【本編完結】開拓者のとある物語   作:サツキタロオ

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「前回、翡翠は新たな力…『蒼穹の律者』として覚醒したわ。」

「それと同時に、岩の律者『オルトウロス』を倒し、その力を見せつけたわね。」

「でも、星穹列車にいる律者はまだ一人…」

「次の物語でどうなるか楽しみね♪」

「さあ、第64話。始まるわ。」


episode.64:マグネット・インパルス

〜翡翠視点.

「……」

ルアンが俺の体のレントゲンやら何やらを見ながら、考え込んでいた。

「なぁルアン。俺の体、どうなってんだ?」

あの戦いから数時間後、俺はルアンのところで診断を受けていた。

「ルアン・メェイ。どうなの?翡翠は…」

なのかが心配そうに聞くが、ルアンは安心してくれと言わんばかりの表情をしていた。

「大丈夫です。むしろあれだけの傷をすぐに完治させた翡翠が怖いですよ。」

「なら良かった……」

なのかは、安心そうな表情を浮かべた。

「で?具体的にはどうなんだ?」

「ええっと…まず、姿が変わる前…つまり通常の翡翠の時は星核の力と身体が年月を重ねるごとに不安定になっていて…いつかは爆発してしまう可能性があったんですが…」

ルアンはモニターにレントゲンを写した。

「今の翡翠は…星核と身体が完全に一つになっています。」

「つまり?」

「つまり……今の翡翠は、凄く強い…です!」

「ざっくり!」

ルアンの奴…俺と会ってから少し雑さが目立ってないか?

「まぁ、星核と身体が一つになったってことは、爆発しないってことか?」

「つまりところはそうです。身体能力や自己修復能力、その他の能力も相対的に上がっています。ただ、普通のホモサピエンスでは無くなりました。」

「聖剣抜けるじゃん!」

某特撮で普通のホモサピエンスは聖剣が抜けないらしいから、今の俺は聖剣が抜ける…のかな?

 

「ただ…三月さんはまだ注意した方が良いと思います。」

「そっか…」

落ち込むなのかに、ルアンは薬を渡してきた。

「これは?」

「星核の活性化を抑える薬です。一応、数ヶ月分出しておきます。」

「薬を飲むだけで大丈夫なの?」

「ええ、大丈夫です。」

なのかは安心して吐息を吐いた。まぁ、定期的に飲めば問題ないのか。

「で?他に話したいことって?」

「あ、そうそう。こちらを。」

ルアンは星核を持ってきた。

「星核?」

「これは…先程戦った敵の中に宿っていた星核です。ヘルタが手伝ってくれました。」

「ああ、ありがとう。」

「で、この星核はどうするんだ?」

「私が持ってても仕方ないので翡翠が持っててください。」

「こんな物騒なものを…いいのか?」

「良いですよ?私が持ってても意味が無いので。」

星核を手に取ると、胸に吸い込まれるように消えた。

「うおっ」

俺は胸元を触る。

……特に異常なし。

 

「と、とりあえず帰るわ。なんかあったらまた来る。」

「はい。お大事に。」

 

……

列車に戻ると、なのかは露骨に嫌な顔をしていた。

「ふう…なのか、薬ちゃんと飲めよ?」

「うう…苦いのやだな。」

苦いのは我慢しろよと思ったが、女子はそういうのは苦手なんだろうかなぁ。

「ほら、頑張れ。」

「うう……苦っ」

なのかが薬を飲む。飲み込むのを躊躇っていたが、俺が水を差し出すと、一気に飲み干してむせていた。

「うう……苦い……」

「……よく飲めたな。」

「だって、飲まないと翡翠が心配だから……」

「そうか……ありがとな。」

俺は、なのかの頭を撫でると、なのかは嬉しそうに目を細めた。

「えへへ……」

「さてと……これからどうする?少し話すか?」

なのかと話そうと思ったが、アクセルとゼーレが歩いてきた。

「よー。体はどうだって?」

「むしろ絶好調だってさ。うん、怖いぐらいに。」

「全く、心配したわよ。」

四人で話をしていると、突然俺の胸元から星核が二つ飛んできた。

「うわっ!?」

星核は、アクセルとゼーレの中に入っていった。

「ええ!?なんだ急に!?」

アクセルは戸惑っていて、ゼーレは唖然としていた。

「と、突然過ぎて…理解が追いつかない…」

「落ち着きなさいアクセル!深呼吸!」

「……………落ち着いた。」

深呼吸させてアクセルを落ち着かせた。

「ふう……で、この星核は?」

「今私たちに入っていったわね……」

「…予想外だぜ…もしかして俺たち爆発する…?」

不安そうなアクセル。それと同時に電話がかかってきた。符玄だ。

「もしもし…符玄?」

 

「翡翠…」

 

「?…符玄?大丈夫か?」

 

「とにかく…急いで…お願い…」

 

そう言ってブツッと切れた。

……つまり、羅浮で何かが起きてるってことか?

「みんな!羅浮に急ごう!」

「ええ、わかったわ!」

パムに頼んで、列車は急いで羅浮に向かった。

………

 

羅浮に向かうと、羅浮では降らないはずの雨が降り注いでいた。

しかも、大雨で辺りが水浸しになっている。

「……なんだこれ。」

「濁流だらけじゃん!」

なのかが泣きそうな声で言った。

すると、見知った顔が近くに走ってきた。

「「翡翠!」」

「翡翠さん!」

「朱雀、叢雨!それに符玄!怪我は無いな!?」

「ええ。」

「それより、何があったんだよ。こんな事になって。」

俺が符玄から話を聞こうとする。

「実は…ついさっき…謎の怪物が現れて…そしたらいきなり大嵐を発生させたのよ。」

「まさか…デクターの人工律者か?」

アクセルがそう言うと、遠くから再び怪物がやってきた。

それは、ユニコーンが人の形をした怪物だった。

「あれは!」

あれが新しいデクターの人工律者……戦闘態勢に入ると、全身に装備が実体化した。

翼を展開して、一気に飛び上がる。

「いた!」

飛んですぐに発見すると、俺はすぐにホーミングアタックで攻撃した。

「ぐあっ!」

デクターの人工律者は地面に叩きつけられるが、すぐに体勢を立て直していた。

「……なるほど。貴様がデクター様の言っていた翡翠という男か。私は海の律者・ユニべロス。本物の律者となった貴様の力、興味深い。」

「何?」

「その力…確かめさせてもらおう!」

ユニべロスは水流を操って攻撃してきた。だが、俺はその攻撃を躱す。

「うお!?」

何とか避けたが、水流が飛んできて吹き飛ばされた。

「……くっ!」

「ふん…まだ力に慣れていない様子…。」

「翡翠!」

アクセルが駆け寄ってくる。だが、ユニべロスは水流を飛ばして、アクセルを吹き飛ばした。

「ぐえー!」

「……邪魔だ人間。私はお前に用はない。」

ユニべロスはアクセルに水流を飛ばした。

「うおわあああ!」

アクセルは水流に流されて、そのまま壁を貫いて海に落ちていった。

「アクセルー!」

 

〜アクセル視点.

俺は吹き飛ばされた勢いで海に落ちて、そのまま沈んでいた。

息を止めるのも限界が来て、俺は酸素を求めて水面に上がろうとした。

 

(やべぇ…さっきの一発で…体力が…)

 

何とか這いあがろうとするが、力が入らなくなっていった。

すると、何処からか声が聞こえてきた。

 

(何処を見ても誰もいない…まさか…)

 

自分の胸に触れると、星核が光っていた。

 

「……もしかして、お前が俺を呼んでるのか…?」

(そうだ…私が貴殿を呼んでいる。)

「!?」

 

突然星核が喋ったせいで、俺は驚いてしまった。

(私は星核……元々は翡翠殿に宿る星核だ。)

(翡翠が回収した羅浮の星核であり、翡翠殿と同化していた。)

(だが、貴殿のお陰で私は再び目覚めたのだ。)

「それは……良かったが……なんで俺を?」

(元々、私は存護の星神から作られた。)

(だが、年月と魔陰の身によってその使命は失われていた。)

(だが、貴殿が私に触れたことで、私は再び使命を取り戻したのです。)

「なるほどな……」

つまり、俺が触れた事で星核の機能が復活した……と。

「なぁ星核。アンタは星を守る為に生きてたんだろ?」

「今、デクターって奴が、羅浮…いや、銀河を滅ぼそうとしてやがるんだ。」

「だから、俺たちに力を貸してくれないか?」

(……長き時と次元を超え、人と世界を守護するのが私の使命…)

 

(…今一度、弱き者の刃となりましょう…!)

そうして星核は再び俺の中に入り込んだ。

すると、突如として体から力が湧き上がり、自然と体が浮遊した。

 

"来た…"

 

体に装甲が実体化して融合するような感覚が伝わってくる。

「はああああ!」

俺はそのまま浮遊して、海から這い出た。

 

〜三人称視点.

「「!?」」

後ろから何かが出てくる音を聞き、振り返る翡翠。

すると、いつもと姿が違うアクセルが浮かんでいた。

 

「ア、アクセル!?」

翡翠は思わずそう叫ぶと、空に裂け目が現れ、謎の武装が飛来してきた。

「来たか!」

アクセルがそう言うと、武装は形状を変えてアクセルの左肩部に接続した。

接続したのを確認したアクセルは不適に笑い、自身の武器を召喚してユニべロスに突撃して行った。

 

 

「さて、さっきの仕返しさせて貰うぜッ!!」

 




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