【本編完結】開拓者のとある物語   作:サツキタロオ

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「遂に最終決戦!星の核に向かってデクターと決戦だ!」

「この戦いで全てを終わらせてやる。」

「俺たち7人の絆パワーで、ぶっ倒してやるぜ!」

「さあ、第76話!見てくれよ!」



episode.76:可能性の宇宙

 

〜三人称視点…

 

星穹列車が跳躍を終え、静かに星の核の上空に停泊した。車窓から見下ろす景色は、想像以上に不気味だった。

黒く脈打つ地表に、赤黒い亀裂が無数に走り、まるで星そのものが生きているかのように脈動していた。その中心、まるで心臓のように脈打つ巨大なコアが、鈍い光を放ちながら空間を歪ませている。

 

「……とんでもねぇな。」

アクセルが思わず息を呑む。

「星の核の異常エネルギー……デクターの影響なのか、それとも……」

姫子が端末を操作しながら、険しい表情で呟く。

「いや、多分これは……星そのものの意志だよ。」

なのかは歯を噛みしめながらそう答えた。

 

「意志?」

翡翠がなのかの隣で不思議そうに問い返す。

 

「感じるんだ……星がウチらを拒んでいるような、あるいは何かを訴えかけているような……」

 

「どっちにしろ、やるべきことは変わらない。デクターを倒し、この異常を止める。」

御影が静かに剣の柄を握りしめる。

「そうね。」

ゼーレも頷いた。

「……みんな、準備はいい?」

ホタルが最後に問いかける。

「もちろん。」

星が小さく笑い、肩を軽く回した。

 

「行こうぜ、終わらせるんだろ?」

アクセルは自信に満ちた笑みを浮かべる。

翡翠は仲間たちを見回し、深く息を吸った。

 

「ああ。行くぞ!」

 

全員が頷き、それぞれの武器を構えた。

 

星穹列車のゲートが開き、眩い光の中、彼らは星の核へと飛び降りる。

 

 

 

 

 

 

 

 

しばらく降下を続けると、突然、無数の量産型律者が出現した。ライフル型と直刀型が隊列を組み、一斉に攻撃を仕掛けてくる。

 

「くっ……!」

翡翠が素早く防御態勢を取り、仲間たちもすぐに陣形を整えた。

 

「歓迎が手荒いな……!」

アクセルが苦笑しながら、すぐに迎撃体勢に入る。

 

「みんな、それぞれの消耗を抑えて対抗するぞ!」

翡翠の雷撃が轟き、先陣を切るように敵を打ち砕いた。

 

アクセル達は軽やかに移動しながら、次々と敵を撃破していく。

 

星の二丁拳銃が火を吹き、放たれた弾丸が律者の装甲を次々と貫通し、爆発を巻き起こす。

 

「数が多い……っ!」

星が素早く回避しながら周囲を警戒する。

 

「だが、ここで止まるわけにはいかない!」

アクセルはユニットを変形させ、高速移動しながら大剣を振るう。

 

星もシストルムを展開し、砲塔から放たれるビームで敵の群れを薙ぎ払う。

戦場は混沌を極めつつも、彼らは確実に前進していった。

やがて、奥地に一人の人影が浮かび上がる。

 

「デクター!」

 

翡翠が叫ぶと、デクターは振り返り、ゆったりとお辞儀をした。

「おやおや、これは開拓者の皆さん。ご機嫌よう。まさかラスタリアまで足を運ばれるとは、予想外でしたよ。」

「そうだろうな。お前、今度は何を企んでいる?」

「…特別にお教えしましょう。」

デクターは薄く笑いながら、ゆっくりと腕を広げる。

「私はこれまで、レギオロイドやディーヴァの力を集約し、さらにラスタリアのエネルギーを取り込んできました。そして今!私はこの宇宙そのものへと進化するのです。」

 

「な、なんだって!?」

 

アクセルや御影は驚愕していた。ホタルはそんな二人を尻目に問い詰める。

 

「そんな事が可能なの?ディーヴァはもう存在しない。それにレギオロイドだって…」

「……ホタルさん。貴女は何か忘れていませんか?」

そう言ってデクターは自分の頭に指差した。それを見たホタルはハッとする。

「まさか…今までの戦闘データを…!」

「その通りです。さあ、お見せしましょう…!」

デクターはレガシー形態へと移行すると、躊躇なく自らの身体を分解し始めた。

「な、何だと……!?」

「ふふふ……これこれ我がとっておき!」

 

次の瞬間、デクターは星の核から直接エネルギーを吸収し、その姿を大きく変貌させていく。

彼の身体には巨大な角が生え、片目にはモノクルが輝く。人の顔を持ちながらも、全身の各所には昆虫の脚のような異形の器官が伸び、そこに純白の鎧が融合していく。その姿は、まるで神聖なる天使のようでありながら、どこか異質な禍々しさも感じさせた。

 

「これこそが、私の真の力……!」デクターは両腕を広げ、不敵な笑みを浮かべる。

「さあ、決着をつけましょう……開拓者よ!」

 

 

 

…………………………

 

 

 

「なんだこのプレッシャー……まるで神そのものだ……。」

「神!いいですね、それこそが私の到達点。律者を超越し、世界を統治する神!」

デクターは高らかに笑い、翡翠たちへ向けて強烈な光弾を放つ。

「うおっ!?」

「この世界を統べるために……あなたたちは邪魔だ!」

デクターはその腕から鋭利なエネルギーの剣を形成し、一気に突撃する。

 

「上等だぜ!相手になってやる!」

御影が迎え撃ち、渾身の力で刃を振り下ろす。

しかし、その一撃はデクターの装甲を貫くことはなかった。

「なっ……!?」

「貴様の相手はこの私だ!」

突如、ディペクトがシザークローで御影の攻撃を阻む。

 

「チッ……!」

「おやおや……」

デクターが指を鳴らすと、空間が歪み、強大なエネルギーと共にサム、ディーヴァ、ディウェンゴが召喚される。

「くっ……復活するなんて!」

「……翡翠!こっちは俺たちに任せろ!お前らはデクターを!」

御影は素早く態勢を立て直し、気を高めるとディペクトに強烈な蹴りを叩き込む。その一撃は凄まじい衝撃波を生み、ディペクトは抵抗する間もなく遥か遠く、月面へと吹き飛ばされていった。

 

「サムの相手は任せて!」とホタルは叫び、手元にエネルギーを集約すると、一気に竜巻攻撃を繰り出した。荒れ狂う風がサムを包み込み、彼の動きを封じにかかる。

「私はディウェンゴをやる!」と星は鋭い目つきで宣言し、レールガンを展開。チャージした弾丸が音速を超え、青白い閃光と共に発射された。

「なら、アクセルと私でディーヴァを片付ける!」とゼーレは力強く言い放ち、アクセルと共にディーヴァへと向かう。二人のオーラが共鳴し、戦場に凄まじい圧力が広がる。

 

「翡翠、なのか!頼んだぜ!」

アクセルは拳を握りしめると、二人にサムズアップして気合を込める

「……なのか、行くぞ!」

「うん!」

 

二人も翼を展開し、鋼の刃が光を放つ。剣を構えた彼らの目には、揺るぎない決意が宿っていた。

 

…………………

 

「そこだ!」

 

星は、瞬時に照準を合わせ、胸部に搭載されたシレーンツィオを発射する。エネルギー弾は鋭い軌跡を描き、ディウェンゴの機体へと向かっていった。しかし、ディウェンゴは即座に反応し、強固な腕部装甲で弾き返す。

「くっ…前と同じ手は通用しないか…」

星は歯を食いしばりながら、次の一手を考える。そして、即座にレールガンにマウントされた2本のビームサーベルを引き抜き、接近戦を仕掛けることを決断した。同時に、背部に装備されたハイパードラグーンを起動させる。複数のビームユニットが高速で展開し、四方八方からディウェンゴを包囲するようにビーム攻撃を仕掛けた。

「やあっ!」

星はサーベルを振り下ろした。青白い閃光が宙を裂く。しかし、ディウェンゴはその攻撃を見切っていた。強靭な装甲と精密な動作で、まるで軽々と扱うかのようにサーベルを受け止める。

そしてディウェンゴはその巨大な背部から無数の触手を繰り出し、星に向かって鋭く振り下ろした。

「ひっ…!」

星は咄嗟に身を翻し、かろうじて直撃を避けたものの、胸部の装甲に深い傷を負ってしまった。そして最悪なことに、これによりシレーンツィオが使用不能になってしまう。

 

(このままじゃジリ貧だ…だったら、ここで決める!)

 

星は意を決し、ロストウェポンをサブアームに装着。そのまま勢いよくディウェンゴへと突撃した。

敵の触手が四方八方から飛来し、彼の進行を阻もうとする。しかし星は鋭い動きでそれらを回避し、ついにディウェンゴの眼前、零距離まで接近する。

「これならぁぁぁっ!」

星は全砲門を最大展開し、一気に全弾を解き放った。

轟音と閃光が戦場を包み込み、その圧倒的な攻撃の余波でディウェンゴは蒸発し、完全に消滅した。

「はぁ…はぁ…参ったか!」

肩で息をしながら星は辺りを見回す。しかし、まだ戦いは終わっていない。

 

「…くっ…そうだ、他のみんなは…?」

 

気を引き締め直し、星はすぐさま仲間たちの救援へと駆け出していく。

 

………………

 

 

「おらっ!」

「せやっ!」

ホタル、アクセル、ゼーレの三人は、激しい戦闘の末に、ついにサムとディーヴァを追い詰めていた。戦場に響くのは、金属がぶつかる音と、荒い息遣い。全員が満身創痍ながらも、まだ戦意を失ってはいなかった。

「もうアタシは、絶対に負けたりしない!」

ホタルの瞳が決意に燃える。瞬時に距離を詰め、サムの胸部装甲に剣を突き刺した。衝撃とともに火花が散る。

「この戦い、絶対に負けるわけにはいかないのよ!」

ゼーレも気迫を込めて叫ぶ。彼女の刃が閃き、ディーヴァの防御を切り裂くように襲いかかった。その勢いを受け、ディーヴァはわずかに後退する。

「平和を取り戻す…そのために!」

アクセルもまた、己の全力をぶつけるように、猛然と攻撃を仕掛ける。連携するように、ゼーレとアクセルの連続攻撃がディーヴァを圧倒していく。

 

「ゼーレ、ホタル!同時に仕留めるぞ!」

「ええ!」「うん!」

 

ゼーレは鎌から槍へと武器を持ち替え、高エネルギー出力モジュールを起動。システムが即座に応答し、圧縮粒子を用いたレールガンを形成する。

アクセルは両脚のギガントクロスをリンクさせ、最大出力に調整。エネルギーの波動が装甲表面に満ちていく。

ホタルは4基の高密度エネルギーモジュールをサムに向け、光弾をチャージ。臨界点に達した光が、まるで超新星の如く周囲を煌々と照らした。

 

「ハイドロブレイザー・ギガバーストッ!!」

 

アクセルは、渾身の力を込めてギガントクロスを解放すると同時に、圧倒的なエネルギーを宿した極太のビーム砲を放った。

 

その瞬間、二人も同調するかのように光弾を放ち、それぞれが精密な軌道を描いて飛翔する。ディーヴァとサムに向かって一直線に突き進む光弾は、躊躇なく風穴を開け、鮮やかに命中した。

 

爆発的な閃光が視界を埋め尽くし、戦場は一瞬の静寂に包まれた。

 

「よし!こっちは片付けた!みんな!翡翠たちのもとへ急ぐぞ!」

 

三人は息を整える間もなく、翡翠のもとへと駆け出した。

 

 

 

………………………………

 

「はぁっ!」

 

なのかは蛇腹剣を素早く操り、巧みにデクターの腕へと巻きつけた。その一瞬の隙を逃さず、格闘形態の翡翠が強烈な拳をデクターに叩き込もうとする。

 

「ふっ…」

「効きませんねぇ。」

デクターは微動だにせず、翡翠の拳を片手で受け止める。

次の瞬間、強大な念力が発動し、翡翠の身体は空中へと弾かれる。そのまま制御を失い、なのかのもとへ激突した。

「ぐっ…!こ、こんな力…!」

「前に戦った時とは、まるで別人みたい…!」

「当然でしょう。今までのレギオロイドの戦闘データは、すべて私に統合されている。あなたたちの攻撃パターンなど、すでに解析済みです。」

デクターは不敵に微笑むと、圧倒的な速さで光弾を乱射した。

 

「くっ!」「きゃっ!」

 

閃光が弾け、二人の身体が吹き飛ぶ。一部が直撃を受け、損傷が生じていた。

「修復が遅れてる…!」

「対律者用の再生鈍化プログラムが作動したようですね。」

デクターは冷静に状況を分析しながら、ゆっくりと歩みを進めた。

「ふふふ…驚きましたよ。まさか人工律者であるあなたたちが、ここまで辿り着くとはね。」

「へっ、それはどうも!」

翡翠は高速でレールガンを発射し、デクターの動きを封じようとする。しかし、デクターは驚異的な反射能力でそれを軽々と回避した。

 

「だけど…これならどう!」

 

なのかは即座にドラグーンを展開し、周囲を取り囲むように配置。次の瞬間、四方八方から高エネルギービームが一斉に放たれた。鋭利なビーム刃を備えたドラグーンがデクターへと猛然と襲いかかる。

「くっ…解析データがあっても、ドラグーンは厄介ですね。」

「そりゃそうでしょ!!」

なのかは素早く蛇腹剣の柄を強く握りしめ、刀身が光を帯びる。次の瞬間、それはエネルギー状の大鎌へと変化した。

「これで終わりだ!」

勢いよくデクターへと斬りかかるなのか。

「ふっ、ですが…!」

デクターは瞬時に剣を構え、迎え撃つ。

 

「くっ…!」

翡翠は一瞬の遅れを取り戻そうと素早く剣を構え、瞬時に相手の背後へと移動した。空間を切り裂く鋭い軌跡が光を反射し、閃光のように走る。その刹那、彼は一撃を放つ。

しかし、デクターは微動だにせず、その攻撃を完璧に防御した。さらには、同時に放たれたなのかの精密な攻撃さえも、最小限の動きで受け止める。

「その程度の攻撃では、私には通用しませんよ。」

デクターは不敵な笑みを浮かべながら、一歩前へと踏み込んだ。その動きには、まるで全てを見通しているかのような確信があった。

「ただの連携攻撃だけでは、勝利を掴むことはできないということを、教えてあげましょう!」

翡翠となのかは一瞬視線を交わし、次の戦術を即座に決定する。

なのかは双銃を構え、翡翠は翼をスイングダウンさせ、格闘形態へと移行する。彼の身体からほとばしるエネルギーが、周囲の大気を震わせた。

「そらっ!」

翡翠の拳が風と雷を纏い、猛スピードで連続攻撃を繰り出す。次元をも歪めるかのような猛攻。しかし、デクターはその場にとどまったまま、冷静にそれら全てをいなした。

「ふっ、この程度では!」

次の瞬間、デクターが衝撃波を放つ。圧倒的なエネルギーが翡翠となのかを吹き飛ばし、二人は地面へと倒れ伏した。

 

「うっ…」

「翡翠!」

 

その声に応えるように、アクセルたちは翡翠の元へと駆け寄り、宿敵デクターに向かって攻撃を仕掛ける。

 

「アクセル!」

 

「二人は回復に専念しろ!ここは俺たちに任せろ!」

 

ゼーレは剣と銃を同時に構え、電光石火の速さでデクターへ突撃する。ホタルもまた、二本の天翔剣を瞬時にフラッシュブレードへと融合させ、天翔空破剣の鮮烈な軌跡を描きながら猛然と駆け抜けた。

 

「これで終わりだ!」

アクセルは戦闘ユニットを攻撃形態へと変形させ、異空間より超大型ヒートブレードを召喚する。その膨大な質量をユニットのパワーで支え、一撃必殺の構えを取った。

三方向からの同時攻撃。

しかし、デクターは冷徹な眼差しでそれを見据え、一瞬のうちに徒手空拳で3人を吹き飛ばした。その圧倒的な速度とパワーに、アクセルたちは地面を転がりながら立て直す。

「くっそっ!なんてパワーとスピードだ!翡翠並みだぜ!」

「さあ、もっと楽しませてください。」

デクターは挑発するように微笑みながら手招きする。

 

「へっ…当然だ!こんなところで諦めるかよ!」

 

翡翠は歯を食いしばりながら立ち上がる。なのか達も息を整え、再び戦闘態勢を整えた。

 

決戦の幕は、まだ下りない。





次回、決着。
そして運命の行方は……
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