浴場の引き戸が開けられ、男二人が飛び上る。

 

「お背中御流しします」

「それいぜんのもんだいだ、きさらぎっ! ここおとこゆ! だんせいよう!」

「あら、湯浴み着なりバスタオルなりでみんなガードしてますし、大丈夫よ?」

 

 真っ先にすり寄ってきた如月から距離を取るように航暉が下がる。水着姿でやってくる筑摩や湯浴み着を着て顔を真っ赤にしながらも浴室に足を踏み入れる響。まだ後ろにも何人かいるらしい。

 

「こら、如月っ! 司令官嫌がってるからっ!」

 

 浴場の入り口で制服姿のまま顔を真っ赤にしている睦月がそう言った。

 

「ほら、あれがふつうのはんのうですっ! おませさんはさがってください!」

「司令官もほんとは嬉しい、く・せ・にっ」

「だんじてうれしくないからさがれっ!」

「命令だって言うなら……下がりますけど、如月のこと、お嫌い?」

「きらいじゃないけど、めいれいだっ! かんむすぜんいんふろからでてけっ!」

「職権濫用はんたーい」

「どうしろと!」

 

 航暉の腕を掴んで胸元に引きこむ如月。航暉の顔が上気する。風呂でシャワーを浴び過ぎたものと信じたい。

 

「あら、司令官も好きなんだから……」

「むりやりやらせといてそのはんのうはないだろう!?」

 

 それを不憫に思ってか、妹の醜態は姉の責任と思ってか、睦月がもうっと言いながら浴室に入る。

 

 

 

 ここで少し思い出してほしい、風呂の床はとても滑りやすい。

 

 勘のいい皆様のことだからおそらくこの先の展開が予想できると思う。

 

「ふに゛ゃっ!?」

 

 そう、滑ったのである。

 しかも滑った方向が悪かった。たたらを踏んで態勢を立て直そうとしたがたたらを踏んだ方向には湯船があった。

 勢いそのまま湯船に突っ込むことになってしまったのである。

 

「睦月っ!?」

 

 周りが騒然となる。一番近くにいた、というか艦娘たちが乱入してきたせいで湯船に肩までつかるしか避難方法がなかったため湯船にいた合田少佐が慌てて救助に向かう。

 

「げほっ、げほっ……」

「睦月、大丈夫?」

 

 慌てて溺れそうになっていた睦月を水面まで引っ張り上げる。

 

「うー、合田司令官、ごめんなさい」

 

 そういう睦月を見て、合田少佐の顔が赤くなる。睦月は当然の如く全身ずぶ濡れである。濡れた髪の束が合田少佐の腕をくすぐり、白いセーラーの上着が睦月の子供特有の柔らかな体つきをあらわにするかのように張り付いているのである。湯で濡れた白い服は仄かに上気した肌の色を透かし色にし、胸元にはペールブルーが差し色で見えているのを間近で見ることになったのである。はからずもお姫様抱っこの状態でサルベージすることになったのだが、抱きかかえる形で太ももに回した手はしなやかで柔らかな弾力を黒のタイツ越しに感じてしまう。

 合田少佐も男の一人であるからして、特に思春期まっただなかな彼にとってその刺激はもう……思考回路が一瞬破断したのである。

 

「司令官……?」

「え? 阿武隈?」

 

 それを一番見られてはいけない人に見られたのを合田少佐は一瞬で理解した。

 

 合田少佐が指揮する第551水雷戦隊旗艦、阿武隈(湯浴み着装備)。

 

 阿武隈には“直接の上官が湯船でヌレヌレスケスケ状態になった部下を全裸で抱きかかえて嬉しそうに頬を赤くする図”に見えていたのである。

 

「し、しれいか……」

「ち、違う阿武隈! これは事故だ!」

 

 たしかに事故なのだがどう見てもかどかわしの言い訳にしか見えない。現実を認めたくないかのように180度転進前進全速で阿武隈が去っていく。

 

「ちょ、あ、阿武隈、待って!」

 

 とりあえず睦月を湯船の端に下ろして追いかける合田少佐。それを周囲は呆然と見送った。真っ先に再起動を果たしたのは航暉であった。

 

 こんなことにつきあってられるか、逃げろ。

 

 風呂場は走ってはいけないと知っているが非常事態である。全力疾走。

 

「あ、て、提督っ!?」

「むつき、ひびきも! あとでなんでもほしいものやるからそいつらとめてくれっ!」

 

 この場で一番常識的行動をとっていた睦月と顔を真っ赤にしたままフリーズしていた響に場を任せ逃避行に入る。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この騒動はあまりに影響が大きかった。

 

 湯浴み着で逃げる阿武隈を追う裸の合田少佐が目撃されたのを皮切りに航暉が襲われそうになったり、それを止めようとした電と雷が実力行使で男湯の扉を吹き飛ばしたりと傍から見れば愉快極まりない光景が繰り広げられたのである。

 

 結果として体を冷やした航暉の熱がぶり返し、医務長から当事者(航暉、合田、阿武隈含む)への正座説教が待っていたのは想像に難くない。

 

 

 

 艦娘の男子風呂への乱入禁止を厳命する張り紙が出たのは言うまでもない。

 

 

 

 

 つづく……!

 

 

 




はい、大変申し訳ございませんでした。
啓開本編で絶対できないことを突っ込もうと思ったらこんなことになりました。湯煙編はおそらくやれないので……。

誤変換がひどかった今回です。
艦載だしを龍鳳さんがとろうとしたり、雷が「司令官! 私ガイルじゃない!?」と言ったり……お前がガイルになってどうする、雷。


感想・意見・要望はお気軽にどうぞ。
次回「熱で判断力が低下した航暉の甘々ピロートーク」をお送りします(たぶん大嘘)

次はいつ投稿できるだろう……?

それでは次の機会にお会いしましょう。


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