「遂にデクターとの戦いを終えて、平和なひとときを取り戻したな。」
「ああ、ようやく肩の荷が降り立って感じだな。」
「それじゃあ俺の律者になった武勇伝から…」
「いやいや、俺が律者になった武勇伝を…」
「なんだと御影!」
「なんだとアクセル!」
「「(罵詈雑言)!!」」
「あの2人…」
「……はあ…2人が喧嘩しちゃった…第80話、始まるよー。」
〜御影視点.
「おーい。」
…
「聞こえないのー?」
……聞こえてるよ。
「起きろー。」
………まだ眠いんだよ。
「朝だぞー。起きろー。」
…………
「じゃあサーベルで…」
「おおい!それは洒落にならない!」
俺は飛び起きた。隣を見ると星がニコニコしながら挨拶してきた。
「あはっ、起きた。おはよ御影。」
「お、おはよう…星さっきの台詞はマジか?」
「冗談だよ冗談。」
「ホッ…」
「でも、どうだろうね?」
一瞬、寒気を覚える。一体どこでそんな事を思いついたんだ??
俺は急いで私服に着替えてラウンジに向かう。
「…なんだよ星。今日ってなんかあったか?」
「ううん。なんだか暇だったから出掛けようって思って。」
「あー、なんだそういう事ね。」
最近ショッピングすらまともに行ける時じゃなかったから、こいつはウズウズして行きたそうにしていた。
「分かった。行こう。準備は?」
「バッチリ!」
「んじゃ行くか。」
俺はグループチャットで『買い物行ってくる。多分夜ぐらいに帰るかも。』と連絡しておいた。
…………………
「やってきたよショッピングモール!」
「でけー。」
俺らは地球にあるとあるショッピングモールにやってきた。凄く大きい。
「…こんなとこでショッピングか?」
「うん!今日は激安セールで人がいっぱいだからね!」
「へー。」
言われてみれば人がいっぱい居る。少なくとも一万人以上はモールに出入りしているのが分かる。
「とりあえず全身だよ!御影!レッツゴー!」
「おー。」
乗り気はしないが、星に連れられてモールに向かう。
…人混みがやば過ぎて星と逸れた。僅か1分の間である。
「ああ…めんどくせ。」
俺は何か食べようとレストランに入ろうとする。すると、壁に何かが貼ってあるのが見えた。
『大食い対決!いっぱい食べれば賞金100万円』
これは参加するしかねぇ!
俺は飛び入り参加した。
「さあ、始まりました!第114514回『大食い対決』!」
「おー!」
外野の声が凄まじい。しかもかなりの回数開催されているらしい。
「参加者はこの4人!」
「エントリーNo.1!その小柄な体で連戦連勝!『龍崎智也』!」
「頑張るぜ!」
「エントリーNo.2!その能力で体力を削って料理で回復!『苗木竜星』!」
「よっしゃ、優勝目指すぞ!」
「エントリーNo.3!実はかなりご高齢!『トナティウ!』!」
「1位は俺。」
「エントリーNo.4!今回飛び入り参加!『御影』!」
「優勝目指す。」
「制限時間は30分!それでは開始!」
司会がそう言うと、机に巨大なカツ丼が置かれた。
(で、でけぇ…!)
他のメンツを見ると、既にかなりの量を食べているのが見えた。
俺も続けて食べまくる。
…数分後、カツ丼を食べ終えた。
「よ、よし…」
すると、続けてまたカツ丼が置かれた。
「!?」
「おっと!言い忘れていたが!カツ丼を食べ終えるとまた新たなカツ丼が用意されるぞ!」
「はぁ〜?」
俺はそう言いながらカツ丼を口に運ぶ。
こうなったらヤケだ。いっぱい食ってやるぜ。
…………………………………
〜星視点.
「……居ない…」
私は御影を探すけど、見当たらない。何処行っちゃったんだろう…
もしも御影がレストランでいっぱいご飯を食べてたら…突然飛んできたキツツキに貫かれて爆死しなければいいんだけど…
「ん…?」
私がとあるレストランに目を向ける。
そこには苦しそうな顔でカツ丼を食べ続けている御影の姿が…!?
「うぷっ…」
「タイムアーーーップ!!結果は!『龍崎智也』12杯!『苗木竜星』10杯!『トナティウ』15杯!『御影』16杯!」
「よって!優勝は!飛び入り参加の御影だぁぁぁ!!」
「よっしゃー!」
御影は声高らかにそう叫んだ。
その後、トロフィーと無料サービス券を貰った御影。
「……ん?星?」
御影が私を見ると、とぼけた感じで呟く御影。
「…あ、てか迷ってたんだから連絡ぐらいしろ!こっちはお前の居場所分かんなかったぞ!」
「…ふーん。」
ジト目で御影を見つめる。確かに報連相しなかったのは私が悪いとは思ってる。
「…………」
お互い気まずい空気が場を支配する。
「…なあ、カフェ行かないか。」
「…うん…」
私たちは近くのカフェに足を運ぶ。
最初は険悪なムードだったけど、自然とお互い話し合って仲直りしていた。
「御影。」
「どうした?」
「…平和だね。」
「どうしたんだよいきなり。」
「結構前は、こんな風に楽しくお話もできなかったしさ。」
「…そうだな。」
御影はそう言って微笑んでいた。
私は眩しい日差しを見て微笑んだ。
……お兄ちゃん。
私、しっかりと生きていくから…
私はそう言って、御影の隣を歩いて行った。