〜三人称視点.
翡翠たちはディーヴァとデクターに苦戦していた。
「クソ……このままだとキリがないぞ!」
「やばいよ御影。どうする?」
御影と星はデクターを睨みつけながらそう話す。
「おやおや、開拓者も所詮はこの程度ですか。」デクターは余裕そうにそう話す。
「なら、これならどうでしょう!」
デクターが叫ぶと同時に無数の量産律者が現れた。
「まだ増えるのか!?」
翡翠達は突然の出来事に驚く。
「ふっふっふっ……無限生産は簡単ですからね。」
デクターは高笑いしながらそう言った。
「クソ……このままじゃ……」
御影がそう呟く。その時、何処からか声が聞こえた。
「諦めるのはまだ早いよ!」
その声の主は、翡翠達の前に現れた。
「お前は……!」
「なのか!?」
そこにいたのは、なのかだった。
翡翠は急いでなのかの元に近づく。
「どうしてここに…傷は…星核は大丈夫なのか…?」
「うん、大丈夫。」
なのかはそう言って微笑んだ。
「そうか……なら良かった。」
翡翠がそう言うと、デクターは高笑いしながら言った。
「ふはははっ!これは傑作です!まさかまだ生きているとは!」
「デクター、もう諦めなよ。」
なのかがそう言うとデクターは高笑いをやめた。
「何を言うかと思えば!この私は究極の存在です!貴方達など敵ではありません!」
デクターはそう言ってまたもディーヴァに命令した。
『グオオオオオオオォォォォ!!』
ディーヴァは雄叫びを上げながらこちらに走ってくる。そして、腕からダーツと槍に変えて、こちらに攻撃してきた。
御影が悪態をつきながら回避行動をとる。
すると、なのかはデクターにこう叫んだ。
「デクター!もう終わりにしよう!これ以上、罪のない人を傷つけない為にも!!」
「ふっ……何を言うかと思えば……」デクターはそう言って笑った後、続けた。
「私は世界を支配する。私の意思こそが全てなのですよ!」
デクターがそう叫ぶと、ディーヴァは両腕を刀に変えて衝撃波を繰り出した。
その衝撃波は辺りにまき散らされ、辺りを覆った。
アクセルとゼーレは慌てて回避した。
翡翠はなのかを守り、デクターは衝撃波が消えた瞬間を狙い雷撃で攻撃する。デクターの攻撃は次々と直撃し、翡翠達の体力をじわじわと削っていった。
「こいつ…!」
「さあディーヴァ!更に力を使うのです!」
デクターがそう言うと、ディーヴァはまたも咆哮し衝撃波を放った。
「チッ……何処から来る……!」
御影はそう言って辺りを見渡す。その時、なのかが叫んだ。
「危ない!後ろ!!」
「!?」
御影が振り向くとデクターのパンチが飛び、御影は吹き飛ばされた。
「あーれー」
「御影ー!」
星は御影の心配をする。すると、デクターが高笑いした。
「ふははっ!所詮この程度ですか!」
デクターはそう言って光弾を辺りに発射した。
「クソッ……まずい!」
全員が防御するが、なのかは走ってデクターに攻撃…では無く踏み台にしてディーヴァめがけて飛んでいく。
「私を踏み台に…!?」
『グオオォォォ!!』
「……」
ディーヴァが咆哮し、両腕に元に戻し、拳をなのかに振り下ろす。
なのかは剣を交差し防御するが、攻撃を喰らい墜落する。
その衝撃で剣は折れ、なのかは地面に叩きつけられた。
「なのか!」
翡翠がそう叫ぶ。デクターは高笑いし、ディーヴァに命令する。
『グオオォ!!』
「さあ、止めです!」
デクターのその一言と共にディーヴァは腕を銃に変え、なのかに狙いを定めた。
「やめろー!!」翡翠がそう叫び、走り出す。だが、間に合わない……その時だった。
「……」
なのかに放たれた光弾を真っ二つに切り裂かれ、なのかの両隣へと消えていった。
『何!?』
その手には、翡翠の持っていた刀が握られており、翡翠は自分の手に持っていた刀が消えているのを確認した。
「……お前……」
翡翠がそう言うと、なのかは振り向いて微笑んだ。
「後は任せて。」
そう言ってなのかはディーヴァに走り出す。
「邪魔は…!?」
デクターはディーヴァの元に向かおうとするが、アクセルと御影に止められた。
「おいおい。行かせるかよ!」
「こっからは俺らが相手だ!」
二人がデクターの腕を掴みながら蹴りやパンチをデクターに連続で喰らわす。
「くっ……」
デクターは振り解こうとするが、二人は必死に掴みか掛かる。
デクターの抵抗も虚しく、二人掛かりには無力だった。
そして……ディーヴァとなのかが剣を交える。
『貴様ァァァァァ!』
攻撃が迫る中、御影とホタルの剣を持ってなのかは斬り掛かる。
「はあっ!」
『ヌウッ!』
ディーヴァはそう叫び、後ずさりした。
なのかは次にゼーレの鎌を持ち、右腕を斬り裂いた。
『グオォ……!』
「まだまだ!」
なのかは今度は星の双銃を持ち、ディーヴァを滅多撃ちにする。
『グッ……!』
ディーヴァは後ずさるが、なのかは攻撃の手を緩めない。
「これで……!」
そう言ってなのかはアクセルの大剣を振り下ろし、ディーヴァを袈裟斬りにした。
「……」
ディーヴァが後ろに吹き飛ばされると同時に、なのかの周りに全てのロストウェポンたちが現れた。
「これが…」
なのかは驚き、呟く。なのかはロストウェポンの光に包まれ、辺りを照らした。
………………
〜なのか視点.
「…これがウチの本当の力…」
ロストウェポン達は、光を出して、中央に新たな剣を呼び出していた。
「…これがウチのロストウェポン…」
9個の紋様が描かれた蛇腹剣のロストウェポンがウチの前に現れた。
「これが……」
剣を取ると、自分の姿が変わっていくのを感じた。
(でも…)
(自然と…悪くない。むしろ暖かい…)
ウチは弓を持ち、ゆっくりと目を開けた。
「ウチは…ここにいる!」
…………………
〜三人称視点.
「「!?」」
翡翠たちは、なのかの姿に驚いた。
それはデクターも同じだった。
「馬鹿な!?」
「…これがウチの新しい力…」
なのかはそう言ってデクターに弓を構えた。
「くらえ!」
そう言って、なのかは光のような矢を連続でデクターに発射する。
「クッ……!」
デクターはなんとか回避しようとするが、何発も命中し、遂に倒れた。
『グオオォォ……!』
ディーヴァが咆哮し、なのかに突撃してくる。なのかは弓と蛇腹剣をしまい、両腰の剣を引き抜く。
「行くよ!!」
なのかは一瞬にして姿を消し、ディーヴァに目にも映らぬ速さで突撃していく。
「はあっ!」
そして、ディーヴァを真っ二つに切り裂き、攻撃を喰らわす。
『グオォォォォォォォ!!!』
ディーヴァは咆哮を上げて爆散した。
「くっ…!ディーヴァすらやられてしまうとは…こうなれば…!」
すると、デクターが指を鳴らすと、空から無数のビービ虫が飛んできた。
「こ、これは…!?」
「ビービ虫を投下し、アナタたちはディーヴァによって滅ぼされるのです!」
ビービ虫に噛まれてゆくディーヴァは徐々に巨大化していき、周りの建物を吸収しながら進化していく。
『全テハ私ノモノ!!私ハ進化シ、支配スル!!』
全長600m以上もの巨体へと変貌したディーヴァは、咆哮しながら周囲を破壊していく。
「ふっふっふっ…アナタたちがどうなるか楽しみです。」
デクターはそう言い残して消えていった。
「あの野郎!」
「どうする、あの巨体だ。攻撃が通じるかどうか…」
少し弱きになるアクセルと御影。しかし、なのかが発破をかけた。
「大丈夫!ウチらのチームワークなら楽勝だよ!」
「…その通りだよ。アタシ達なら負けない!」
ホタルも賛同し、武器を構えた。
「よっしゃ!ディーヴァをぶっ倒そうぜ!」
翡翠もそう言ってディーヴァに突撃していった。
『無駄ナ足掻キダ!』
ディーヴァは踏みつけようとするが、軽々と避けて頭部を目指す翡翠達。
「これはどうだ!」
雷撃を放つが、重装甲の前には歯が立たなかった。
しかしアクセルがその場を大剣で叩くと、装甲が砕け、内部構造が顕になった。
「よっしゃ!」
そのままビーム砲を撃とうとするが、装甲はすぐに元に戻ってしまった。
「嘘ぉ!?」
「なら、これで!」
星は腹部のビーム砲を撃ち込む。しかし、装甲にはヒビ一つも入らなかった。
「…くそっ、なんて硬い装甲だ。」「どうすんだよこれ……」
御影がそう言うと、翡翠が何かを思いついた。
「そうだ……これだ!」
翡翠は持っていた二刀の刀を連結し、一つの大剣にしてディーヴァに斬りかかった。
『無駄ナ事ヲ!』
しかし、ディーヴァの装甲には傷一つつかない。
「しかし!これなら!」
両腕部と両脚部のスラッシュハーケンを撃ち込み、雷撃と共に大剣で斬りかかる。
爆発と共に装甲に人一人分が入れそうな穴ができた。
「星!入れ!」
「うん!」
星が穴からディーヴァの内部に潜入し、全砲門を開いて解き放った。
「ファイヤー!」
星の攻撃が内部構造を焼き尽くし、ディーヴァは再生機関を破壊され、内部から爆発を起こしながら倒れた。
「やった!」「よっしゃ!!」
喜びの余り、御影と星はハイタッチする。
「まだ終わってないぞ。」
翡翠がそう言うと、ディーヴァは再び立ち上がり、咆哮を上げて暴れ出した。
『邪魔ハサセヌゥゥゥゥゥゥ!』
「おっと!」
ディーヴァの踏み付け攻撃を避ける星。だが、間髪入れずにミサイルが星に襲いかかる。
しかし、なのかが蛇腹剣を星の双銃に変化させてミサイルを全て撃ち落とし、御影がユニットで突撃しながらライフルでケーブルを撃ち抜く。
ミサイルは誘爆し、ディーヴァの内部構造が爆発で次々と崩壊していく。
『グウッ……オノレェ……』
内部を破壊された為か動きが止まったディーヴァにホタルのモジュールからエネルギーブーメランを発射し、持っていた剣に融合させた。
「天翔ォ!空破剣!」
エネルギーをまとった剣を振り下ろし、右腕を切断した。
断末魔と共に、ディーヴァは大量の配線や部品を撒き散らしながらミサイルを発射する。
「っ…」
なのかは背部のドラグーンを展開する。折りたたまれていた四枚の翼が開き、展開した場所から虹色の光が放たれた。
「行け!」
なのかがそう言うと、ドラグーンから放たれたビームはミサイルを焼き尽くしながらディーヴァへと飛んでいった。
『コザカシイ!』
装甲の一部を盾にして防ごうとするが、一瞬で焼け落ち、そのまま攻撃に直撃する。
「やあっ!」
両腰の双剣を手に取り、目にも止まらぬ速さで斬りつけ、更には蹴りを喰らわせる。
『グオオォォ!』
「これで……決める!」
なのかは再び弓に持ち変えてドラグーンで複数のフィールドを作り、弦を強く引き絞る。
「いっけぇぇぇぇ!!」
放たれた矢は、光となってディーヴァを貫いた。
『ァ…支配…!支配ィイイイイィィイイ!!!!ウォァアアアアアアアアアアアアアッッ!!!!』
巨大な爆発音と共に、ディーヴァは砕け散り、散っていった。
「やったぜ!」
「ああ、大勝利だ!」
アクセルや御影達が喜ぶ中、なのかは翡翠と目が合い、見合っていた。
………………
〜なのか視点.
「…なのか…」
ウチは翡翠と目が合って、見合った。
「……翡翠……」
ウチがそう言うと、翡翠はウチの手を取った。
「全く…無茶しやがって。心配してたんだぞ?」
「あはは…ごめんね?」
「でも…帰ってきてくれて…嬉しい。」
翡翠はそう言ってウチを抱きしめた。
「もー…翡翠ったら積極的。」
ウチはそう言いながらも翡翠を抱き返した。
暫く抱き合った後、静かに口を近づけ、キスをした。
「お〜?お熱いね。」
「うんうん。」
「「!?」」
後ろからの声に、ウチと翡翠は慌てて離れた。
「べ、別にそんなんじゃ……!み、見てたのか!?」
「うん。」
「うんうん。」
ホタルは頷いた。星も続けて頷く。
「な、なんか……恥ずかしいね……」
「……………」
「てぇてぇなぁ!」
「てぇてぇ。」
「お前らなぁ〜!」
怒った翡翠は逃げる御影とアクセルを追いかけていった。
ウチらはその様子を見て、微笑んだ。
「……ありがと翡翠。ただいま。」
暗がりの空が晴れ渡り、虹が掛かった。
おかえり。